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ディズニー映画「リメンバー・ミー」の舞台となったメキシコ。独特の世界観に心奪われた人も多いのではないでしょうか。この記事では、メキシコに旅行するなら知っておきたいスペイン語の挨拶やフレーズについて詳しく解説します。
挨拶や簡単な表現を覚えておくと、現地の人とコミュニケーションがとれるので、とてもおすすめですよ。メキシコに興味がある人やメキシコに行ってみたい人はぜひ参考にしてください。
実は、メキシコには国が定めた公用語がありません。
公用語はありませんが、メキシコの言語に関する規定では、「スペイン語と、ナワトル語を含む68の先住民族言語がメキシコの言語である」と定められています。メキシコは、世界で母国語が最も多い国の1つなんですよ。
ここでは、メキシコでスペイン語が主要言語になっている理由や、先住民族の言葉ナワトル語について解説します。
メキシコでは、人口の9割以上がスペイン語を話しているとされていますが、なぜスペイン語がメキシコの主要言語となっているのでしょうか?
それは、メキシコがかつてスペイン領だった歴史があるからです。
1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見すると、スペイン人やポルトガル人による大陸への侵略が始まります。1519年にスペイン人エルナン・コルテス率いるスペイン軍がメキシコに上陸、アステカ帝国への侵略を開始しました。そして1521年にティノチティトラン(現在のメキシコ・シティ)が征服されると、アステカ帝国は滅亡します。
その後、メキシコは約300年にわたりスペインの植民地となり、スペイン人と先住民であるインディヘナ(インディオ)との混血(メスティーソ)が進みました。こうして先住民(インディヘナ)の伝統や風俗とスペイン文化が融合した、独特の混血文化が形成されました。
ナワトル語は、アステカ帝国で使われていた言語です。北アメリカ最大の先住民語で、現在でも約170万人がナワトル語を話し、メヒコ州やイダルゴ州など幅広い地域で使われています。
メキシコ国民の大多数が使うスペイン語にも影響を与えていて、ナワトル語由来の言葉がたくさんあります。
たとえば、国名の「メキシコ(スペイン語の読み方は”メヒコ”)」。ナワトル語で「月」を意味するMetzitli、「中心、へそ」を意味するXictli、「場所」を意味するCoを由来としており、「月のへその場所」という意味があります。
ナワトル語由来のスペイン語が多いのは、スペイン人がメキシコを征服する上で先住民と共存しようとした結果と言われています。
自国の言語を強要するのではなく、ナワトル語をスペイン語に置き換えようとしたりそのまま採用したりして、先住民の言葉も大切にしようとしたのですね。
メキシコの人口約1億3000万人のうち、10パーセントが50以上の先住民族です。
ナワトル以外にも、マヤ、ミシュテカ、ツェルタル、チョル、トトナカ、マサテコ、ミステコ、サポテコ、オトミ、ツォッイルなど、68種類の先住民言語が使用されていて、メキシコの母国語として認められています。
先住民の権利を守る姿勢が、メキシコが世界で母国語が最も多い国の1つとなっている理由でしょう。
メキシコでは、挨拶としてキスをする習慣があります。「beso(ベソ)」と呼ばれ、スペインや他のラテンアメリカの国々でも見られる習慣です。他人に触れることがあまりない日本人の常識からすると、ビックリしてしまいますね。
スペインでは両頬に1回ずつキスしますが、メキシコのベソのやり方は、相手の右側の頬に一度だけします。キスと言っても実際に相手の頬に唇をつけるわけではなく、頬と頬を軽くつけて、チュッと口で音だけを出していることがほとんどです。
さらに、誰にでも挨拶でキスをするわけではなく、男女間や女性同士の親しい人限定なので注意しましょう。
ただ、例外で初対面でも挨拶のキスをすることも。仲のいい友達に紹介してもらった時や仲間意識の強いコミュニティーに参加する時は、「身内・仲間ですよ」という意味を込めて初対面でもキスで挨拶することがあります。
みなさんもメキシコに行く機会があったら、「郷に入っては郷に従え」と思ってチャレンジしてみてはいかがですか?
スペイン語の発音は日本語と似ている音が多いので、日本人には聞きやすいのではないでしょうか。また、スペイン語はイタリア語と似ているため、アルファベットをローマ字読みすれば、ほぼ読むことができます。メキシコでよく使われる挨拶をまとめました。
「¡Hola!(オラ)」は、どんな場面や時間帯でも気軽に使える挨拶です。英語の「Hello!」と同じ意味です。スペイン語の”h”は発音しないので気をつけましょう。
「Adiós(アディオス)」と「 Ciao(チャオ)」は、どちらも別れ際の挨拶です。ただし、「Adiós」は、文字通り日本語の「さようなら」に近いので、帰国前の挨拶など改まった別れの時に使われます。メキシコでは、「またね」というニュアンスの「 Ciao」のほうがよく使われています。
メキシコへ旅行した時に役立つフレーズをまとめました。全部覚えるのは難しいかもしれませんが、旅行をより楽しめるように少しでも覚えてみましょう。
ここでは、メキシコ特有のスペイン語表現を紹介します。メキシコで現地の方とコミュニケーションをとる時に、こんなフレーズを使えると距離がグッと縮まるかもしれません。
親しい間柄のメキシコ人が出会ってはじめに使う表現で、英語でいう「What's up」に当たります。「調子はどうだい?」と尋ねたり、「どうしたの?」と言う意味としても使ったりすることができます。
スペイン語の「¿Cómo?(コモ)」と同じ意味ですが、メキシコのみで使われる表現です。相手の言葉が聞き取れなかった場合に「何と言いましたか?」や「はい?」というふうに聞き返す時に使われます。
日本語で「やばい」という言葉が、良い意味と悪い意味の2通りに使われるようになってきていますが、メキシコでいい意味の「やばい」に相当するフレーズです。「お前、やばいな!」「すごく格好いいな!」という時に使われます。
みなさんは、スペイン語の表現を紹介するなかで「びっくりマーク」や「はてなマーク」が文章のはじめに逆さまにつけられていることに気づきましたか?私も初めてスペイン語の疑問文を見たときには、とても驚きました!
この逆さまのマーク「¡」「¿」は「逆感嘆符・逆疑問符」といって、感嘆文や疑問文の頭に付けられます。疑問文を作るときは、「¿」と「?」で文章をはさむのです。
逆感嘆符・逆疑問符は、1754年に制定された「正書法」によって、スペイン語に正式に導入されました。スペイン語と同じラテン語から派生した言語はフランス語、イタリア語、ポルトガル語がありますが、どの言語にも逆感嘆符・逆疑問符は存在しないそうです。
スペイン語にしかない逆感嘆符と逆疑問符。特殊な記号でとても面白いですね。
「リメンバー・ミー」で描かれた世界観そのままに、色彩にあふれた陽気な国メキシコ。
今回は、そんなメキシコで使われているスペイン語について、簡単な挨拶や旅行で使えるフレーズ、メキシコ特有のスペイン語表現を紹介しました。
メキシコに旅行する機会があったら、この記事で紹介した簡単なスペイン語フレーズを覚えて使ってみましょう。挨拶の時に「beso」にも挑戦してみてくださいね。
ディズニー映画「リメンバー・ミー」の舞台となったメキシコ。独特の世界観に心奪われた人も多いのではないでしょうか。
この記事では、メキシコに旅行するなら知っておきたいスペイン語の挨拶やフレーズについて詳しく解説します。
挨拶や簡単な表現を覚えておくと、現地の人とコミュニケーションがとれるので、とてもおすすめですよ。
メキシコに興味がある人やメキシコに行ってみたい人はぜひ参考にしてください。
目次
メキシコの言語とは
実は、メキシコには国が定めた公用語がありません。
公用語はありませんが、メキシコの言語に関する規定では、「スペイン語と、ナワトル語を含む68の先住民族言語がメキシコの言語である」と定められています。
メキシコは、世界で母国語が最も多い国の1つなんですよ。
ここでは、メキシコでスペイン語が主要言語になっている理由や、先住民族の言葉ナワトル語について解説します。
メキシコでスペイン語が主要言語なのはなぜ?
メキシコでは、人口の9割以上がスペイン語を話しているとされていますが、なぜスペイン語がメキシコの主要言語となっているのでしょうか?
それは、メキシコがかつてスペイン領だった歴史があるからです。
1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見すると、スペイン人やポルトガル人による大陸への侵略が始まります。
1519年にスペイン人エルナン・コルテス率いるスペイン軍がメキシコに上陸、アステカ帝国への侵略を開始しました。そして1521年にティノチティトラン(現在のメキシコ・シティ)が征服されると、アステカ帝国は滅亡します。
その後、メキシコは約300年にわたりスペインの植民地となり、スペイン人と先住民であるインディヘナ(インディオ)との混血(メスティーソ)が進みました。
こうして先住民(インディヘナ)の伝統や風俗とスペイン文化が融合した、独特の混血文化が形成されました。
ナワトル語の存在
ナワトル語は、アステカ帝国で使われていた言語です。北アメリカ最大の先住民語で、現在でも約170万人がナワトル語を話し、メヒコ州やイダルゴ州など幅広い地域で使われています。
メキシコ国民の大多数が使うスペイン語にも影響を与えていて、ナワトル語由来の言葉がたくさんあります。
たとえば、国名の「メキシコ(スペイン語の読み方は”メヒコ”)」。ナワトル語で「月」を意味するMetzitli、「中心、へそ」を意味するXictli、「場所」を意味するCoを由来としており、「月のへその場所」という意味があります。
ナワトル語由来のスペイン語が多いのは、スペイン人がメキシコを征服する上で先住民と共存しようとした結果と言われています。
自国の言語を強要するのではなく、ナワトル語をスペイン語に置き換えようとしたりそのまま採用したりして、先住民の言葉も大切にしようとしたのですね。
その他の地域言語
メキシコの人口約1億3000万人のうち、10パーセントが50以上の先住民族です。
ナワトル以外にも、マヤ、ミシュテカ、ツェルタル、チョル、トトナカ、マサテコ、ミステコ、サポテコ、オトミ、ツォッイルなど、68種類の先住民言語が使用されていて、メキシコの母国語として認められています。
先住民の権利を守る姿勢が、メキシコが世界で母国語が最も多い国の1つとなっている理由でしょう。
メキシコの挨拶文化~挨拶の時キスをする⁉
メキシコでは、挨拶としてキスをする習慣があります。「beso(ベソ)」と呼ばれ、スペインや他のラテンアメリカの国々でも見られる習慣です。
他人に触れることがあまりない日本人の常識からすると、ビックリしてしまいますね。
スペインでは両頬に1回ずつキスしますが、メキシコのベソのやり方は、相手の右側の頬に一度だけします。
キスと言っても実際に相手の頬に唇をつけるわけではなく、頬と頬を軽くつけて、チュッと口で音だけを出していることがほとんどです。
さらに、誰にでも挨拶でキスをするわけではなく、男女間や女性同士の親しい人限定なので注意しましょう。
ただ、例外で初対面でも挨拶のキスをすることも。仲のいい友達に紹介してもらった時や仲間意識の強いコミュニティーに参加する時は、「身内・仲間ですよ」という意味を込めて初対面でもキスで挨拶することがあります。
みなさんもメキシコに行く機会があったら、「郷に入っては郷に従え」と思ってチャレンジしてみてはいかがですか?
メキシコでの一般的な挨拶
スペイン語の発音は日本語と似ている音が多いので、日本人には聞きやすいのではないでしょうか。また、スペイン語はイタリア語と似ているため、アルファベットをローマ字読みすれば、ほぼ読むことができます。
メキシコでよく使われる挨拶をまとめました。
「¡Hola!(オラ)」は、どんな場面や時間帯でも気軽に使える挨拶です。英語の「Hello!」と同じ意味です。スペイン語の”h”は発音しないので気をつけましょう。
「Adiós(アディオス)」と「 Ciao(チャオ)」は、どちらも別れ際の挨拶です。ただし、「Adiós」は、文字通り日本語の「さようなら」に近いので、帰国前の挨拶など改まった別れの時に使われます。メキシコでは、「またね」というニュアンスの「 Ciao」のほうがよく使われています。
旅行で使えるフレーズ
メキシコへ旅行した時に役立つフレーズをまとめました。
全部覚えるのは難しいかもしれませんが、旅行をより楽しめるように少しでも覚えてみましょう。
距離が縮まるかもしれないフレーズ
ここでは、メキシコ特有のスペイン語表現を紹介します。
メキシコで現地の方とコミュニケーションをとる時に、こんなフレーズを使えると距離がグッと縮まるかもしれません。
¿Qué onda?(ケ・オンダ)
親しい間柄のメキシコ人が出会ってはじめに使う表現で、英語でいう「What's up」に当たります。「調子はどうだい?」と尋ねたり、「どうしたの?」と言う意味としても使ったりすることができます。
¿Mande?(マンデ)
スペイン語の「¿Cómo?(コモ)」と同じ意味ですが、メキシコのみで使われる表現です。
相手の言葉が聞き取れなかった場合に「何と言いましたか?」や「はい?」というふうに聞き返す時に使われます。
¡Qué chingon!(ケ チンゴン)
日本語で「やばい」という言葉が、良い意味と悪い意味の2通りに使われるようになってきていますが、メキシコでいい意味の「やばい」に相当するフレーズです。
「お前、やばいな!」「すごく格好いいな!」という時に使われます。
スペイン語特有の逆感嘆符・逆疑問符
みなさんは、スペイン語の表現を紹介するなかで「びっくりマーク」や「はてなマーク」が文章のはじめに逆さまにつけられていることに気づきましたか?
私も初めてスペイン語の疑問文を見たときには、とても驚きました!
この逆さまのマーク「¡」「¿」は「逆感嘆符・逆疑問符」といって、感嘆文や疑問文の頭に付けられます。疑問文を作るときは、「¿」と「?」で文章をはさむのです。
逆感嘆符・逆疑問符は、1754年に制定された「正書法」によって、スペイン語に正式に導入されました。
スペイン語と同じラテン語から派生した言語はフランス語、イタリア語、ポルトガル語がありますが、どの言語にも逆感嘆符・逆疑問符は存在しないそうです。
スペイン語にしかない逆感嘆符と逆疑問符。特殊な記号でとても面白いですね。
陽気な国メキシコでスペイン語を使ってみよう
「リメンバー・ミー」で描かれた世界観そのままに、色彩にあふれた陽気な国メキシコ。
今回は、そんなメキシコで使われているスペイン語について、簡単な挨拶や旅行で使えるフレーズ、メキシコ特有のスペイン語表現を紹介しました。
メキシコに旅行する機会があったら、この記事で紹介した簡単なスペイン語フレーズを覚えて使ってみましょう。挨拶の時に「beso」にも挑戦してみてくださいね。