知って得する!世界の面白いマナーと文化の違い

海外旅行に出ると驚くのは、料理でも景色でもなく「世界にはこんな文化や習慣があるのか」という、ちょっとしたズレ。こちらは礼儀のつもりでしたことが、海外では真逆の印象を与えてしまい、失礼にあたることも。その逆も同じです。

マナーとは不思議なもので、理由を知れば「なるほど」と納得できるのに、知らぬままでは少し難しく感じてしまいます。
今回はそんな世界の「思わず二度見する」面白いマナーを紹介します。

イタリア:カプチーノは「午前中だけ」の神聖な飲み物

イタリアで午後のカフェに入り、「カプチーノください」と言えば、店員は微笑む。だけど、目の奥では「この日本人、午後に牛乳を飲むのか…?」というざわめきが起きているかもしれません。それは、イタリアでは“カプチーノ=朝食”という文化があるから。

理由はシンプル。たっぷりのミルクは「胃に重い」とされ、食後の飲み物としてはふさわしくないから。午後に飲むならエスプレッソに限る。食後のリラックスタイムにラテを頼む日本との違いを知ると、また面白く感じますよね。

もし午後のイタリアでカプチーノを飲むなら、どうか堂々と。もしくは、軽く微笑んで「観光客ですので」と言ってしまえば、それもまた旅の味かもしれません。

エチオピア:相手の口に料理を運ぶ「グルシャ」

グルシャとは、相手の口元に食べ物を運んで食べさせる行為のこと。突然、初対面の人に料理を口に運ばれたら…、皆さんだったら固まってしまうのではないでしょうか。しかしエチオピアではそれが、最高の歓迎なんです。

親しい人はもちろん、初対面でも、男同士でも女同士でも行われるもの。グルシャを断るのは、どんな理由があれ失礼にあたってしまいます。

エチオピアの人々は、「食べものを分け合うこと=関係を結ぶこと」という文化を持っていて、口元に料理を運ぶおもてなしは、まさにその象徴と言える行為。他人のパーソナルスペースには、できるだけ踏み込まない日本とは真逆なんです。世界の広さと面白さに、思わずハッとさせられます。

アイルランド:パブのドアは「そっと閉める」のが礼儀

アイルランドのパブで夜遅くまで楽しんだあと、バタン!とドアを閉めたら、「今日はつまらなかった」と宣言するようなもの。パブでのマナーとして、帰るときはそっとドアを閉めるのが礼儀とされています。

さらにアイルランドのパブ文化で面白いのが「ラウンド」。グループで飲んでいると、誰かが全員分を奢る——これを順番にぐるぐると回していくのです。日本で言う「割り勘」とは違い、関係性や信頼のリズムに合わせて支払いも巡っていく。海外のこうした文化に触れると、「お金の使い方」もまたその国を映す鏡だと、ふと気づくかもしれません。

ドイツ:乾杯では目を合わせる

ドイツで乾杯するとき、グラスだけを合わせて目をそらすと、「誠意がない」と受け取られます。だからといって恋愛ドラマのようにじっと熱く見つめ続ける必要はありません。ただ軽く視線を合わせるだけ。どことなく、私たちが名刺交換の時に交わす挨拶のようなものなのかもしれませんね。

このマナーには「毒殺を警戒していた時代の名残」という説があります。
飲む相手の手元を見ながら安心して乾杯する——そんな歴史背景を知ると、文化と安全の関係は意外に深いもの。地方によっては、乾杯のあとに目を離さず、そのまま飲む習慣も。慣れると、妙な連帯感が生まれそうな気さえします。

フランス:挨拶の頬キスは場と関係性で変わる

映画やドラマでお馴染み、フランスで日常的に交わされている挨拶の頬キス(ビズ)。ですが地域や関係性で頬キスの回数が違います。パリなら2回、南仏では3回や4回、田舎では1回しかやらないこともあるとか。

誰かに会うたび「この人は何回だ?」と軽く身構えてしまいそうですが、フランス人はこれを感覚的に覚えているそう。日本は言葉中心のコミュニケーションが文化として強いが、フランスは「身体を使って関係性を調整する」。この違いに世界の多様さが表れています。

タイ:頭は神聖──触れてはいけない理由

タイでは、頭は「精霊が宿る場所」。非常に神聖なパーツとされています。
子どもでも大人でも、たとえ親愛を込めていても、頭をぽんぽんと撫でるのはNGです。日本では親しみの表現として子どもの頭を撫でるとか、少女漫画における萌えシチュエーションとして“頭ポンポン”が登場することがありますが、タイではそれが深刻な失礼になるのです。

また異性の肩を軽く叩く、という何気ない日本のスキンシップも、場所や関係性によっては相手が困惑してしまいます。簡単に思えることかもしれませんが、知らないと「なぜ怒られたのだろう」と首をかしげることに。

中東:左足の裏は向けない

中東では足の裏は「もっとも不浄な部分」とされています。相手に足の裏を向ける座り方は、悪意や軽蔑を示す可能性があるため、避けるのがマナー。特に椅子のない場所や床座の文化では、この習慣が顕著に表れてしまうのです。

日本でも正座やあぐらなど姿勢に文化がありますが、“不浄”という概念を重視するのは中東文化の特徴なんです。理由を知っていると、たとえば長イスに深く座って足を投げ出すときにも、自然と気を付けるようになるかもしれませんね。

南米:時間どおりに来ない=無礼ではない

南米では「時間に遅れること」が特別な問題にならないことが多いとされています。パーティー開始時刻が19時なら、19時半〜20時に来るのが自然。これは「時間より関係性や会話を楽しむことを優先する」という文化から生まれた習慣です。

むしろ時間ぴったりに到着すると、相手が慌てて準備している可能性が高いので、かえって気まずいのだとか。日本人が南米の友人に「18時に来てね」と言われ、17時半に現れたら…それはもう突撃訪問。

5分前集合が当たり前とされる日本のビジネスマナーからすると驚きのマナーですね。海外の価値観に触れることで、自分の当たり前が世界のあたり前ではないということに気付きます。

インド:右手は清浄、左手は不浄

スパイス料理ブームで、本格的なインド料理屋が増えてきた昨今。インドでは“右手で食べる”のがマナーであることは知られてきました。しかし、その理由となると、知らない人も意外と多いものです。

左手は「トイレで用いる手」という文化的意味があるため、食事の場に持ち込まないのがマナー。これを知らずに両手でカレーを混ぜていると、「あっ…」と気まずい思いをすることもあります。

ただ、この習慣は衛生観念と宗教観が長い年月をかけて結びついたもの。インド人にとって、右手で食べることは「敬意」の表現でもあるのです。近い習慣として、フィリピンには「カマヤン」という右手で食べるスタイルも。まさに“食べる”という行為そのものに文化が宿っている好例です。

まとめ

旅をするたびに思う——マナーとは“その国の心の形”
世界のマナーが国ごとに違うのは、文化や価値観、歴史が息づいているから。私たち日本人が海外旅行で戸惑ってしまう所作にも、必ず理由があるはずです。「どうして違うのか」という背景を知ると、世界との距離がふっと縮まり、旅での風景も少し豊かになるかもしれませんね。


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