大晦日にやってはいけないことは?行うべきことや怖い言い伝えとともにご紹介!

みなさんは、「大晦日」を毎年どのように過ごしていますか?
普段は遠く離れている家族が集まる、歌番組などを見るといった、自分なりに決まった過ごし方がある方も多いかもしれませんね。

しかし、実は「大晦日にやってはいけないこと」があるのを知っていましたか?
そこで、このコラムでは、大晦日にやってはいけないこととその理由、大晦日にすべきこと、大晦日にまつわる怖い言い伝えなどをわかりやすくご紹介します。

大晦日にやってはいけないことについて知りたい方や、日本の風習に興味がある方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。

大晦日とは?

そもそも大晦日ってどんな意味があるの?と不思議に思う方もいるかもしれません。
そこで、まずは大晦日の意味や由来、歴史についてチェックしていきましょう!

大晦日の意味と由来

大晦日とは、一年の締めくくりの日である「12月31日」のことを指します。

明治時代の初めごろまで使われていた太陰暦では、毎月の終わりのことを「晦日(みそか・つごもり)」と呼んでいました。
「晦」という言葉は、「月隠(つきごもり)」が訛ったものだと考えられており、月が隠れる日という意味があります。
そして、1年の最終日である12月31日は他の月とは別格ということで特別に「大晦日」と呼んでいたのです。

大晦日の歴史

大晦日は、平安時代ごろから始まったといわれています。
幸福や豊作をもたらすために高い山から降りて家を訪れる神様である「年神様(としがみさま)」を迎える準備をする日として始まりました。
年神様を気持ちよく迎えるため、人々は、大晦日にすす払いなどの掃除をしたり、飾りを施したりして、一晩中眠らずに年籠りを行っていたようです。

この風習が、現在でも大切に受け継がれているのです。

大晦日にやってはいけないこと

大晦日の意味や歴史がわかったところで、ここからは大晦日にしてはいけないことを理由とともにわかりやすく解説します!

火を長時間使う

火を長時間使う

お正月の準備もかねて、大晦日には料理をするという方も多いかもしれませんが、実は火を長い時間使うことはやめたほうがいいといわれています。

これは、かまどなど火を使うところ(台所・キッチン)には「荒神様(家の中心にあって家人を守護する)」という火の神様がおり、長時間火を使うと荒神様が休めず、怒ってしまうと考えられているから。
また、火を長く使う代表的な料理が煮炊きや煮物ですが、そのときに必ず出る「灰汁(あく)」が「悪」を連想させるため、こちらも避けたほうがいいとされています。

正月飾りを飾る

正月飾りを飾る

鏡餅やしめ縄、門松などの正月飾りを大晦日当日に飾るのもやめましょう。
そもそも、正月飾りは先ほども少しご紹介した「年神様」を迎えるものであり、大晦日に慌てて準備するのは失礼だと考えられています。
年神様は、新年を司る重要な神様であり、私たちに幸せや豊作をもたらしてくれる大切な存在です。

大晦日に正月飾りを飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、古くから避けられてきました。
年神様を気持ちよく迎えるためにも、大掃除後、12月28日までを目安に飾りましょう。
因みに、29日は「二重の苦」を連想させるため、こちらも避けるべきとされています。

大掃除をする

大掃除をする

大掃除を大晦日にバタバタ急いで行うのは、年神様が家に入りづらくなることから、タブーとされています。
正月飾りと同様に、29日は「二重の苦」を連想させるため避けた方が良いでしょう。
そのため、大掃除は、12月13〜28日を目安に済ませるのがポイントです。

なお、元日に大掃除をするのも、せっかく来てくださった年神様が掃き出されるため、避けるべきいとされています。

餅つき

餅つき

お正月に食べる鏡餅やお雑煮の準備のために、餅つきをしたいと考える方も多いはず。
しかし、大晦日に餅つきをすることは「一夜餅」と呼ばれ、葬儀の「一夜飾り」を連想し縁起が悪いことから、タブーとなっています。

さらに、年神様は家にやってきて鏡餅に依り付くと考えられています。
大晦日に急いで餅つきをすることは、年神様を迎える準備として失礼にあたるため、避けましょう。
大掃除や正月飾りの飾り付けと同じように、29日は避け、28日までに終わらせるようにしてくださいね。

早く寝る

早く寝る

お正月に備えて大晦日の夜は早く寝たいという方もいるかもしれません。
しかし、昔は早く寝てしまうと生命力が衰えると考えられていました。
このことから、現代でも早く寝るのは避けたほうがいいとされています。

年またぎのお風呂

年またぎのお風呂

大晦日にお風呂に入る習慣は、「年の湯」と呼ばれ、一年の汚れを落とし、ゆっくりとお湯につかりながら今年一年を振り返り新年を迎えます。
しかし、地域によっては、福を洗い流してしまうため、特に日付が変わる時間帯にお風呂に入ることは縁起が悪いと考えられていることもあります。

みなさんの地域にこのような風習・考えが残っているかどうか、一度チェックしてみるのも良いかもしれません。

大晦日に行うべき行事

続いてここからは、大晦日にするべきこと・行事をご紹介します。
みなさんにとってなじみのあるものも多いと思いますが、改めて意味などを確認していきましょう!

年越しそばを食べる

年越しそばを食べる

大晦日には、年越しそばを食べるのが一般的ですよね。
これは、江戸時代ごろから始まったといわれています。

そばは栄養が豊富なことに加え、切れやすいことから「厄・災い・悪・苦労を断ち切る」、細長いことから「長生き」などのご利益があると考えられています。
また、昔は金箔を使う細工師が、飛び散った金粉を掃除するときにそばを使っていたことから「金運アップ」の効果も期待できるとか。

ちなみに、年越しそばは年が明けるとそうしたご利益がなくなってしまうといわれているため、年が明ける前に食べるようにしましょう。

掃き納め

掃き納めとは、大晦日にその年最後の掃除をすることを指します。
先ほどご紹介したとおり、大掃除は大晦日にすべきではありませんが、古くからすす払いなどの簡単な掃き掃除が行われてきました。
そのため、大晦日には、ササッとできる掃き掃除をして、気持ちよく新年を迎えましょう。

ちなみに、掃き納めで使った笹竹や箒といった道具は後で小正月の火祭りに燃やす地域が多く、中には擬人化して煤男などと呼んだり、一度屋外に立て、神酒や燈明をお供えしたりする地域もあります。

除夜の鐘をつく・聞く

除夜の鐘をつく・聞く

除夜の鐘とは、大晦日の夜に寺院の梵鐘をつく仏教の行事の1つで、鎌倉時代に中国から伝わったものです。
梵鐘の「梵」は、サンスクリットの神聖・清浄が語源であり、鐘の音は仏様の音や声を連想させるものです。
聴いた人は、苦しみから逃れ、悟りに至る功徳があるとされていました。
世の中の人々の今生と来世の幸せを願うのが、除夜の鐘なのです。

除夜の鐘は、年をまたぐ深夜につかれます。
回数は煩悩の数を示すといわれる108回が一般的で、大晦日のうちに107回までをつき、年が明けてから最後の1回をつく寺院が多いようです。
一般の人でも除夜の鐘をつくことができる寺院もありますので、行ってみてはいかがでしょうか。一般の人が鐘をつけない寺院であれば、鐘の音を聞きに行ってみましょう。

大晦日にまつわる怖い言い伝え

大晦日にしてはいけないこと、するべきことがわかったところで、最後に、大晦日にまつわるちょっと怖い言い伝えをご紹介します。

年を越すときに鏡を見る

年を越すときに鏡を見る

年を越すときに鏡を見ると自分の死んだ姿が映る」という恐ろしい言い伝えがあります。
しかし、根拠や言い伝えの出どころは不明。
因みに鏡だけでなく、水面や窓ガラス、携帯の画面など、自分の顔が反射して見えるものは全て見てはいけないんだとか。

早く寝ると年神様が来ない

先ほども少しご紹介しましたが、早く寝るのはタブーと考えられています。
これは、早く寝てしまうと、新年の豊作をもたらしたり、一年の生命力を与えてくれる神様である年神様がやって来なくて、シワや白髪が増えるという言い伝えがあるからなんです。
古くは、大晦日に寝ずに年神様を待つ「年籠り」という習慣があったため、寝ない方が良いと考えられているのです。

年を越すときにトイレに行くと運を逃す

古くから、年を越すときにトイレに行くと運を逃す、という言い伝えもあります。
これは、トイレで水を流す行為が「運を洗い流してしまう」ことを連想させるから、と考えられています。
また、年神様を家に迎える際に、清浄とはかけ離れた場所(トイレ)にいることが失礼という考え方もあるようです。

こちらも、あまり気にしすぎてはいけませんが、ちょっとした心構えで避けられるものなので、年越し前に済ませておくと良いかもしれませんね。

大晦日の過ごし方を知って、気持ちよく新年を迎えよう

一年の締めくくりである大晦日には、してはいけないことがいくつもあることがわかりましたね。
今まで知らずにやってしまっていたことがあった、という方もいるかもしれません。
すべきこととあわせて、ぜひ今回の記事を参考にして今年の大晦日を楽しく過ごしてみてくださいね。

みなさんが、気持ちよく新年を迎えられますように。


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