エスニックジョークとは?国別のステレオタイプやジョークの具体例、楽しむための注意点もご紹介

みなさんは、「エスニックジョーク」を知っていますか?
今回はじめて聞いたという方もいれば、好きでいくつかのジョークを知っているという方もいるかもしれませんね。

そこで、今回のコラムでは、エスニックジョークの定義や歴史、ほかのジョークとの違いといった基本的な知識から、エスニックジョークに登場する国別のステレオタイプ、エスニックジョークの具体例などをわかりやすくていねいに解説します。

エスニックジョークに興味がある方や、エスニックジョークについて知りたい方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。

エスニックジョークとは?

そもそも、エスニックジョークについてよく知らない、という方も多いかもしれません。そこで、まずはエスニックジョークの基礎知識から一緒にチェックしていきましょう!

エスニックジョークの定義

エスニックジョークとは、ある国の国民や民族が一般的に持っていると考えられている性格や考え方、行動スタイルなどを、比喩的におもしろおかしく表現したジョークです。
エスニックジョークは、国民性と民族性を端的にわかりやすく表しているとされ、世界で広く親しまれています。

なお、イギリス人、アメリカ人、ドイツ人、フランス人、インド人、中国人、日本人などがよくエスニックジョークのモチーフになることが多いです。

エスニックジョークの歴史

国民性をおもしろく表現したり、比喩的に強調して表現したりすることは、古くから行われてきたと考えられていますが、エスニックジョークの明確な起源についてはわかっていません。

しかし、そうしたジョークを「エスニックジョーク」という名前で呼ぶようになったのは、1970年代ごろといわれています。

エスニックジョークと他のジョークの違い

先ほどもご紹介したとおり、エスニックジョークは、性格や文化、思考パターンといった民族や国民性の違いを題材としたジョークのことを指します。

だじゃれや言葉遊びといったほかのジョークとの違いは、そうした国民性のステレオタイプなどをモチーフとしているかどうか、ということになります。

エスニックジョークを楽しむための注意点

エスニックジョークはユーモアがありおもしろいものですが、民族文化への風刺という性質から、差別的と捉えられることもあります。
また、エスニックジョークで表現される国民性はあくまでも「ステレオタイプ」のものであり、必ずしもそのとおりに当てはまるというわけではありません。

そのため、エスニックジョークを楽しむためには、あくまでも「ジョークである」ことを忘れないことが大切です。
言葉通りに受け取って「〇〇人は〜〜だ」と決めつけることのないようにしましょう。

また、ビジネスシーンや、公の場では思わぬトラブルや対立を生みかねませんので、エスニックジョークは使わない方が無難とされています。

エスニックジョークに登場する国別のステレオタイプ

エスニックジョークでは、さまざまな国の国民性や民族性のステレオタイプが登場します。
ここからは、エスニックジョークでよく題材にされる主な国ごとのステレオタイプのイメージをご紹介します。

なお、先ほどもご紹介したとおり、あくまでも「典型的なもの、ステレオタイプ」であり、必ずしも現実と100%一致するものではありませんので、注意してくださいね。また、なかにはネガティブなものもありますが、偏見ではなくあくまでもユーモアの範囲内と考えて、あまり真面目に受け取りすぎないことが大切です。

日本

私たち日本人は、「真面目、技術大国、集団主義、働きすぎ、家が狭い、勤勉、会社人間(仕事人間)、高品質へのこだわり、お金持ち(特にバブルの時期)」といったステレオタイプを持たれていることが多いです。

アメリカ

文化面、ビジネスの場面でも日本とかかわりの深いアメリカは、「独善的、傲慢、自慢好き、大雑把、陽気、贅沢、ヒーローへのあこがれが強い、訴訟をよくおこす、ケンカ好き(対立を恐れない)」というステレオタイプがあります。

中国

地理的にも日本と近く、歴史的なつながりも深く、しばしば比較されることもある中国。
そんな中国の人々には、「食へのこだわりが強い・グルメ、ケチ、強引、規則・ルールを守らない」といったステレオタイプが持たれています。

イギリス

日本と同じように長い歴史を持っており、また島国という共通点もあるイギリス。
そんなイギリスには、「皮肉屋、紅茶好き、紳士・淑女の国、合理的、食事がおいしくない(料理が下手)、堅苦しい、賭けごとが好き、腹黒い、会議好き(議会政治発祥の国であるため)」というステレオタイプがあります。

ドイツ

ヨーロッパ地域で大きな存在感を見せているドイツは、「生真面目、堅物、論理的、規則を重視する、時間厳守、技術屋、ものづくりが得意、合理的、個人主義」といったステレオタイプを持たれることが多いです。
真面目、ルールを守るなど、日本のステレオタイプと共通していることも多いのが特徴です。

エスニックジョークの具体例

さまざまな国ごとのステレオタイプがわかったところで、ここからはさっそくエスニックジョークの具体例をいくつかご紹介していきましょう!

沈没船

豪華客船に世界各国の人が乗り合わせている。そんななか、突然船に穴が開いてしまい沈没しかかっている。
船長は乗客たちに速やかに脱出して海に飛び込むよう、以下のように指示した。

アメリカ人に対して「飛び込めばヒーローになれますよ」

ロシア人に対して「海にウォッカのビンが流れていますよ」

イタリア人に対して「飛び込めば女性から愛されますよ」または「美女が飛び込みました」

フランス人に対して「絶対に飛び込まないでください」

イギリス人に対して「海に飛び込めばあなたは紳士です」

ドイツ人に対して「海に飛び込むのはルールです」

中国人に対して「おいしい魚が泳いでいますよ」

日本人に対して「みなさん飛び込んでいますよ」

各国の国民性を端的にユーモラスに表したとても有名なエスニックジョークです。
日本の集団主義や、アメリカのヒーローへの憧れなど、おもしろいですよね。

疾走

各国の人々が疾走している。その理由は以下の通り。

アメリカ人:
「健康のため」
イタリア人:
「女性にモテる体格になるため」
ドイツ人:
「美味しいビールを飲むため」
フランス人:
「『走るな』と言われたため」
日本人:
「働く体力をつけるため」

こちらも、ビール好きのドイツ人や、日本の「働きすぎ」をユーモアたっぷりに表現していますね。

天国と地獄

天国とは「コックが中国人、政治家がイギリス人、エンジニアが日本人、銀行家がドイツ人、恋人がイタリア人」のことを指す。

一方、地獄とは「コックがイギリス人、政治家が日本人、エンジニアが中国人、銀行家がイタリア人、恋人がドイツ人」を指す。

こちらは、各国の国民が得意なこと・苦手なことを皮肉たっぷりに表したエスニックジョークです。

来る時間

会議が始まるとき、いつ来るのか?

ドイツ人と日本人とユダヤ人は開始一時間前に来る

イギリス人は開始30分前に来る

アメリカ人は開始時間ちょうどに来る

フランス人は10分後に来る

イタリア人は15分後に来る

スペイン人は30分〜1時間後に来る

ポルトガル人はいつ来るのか分からない

日本人の生真面目さが強調されているエスニックジョークの例ですね。

幸福

幸福を買うか?と神様から問われたとき、各国の人々はこう答えた。

フランス人は「ワインとチーズがあるので買いません」と言った。
イタリア人は「パスタとサッカーさえあればいいので買いません」と言った。
日本人は幸福を買い、領収書をもらった。

無人島

無人島に男2人、女1人が流された。そのときどうなるか。

アメリカ人:
男Aと女は結婚するが、すぐに離婚。男Bがその際の弁護士役を務める。
ドイツ人:
男Aと女は結婚し、男Bがその証人として書類を作成する。
フランス人:
男Aと女は結婚し、女は男Bと浮気する。
イタリア人:
3人で楽しむ。
日本人:
男2人はそれぞれ、女をどうすればいいかについて東京の本社にお伺いを立てる。

アメリカの「裁判好き」や、日本の「会社重視」というのがよくわかるおもしろい例ですね。

酒場にて

頼んだお酒にハエが入っていたら

フランス人は怒って帰った。

イギリス人はウエイターに取り替えさせ、2杯分の代金を払った。

ドイツ人はハエを除いて飲んだ。

ロシア人はそのまま飲んだ。

アメリカ人はウエイターに取り替えさせ、1杯分の料金を払った。

日本人はアメリカ人と同じ。

イギリス人とアメリカ人、似ているようで異なる、ということがユニークに表現されたエスニックジョークですね。

問題が発生したら

問題が発生したとき、それぞれの国家では、どんな対処をするのか。

ドイツ:
最短の時間と最低のコストで解決する
アメリカ:
コストを惜しまず手段を講じるが、なぜかドイツ人よりも時間がかかる。
イギリス:
ティータイムにして解決したことにする。
アイルランド:
まずはエールを1杯・2杯・3杯……と飲み続けているうちに酔って問題が霞んで見える。
フランス:
騒ぎの末に、デモが起きたり衝突したりして問題が深刻化する。
スイス:
国民投票を行い答えを出すが、解決するとは限らない。
イタリア:
パスタを食べて解決したことにする。

沈没船の例と同じように、それぞれの国民性がわかりやすく描かれていますね。

最後の望み

地球滅亡の前日、最後に思うことは?

イタリア人:
「愛人とともに過ごそう」
日本人:
「仕事を今日中に終わらせよう」
ロシア人:
「今日は二日酔いを気にせずに飲もう」

3カ国の特徴をわかりやすく端的に表現しています。

必要なもの

コロナ禍のとき、国際的な会議が開かれ、今何が必要かについて話し合われた。

アメリカ人は勇気、
ドイツ人はルール、
フランス人は愛、
日本人は技術、
ロシア人はウォッカと答えた。

周りはロシア人に「どうしてウォッカなのか?」と聞いた。ロシア人は「ウイルスは抑制できないが、不安を抑制することはできる」と答えた。

それぞれの特徴がわかるとともに、最後のロシアの一言も皮肉がきいています。

エスニックジョークを知って、さまざまな国民性に親しもう

エスニックジョークは、単なるジョークというより、文化や国民性のステレオタイプを比喩的に表現した、意外と奥深いジョークであることがわかりましたね。

なかには、差別的と捉えられてしまうような場合もあるため、公の場やかしこまったシチュエーションでは言わない方が無難ですが、家族やお友達同士などで、ユーモアとして楽しむのは素敵ではないでしょうか。


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