花言葉と隠れたお洒落

夏のお洒落では、涼をとり、紫外線からお肌を守ることを優先にファッションを決めてしまいがちです。
しかし、それでは無粋なもの。
春夏秋冬、どんな季節でも目いっぱいコーディネートで遊びたい。

この夏は、一風変わった和のスタイルで、“隠れたお洒落”に挑戦しよう。
裾からちらりと見える鮮明な色彩や、凛と咲き誇る花柄に忍ばせた意味合いなど、小粋なテクニックをしのばせれば、きっと見る者みな、はっと驚嘆するでしょう。

まずは、簡素な表地と豪華絢爛の裏地が、絶妙なコントラストを生む「八掛」を紹介します。

さて、日本の伝統のしつらい「八掛」をご存知でしょうか。
八掛とは、袷(あわせ)の着物の裾の裏に貼る布のこと。

着物の表地が傷まないように保護し、裾捌きがよくなるように用いたそうです。
歩いたり座ったりするときにちらりと見え隠れし、裾や袖口の色のアクセントにもなるため、こだわりの隠れたお洒落として流行しました。

表地はシンプルに、そして裏地を思い切り大胆な花柄を散らし、遊ばせることで、裾からちらりと見えた時に一層空間に映えることでしょう。

よく近づいて見てみると、大ぶりな文目(あやめ)の花のタッチが存在感大。
カラフルな色彩は、夏の陽気な雰囲気を投影しているようで、お出かけの気分も上がることでしょう。

文目が持つ花言葉「良い知らせ」の名の通り、ワクワク感が溢れ出るような仕掛けを愉しんでほしい。

全面が無地なので、仕事着などの普段着やお出かけのお洒落着など、多彩に着まわせるのも魅力。

前面は、着物の袷(あわせ)のようにクロスしていて、和の風合いを醸します。
シンプルなデザインは、ボトムスや羽織で冒険しても、コーディネートの邪魔をしません。

生地は、軽い綿素材で、汗ばむ夏にも嬉しい爽やかな着心地です。

展開は、ワンピース、トップス、スカートの3種。お好きなスタイルでお愉しみください。


次は、「月下美人」の柄が描かれた、羽織付きワンピースを紹介します。

夕方には咲き始め、朝にはしぼんでしまう「月下美人」。
まるで美人薄命かのように、一晩だけ美しく咲き誇る希少な花。

幻想的な花「月下美人」の儚いさまを、UVカットの羽織とワンピースのセットで、贅沢に表現する。

色は紫、紺、浅黄の3つの和配色を展開し、大胆な花柄を邪魔しない上品な雰囲気を醸します。

月下美人の花言葉は、「はかない美」、「あでやかな美人」。
その名にふさわしく、繊細な花模様としなやかな、たゆたうシルエットはミステリアスな和美人を投影するかのよう。

艶やかなタッチで月下美人を写実的に描き、その様子と色彩は涼を感じさせます。
ミディアムな丈感は、一枚で着ても、下にパンツを合わせても様になる。

小口は両手を広げると、小袖のような和を演出。
さわり心地のよい羽織は、UVカット仕様で、纏えば日差し対策にもなる優れもの。


和装の真髄である“控えめな美しさ”を堪能できる「八掛」を纏い、そして、凛と咲き誇る花に想いを込め、「花言葉」で遊ぶ。

この夏は、一歩先の隠れたお洒落で、和装をアップデートしてみてはいかがでしょうか。


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