手拭いと日本人

「倭物classic LABO」。
定着しているモノやコトを、将来の私たちの新しい定番にするプロジェクト。
さて、今回も港町横濱で生まれた「倭物やカヤの」フィルターを通し、倭物文化の未来を研究していきましょう。

第二回は、「注染手拭い」を深掘りしていきます。

~複雑な色調と立体感が織り成す~

注染とは、その名の冠する通り、染料を“注いで染める”伝統技法のこと。
特殊な防染糊を、染めない箇所に塗布し、土手を作る。そして、土手の内側へじょうろで染料を注ぎ、布を染めます。

 

職人のさじ加減一つで色彩が濃淡をつけ、色と色とが混ざり合い、複雑な色調と立体感を織りなします。

染め上がった布は表面だけでなく、糸自体が色づくため、布の芯まで裏表のない色鮮やかさを表現できるのです。

~全国へと広がる染色の可能性~

起源は、遡ること明治時代。古くから木綿産業が盛んな大阪府堺市で誕生しました。当時は単色の藍染が一般的な染色方法で、何度も重ね染めして濃淡をつけ、模様を表現していました。

この技法では多色染めは不可能なほか、完全なる手工芸がゆえに多量生産が難しいのです。その点、注染は色彩豊かに一度に二十から三十枚を染められることから日本における染色文化の発展を支えたことは間違いありません。

現在では、堺を筆頭に、浜松など日本全国へ注染の技術が広がっています。


~「昔懐かしさ」を踏襲し、現代流のアレンジ~

注染は多色を使用したぼかし染めで、自然で優しい味わいがにじみ出るため、現代流の模様でも独自の発色を引き出します。

ゆえに、注染という伝統技術は染色物を決して古臭く感じさせないどころか、「昔懐かしさ」という風合いへと昇華させるのです。

すべては職人の手作業だからこそ出せる、繊細も力強い色彩の表現。

日本の町工場から発信する伝統技術の結晶は、色あせることなく進化を続けます。


~手拭いと日本人~

手拭いは、古来から、タオルの代替、米びつのホコリ避け、そして使い倒した後は、雑巾やハタキなどにして使用していました。
江戸の人たちは用途によって手拭いの大きさを変え使い分け、それこそ余すことなく、糸くずになるまで使っていたと云われています。
まさに現代に通じるエコな風習が根付いていたといえるでしょう。

特徴として、端が縫い返されておらず、切りっぱなしのため、水乾きがよく、使いやすい仕様です。また、綿100%の手拭いは、お肌の摩擦刺激を軽減してくれるので、お風呂での使用や、洗顔後のふき取りにも大変おすすめなアイテムといえます。
さらに、現代に寄り添った使い方として、キーボードのホコリ避け、乾きやすいのでバーベキューやキャンプでのタオル代わりとしてもピッタリです。

手拭は、日常をさりげなくサポートしてくれる、まさに万能なアイテム。
ぜひ、そっと手提げに、「注染手拭い」を忍ばせて、粋に職人技や日本人の文化を嗜んでみてはいかがでしょうか。


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