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都市伝説と聞くと、誰でもひとつやふたつ、思いつく話があるのではないでしょうか。都市伝説はその国の文化や土地に密接に関わり、わたしたちの生活のすぐそばに存在しています。
怖いもの、不思議なもの、おもしろいもの…。 世界の都市伝説は個性的なものが多く、それぞれのお国柄がよくあらわれています。その国の背景を知ったうえで楽しむと、都市伝説の新しい一面が見えてくるかもしれません。
中国・北京では毎年お盆※の時期になると、帰省者のために早朝からたくさんのバスが出発します。そのバスの中に、“霊界行きのバス”が紛れ込んでいるらしいのです…。
※中国のお盆は清明節といい、毎年4月5日あたりです。
まだ外も暗い早朝の事です。あるカップルが1台のバスに乗り込みました。 2人が人目もはばからずイチャイチャしていると、隣に座ったおじいさんが突然彼女のおしりを触り始めたのです。
突然の出来事に彼女はびっくりして大騒ぎ。彼氏もおじいさんに激怒して、3人は揉めながら次のバス停でバスを降りることに。 怒りの冷めやらぬ彼氏をなだめながら、おじいさんは落ち着いてこう言いました。
「うまくあのバスを降りることができてよかったのぅ。あのバスは、霊界行きだよ」と。
驚いたカップルが走り去るバスの方を見ると、バスは霧とともに跡形もなく消えてしまいました。
そもそもおじいさんは何者だったのか?なぜおじいさんはバスに乗っていたのか?おじいさんの謎は解けないままですが、この話は、夜中に外をうろつく危うさを表していると言われています。
ステワ・ルトゥというのは、ブータンに伝わる水に棲む吸血生物のこと。 無数の触手があり、ぶよぶよとした“牛の胃壁のような皮膚”をしています。
橋から川面を覗いたり、川に近づいた人間のことを水の中に引きずり込み、血を吸って気絶させてから丸ごと食べてしまうのだとか。
普段水に潜んでいるステワ・ルトゥは、水がないと干からびて体が縮んでしまいますが、水にもどすと膨らんで復活する特性を持っています。
昔からある民話には、現地の女性が干し肉と間違えて干からびたステワ・ルトゥを拾ってしまい、食べるために水瓶につけておいたところ、水で復活したステワ・ルトゥに逆に食べられてしまった、という話も残っています。
ステワ・ルトゥの出没するブータンの川は、水力発電が盛んなほどの急流として知られています。しかもヒマラヤ山脈からの冷たい雪解け水ということもあって、川はとても危険な場所です。
それを承知の大人たちは川に近づきませんが、まだ何も分からない子どもはそうはいきません。 もしかしたらステワ・ルトゥは「子供が川に近づかないように」という親心から生まれた怪物なのかもしれません。
ラ・ヨローナはメキシコで古くから伝わる有名な怪談のひとつ。 メキシコで初めてのホラー映画となった1933年の『La Llorona(泣く女)』を皮切りに、これまでに何度も映画化されている人気の都市伝説です。
昔、メキシコに住むラ・ヨローナという美しい女性が、ある裕福な男性と恋に落ちて結婚しました。2人の子宝にも恵まれましたが、夫はやがて若い女性と浮気をしてしまいます。
夫の浮気にショックを受け錯乱した彼女は、あろうことか、子どもたちを川で殺してしまうのです。その後、我に返った彼女は自分のしたことに絶望し、自らも命を絶ってしまいました。
自分の子を殺めたとして神の罰を受けた彼女は、亡霊としてこの世をさまようことに。 毎夜泣きながら我が子を探すラ・ヨローナに運悪く遭遇してしまうと、彼女の子どもの身代わりとして連れ去られてしまうのだとか。
ラ・ヨローナは別名“嘆き悲しむ女の幽霊”とも呼ばれています。 亡き息子を探すために泣きながら現れるという、古代アステカ神話に登場する女神“シワコアトル”がルーツではないかと言われています。
ラ・ヨローナのような怪談は、メキシコだけでなくプエルトリコやベネズエラなど中南米各地にも似た話が存在し、「いい子にしていないと、さらわれるぞ」と、子供をしつけるための怪談として語り継がれています。
バズビーズチェアをご存じでしょうか。 幽霊や妖精など、オカルトやファンタジーに惹かれる人が多いイギリスで有名な、座ると必ず命を落とすと言われている“呪いのイス”のことです。
この呪いの元となったのは、義父殺しの罪で絞首刑になった“トーマス・バズビー”という一人の男性でした。
バズビーには、お気に入りのイスがありました。 そのイスに義父が座ったことに激怒したバズビーは、義父を絞殺。バズビーは有罪となり、死刑が確定しました。
死刑が実行される当日、最後にそのイスに座ることを許されたバズビーは、イスに座りながらこう叫びました。
「俺のこのイスに座ろうとする奴は、祟られて誰もがすぐに死ぬことになる」と。
それから数十年、このイスは誰にも座られずに眠っていましたが、このイスの因縁を知らない名もなき職人が偶然座ってしまい、その直後に急死してしまいました。 それがはじまりで、このイスは“呪いのイス・バズビーズチェア”としての道を歩み始めます。
その後、このバズビーズチェアの噂はイギリス中で話題となり、噂を聞きつけた者たちが次々とやってきました。 おもしろがって座った者、度胸試しで座った者が大勢いたそうですが、その全員がイスに座ってほどなくして事故や病気で命を落としたと言われています。
一説によると、被害者数は60人以上にものぼるのだとか。それが真実かどうかはさておき、1978年には“悪霊の憑いたイス”として、教会よりお墨付きをもらっています。
現在この危険な呪いのイスは、イギリスのサークス博物館にて、誰も座れないよう宙吊り状態で展示されており、多くのオカルトファンを魅了しています。
ポリビアス(POLYBIUS)は、アメリカで都市伝説となっているアーケードゲームのこと。 奇妙な中毒性があるとして、1981年頃から噂が広まり始めました。
最初の噂は、オレゴン州のいくつかのゲームセンターに置かれたゲーム筐体が、他と比べて非常に中毒性が高いというものでした。その中毒性故に、プレーヤーが不眠症や幻覚を訴えるなど、重度の健康被害も出ているほどです。
そんな噂が流れ始めてもゲームはたいへんな人気で、台数も少なかったこともあり、いつも長蛇の列だったのだとか。
さらにここで変な噂が流れ始めました。黒服の男がたびたびやってきては、ゲームのデータを回収しているようだ…と。
このように、いろんな意味でゲーム好きの間で話題になっていたポリビアスですが、登場からわずか1〜2ヶ月ほどで姿を消しています。 「CIAによるマインドコントロール実験の一環なのではないか」「政府がゲーム内にサブリミナルのメッセージを入れているらしい」など様々な陰謀論がささやかれ、ポリビアスが姿を消してからも噂は一人歩きしていきました。
どこかのゲームメーカーが作ったただの失敗作だったのか、それとも本当にCIAなのか、真相はいまだ分かっていません。そもそも、ポリビアスが実在したという記録が残っていないため、存在自体が定かではないのです。
陰謀論大国アメリカでは、不可思議なことが起こると、国の組織や宗教団体絡みの陰謀として噂されがちです。ましてやこの1980年代は、現代に比べると情報も少なく、噂の真偽を確かめる方法もあまりなかったのではないでしょうか。
ポリビアスはその後、有志によって同名のゲームソフトが作られ、筐体も作られるなど今も一部の熱狂的なファンに愛されています。
今回は5つの都市伝説をご紹介しましたが、この中でお気に入りの話は見つかりましたか?
都市伝説はすべてがあいまいで、本当かウソかもわからない伝承や噂話ですが、そんなことは気にせずに、素直に噂に踊らされるのも都市伝説の楽しみ方のひとつです。
お国柄や土地柄、文化などから生まれる多種多様な都市伝説は、海外独自の文化や特性を知る、いいきっかけになるかもしれません。
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都市伝説と聞くと、誰でもひとつやふたつ、思いつく話があるのではないでしょうか。都市伝説はその国の文化や土地に密接に関わり、わたしたちの生活のすぐそばに存在しています。
怖いもの、不思議なもの、おもしろいもの…。
世界の都市伝説は個性的なものが多く、それぞれのお国柄がよくあらわれています。その国の背景を知ったうえで楽しむと、都市伝説の新しい一面が見えてくるかもしれません。
目次
【中国の都市伝説】この世発あの世行き「北京の霊界バス」
中国・北京では毎年お盆※の時期になると、帰省者のために早朝からたくさんのバスが出発します。そのバスの中に、“霊界行きのバス”が紛れ込んでいるらしいのです…。
※中国のお盆は清明節といい、毎年4月5日あたりです。
まだ外も暗い早朝の事です。あるカップルが1台のバスに乗り込みました。
2人が人目もはばからずイチャイチャしていると、隣に座ったおじいさんが突然彼女のおしりを触り始めたのです。
突然の出来事に彼女はびっくりして大騒ぎ。彼氏もおじいさんに激怒して、3人は揉めながら次のバス停でバスを降りることに。
怒りの冷めやらぬ彼氏をなだめながら、おじいさんは落ち着いてこう言いました。
「うまくあのバスを降りることができてよかったのぅ。あのバスは、霊界行きだよ」と。
驚いたカップルが走り去るバスの方を見ると、バスは霧とともに跡形もなく消えてしまいました。
そもそもおじいさんは何者だったのか?なぜおじいさんはバスに乗っていたのか?おじいさんの謎は解けないままですが、この話は、夜中に外をうろつく危うさを表していると言われています。
【ブータンの都市伝説】拾い食い注意!「ステワ・ルトゥ」
ステワ・ルトゥというのは、ブータンに伝わる水に棲む吸血生物のこと。
無数の触手があり、ぶよぶよとした“牛の胃壁のような皮膚”をしています。
橋から川面を覗いたり、川に近づいた人間のことを水の中に引きずり込み、血を吸って気絶させてから丸ごと食べてしまうのだとか。
普段水に潜んでいるステワ・ルトゥは、水がないと干からびて体が縮んでしまいますが、水にもどすと膨らんで復活する特性を持っています。
昔からある民話には、現地の女性が干し肉と間違えて干からびたステワ・ルトゥを拾ってしまい、食べるために水瓶につけておいたところ、水で復活したステワ・ルトゥに逆に食べられてしまった、という話も残っています。
ステワ・ルトゥの出没するブータンの川は、水力発電が盛んなほどの急流として知られています。しかもヒマラヤ山脈からの冷たい雪解け水ということもあって、川はとても危険な場所です。
それを承知の大人たちは川に近づきませんが、まだ何も分からない子どもはそうはいきません。
もしかしたらステワ・ルトゥは「子供が川に近づかないように」という親心から生まれた怪物なのかもしれません。
【メキシコの都市伝説】浮気夫のその後が気になる…「ラ・ヨローナ」
ラ・ヨローナはメキシコで古くから伝わる有名な怪談のひとつ。
メキシコで初めてのホラー映画となった1933年の『La Llorona(泣く女)』を皮切りに、これまでに何度も映画化されている人気の都市伝説です。
昔、メキシコに住むラ・ヨローナという美しい女性が、ある裕福な男性と恋に落ちて結婚しました。2人の子宝にも恵まれましたが、夫はやがて若い女性と浮気をしてしまいます。
夫の浮気にショックを受け錯乱した彼女は、あろうことか、子どもたちを川で殺してしまうのです。その後、我に返った彼女は自分のしたことに絶望し、自らも命を絶ってしまいました。
自分の子を殺めたとして神の罰を受けた彼女は、亡霊としてこの世をさまようことに。
毎夜泣きながら我が子を探すラ・ヨローナに運悪く遭遇してしまうと、彼女の子どもの身代わりとして連れ去られてしまうのだとか。
ラ・ヨローナは別名“嘆き悲しむ女の幽霊”とも呼ばれています。
亡き息子を探すために泣きながら現れるという、古代アステカ神話に登場する女神“シワコアトル”がルーツではないかと言われています。
ラ・ヨローナのような怪談は、メキシコだけでなくプエルトリコやベネズエラなど中南米各地にも似た話が存在し、「いい子にしていないと、さらわれるぞ」と、子供をしつけるための怪談として語り継がれています。
【イギリスの都市伝説】試しに座ってみる?呪いの「バズビーズチェア」
バズビーズチェアをご存じでしょうか。
幽霊や妖精など、オカルトやファンタジーに惹かれる人が多いイギリスで有名な、座ると必ず命を落とすと言われている“呪いのイス”のことです。
この呪いの元となったのは、義父殺しの罪で絞首刑になった“トーマス・バズビー”という一人の男性でした。
バズビーには、お気に入りのイスがありました。
そのイスに義父が座ったことに激怒したバズビーは、義父を絞殺。バズビーは有罪となり、死刑が確定しました。
死刑が実行される当日、最後にそのイスに座ることを許されたバズビーは、イスに座りながらこう叫びました。
「俺のこのイスに座ろうとする奴は、祟られて誰もがすぐに死ぬことになる」と。
それから数十年、このイスは誰にも座られずに眠っていましたが、このイスの因縁を知らない名もなき職人が偶然座ってしまい、その直後に急死してしまいました。
それがはじまりで、このイスは“呪いのイス・バズビーズチェア”としての道を歩み始めます。
その後、このバズビーズチェアの噂はイギリス中で話題となり、噂を聞きつけた者たちが次々とやってきました。
おもしろがって座った者、度胸試しで座った者が大勢いたそうですが、その全員がイスに座ってほどなくして事故や病気で命を落としたと言われています。
一説によると、被害者数は60人以上にものぼるのだとか。それが真実かどうかはさておき、1978年には“悪霊の憑いたイス”として、教会よりお墨付きをもらっています。
現在この危険な呪いのイスは、イギリスのサークス博物館にて、誰も座れないよう宙吊り状態で展示されており、多くのオカルトファンを魅了しています。
【アメリカの都市伝説】失敗作?それとも陰謀⁈「ポリビアス」
ポリビアス(POLYBIUS)は、アメリカで都市伝説となっているアーケードゲームのこと。
奇妙な中毒性があるとして、1981年頃から噂が広まり始めました。
最初の噂は、オレゴン州のいくつかのゲームセンターに置かれたゲーム筐体が、他と比べて非常に中毒性が高いというものでした。その中毒性故に、プレーヤーが不眠症や幻覚を訴えるなど、重度の健康被害も出ているほどです。
そんな噂が流れ始めてもゲームはたいへんな人気で、台数も少なかったこともあり、いつも長蛇の列だったのだとか。
さらにここで変な噂が流れ始めました。黒服の男がたびたびやってきては、ゲームのデータを回収しているようだ…と。
このように、いろんな意味でゲーム好きの間で話題になっていたポリビアスですが、登場からわずか1〜2ヶ月ほどで姿を消しています。
「CIAによるマインドコントロール実験の一環なのではないか」「政府がゲーム内にサブリミナルのメッセージを入れているらしい」など様々な陰謀論がささやかれ、ポリビアスが姿を消してからも噂は一人歩きしていきました。
どこかのゲームメーカーが作ったただの失敗作だったのか、それとも本当にCIAなのか、真相はいまだ分かっていません。そもそも、ポリビアスが実在したという記録が残っていないため、存在自体が定かではないのです。
陰謀論大国アメリカでは、不可思議なことが起こると、国の組織や宗教団体絡みの陰謀として噂されがちです。ましてやこの1980年代は、現代に比べると情報も少なく、噂の真偽を確かめる方法もあまりなかったのではないでしょうか。
ポリビアスはその後、有志によって同名のゲームソフトが作られ、筐体も作られるなど今も一部の熱狂的なファンに愛されています。
今回は5つの都市伝説をご紹介しましたが、この中でお気に入りの話は見つかりましたか?
都市伝説はすべてがあいまいで、本当かウソかもわからない伝承や噂話ですが、そんなことは気にせずに、素直に噂に踊らされるのも都市伝説の楽しみ方のひとつです。
お国柄や土地柄、文化などから生まれる多種多様な都市伝説は、海外独自の文化や特性を知る、いいきっかけになるかもしれません。
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