50周年の挨拶

2026年12月冬至にアミナコレクションは50周年を迎えます。

50周年というのは創業から半世紀、社内でのたゆまぬ取組の積み重ね、そして社外のあらゆるサポートがあってこそ成り立ってきたので、まずは感謝、第二にも感謝、それを社内外に表明する場と感じています。
そして次の10年20年、どういう価値観でどう歩みを進めるのか、というビジョンを示す場でもあります。

それらは大前提でありながら、どの経営者もそうでしょうし、創業者である父もそうであったし、二代目の私も実際には不完全で生身の人間の1人です。外から見える華々しい高揚感はごくまれで、絶え間ない葛藤や艱難辛苦を味わい、泥まみれになりながら活路を見出してきたのが実際です。そしてこれからの時代の不透明さや変化の速さを考えると、これまでのノウハウやビジネスモデルだけでは通用しなくなるでしょう。
でも答えが用意されているわけでもありません。結局のところ、これからも10年20年も泥まみれにもがく先にしか生き残る方法は見いだせないのだろう、と覚悟している次第です。

そのような捨て身の心持ちで商売環境の浮き沈みに取り組んでいく中でも、闇に光が蘇るような、もしくは、泥から咲く蓮のような、何か前を向くエネルギーが実在していて、その核となっているのが、やはり社是であり創業の理念であるWALK WITH THE SUNです。

WALK_WITH_THE_SUN

WALK WITH THE SUNは、民俗文化に傾倒し人生のライフワークとした創業者の深い造詣と強い想いから生まれた詩的な言葉です。民俗文化というのは地域ごとの自然、地理的な制約によって育まれた文化です。
WALK WITH THE SUNは民俗文化の根にある自然と共に歩んだ人間の心、その底力を見つめ直していこう、というメッセージなのです。

そこまで深く考えなくても、太陽と共に歩く、という言葉通りのイメージや情感の広がりを感じ取ってみるだけでも十分、何かが伝わります。

そしてそれは近代に対するアンチテーゼでもあります。工業化や近代社会システムの拡充により、利便性も増していき安全安心の担保も強まっているのかもしれません。
しかしながら合理性を強く拠り所にした近代というのは、どこか自然の一部である人間には息苦しく、生の実感が伴わないことも多いとも感じます。人類が真に豊かになってきたかは半信半疑で、近代以前の慣習や価値観に失ってはいけない豊かさ、生きていくための底力が潜んでいたりします。

どちらかが100%正しいという極論を言うつもりはなく、近代以前にあった豊かさにも立ち返りながら、近代の先の未来を見出していく、そういうきっかけのようなものを私達が商売を通じて届けられればうれしいと思ってます。

私達はいろいろな事業をやっているように見えますが、全てのブランド事業のコンセプトは民俗文化に根付いています。いろいろやっているようで、やっていることは民俗文化を拠り所にした活動だけです。
その活動は、お客様のみならず人類の文化や地域産業を活気づける力があります。これまでも、これからも、「人類社会の活性化」がWALK WITH THE SUNの活動目的であり、私達が身を挺することで時代に好循環をもたらしていきます。

私は会社を成長させようとか、あまり考えたことがありません。
成長戦略ではなく、生存戦略を大事にしてきました。
時代の変化を超えて生存し、活動を継続していくことに価値を感じます。
そのためには時代に適応して変化していかねばなりません。
ただ創業の想いであるWALK WITH THE SUNは変わらない。その想いに連なって形成されてきた社風や企業文化についても、変化しつつもどこか創業からの連続性を感じられるように。

それらを踏まえつつ次の10年では、あらゆる浮き沈みに対して社内に不可逆的に好循環を創出し続けていけるような、そんな仕組みや社風を文化レベルで持つ企業組織を、コツコツと作っていきます。

2026年12月冬至に50周年を迎えると申しました。
冬至というのは、日照時間が年で1番短くなる日であり、太陽の力が1番弱まる日です。逆に言えば、そこから太陽の力がますます強まっていく日とも言えます。50周年の次の10年20年もWALK WITH THE SUN、ますます私達の活動が人類社会に光をもたらしていけますように。

長々と腹の底に感じ入っている、もしくは煮えたぎった想いを書き連ねましたが、それを基に作られた50周年特設HPの冒頭あいさつ文をご紹介させていただき、締めさせていただきます。

WALK WITH THE SUN

50年間、創業の想いをぶらさず、活動を継続することができました。
ともに歩んでくれた仲間、そして関わってくださった全ての皆さまに感謝申し上げます。

私達の民俗文化に根ざした活動は、
お客様のみならず人類の文化や地域産業を活気づける力があります。
「人類社会の活性化」がこれまでもこれからもWALK WITH THE SUN の活動目的であり、
私達が身を挺することで時代に好循環をもたらしていきます。

変化しないものは滅びる
生き残るために変化する
ただし想いは変わらない、を胸に

活動の継続、それ自体に価値があると信じ、20年先を見据えた次の10年。
これからも、歩みを続けてまいります。

統括プロフィール画像

筆者プロフィール:進藤さわと

アミナコレクション創業者 進藤幸彦の次男坊。2010年に社長に就任。
1975年生まれ。自然と歴史と文化、それを巡る旅が好き。


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