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山笑う。春の季語です。
思わず想像力を掻き立てられる、季節を表す言葉の数々。この季語は、連歌や俳句になくてはならない大切な要素とされています。
とくに俳句は、ミニマムななかに限りない景色を描くことができる、日本ならではの文学。そのキーともいえるのが季語なのです。
別れと出会い、切なさと喜びがないまぜになる、春。ただ「春」だけでは表せない景色を表す、この季節ならではの季語をピックアップして一覧にまとめました。
わかる!という景色、また心ひかれる言葉がきっとあるはず。春の季語の世界にご案内します。
まず、季語とはいったいどんなもので、いつから使われてきたのでしょうか。
季語とは、俳句や連歌で用いられる、春夏秋冬から特定の季節を表す言葉。
一般的に俳句では、五・七・五の17音に、季語を一つ詠み込むよう定められています。言葉を選びぬいて紡がれる17音という、日本独自の短い文学。
季語は、その言葉が入ることで、その季節のはじまりなのか、盛りなのか、それとももう終わりのころなのかを表すことができます。
また、詠み手が17音に込めた向こう側に広がる景色を、私たちの中にも描き出すきっかけの言葉ともなるのです。
日本人の暮らしと深く結びついた、春夏秋冬。平安時代初期に編まれた『古今和歌集』は、春夏秋冬の部立て(部門)からはじまります。このころから、季節のうつろいは日本人にとって特別なものだったのです。
そして和歌から連歌(れんが)が興ります。連歌では、五・七・五(発句)七・七(脇句)五・七・五(第三句)と別の人が分けて詠んでいきます。複数名でリレーして詠み連ね、およそ100句を詠むというのが基本。
発句には必ず季語を入れるという約束ごとがあります。それは、そのあとを詠み継ぐ複数人にも、季節感を共有しイメージを伝えるために必要なことでした。そして連歌の発句、五・七・五が独立する形で詠まれるようになったのが、俳句。和歌のルールをそのまま継承するため、俳句も必ず季語を入れるよう定められています。
やがて近代化が進み人々の暮らしが一変した明治時代以降、カタカナの季語も多くみられます。
そして今や季語は一万とも二万とも。時代が変わり、私たちの暮らしが変わり続ける限り、季語もまた増え続けるのです。
俳句でいう春は、旧暦の1・2・3月。今の暮らしで使われる太陽暦でいうと、立春(2月4日ころ)から立夏(5月6日ころ)の前日までにあたります。旧暦と1ヶ月ほどの差があることになるでしょうか。
春の季語は、時期によって4つに分かれます。
また、その内容によって以下のように区分されています。
三春、春のはじまりから終わりまで、春の季節全体にわたって使われる季語です。
初春とは、立春から啓蟄(けいちつ)の前日まで。まだ厳しい寒さの日も残る春の初めのころに使われる季語です。
仲春とは、二十四節気の啓蟄から清明の前まで。少しずつ暖かな日も増え、いよいよ本格的に命が動き出す様子を表す季語が多くなります。
晩春とは、二十四節気の晴明から立夏の前日まで。もう春の盛りがそろそろ過ぎ、初夏へ向かうそんなころです。
こうして春を表す季語をみてみると、趣があり、ユーモアに溢れるものも。とても魅力的な言葉が並びます。
言葉を選ぶことで、現代の私たちの暮らしの中でも自然と使うことができそうですよ。
たとえば手紙やSNSなど。とくに旅立ちや新しい出会いも多い春だからこそ、取り入れる機会もありそうです。
手紙では、書き出しや結びの言葉として使うと、表したい気持ちをそっと後押ししてくれます。例文をいくつかご紹介します。
またちょっと気に入った春の季語を使って、SNSにハッシュタグをつけてみるのも世界が広がるきっかけになるかもしれませんね。
春を詠んだ多くの俳句のなかから、とても有名な三句を紹介します。
・さま〴〵の事おもひ出す桜哉 / 松尾芭蕉
芭蕉が久々に故郷である伊賀上野を訪れ、若い日に奉公していた主君の屋敷で開かれた花見の宴で詠んだ句とされています。主君籐堂良忠は、歳のころも近く、芭蕉が本格的に俳諧の道を志すきっかけとなった仲間でもありました。若くして亡くなった良忠の面影、ともに過ごした日々を思いながら見上げた桜だったでしょう。難解な言葉のない、わかりやすくシンプルな句であるからこそ、多くの人にまっすぐに届く力があります。
・春の海 ひねもすのたり のたりかな / 与謝蕪村
冬の、波高く荒涼とした海とは違い、遠くまで霞むような長閑な春の日差しの中、ゆったりと寄せては返す穏やかな波の様子を描いた句。「ひねもす」というのは朝から晩まで、日がな一日という意味。のたりのたりと繰り返すことで、そのゆったりとしたさまが思い浮かぶようです。
・春雨や 猫に踊りを 教える子 / 小林一茶
温かく細かな雨が続く季節。外遊びができない子どもが、猫を相手に遊んでいる様子を切り取った句です。子どもは猫の手を握って動かしているでしょうか。想像をかき立てる、時代を超えて愛される一句です。
世界にも春を表すような表現がいろいろとあります。こうしてみると、やはり春には「はじまりの季節、祝福に満ちた」という、多くの国、多くの民族共通 の感覚があるようです。
気分も明るくなるような、春を愉しむアイテムをご紹介します。
ハンカチにしたり、壁掛けにしたりと大活躍の手拭い。その柄を変えながら、暮らしのなかでさりげなく季節も楽しむことができます。
この春、軽やかな春の柄をもう1、2枚買い足してみるのはいかがですか?また、これから新しい生活が始まる、という方への贈り物にもどうぞ。
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春を楽しむ香りをお部屋に。また、桜や桃、木蓮といった春ならでは香りをご先祖様にも。春彼岸のお線香として。
ふだん俳句は詠まないし、あまり気にかけていなかった季語。もし、ちょっと気になる季語があったら、その季語が入った俳句を調べてみるのはいかがでしょう。目の前に景色が広がることもあれば、「んー、よくわからない、どういうことかな」と頭を傾げることもあるかもしれません。
でもそれは、ちょっと気になったその季語が、詠み手とあなたをそっと繋いでくれたということ。この春、季語から、少し世界が広がる予感です。
立春は新たなスタートの日▼
4月が卯月と呼ばれるようになった理由は?▼
山笑う。
春の季語です。
思わず想像力を掻き立てられる、季節を表す言葉の数々。
この季語は、連歌や俳句になくてはならない大切な要素とされています。
とくに俳句は、ミニマムななかに限りない景色を描くことができる、日本ならではの文学。
そのキーともいえるのが季語なのです。
別れと出会い、切なさと喜びがないまぜになる、春。
ただ「春」だけでは表せない景色を表す、この季節ならではの季語をピックアップして一覧にまとめました。
わかる!という景色、また心ひかれる言葉がきっとあるはず。
春の季語の世界にご案内します。
目次
季語とは?春の季語はどの時期に使う?
まず、季語とはいったいどんなもので、いつから使われてきたのでしょうか。
季語とはどんなもの?
季語とは、俳句や連歌で用いられる、春夏秋冬から特定の季節を表す言葉。
一般的に俳句では、五・七・五の17音に、季語を一つ詠み込むよう定められています。
言葉を選びぬいて紡がれる17音という、日本独自の短い文学。
季語は、その言葉が入ることで、その季節のはじまりなのか、盛りなのか、それとももう終わりのころなのかを表すことができます。
また、詠み手が17音に込めた向こう側に広がる景色を、私たちの中にも描き出すきっかけの言葉ともなるのです。
季語の歴史
日本人の暮らしと深く結びついた、春夏秋冬。
平安時代初期に編まれた『古今和歌集』は、春夏秋冬の部立て(部門)からはじまります。このころから、季節のうつろいは日本人にとって特別なものだったのです。
そして和歌から連歌(れんが)が興ります。
連歌では、五・七・五(発句)七・七(脇句)五・七・五(第三句)と別の人が分けて詠んでいきます。複数名でリレーして詠み連ね、およそ100句を詠むというのが基本。
発句には必ず季語を入れるという約束ごとがあります。それは、そのあとを詠み継ぐ複数人にも、季節感を共有しイメージを伝えるために必要なことでした。
そして連歌の発句、五・七・五が独立する形で詠まれるようになったのが、俳句。和歌のルールをそのまま継承するため、俳句も必ず季語を入れるよう定められています。
やがて近代化が進み人々の暮らしが一変した明治時代以降、カタカナの季語も多くみられます。
そして今や季語は一万とも二万とも。
時代が変わり、私たちの暮らしが変わり続ける限り、季語もまた増え続けるのです。
春の季語を使う時期と区分
俳句でいう春は、旧暦の1・2・3月。今の暮らしで使われる太陽暦でいうと、立春(2月4日ころ)から立夏(5月6日ころ)の前日までにあたります。
旧暦と1ヶ月ほどの差があることになるでしょうか。
春の季語は、時期によって4つに分かれます。
また、その内容によって以下のように区分されています。
春の季語:三春(春全体)
三春、春のはじまりから終わりまで、春の季節全体にわたって使われる季語です。
(このめどき)
(天文・地理)
(しゃぼんだま)
春の季語:初春(2月ごろ)
初春とは、立春から啓蟄(けいちつ)の前日まで。
まだ厳しい寒さの日も残る春の初めのころに使われる季語です。
(うおひにのぼる)
(かわうそうおをまつる)
(さえかえる)
(天文・地理)
(はななづけ)
(しらうおめし)
(にがつれいじゃ)
(もちばないる)
春の季語:仲春(3月ごろ)
仲春とは、二十四節気の啓蟄から清明の前まで。
少しずつ暖かな日も増え、いよいよ本格的に命が動き出す様子を表す季語が多くなります。
(はつついたち)
(りゅうてんにのぼる)
(たかかしてはととなる)
(天文・地理)
(はついなびかり)
(ゆきねぶり)
(木の根あく)
(きゅうりまく)
(きたまどひらく)
(がいとうぬぐ)
(しがつばか)
(ありあなをいず)
(ひがんふぐ)
春の季語:晩春(4月ごろ)
晩春とは、二十四節気の晴明から立夏の前日まで。
もう春の盛りがそろそろ過ぎ、初夏へ向かうそんなころです。
(かわずのめかりどき)
(はちじゅうはちや)
(でんそかしてうずらとなる)
(はるおしむ)
(天文・地理)
(こたつふさぐ)
(はなぬすびと)
(ひつじのけかる)
(わすれなぐさ)
(みょうがたけ)
春の季語の使い方
こうして春を表す季語をみてみると、趣があり、ユーモアに溢れるものも。
とても魅力的な言葉が並びます。
言葉を選ぶことで、現代の私たちの暮らしの中でも自然と使うことができそうですよ。
手紙やSNSで取り入れやすい春の季語
たとえば手紙やSNSなど。
とくに旅立ちや新しい出会いも多い春だからこそ、取り入れる機会もありそうです。
手紙では、書き出しや結びの言葉として使うと、表したい気持ちをそっと後押ししてくれます。
例文をいくつかご紹介します。
またちょっと気に入った春の季語を使って、SNSにハッシュタグをつけてみるのも世界が広がるきっかけになるかもしれませんね。
有名な春の俳句
春を詠んだ多くの俳句のなかから、とても有名な三句を紹介します。
・さま〴〵の事おもひ出す桜哉 / 松尾芭蕉
芭蕉が久々に故郷である伊賀上野を訪れ、若い日に奉公していた主君の屋敷で開かれた花見の宴で詠んだ句とされています。
主君籐堂良忠は、歳のころも近く、芭蕉が本格的に俳諧の道を志すきっかけとなった仲間でもありました。若くして亡くなった良忠の面影、ともに過ごした日々を思いながら見上げた桜だったでしょう。
難解な言葉のない、わかりやすくシンプルな句であるからこそ、多くの人にまっすぐに届く力があります。
・春の海 ひねもすのたり のたりかな / 与謝蕪村
冬の、波高く荒涼とした海とは違い、遠くまで霞むような長閑な春の日差しの中、ゆったりと寄せては返す穏やかな波の様子を描いた句。
「ひねもす」というのは朝から晩まで、日がな一日という意味。
のたりのたりと繰り返すことで、そのゆったりとしたさまが思い浮かぶようです。
・春雨や 猫に踊りを 教える子 / 小林一茶
温かく細かな雨が続く季節。外遊びができない子どもが、猫を相手に遊んでいる様子を切り取った句です。
子どもは猫の手を握って動かしているでしょうか。想像をかき立てる、時代を超えて愛される一句です。
世界の春を表す言葉・表現
世界にも春を表すような表現がいろいろとあります。
こうしてみると、やはり春には「はじまりの季節、祝福に満ちた」という、多くの国、多くの民族共通 の感覚があるようです。
〈英語〉
〈フランス語〉
〈中国〉
〈ヒンディー語〉
〈ペルシャ語〉
〈フィンランド語〉
春をまとう・飾る|春めくアイテム紹介
気分も明るくなるような、春を愉しむアイテムをご紹介します。
季節を楽しむ手拭い
ハンカチにしたり、壁掛けにしたりと大活躍の手拭い。
その柄を変えながら、暮らしのなかでさりげなく季節も楽しむことができます。
この春、軽やかな春の柄をもう1、2枚買い足してみるのはいかがですか?
また、これから新しい生活が始まる、という方への贈り物にもどうぞ。
春風に揺れる和を感じるワンピース
寒さが和らぎ厚いコートを脱いだら、ちょっと春らしいワンピースをワードローブに加えてみませんか?
軽やかな春らしい柄や、合わせる小物によってさまざまに楽しめるシンプルな一枚、豊富に揃っています。
ちょっと肌寒い日には薄いコートのように羽織っても。
春風に誘われて、思わず散歩に出かけたくなるワンピースです。
季節の香りを楽しむお香
京都のお香メーカー、香彩堂が手掛けるお香、百楽香。
厳選された天然白檀を原料として調合された、ロングタイプです。
春を楽しむ香りをお部屋に。
また、桜や桃、木蓮といった春ならでは香りをご先祖様にも。春彼岸のお線香として。
春の季語がつなぐあなたと誰か
ふだん俳句は詠まないし、あまり気にかけていなかった季語。
もし、ちょっと気になる季語があったら、その季語が入った俳句を調べてみるのはいかがでしょう。
目の前に景色が広がることもあれば、「んー、よくわからない、どういうことかな」と頭を傾げることもあるかもしれません。
でもそれは、ちょっと気になったその季語が、詠み手とあなたをそっと繋いでくれたということ。
この春、季語から、少し世界が広がる予感です。
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