本格的な冬の足音が聴こえる今日この頃。
朝起きて、電気毛布がベッドの下に落ちており、思わずと慌てて抱き寄せました。
暖かい日もあるとはいえ、気を抜くと朝の気温に身震いしてしまいます。

さて、11月はいよいよと年末年始の準備を始める時期ですね。
皆さんは年末に向けてのお買い物やお掃除は始められましたか？
私は、とにかく掃除が苦手で……今から始めないと、年内に終わらせることができないかもしれません。

小さい頃からそうなのですが、特に幼少期は「どうして年末に大掃除をしなきゃいけないのか」と不思議で仕方ありませんでした。皆さんもお子さんに聞かれることがあるかもしれませんね。

お掃除は、もちろん衛生面において必須なのですが、そんなことを言っても、子どもにとってはどこ吹く風。そんな子には日本の教えを伝えてあげましょう。

八百万の神が御座す日本は、自宅へも神様を招いていました。
家を守ってくださる神様、その神様へ感謝を告げるために設置する神棚。
そんな神様は、お礼儀正しく玄関から入ってきてくださいます。

そうしてリビングへと至り、その家に住まう人間の様子を観察されます。キッチンやトイレなどの水周りは、穢れが溜まりやすく、そこが汚れていると神様は離れてしまいます。神様がおうちへやって来てくれなくなると、せっかくよい行ないをして過ごしていても、その行ないを報告できる機会が少なくなってしまいます。
つまり、せっかく頑張っても、良いことが起こりにくくなってしまうのです。

そういうふうに考えると、お子さんも「じゃあ綺麗にしておかなきゃ」と思ってくれるかもしれません。
私もそう考えます。
良い行ないを還元し、来年を良い年として迎えるためにも、今のうちから整えておきたいですね。

さて、本日はそんな未来への準備のために背中を押してくれる、素敵な石を紹介します。

今月の石 カイヤナイト

深く透き通る青が特徴的なカイヤナイト。
名前の由来も、濃い青を意味するギリシャ語の「kyanos」。日本名は「藍晶石」といい、その名の通り貴重な青色が人々の目を引きました。

幾層にも重なった結晶は、個体によって異なるグラデーションを演出しています。
その特徴から特定の方向に割れやすく、加工が難しいために、ジュエリーとしての流通はあまり多くはありません。

カイヤナイト原石を見てみると、その劈開性がよくわかります。
真っ直ぐ一方向に伸びた結晶の塊。それは一見無骨ですが、触れると繊細で、ガラスのように煌めきます。

私は、カイヤナイトは原石の状態が一番好きです。
本来の姿をさらけ出し、真っ直ぐと射止めてくれる輝きが美しいからです。
石の流れを目と指とで、辿ってみてください。たどたどしく不揃いな石の厚みは、他の天然石では味わうことができない、「ナマ」の成長を感じることができます。

そして、何よりもカイヤナイト一番の魅力は、その名が示す青色です。

美しきカイヤナイトのグラデーション

きらりと心を射止める、深い青。
カイヤナイトのこの特徴的な美しい青は、産地によって全く異なる色をしています。

特にブラジル産のカイヤナイトの青は、目の覚めるような鮮やかさを誇り、コレクターに愛されているようです。その見た目は、あの宝石の「サファイアと見間違うほど」、ともいわれています。
ブルーカイヤナイトは、少しくすんだ青や、白みを帯びた青も多いので、そこまで鮮明な青はブラジルならでは、なのです。

ただ、濃い藍色を内包するブルーカイヤナイトも珍しく、そちらも本当に希少価値が高いです。
濃い点が散らばる、まるで夜空を思わせるカイヤナイト……一度出会ってみたいものですね。

そして、実はカイヤナイトは、青色だけではないのです。

・グリーンカイヤナイト

鉱物内にバナジウムが含まれることで変色したカイヤナイト。
アフリカで産出されることがありますが、非常に希少価値が高いです。
儚げな緑からみずみずしい緑まで、さまざまな表情を見せてくれるようです。

・オレンジカイヤナイト

2007年にタンザニアで発見された、新種のカイヤナイト。
はちみつのような潤沢さをもつ、どこかあたたかさを感じる見た目をしています。
ブルーのカイヤナイトとは全く印象が異なるので、同じ石とは言われなければ気づかないかもしれません。

不思議な色合いも、その産地でしか見ることができないバリエーションばかりです。
その土地ならではの世界を示す色。
同じ青でも全く違うカイヤナイト。
お店に並ぶ産地ごとのカイヤナイトを、ぜひ比べて見てくださいね。

さて、そんなカイヤナイトは、見た目だけでなく、持ち主にもたらしてくれる効果も非常に魅力的です。

冷静な蒼で分別する

カイヤナイトのもたらす効果は以下の通りです。

・判断力の強化
・トラウマの克服
・取捨選択

まず、判断力の強化。

カイヤナイトの輝きは、直線を描いています。その光はタイガーアイなどにも似ていますが、まるでナイフのように尖った光は、物事をズバッと切り開いてくれるのです。
何か迷いがあるときは、このカイヤナイトの光を見つめながら判断の後押しをしてもらうのも良いかもしれません。

次に、トラウマの克服です。

カイヤナイトは、低温高圧という、とてもストレス負荷の高い場所で形成されます。岩の中で結晶化することで、年代によってその結晶の方向が変化したりします。その結果、前述のような割れやすさ、繊細さが生まれるのです。
その中で成長してきたカイヤナイトは、厳しい環境を柔軟に対処できるよう、持ち主を支えてくれます。

そして、取捨選択。

私は、この取捨選択のサポートがカイヤナイト一番の魅力だと思っています。
というのも、カイヤナイトは判断力を高め、環境を克服するように、持ち主に必要なものを分別してくれるのです。

前述にもある通り、カイヤナイトの得意分野は、状況における取捨選択です。
悪縁や悪運など、自身の行動によって変化が期待できる物事において、必要・不必要を明確に促してくれるのです。

自身を育むために、過酷な環境で結晶化したカイヤナイトだからこそ、きっと最適解を導くことができるのでしょう。
必要・不必要が明確になると、今まで迷っていたことで躓かなくなります。冷静に状況を判断し、良縁へと繋がる機会も増えることでしょう。

そして、その取捨選択は現代を生きる私たちにとって、最も必要な要素だと思えます。

それは……、断捨離です。

不要なものを溜めていませんか？
決めなければならないことを後回しにしていませんか？

カイヤナイトの分別は、そんなところにも力を発揮してくれます。

迷って捨てられない、欲を拭いされない。
そんなとき、カイヤナイトを握り締めて見つめ直してみましょう。

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次へと進むためのお守りに

カイヤナイトの魅力は、言葉で伝えるにはどうしても不充分になってしまいます。

私はカイヤナイトの色味が本当に大好きで、原石を眺めるだけでは飽き足らず、友人に頼んでカイヤナイトの天然石パーツをリングに加工してもらいました。
カイヤナイトを身につけていると、どこか心が落ち着く気がしますし、見つめていると自分を見返すこともできるのです。

深い青は、肌の色素が薄い方でも、濃い方でも調和してくれますし、アクセサリーとしても万能です。

新たな年を迎えるために、再度自信を見つめ返すために。
今、あなたに必要なものはなんでしょうか？

あなたに寄り添ってくれる、唯一のカイヤナイトをぜひ見つけてあげてくださいね。

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