春を映す美しい季語! 俳句や手紙に使いたい言葉を解説 春の季語一覧も

山笑う。
春の季語です。

思わず想像力を掻き立てられる、季節を表す言葉の数々。
この季語は、連歌や俳句になくてはならない大切な要素とされています。

とくに俳句は、ミニマムななかに限りない景色を描くことができる、日本ならではの文学。
そのキーともいえるのが季語なのです。

別れと出会い、切なさと喜びがないまぜになる、春。
ただ「春」だけでは表せない景色を表す、この季節ならではの季語をピックアップして一覧にまとめました。

わかる!という景色、また心ひかれる言葉がきっとあるはず。
春の季語の世界にご案内します。

季語とは?春の季語はどの時期に使う?

まず、季語とはいったいどんなもので、いつから使われてきたのでしょうか。

季語とはどんなもの?

季語とはどんなもの?

季語とは、俳句や連歌で用いられる、春夏秋冬から特定の季節を表す言葉。

一般的に俳句では、五・七・五の17音に、季語を一つ詠み込むよう定められています。
言葉を選びぬいて紡がれる17音という、日本独自の短い文学。

季語は、その言葉が入ることで、その季節のはじまりなのか、盛りなのか、それとももう終わりのころなのかを表すことができます。

また、詠み手が17音に込めた向こう側に広がる景色を、私たちの中にも描き出すきっかけの言葉ともなるのです。

季語の歴史

日本人の暮らしと深く結びついた、春夏秋冬。
平安時代初期に編まれた『古今和歌集』は、春夏秋冬の部立て(部門)からはじまります。このころから、季節のうつろいは日本人にとって特別なものだったのです。

そして和歌から連歌(れんが)が興ります。
連歌では、五・七・五(発句)七・七(脇句)五・七・五(第三句)と別の人が分けて詠んでいきます。複数名でリレーして詠み連ね、およそ100句を詠むというのが基本。

発句には必ず季語を入れるという約束ごとがあります。それは、そのあとを詠み継ぐ複数人にも、季節感を共有しイメージを伝えるために必要なことでした。
そして連歌の発句、五・七・五が独立する形で詠まれるようになったのが、俳句。和歌のルールをそのまま継承するため、俳句も必ず季語を入れるよう定められています。

やがて近代化が進み人々の暮らしが一変した明治時代以降、カタカナの季語も多くみられます。

そして今や季語は一万とも二万とも。
時代が変わり、私たちの暮らしが変わり続ける限り、季語もまた増え続けるのです。

春の季語を使う時期と区分

俳句でいう春は、旧暦の1・2・3月。今の暮らしで使われる太陽暦でいうと、立春(2月4日ころ)から立夏(5月6日ころ)の前日までにあたります。
旧暦と1ヶ月ほどの差があることになるでしょうか。

春の季語は、時期によって4つに分かれます。

・三春(さんしゅん)... 春全体
・初春(しょしゅん)... 2月ごろ(旧暦1月)
・仲春(ちゅうしゅん)... 3月ごろ(旧暦2月)
・晩春(ばんしゅん)... 4月ごろ(旧暦3月)

また、その内容によって以下のように区分されています。

・時候... その季節や時期、暦を表した季語
・天文... 太陽・月・星・雨・風・雷など、天体や気象にかかわる季語
・地理... 山野や海、川、また田畑などの大地にかかわる季語
・生活... 私たちの暮らしにかかわる季語
・行事... その季節ならではの行事にかかわる季語、また人物の忌日
・動物・植物... その季節に動きがみられる動物・植物にかかわる季語

春の季語:三春(春全体)

春の季語:三春(春全体)

三春、春のはじまりから終わりまで、春の季節全体にわたって使われる季語です。

区分 季語 意味・情景
時候 麗か(うららか) やわらかく降り注ぐ陽を受け、あたり一面が明るく照らされ、穏やかで心地のよいさま
暖か(あたたか) 冬の寒さで縮こまっていた体が心地よく和むような、過ごしやすい気候
長閑(のどか) 穏やかな気候にあわせ、時間もゆったり流れるようなのんびりしたさま
春の朝(はるのあさ) 刺すような寒さが和らいだ、心地のよい朝
春の宵(はるのよい) 日が暮れ、まだ薄明るく霞む美しいひと時
日永(ひなが) 春になり、日が長くなったこと。またそれにふと気づく、少しの驚きと喜びの心情
遅日(ちじつ) 日暮れが遅くなり、ゆっくりと陽が沈んでいくさま
木の芽時
(このめどき)
寒さがゆるんで、いっせいに木々が芽吹くころ
自然
(天文・地理)
淡雪(あわゆき) 降ってはたちまち消える、軽く儚い雪
陽炎(かげろう) 地面から立ち上る蒸気で、風景がゆらめいて見えるさま
東風(こち) 春の訪れを告げる、東からのやわらかな風
ようず 雨を連れてくる生ぬるい南寄りの風。近畿・中国・四国地方で古くから使われる
霾(つちふる) 春の偏西風に乗って大陸の黄砂が海を渡り、空が霞むさま。黄砂のこと
朧月(おぼろづき) 空気中の水分に包まれ、ぼんやりと霞んで見える春の月
春泥(しゅんでい) 凍っていた大地がゆるみ、雪が解け、至るところでみられる春のぬかるみ
山笑ふ(やまわらう) 木々が芽吹き、生き物が動き出す、活気に満ちた春山の賑やかさと豊かさを擬人化した
生活・行事 春眠(しゅんみん) 朝になってもなかなか目覚めない心地よい春の眠り。また一日中うとうとしそうな穏やかな気候を表す
春の夢(はるのゆめ) ことに春みる夢は儚いものの例えとして用いられる
青饅(あおぬた) 分葱やからし菜など春の青ものをさっと茹で、貝などとともに酢味噌で和えたもの
目刺(めざし) 塩漬けにした小さな鰯を五匹ほど、目に竹串などを通し干した保存食。冬から春にかけての乾燥した時期が旬
石鹸玉
(しゃぼんだま)
石鹸水にストローをつけて息を吹き込む遊び。やわらかな日差し、心地よい春風に乗り飛ぶさまが浮かぶ。また儚さも表す
摘草(つみくさ) 春の野に出て、土筆やたんぽぽ、芹などを摘む春の行楽
伊勢参(いせまいり) 「一生に一度はお伊勢参り」。気候のよさと農閑期でもあることから伊勢神宮に参拝する人が増えたことによる
植物・動物 浅蜊(あさり) 潮干狩りなど、身近な二枚貝。産卵期である夏を迎える前、春はとくに栄養を蓄え、旬とされる
雲雀(ひばり) 草原などに巣を作り、春の空高く上昇しながら囀るさまが見られる
亀鳴く(かめなく) 実際には亀は鳴かないが、春の陽気につられて亀の鳴き声が聞こえた気がする、という想像にもとづく
春の蝿(はるのはえ) 厳しい寒さを超えた成虫の蝿。夏の蝿より動きが鈍く、そのさまはどことなく滑稽
いぬふぐり 青色の可憐な花をつける、田んぼの畦や道端などに見られる雑草。その名は花が終わった実が犬の陰嚢に似ることから
香菫(においすみれ) 古くから親しまれるヨーロッパ原産の多年草。甘い香りをもち、香水の原料にもされる
クレソン 水辺に群生するアブラナ科の植物。やわらかで瑞々しい食感、ピリッとしたほのかな辛みが特徴
青麦(あおむぎ) 秋に蒔いた種が冬を超え、若葉を出す、穂をつけるまでの青々とした麦

春の季語:初春(2月ごろ)

春の季語:初春(2月ごろ)

初春とは、立春から啓蟄(けいちつ)の前日まで。
まだ厳しい寒さの日も残る春の初めのころに使われる季語です。

区分 季語 意味・情景
時候 寒明(かんあけ) 寒は、小寒から大寒、節分までのころ。暦の上で2月4、5日のころを指す。厳しい寒さが過ぎる安堵感がこもる
余寒(よかん) 立春が過ぎたものの、まだまだ残る寒さ
魚氷に上る
(うおひにのぼる)
気温があがり、薄くなった氷の割れ目から、氷下を泳いでいた魚が跳ね出るさま
雨水(うすい) 二十四節気の一つ。雪が雨に変わるころ
春まけて 「春かたまけて」とも。「かたまく」は古語で「時を待つ、その時が近づく」の意味。春が近づいて、春になっての意味
獺魚を祀る
(かわうそうおをまつる)
春になり、カワウソが魚を捕らえては川岸に並べてから食べる習性を、神に供物を捧げているようだとする
冴え返る
(さえかえる)
暖かくなったと思ったら、また寒さが戻り、またいっそう寒さが身にしみるさま
二月尽(にがつじん) 二月が終わる。短い月が慌ただしく過ぎ去る名残惜しさと、春へと向かう喜びが込められている
自然
(天文・地理)
薄氷(うすらい) まだ寒さの残る春浅いころに張る薄く儚い氷。また溶けかけた氷
堅雪(かたゆき) 昼間の暖かさで解けかけた雪が、夜間の冷えで再び凍り、堅く締まった状態
雪垢(ゆきあか) 堅雪の表面についた泥よごれ
雪泥(ゆきどろ) 解けかけた雪が泥と混ざりぬかるむさま
焼野(やけの) 芽吹きをうながしたり害虫を駆除したりするための野焼き
末黒(すぐろ) 焼野の後の焼け焦げた野原、またそこから新芽がのぞくさま
生活・行事 桑植う(くわうう) 桑の苗を植える春の作業。桑は今では飼う家も少なくなった蚕の餌。
剪定 果樹の剪定は、休眠期で病原菌の活動が少ない寒さのまだ厳しいころに行う
麦踏(むぎふみ) 早春に畑に出て麦の芽を踏む地道な作業。根張りがよくなり、霜による根浮きも防ぐ
花菜漬け
(はななづけ)
菜の花の開き切らないつぼみや茎を塩漬けにしたもの
白魚飯
(しらうおめし)
白魚を炊き込んだご飯。春になると産卵のために川を上る透明な小魚。死ぬと白くなる
針供養(はりくよう) 2月8日。古くなった針を集め供養する日。針仕事を休んで、裁縫の上達を願う。
二月礼者
(にがつれいじゃ)
正月は忙しい料理人や芝居関係者が、2月1日に挨拶回りをする風習のこと
春聯(しゅんれい) 春節に、めでたい文字を書きつけた赤い紙を家の門に貼るという中国の風習
初午(はつうま) 二月最初の午の日に稲荷神社で行われる、五穀豊穣を願う祭事
バレンタインの日 2月14日。すっかり定着した早春の「愛の日」
餅花煎る
(もちばないる)
柳に紅白の小さな餅を丸めて付け、花のようにした正月飾り。この時期にその餅を取り煎って涅槃の日の供物とする
安吾忌(あんごき) 作家坂口安吾の命日
植物・動物 飯蛸(いいだこ) 春になると体内が飯粒のような卵でいっぱいになることから名がついた、小さな蛸
公魚(わかさぎ) 湖などでのわかさぎ釣りで知られる小魚。川や湖で生まれ、海に出て2月ごろになると産卵のため遡上する
猫の恋 寒さがゆるみ、猫が恋の季節を迎える。恋の相手を探す雄猫のせつなげな声が聞こえる
どの花よりも早くにほころび春を知らせるとされる梅の花。香り高く、万葉のころは「花」といえば、桜ではなく梅
クロッカス 雪が残るような寒さのなか、早々に芽を出し、花開く
羊歯萌ゆ(しだもゆ) 蕨(わらび)やぜんまい、こごみなどの山菜も含まれるシダ植物。きゅっと巻いた新芽がしだいに解けて葉を広げていくさま
海苔 食用となる苔状藻類の総称。15℃以下という冷たい海水で成長するため、冬の海苔は上質とされる
はこべ 春の七草の一つ。道端や畦に群生し、小さな白い花を咲かせる
蕗の薹(ふきのとう) 早春に土から大きなつぼみのような芽を出す。独特の香りとほろ苦さを持つ山菜

春の季語:仲春(3月ごろ)

春の季語:仲春(3月ごろ)

仲春とは、二十四節気の啓蟄から清明の前まで。
少しずつ暖かな日も増え、いよいよ本格的に命が動き出す様子を表す季語が多くなります。

区分 季語 意味・情景
時候 如月(きさらぎ) 旧暦2月。寒さが残り、更に衣を重ねることから
啓蟄(けいちつ) 二十四節気の一つ。3月6日ころ。大地が温まり地中の虫たちが這い出るころという意味
春社(しゅんしゃ) 春の社日のこと。土地の神様を祀り五穀の種を供え、その年の豊作を祈る
初朔日
(はつついたち)
旧暦2月1日。朔日は1日のことで、古く1月15日が年の初めだったことの名残
彼岸 春分の日を中日として前後3日、計七日間が春の彼岸。「暑さ寒さも彼岸まで」
龍天に昇る
(りゅうてんにのぼる)
春分のころ天に昇った龍が雨を降らせるという中国の故事にまつわる
鷹化して鳩と為る
(たかかしてはととなる)
七十二候の一つ。春の穏やかな陽気に、獰猛な鷹も温和な鳩と化す、という中国の俗信
自然
(天文・地理)
初雷(はつらい) 立春後初めて鳴る雷。啓蟄のころに鳴るので「虫出しの雷」ともいう
初電
(はついなびかり)
春になってはじめての稲妻のこと
涅槃西風(ねはんにし) お釈迦さまの入滅、旧暦2月15日ころに吹く西からの風。浄土からの迎え風ともいわれる
春一番 立春後、初めて吹く南からの強い風
貝寄風(かいよせ) 旧暦2月22日ごろに吹く冬の季節風の名残。この強い西風で大阪住吉の浜に吹き寄せられた貝を使い花を造り、四天王寺の聖霊会で捧げた
雪の果(ゆきのはて) 暖かくなり、そろそろ降り納めの雪となること
雪ねぶり
(ゆきねぶり)
雪解けのころに地面に立つ靄(もや)のこと
木の根明く
(木の根あく)
木の根元の雪はほかに比べて早く解け、丸く穴が開いたように土が露わになること
水温む(みずぬるむ) 春になり川や池の水温が上がること
残雪 建物の陰や吹き溜まりなど所々に残る雪。かつては山肌に残る残雪の形で畑仕事を始める時期の目安とした
雪間(ゆきま) 雪が残るなかに黒々と土が露わになった所
生活・行事 胡瓜蒔く
(きゅうりまく)
夏野菜きゅうりの種を蒔くこと
北窓開く
(きたまどひらく)
暖かくなり、寒さのために閉め切っていた北に向かう窓を開ける
外套脱ぐ
(がいとうぬぐ)
春になり、冬物のコートなどを脱ぎ、軽やかな装いになること
苗札(なえふだ) 種を蒔いたり苗を植えたりした際、種類がわかるように立てる札
卒業 学業を終え、学校を去ること。さまざまな感情がこもる
四月馬鹿
(しがつばか)
4月1日、エイプリルフール。この日は軽い嘘やいたずらが許されるとも
落第 試験などに合格せず、進級や卒業が認定されないこと。
五加飯(うこぎめし) 落葉低木のウコギ。春伸びた新芽を摘み取り、軽く塩茹でしたものを混ぜ込んだご飯
雛あられ 桃の節句、雛祭りに供える色とりどりのあられ
檸檬忌(れもんき) 3月24日の小説家梶井寛次郎の命日。代表作『檸檬』にちなむ
植物・動物 雁帰る(かりかえる) 春になり、日本で冬を越した雁が北方へ帰っていくこと
蟻穴を出ず
(ありあなをいず)
暖かくなり、蟻が穴から出て活発に動き始めるさま
孕雀(はらみすずめ) 春になり交尾してお腹の中に卵を持つ雀のこと。
彼岸河豚
(ひがんふぐ)
春の彼岸のころになると、河豚がよく釣れる。またこのころがフグの産卵期とも
草青む 早春、いよいよ草の芽が伸び青々し始めるさま
山椒の芽 「木の芽」ともいわれる。みかん科の落葉低木。独特の香りを持つ芽は香辛料や添えものに使われる
すかんぽ タデ科の多年草。酸葉(すいば)、虎杖(いたどり)ともいう。中が空洞になっているためこの名がついた
蒲公英(たんぽぽ) キク科タンポポ属の多年草。土手や道端に咲く鮮やかな黄色い花は春の代名詞
野蒜(のびる) 土手などに生える春の山菜。野に生える蒜(にんにく)という由来。古事記にもその名が記されている

春の季語:晩春(4月ごろ)

春の季語:晩春(4月ごろ)

晩春とは、二十四節気の晴明から立夏の前日まで。
もう春の盛りがそろそろ過ぎ、初夏へ向かうそんなころです。

区分 季語 意味・情景
時候 蛙の目借り時
(かわずのめかりどき)
暖かな陽気に思わず眠くなるころ。瞼が重くなるのは、蛙が人の目を借りていくからだという俗説
穀雨(こくう) 二十四節気の一つ。農作物の発芽や成長を促すこの季節の暖かな雨をさす
八十八夜
(はちじゅうはちや)
立春から数えて88日目。種まきなどの目安とした
花冷え 暖かくなり桜の花のころ、急に寒さが戻ることがある
田鼠化して鶉となる
(でんそかしてうずらとなる)
七十二候の一つ。モグラがウズラに変わる、という中国の俗信。地中の生き物も活動をはじめるさま
春深し(はるふかし) 春が盛りを過ぎ、しだいに終わりを迎えるさま
春惜しむ
(はるおしむ)
過ぎていく春を惜しむ気持ち。儚さ、切なさが込められる
自然
(天文・地理)
蜃気楼(しんきろう) 地表の温度差によって光の異常屈折が起き、景色が伸びたり浮かんで見えたりする現象。富山湾や小樽沖などが有名
油風(あぶらかぜ) 晴れた日に海上を渡る油を流したような穏やかな南風。瀬戸内海や東海道などの漁師言葉
忘れ霜(わすれじも) 「八十八夜の別れ霜」といい、この頃に最後の霜が降りるといわれる
鳥曇(とりぐもり) 渡り鳥が北に帰っていく曇り空。春の終わり、別れの寂しさを表す
鰊曇(にしんぐもり) 北海道で鰊漁が始まる時期の曇り空。鰊は春告魚とされ、かつてはこの空模様を目安に出漁した
逃水(にげみず) 晴れた日、熱せられたアスファルトに水溜りができたように見える現象のこと。どこまでいっても掴むことができない、儚さを表す
弥生山(やよいやま) 春たけなわの、花が咲き霞煙る山を指す
苗代(なわしろ) 稲の種籾を蒔いて、苗を育てるための苗床
凍返る(いてかえる) 暖かな日が続いたあとで、急に寒さが戻ること
生活・行事 磯遊び 旧暦三月三日、またはこのころの大潮の日に、磯や砂浜で小さな生き物を観察したりする風習
炬燵塞ぐ
(こたつふさぐ)
昔ながらの床を切って炉をすえる掘りこたつ。暖かくなったのでそこに板を渡し、こたつを塞ぐ
踏青(とうせい) 青々と芽吹いた草を踏んで野山に遊ぶこと
新社員 新たに入社した社員のこと。不安と希望の入り混じるさまを表す
花盗人
(はなぬすびと)
桜などの美しさに惹かれて、思わずその枝を折り盗む人、風流だと、かつては許されたとか
羊の毛刈る
(ひつじのけかる)
冬を越して厚くなった緬羊の毛を刈り取る作業が行われる
鴨川をどり 京都先斗町歌舞練場で行われる、芸舞妓による公演。春らしい華やかな雰囲気
植物・動物 いかなご 関東では小女子(こうなご)。5,6cmの小魚で、産卵期の浅瀬に集まるところを捕える。いかなごの釘煮は瀬戸内海の郷土食
春駒(はるこま) 春の暖かな日差しの中、野に放牧されのびのびと駆ける若い馬
鳥の卵 春は野鳥の繁殖期。巣を作り、卵を温める
猫の子 「猫の恋」から約2ヶ月。春に生まれた猫の子ども
アネモネ キンポウゲ科の多年草。ギリシャ語の「風」を表す「アネモス」が由来。いち早く色とりどりの花を咲かせる
翁草(おきなぐさ) キンポウゲ科多年草。全体が白い毛に覆われる。赤紫色の釣鐘型の花の後、種も白く長い毛に覆われることから、老人の白髪が名の由来
勿忘草
(わすれなぐさ)
花言葉「私を忘れないで」。水色の可憐な花をつける
葱坊主(ねぎぼうず) 収穫されなかった葱の葉の間から伸びた茎の先につく、白い小さな花が集まった球状のもの
茗荷竹
(みょうがたけ)
土から出た茗荷の若い茎葉のこと。ほのかな香りとえぐみが楽しめる
残花(ざんか) 散り残った桜の花

春の季語の使い方

こうして春を表す季語をみてみると、趣があり、ユーモアに溢れるものも。
とても魅力的な言葉が並びます。

言葉を選ぶことで、現代の私たちの暮らしの中でも自然と使うことができそうですよ。

手紙やSNSで取り入れやすい春の季語

たとえば手紙やSNSなど。
とくに旅立ちや新しい出会いも多い春だからこそ、取り入れる機会もありそうです。

手紙では、書き出しや結びの言葉として使うと、表したい気持ちをそっと後押ししてくれます。
例文をいくつかご紹介します。

  • しだいに春めいてまいりましたが、いかが お過ごしでしょうか
  • うららかな日差しが心地よい頃となりました
  • 春風が気持ちのよい季節ですね
  • 色とりどりの花の季節となりました。みなさま、お変わりありませんか
  • 花冷えの折、お風邪など召されませんように
  • まだまだ寒さが残ります。花の便りが待ち遠しいですね

またちょっと気に入った春の季語を使って、SNSにハッシュタグをつけてみるのも世界が広がるきっかけになるかもしれませんね。

有名な春の俳句

春を詠んだ多くの俳句のなかから、とても有名な三句を紹介します。

・さま〴〵の事おもひ出す桜哉 / 松尾芭蕉

芭蕉が久々に故郷である伊賀上野を訪れ、若い日に奉公していた主君の屋敷で開かれた花見の宴で詠んだ句とされています。
主君籐堂良忠は、歳のころも近く、芭蕉が本格的に俳諧の道を志すきっかけとなった仲間でもありました。若くして亡くなった良忠の面影、ともに過ごした日々を思いながら見上げた桜だったでしょう。
難解な言葉のない、わかりやすくシンプルな句であるからこそ、多くの人にまっすぐに届く力があります。

・春の海 ひねもすのたり のたりかな / 与謝蕪村

冬の、波高く荒涼とした海とは違い、遠くまで霞むような長閑な春の日差しの中、ゆったりと寄せては返す穏やかな波の様子を描いた句。
「ひねもす」というのは朝から晩まで、日がな一日という意味。
のたりのたりと繰り返すことで、そのゆったりとしたさまが思い浮かぶようです。

・春雨や 猫に踊りを 教える子 / 小林一茶

温かく細かな雨が続く季節。外遊びができない子どもが、猫を相手に遊んでいる様子を切り取った句です。
子どもは猫の手を握って動かしているでしょうか。想像をかき立てる、時代を超えて愛される一句です。

世界の春を表す言葉・表現

世界にも春を表すような表現がいろいろとあります。
こうしてみると、やはり春には「はじまりの季節、祝福に満ちた」という、多くの国、多くの民族共通 の感覚があるようです。

〈英語〉

Spring...
Easter... イースター、復活祭:十字架にかけられたキリストが三日目に復活したことを祝う。芽吹きと重なり、春の訪れを祝う日
Springtime... 春季:springに対し、より春の訪れを喜ぶといった情緒的なニュアンスが含まれる
Budding season... 芽吹きの季節:budはつぼみや芽を意味する

〈フランス語〉

Printemps... 春:ラテン語のprimum(最初の)tempus(時期)に由来するprins tansから
Primevère... サクラソウ:フランスでは春を告げる花とされる。中期フランスでは春を象徴す る言葉で、ラテン語のprimum(最初の)ver(春)に由来する

〈中国〉

春天... 四季の春を指す
春季... 春の季節・春季

〈ヒンディー語〉

Vasanta...
Holi... ホーリー祭(春祭り)

〈ペルシャ語〉

Bahār...
Nowruz... 春分の日:新しい日を意味するイラン暦の元日

〈フィンランド語〉

Kevät...
Kevätsiivous... 春の大掃除:日本は年末に大掃除をするが、フィンランドでは春を迎えるころに大掃除をする習慣がある

春をまとう・飾る|春めくアイテム紹介

気分も明るくなるような、春を愉しむアイテムをご紹介します。

季節を楽しむ手拭い

季節を楽しむ手拭い

ハンカチにしたり、壁掛けにしたりと大活躍の手拭い。
その柄を変えながら、暮らしのなかでさりげなく季節も楽しむことができます。

この春、軽やかな春の柄をもう1、2枚買い足してみるのはいかがですか?
また、これから新しい生活が始まる、という方への贈り物にもどうぞ。

春風に揺れる和を感じるワンピース

春風に揺れる和を感じるワンピース

寒さが和らぎ厚いコートを脱いだら、ちょっと春らしいワンピースをワードローブに加えてみませんか?

軽やかな春らしい柄や、合わせる小物によってさまざまに楽しめるシンプルな一枚、豊富に揃っています。
ちょっと肌寒い日には薄いコートのように羽織っても。

春風に誘われて、思わず散歩に出かけたくなるワンピースです。

季節の香りを楽しむお香

季節の香りを楽しむお香

京都のお香メーカー、香彩堂が手掛けるお香、百楽香。
厳選された天然白檀を原料として調合された、ロングタイプです。

春を楽しむ香りをお部屋に。
また、桜や桃、木蓮といった春ならでは香りをご先祖様にも。春彼岸のお線香として。

春の季語がつなぐあなたと誰か

ふだん俳句は詠まないし、あまり気にかけていなかった季語。
もし、ちょっと気になる季語があったら、その季語が入った俳句を調べてみるのはいかがでしょう。
目の前に景色が広がることもあれば、「んー、よくわからない、どういうことかな」と頭を傾げることもあるかもしれません。

でもそれは、ちょっと気になったその季語が、詠み手とあなたをそっと繋いでくれたということ。
この春、季語から、少し世界が広がる予感です。

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