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皆さんはイタリアの民族衣装をご存知でしょうか?イタリアの民族衣装は、赤や黒、緑や青などカラフルな生地のベストやスカートに、金糸などを使った豪華な刺繍が施されている華やかな服で、地域によって少しずつ特徴が違っています。
そこで今回は、地域別のイタリアの民族衣装特徴やイベントなどについて紹介していきます。
イタリアとは正式名称を「イタリア共和国」といい、地中海に突き出した長靴のような形のイタリア半島とシチリア島、サルデーニャ島などから成るヨーロッパ南部の国です。首都はローマで、主な言語はイタリア語、通貨はユーロです。イタリアは日本と同じく四季のある国で、夏は暑く乾燥し、冬は温暖で雨の多い気候です。
紀元前1~5世紀にかけて地中海沿岸地域を支配したローマ帝国がイタリアの前身で、後のヨーロッパ文化に大きな影響を与えました。395年にローマ帝国が東西に分かれ、476年にローマ帝国は滅亡します。その後、イタリアでは国土の分裂が長く続きますが、1861年にサルデーニャ王国がイタリアを統一し、イタリア王国が誕生しました。イタリア王国は第一次・第二次世界大戦に参戦しますが、第二次世界大戦で敗戦国となり、1946年に王制を廃止します。その後共和制を宣言し、1948年にイタリア共和国となりました。
イタリアは、14世紀に起きた「人間性重視の自由な文化」といわれるルネサンス発祥の地であり、後の世界史にも大きな影響を与えたといわれています。コロッセオやピサの斜塔などの歴史的建造物や土地などが多く、世界遺産の数が世界一の観光大国として有名です。
歴史の長いイタリアは芸術や音楽の国ともいわれており、ミケランジェロやヴィヴァルディなど多くの芸術家や音楽家を輩出しています。また、イタリアは自然の恵みが豊かで、野菜や果物、肉類や地中海の魚介類、山側の地域で盛んな酪農で得られるチーズなどの乳製品など様々な食材を使った美味しい料理が沢山あり、世界有数の美食の国とも呼ばれています。
歴史が古く、ファッションの国としても有名なイタリアには、どんな民族衣装があるのでしょうか。ここでは、イタリアの民族衣装の特徴や歴史について解説していきます。
イタリアの民族衣装は、地域や集落によってデザインが異なるのが特徴ですが、女性は白いブラウスとロングスカートとエプロンに、ベストやショールを重ねるのが基本スタイルです。男性は、白いシャツ、ベスト、ジャケット、ズボン(長ズボンまたは半ズボン)に腰帯や帽子を付けるのが基本スタイルです。
民族衣装に使われる素材は地域によって違いがあり、山岳地域などの寒い地方はウールやコットンなどの厚手の布を使用し、南部や海沿いなどの暖かい地方では、薄手のコットンや麻などの布を使用しています。また、結婚式や宗教的な儀式などで正装として着られることもあったので、シルクや金糸銀糸などが使用されているものもあります。
イタリアの民族衣装は、中世から歴史的背景や生活様式に合わせて形を変えてきました。
イタリアの民族衣装の起源は古代ローマ時代にあるとされています。当時は、古代ギリシャの様式を取り入れた衣装が着られていました。特徴的なのは男性が着ていた「トガ」と呼ばれる1枚の大きな布を体に巻き付ける形の民族衣装で、身分によって素材や色、装飾の有無が決められていたそうです。
ローマ帝国が滅亡した後のイタリア半島は複数の国が集まっていたため、それぞれの国の特色が民族衣装にも反映されていきました。
また、イタリアの民族衣装にはキリスト教も大きく関わっています。イタリア半島の国々では、国教をカトリック教としている国が多くありました。イタリアは刺繍技術の高い国だったので、民族衣装には宗教的な意味や願いが込められた刺繍が多く施されるようになります。中世期には金糸を使った刺繍が施され、ルネサンス期には刺繍の芸術性が高まっていきました。
イタリアは、貿易で多くの国との関りが強い国でした。特に港町の民族衣装はカラフルな生地や豪華な刺繍が使われていますが、これは港町が地中海交易の場であったことから、スペインやアラブなどの外国の文化が取り入れられたからだといわれています。
このように、イタリアの生活共にあった民族衣装ですが、第二次世界大戦以降はほとんど着られなくなりました。
イタリアの民族衣装は、地域によって異なる特徴が見られます。例えば、山岳地域では、ウールなどの厚手の素材で落ち着いた色合いの民族衣装、南部や港町では、コットンなどの軽やかな素材で鮮やかな色合いであるなどです。そこで今回は、地域別の民族衣装について詳しく紹介していきます。
サルデーニャ島とは地中海にある島で、カラフルな民族衣装で有名な島です。サルデーニャ島では、1950年代まで民族衣装を日常的に着ており、現在でもお祭り際に民族衣装が着られています。カラフルで豪華なのが特徴で、特に女性の衣装には多くの装飾が施されています。
女性の民族衣装は、白いブラウスに大きなレースの襟がついたものに黒いベストや金糸やカラフルな糸で豪華な刺繡を施された丈の短いジャケットを重ね、深紅や紫、濃紺、緑をベースとしたスカートに花柄や細かい刺繍で飾られたエプロンを重ねたスタイルです。頭にはレースや刺繍入りのスカーフを被り、胸元にはネックレスやブローチなどの装飾品が身に付けられます。
男性の民族衣装は、白いシャツに黒や紺、深緑などのベストや刺繡入りのジャケットを重ね、白い長ズボンの上に濃紺や黒などの短いスカートを付けたスタイルで、腰には赤い腰帯を付けるのが特徴です。頭には独特なフードのような形の帽子を被り、足元は黒いブーツを履きます。
サルデーニャ島内でも、村ごとに色や装飾が異なるので、色や模様でどの村出身なのか分かるのだそうです。
グレッソネイとは、イタリア北部にあるアオスタ渓谷にある地域です。寒い地域なので、厚手のウールやコットンが使用され、装飾はサルデーニャ島よりもシンプルなのが特徴です。
女性の民族衣装は、白いブラウスに胸前が開いた赤いドレスを重ね、紋様のような大きな刺繍入りの胸当て(プラストロン)と黒いエプロンを合わせるスタイルです。頭にはリボンで留める金色の扇形の装飾が付いた帽子を付け、足元は白いタイツに黒い靴を履きます。
男性の民族衣装は、白いシャツに赤や黒のベストを重ね、黒いジャケットや白地で赤・緑・黒の縁取りが入ったジャケットを羽織り、黒い長ズボンや膝下丈のズボンを履くスタイルです。頭には、花やリボンなどで飾られた黒い中折れハットを被り、足元は白い靴下と黒い靴を履きます。地域によっては、胸元にカラフルな蝶ネクタイを付けることもあります。
アブルッツォ州の山奥にあるスカンノという地域の女性用民族衣装は、全身黒を基調としているのが特徴です。黒の長袖のブラウスに黒のロングスカートを合わせたスタイルで、袖の部分がふんわりとしており、スカートはプリーツが入ったデザインです。スカートの上に色のある巻きスカートを履く場合もあり、日常ではコットンやウールのあまり派手ではない色合いの巻きスカートを、お祭りなどの特別な日には、シルク製の金や銀、黄色や水色などのカラフルな巻きスカートを着用します。
頭には円筒形の黒い帽子を被ります。カジュアルなシーンでは大きな黒い布を頭に巻き、結婚式には明るい色の帽子、お祭りや宗教行事では、白や赤、青、茶色などの帽子を被ります。
イタリアでは、民族衣装を着て参加するイベントがいくつかあります。ここでは、イタリアで有名な民族衣装のイベントを紹介していきましょう。
サルデーニャ島では、毎年5月1日に「聖エフィジオ祭」という宗教祭が行われています。「聖エフィジオ祭」とは、かつてサルデーニャでペストが蔓延したとき、聖エフィジオが救済を求めて誓約を建てたところ被害が収まったため、これを祝って1657年頃から始まったとされるお祭りです。「聖エフィジオ祭」では、サルデーニャ島の各地から開催地であるカリアリに人が集まり、それぞれの町や村の民族衣装に身を包み、山車と一緒にパレードをします。様々な民族衣装が見られるため、多くの人たちが観光に訪れるサルデーニャ最大のお祭りです。
ヴェネチアのカーニバルは、毎年2月頃に2週間かけて行われるイタリア最大のカーニバルです。12世紀ごろ、イタリアがヴェネチア共和国であった時代に戦争で勝利したことを祝って町の人たちが広場などで踊ったのが始まりだといわれています。ルネサンス期に公式のお祭りとなりましたが、当時は貴族と平民の身分差が激しかったため、仮面で顔を隠すことで身分の隔てを超えて交流できるようになったとされています。このカーニバルでは、中世の貴族を模した豪華な衣装に独特な仮面を着て仮面舞踏会や水上パレードなどに参加します。
イタリアの民族衣装は、かつては普段着として着られていましたが、現在ではカーニバルや宗教行事、「タランテッラ」や「サルタレッロ」などの民族舞踊の衣装などで着用されています。
また、地域によっては結婚式の正装として着用されています。テラモ県周辺では、結婚式に町の人たちがお祝いで披露する「ラッチョ・ダモーレ」と呼ばれる伝統的な音楽と踊りがあり、民族衣装を着て踊ります。
中世~ルネサンス期の服飾が基礎となっているイタリアの民族衣装。歴史の古いイタリアは、フランスやスイス、オーストリア、スロベニアと隣接し地中海に面しているため、歴史上多くの国の影響を受けてきた背景があります。また、国内にバチカン市国があり、主要な宗教をカトリック教としているため、カトリックの文化も根付いている国です。そのため、民族衣装にはこれらの影響が色濃く表れており、イタリアの歴史と宗教の象徴となっていると言えます。イタリアの観光地では民族衣装を着ることのできる場所もあるので、民族衣装を通してイタリアの歴史や文化を感じてみてはいかがでしょうか。
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皆さんはイタリアの民族衣装をご存知でしょうか?
イタリアの民族衣装は、赤や黒、緑や青などカラフルな生地のベストやスカートに、金糸などを使った豪華な刺繍が施されている華やかな服で、地域によって少しずつ特徴が違っています。
そこで今回は、地域別のイタリアの民族衣装特徴やイベントなどについて紹介していきます。
目次
イタリアってどんな国?
イタリアとは正式名称を「イタリア共和国」といい、地中海に突き出した長靴のような形のイタリア半島とシチリア島、サルデーニャ島などから成るヨーロッパ南部の国です。
首都はローマで、主な言語はイタリア語、通貨はユーロです。
イタリアは日本と同じく四季のある国で、夏は暑く乾燥し、冬は温暖で雨の多い気候です。
イタリアの歴史
紀元前1~5世紀にかけて地中海沿岸地域を支配したローマ帝国がイタリアの前身で、後のヨーロッパ文化に大きな影響を与えました。
395年にローマ帝国が東西に分かれ、476年にローマ帝国は滅亡します。
その後、イタリアでは国土の分裂が長く続きますが、1861年にサルデーニャ王国がイタリアを統一し、イタリア王国が誕生しました。
イタリア王国は第一次・第二次世界大戦に参戦しますが、第二次世界大戦で敗戦国となり、1946年に王制を廃止します。
その後共和制を宣言し、1948年にイタリア共和国となりました。
イタリアの文化
イタリアは、14世紀に起きた「人間性重視の自由な文化」といわれるルネサンス発祥の地であり、後の世界史にも大きな影響を与えたといわれています。
コロッセオやピサの斜塔などの歴史的建造物や土地などが多く、世界遺産の数が世界一の観光大国として有名です。
歴史の長いイタリアは芸術や音楽の国ともいわれており、ミケランジェロやヴィヴァルディなど多くの芸術家や音楽家を輩出しています。
また、イタリアは自然の恵みが豊かで、野菜や果物、肉類や地中海の魚介類、山側の地域で盛んな酪農で得られるチーズなどの乳製品など様々な食材を使った美味しい料理が沢山あり、世界有数の美食の国とも呼ばれています。
イタリアの民族衣装とは?
歴史が古く、ファッションの国としても有名なイタリアには、どんな民族衣装があるのでしょうか。
ここでは、イタリアの民族衣装の特徴や歴史について解説していきます。
イタリアの民族衣装の特徴
イタリアの民族衣装は、地域や集落によってデザインが異なるのが特徴ですが、女性は白いブラウスとロングスカートとエプロンに、ベストやショールを重ねるのが基本スタイルです。
男性は、白いシャツ、ベスト、ジャケット、ズボン(長ズボンまたは半ズボン)に腰帯や帽子を付けるのが基本スタイルです。
民族衣装に使われる素材は地域によって違いがあり、山岳地域などの寒い地方はウールやコットンなどの厚手の布を使用し、南部や海沿いなどの暖かい地方では、薄手のコットンや麻などの布を使用しています。
また、結婚式や宗教的な儀式などで正装として着られることもあったので、シルクや金糸銀糸などが使用されているものもあります。
イタリアの民族衣装の起源と背景
イタリアの民族衣装は、中世から歴史的背景や生活様式に合わせて形を変えてきました。
イタリアの民族衣装の起源は古代ローマ時代にあるとされています。
当時は、古代ギリシャの様式を取り入れた衣装が着られていました。
特徴的なのは男性が着ていた「トガ」と呼ばれる1枚の大きな布を体に巻き付ける形の民族衣装で、身分によって素材や色、装飾の有無が決められていたそうです。
ローマ帝国が滅亡した後のイタリア半島は複数の国が集まっていたため、それぞれの国の特色が民族衣装にも反映されていきました。
また、イタリアの民族衣装にはキリスト教も大きく関わっています。
イタリア半島の国々では、国教をカトリック教としている国が多くありました。
イタリアは刺繍技術の高い国だったので、民族衣装には宗教的な意味や願いが込められた刺繍が多く施されるようになります。
中世期には金糸を使った刺繍が施され、ルネサンス期には刺繍の芸術性が高まっていきました。
イタリアは、貿易で多くの国との関りが強い国でした。
特に港町の民族衣装はカラフルな生地や豪華な刺繍が使われていますが、これは港町が地中海交易の場であったことから、スペインやアラブなどの外国の文化が取り入れられたからだといわれています。
このように、イタリアの生活共にあった民族衣装ですが、第二次世界大戦以降はほとんど着られなくなりました。
イタリアの民族衣装の地域別特徴
イタリアの民族衣装は、地域によって異なる特徴が見られます。
例えば、山岳地域では、ウールなどの厚手の素材で落ち着いた色合いの民族衣装、南部や港町では、コットンなどの軽やかな素材で鮮やかな色合いであるなどです。
そこで今回は、地域別の民族衣装について詳しく紹介していきます。
サルデーニャ島の民族衣装
サルデーニャ島とは地中海にある島で、カラフルな民族衣装で有名な島です。
サルデーニャ島では、1950年代まで民族衣装を日常的に着ており、現在でもお祭り際に民族衣装が着られています。
カラフルで豪華なのが特徴で、特に女性の衣装には多くの装飾が施されています。
女性の民族衣装は、白いブラウスに大きなレースの襟がついたものに黒いベストや金糸やカラフルな糸で豪華な刺繡を施された丈の短いジャケットを重ね、深紅や紫、濃紺、緑をベースとしたスカートに花柄や細かい刺繍で飾られたエプロンを重ねたスタイルです。
頭にはレースや刺繍入りのスカーフを被り、胸元にはネックレスやブローチなどの装飾品が身に付けられます。
男性の民族衣装は、白いシャツに黒や紺、深緑などのベストや刺繡入りのジャケットを重ね、白い長ズボンの上に濃紺や黒などの短いスカートを付けたスタイルで、腰には赤い腰帯を付けるのが特徴です。
頭には独特なフードのような形の帽子を被り、足元は黒いブーツを履きます。
サルデーニャ島内でも、村ごとに色や装飾が異なるので、色や模様でどの村出身なのか分かるのだそうです。
グレッソネイの民族衣装
グレッソネイとは、イタリア北部にあるアオスタ渓谷にある地域です。
寒い地域なので、厚手のウールやコットンが使用され、装飾はサルデーニャ島よりもシンプルなのが特徴です。
女性の民族衣装は、白いブラウスに胸前が開いた赤いドレスを重ね、紋様のような大きな刺繍入りの胸当て(プラストロン)と黒いエプロンを合わせるスタイルです。
頭にはリボンで留める金色の扇形の装飾が付いた帽子を付け、足元は白いタイツに黒い靴を履きます。
男性の民族衣装は、白いシャツに赤や黒のベストを重ね、黒いジャケットや白地で赤・緑・黒の縁取りが入ったジャケットを羽織り、黒い長ズボンや膝下丈のズボンを履くスタイルです。
頭には、花やリボンなどで飾られた黒い中折れハットを被り、足元は白い靴下と黒い靴を履きます。
地域によっては、胸元にカラフルな蝶ネクタイを付けることもあります。
スカンノの民族衣装
アブルッツォ州の山奥にあるスカンノという地域の女性用民族衣装は、全身黒を基調としているのが特徴です。
黒の長袖のブラウスに黒のロングスカートを合わせたスタイルで、袖の部分がふんわりとしており、スカートはプリーツが入ったデザインです。
スカートの上に色のある巻きスカートを履く場合もあり、日常ではコットンやウールのあまり派手ではない色合いの巻きスカートを、お祭りなどの特別な日には、シルク製の金や銀、黄色や水色などのカラフルな巻きスカートを着用します。
頭には円筒形の黒い帽子を被ります。
カジュアルなシーンでは大きな黒い布を頭に巻き、結婚式には明るい色の帽子、お祭りや宗教行事では、白や赤、青、茶色などの帽子を被ります。
イタリアの民族衣装のイベント
イタリアでは、民族衣装を着て参加するイベントがいくつかあります。
ここでは、イタリアで有名な民族衣装のイベントを紹介していきましょう。
サルデーニャ島の聖エフィジオ祭
サルデーニャ島では、毎年5月1日に「聖エフィジオ祭」という宗教祭が行われています。
「聖エフィジオ祭」とは、かつてサルデーニャでペストが蔓延したとき、聖エフィジオが救済を求めて誓約を建てたところ被害が収まったため、これを祝って1657年頃から始まったとされるお祭りです。
「聖エフィジオ祭」では、サルデーニャ島の各地から開催地であるカリアリに人が集まり、それぞれの町や村の民族衣装に身を包み、山車と一緒にパレードをします。
様々な民族衣装が見られるため、多くの人たちが観光に訪れるサルデーニャ最大のお祭りです。
ヴェネチアのカーニバル
ヴェネチアのカーニバルは、毎年2月頃に2週間かけて行われるイタリア最大のカーニバルです。
12世紀ごろ、イタリアがヴェネチア共和国であった時代に戦争で勝利したことを祝って町の人たちが広場などで踊ったのが始まりだといわれています。
ルネサンス期に公式のお祭りとなりましたが、当時は貴族と平民の身分差が激しかったため、仮面で顔を隠すことで身分の隔てを超えて交流できるようになったとされています。
このカーニバルでは、中世の貴族を模した豪華な衣装に独特な仮面を着て仮面舞踏会や水上パレードなどに参加します。
イタリアの民族衣装の着用シーン
イタリアの民族衣装は、かつては普段着として着られていましたが、現在ではカーニバルや宗教行事、「タランテッラ」や「サルタレッロ」などの民族舞踊の衣装などで着用されています。
また、地域によっては結婚式の正装として着用されています。
テラモ県周辺では、結婚式に町の人たちがお祝いで披露する「ラッチョ・ダモーレ」と呼ばれる伝統的な音楽と踊りがあり、民族衣装を着て踊ります。
イタリアの民族衣装は歴史や信仰の象徴
中世~ルネサンス期の服飾が基礎となっているイタリアの民族衣装。
歴史の古いイタリアは、フランスやスイス、オーストリア、スロベニアと隣接し地中海に面しているため、歴史上多くの国の影響を受けてきた背景があります。
また、国内にバチカン市国があり、主要な宗教をカトリック教としているため、カトリックの文化も根付いている国です。
そのため、民族衣装にはこれらの影響が色濃く表れており、イタリアの歴史と宗教の象徴となっていると言えます。
イタリアの観光地では民族衣装を着ることのできる場所もあるので、民族衣装を通してイタリアの歴史や文化を感じてみてはいかがでしょうか。
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