ヨーロッパの名城13選|世界遺産にも登録された美しすぎる城めぐり

「ヨーロッパ旅行で、あの有名なお城を訪れてみたい」
「おとぎ話に出てくるような幻想的な城をこの目で見てみたい」
「歴史と文化を感じる名所を旅の候補にしたい」

そう思ったことはありませんか?
ヨーロッパの城は、王族や貴族が暮らした宮殿としての華やかさ、戦いの舞台となった要塞としての厳しさ、そしておとぎ話を思わせるロマンチックな姿。

その多彩な側面が訪れる人を魅了してきました。
今回は、世界遺産に登録された名城や映画・ファンタジーの舞台となった人気の城13選の魅力や見どころをご紹介します。
歴史や文化背景を知りたい方、次の旅行先を探している方にとって、きっと役立つ内容になるでしょう。

ヨーロッパの城の魅力とは?

ヨーロッパの城は、単なる観光スポットではなく、歴史と文化を映す貴重な建築遺産です。そして今なお、訪れる人に深い感動を与え続けています。

歴史・文化の象徴としての城

ヨーロッパの城は、長い歴史の中で政治や文化の中心を担ってきました。
王族や貴族の居住地であると同時に、戦争や外交の舞台ともなり、建物そのものが時代背景を映す「歴史の証人」と言えるでしょう。

多様な建築様式の美しさ

城は時代ごとの建築様式が色濃く残されており、次のようなものがあります。

  • ゴシック様式
  • ルネサンス様式
  • バロック様式
建築様式 時代・背景 特徴 代表的な城(例)
ゴシック様式 12〜15世紀頃、中世後期

●尖塔や高いアーチ窓

●ステンドグラス

●垂直性を強調

●カルカソンヌ城(仏)

●マルボルク城(波)

ルネサンス様式 15〜16世紀、イタリア発祥

●左右対称

●古代建築の復興

●装飾性・芸術性

●シャンボール城(仏)
バロック様式 17〜18世紀、絶対王政

●豪華で壮麗

●曲線や劇的な空間

●迫力の誇示

●ヴェルサイユ宮殿(仏)

●シェーンブルン(墺)

●ベルヴェデーレ宮殿(墺)

尖塔が立ち並ぶ幻想的な姿もあれば、要塞のように力強い造りの城もあり、その違いを見比べるのも旅の楽しみです。

世界遺産のヨーロッパ名城7選

数あるヨーロッパの城の中でも、世界遺産に登録された名城は特に保存状態が良く、文化的価値と観光的魅力の両方を兼ね備えています。
世界遺産に登録されるには、ユネスコが定める10の基準のうち1つ以上を満たす必要があるのです。
ヨーロッパの城の場合は「人類の創造的才能を表す」「歴史的出来事と関連する」といった文化遺産に関する基準に当てはまることが多いのが特徴と言えるでしょう。

ノイシュヴァンシュタイン城(ドイツ)|眠れる森の美女のモデル

ノイシュヴァンシュタイン城(ドイツ)|眠れる森の美女のモデル

ルートヴィヒ2世が築いた夢の城で、ディズニー映画『眠れる森の美女』のモデルとして世界的に有名です。
霧に包まれる姿は幻想的で、まるで物語の世界そのもの。
内部には豪華な王の居室や礼拝堂が残され、彼の芸術愛や夢想的な世界観が色濃く反映されています。
城の建築には最新の技術も用いられ、当時としては画期的な水道設備まで整えられていました。
歴史的背景と美的感覚の両方から鑑賞できる名城です。

アクセス
ミュンヘンから電車+バスで約2時間半
入場料
大人(18歳以上):約17ユーロ
子ども:無料(大人の同伴必須)

カステル・デル・モンテ(イタリア)|八角形の不思議な城

カステル・デル・モンテ(イタリア)|八角形の不思議な城

神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世が13世紀に築いた城で、八角形の独特な構造です。
幾何学的な設計は「シンメトリーの美学」を体現しており、軍事拠点というよりも権力と知性を示す象徴としての意味合いが強いと考えられています。
窓や塔の配置には天文学的な意図があったという説もあり、謎めいた魅力を放っているのです。
建築学・歴史学の両面から注目され、ユネスコ世界遺産に登録されました。

アクセス
バーリから車で約1半時間
バーリ駅から電車+バスで約1時間半
入場料
大人(18歳以上):約7~12ユーロ(変動あり)
子ども:無料(大人の同伴必須)

カステロ・ギマランイス(ポルトガル)|建国の象徴

カステロ・ギマランイス(ポルトガル)|建国の象徴

ポルトガル建国の舞台となった城。
石造りの堅牢な造りと、歴史を伝える展示が魅力です。
ギマランイス城そのものが見どころであると同時に、周辺の街並みも含めて「ギマランイス歴史地区」としてユネスコの世界遺産に登録されています。
石畳の路地や中世の雰囲気を残す広場など、城を起点に街歩きを楽しめるのも大きな魅力です。
地域全体が「ポルトガル建国の地」と呼ばれるほど歴史的意義が深く、訪れることで城と街の両方から文化を感じ取ることができるでしょう。

アクセス
ポルトから車で約40分
ポルトから電車+徒歩で約1時間半
入場料
大人:5ユーロ
子ども(12歳未満):無料(大人同伴必須)
学生(13〜24歳):50%割引(=2.5ユーロ)
シニア(65歳以上):50%割引(=2.5ユーロ)

マルボルク城(ポーランド)|世界最大のレンガ城

マルボルク城(ポーランド)|世界最大のレンガ城

13世紀にドイツ騎士団によって建てられたマルボルク城は、世界最大のレンガ造りの城として知られています。
ゴシック様式の要塞で、かつては東ヨーロッパにおける騎士団の本拠地でした。
堅牢な防御機能を持ちながらも、内部には壮麗な礼拝堂や広大な中庭が残されており、中世騎士文化の雰囲気を今に伝えています。
この城は単体で世界遺産に登録されており、レンガ建築の傑作として高く評価されています。

アクセス
ワルシャワから電車で約3時間
グダニスクから電車で約1時間
マルボルク駅から徒歩15分
入場料
大人(18歳以上):約70〜80ズウォティ(約16ユーロ)
子ども(8歳〜17歳):約60ズウォティ(割引適用)
7歳以下:無料
学生・シニア割引あり。

モン・サン=ミシェル(フランス)|海に浮かぶ修道院

モン・サン=ミシェル(フランス)|海に浮かぶ修道院

海に浮かぶ要塞兼修道院として有名なモン・サン=ミシェルは、8世紀に修道院として建設され、巡礼地として発展しました。
満潮時には海に囲まれ、干潮時には陸とつながる特異な立地から「西洋の驚異」とも呼ばれます。
「モン・サン=ミシェルとその湾」として世界遺産に登録されており、自然環境と人類の建築が融合した稀有な景観が特徴です。

アクセス
パリから電車+バスで約4時間
レンヌ駅またはサン・マロからシャトルバス利用
入場料
修道院入場料
大人(18歳以上):約13~16ユーロ(季節、時間帯によって多少変動)
子ども:無料

プラハ城(チェコ)|世界最大級の城郭

プラハ城(チェコ)|世界最大級の城郭

プラハ城は9世紀に建設され、現在も大統領府が置かれている現役の城郭です。
世界最大級の城としてギネス記録にも認定されており、歴史的・政治的な中心地としての役割を果たしてきました。
「プラハ歴史地区」の一部として世界遺産に登録されており、城内には聖ヴィート大聖堂や旧王宮など多彩な建築群が集まっています。城と旧市街、カレル橋をあわせて巡ることで、中世から現代までの歴史の重なりを体感できます。

アクセス
プラハ中心部からトラムで約15分
カレル橋から徒歩約20分
入場料
基本サーキットチケット
大人(17歳以上):250チェココルナ(約10ユーロ)
子ども:無料または割引対象

ペーナ宮殿(ポルトガル)|ロマン主義建築の傑作

ペーナ宮殿(ポルトガル)|ロマン主義建築の傑作

ペーナ宮殿は19世紀に建てられたロマン主義建築の代表作で、赤や黄色のカラフルな外観が特徴です。
幻想的なデザインはまるでおとぎ話の世界から抜け出したようで、訪れる人を魅了します。
「シントラの文化的景観」の中心的存在として世界遺産に登録されており、城と周囲の豊かな森や庭園が一体となった美しい景観が評価されています。

アクセス
リスボンから電車+バスで約1時間
入場料
大人(18歳以上):14ユーロ
子ども(6〜17歳)・シニア:12.5ユーロ

ファンタジーや映画に影響を与えたヨーロッパの城3選

映画や物語の舞台となった城は、歴史的背景に加えて「夢や物語の世界観」を感じられる特別なスポットとして、多くの旅行者を惹きつけています。
実際に訪れれば、ファンタジーの世界に入り込んだような体験ができ、ファンにとってはその世界観に浸れる最高の場所だと言えるでしょう。

シャンボール城(フランス)|ディズニー映画『美女と野獣』

シャンボール城(フランス)|ディズニー映画『美女と野獣』

シャンボール城は、ディズニー映画『美女と野獣』の舞台を連想させる城とも言われている世界的に有名な城です。
16世紀にフランソワ1世が築いたこの城は、ルネサンス様式の最高傑作と呼ばれ、二重らせん階段や壮麗な屋根装飾など建築美を堪能できるポイントが数多くあります。
訪れる人はまるで物語の世界に迷い込んだような体験ができるでしょう。

アクセス
パリから電車+バスで約2時間10分
入場料
大人(18歳以上):16ユーロ
子ども:無料

ブラン城(ルーマニア)|ドラキュラ伝説の舞台

ブラン城(ルーマニア)|ドラキュラ伝説の舞台

ブラン城は、吸血鬼ドラキュラの伝説と結びつけられたことで世界的に知られる城です。
14世紀に建てられた要塞で、中世の趣を色濃く残しています。
物語と現実が交錯する雰囲気は独特で、訪れる人を不思議な世界へと引き込ませるでしょう。
館内には博物館があり、ルーマニアの歴史や文化を学ぶこともできます。

アクセス
ブカレストから電車とバスで約3時間
ブラショフ駅からバスで約45分
入場料
大人(18歳以上):約70〜80レイ(約16ユーロ前後)
子ども(7〜17歳):30〜40レイ(8ユーロ前後)
子ども(6歳以下):無料

アニック城(イギリス)|映画『ハリー・ポッター』のロケ地

アニック城(イギリス)|映画『ハリー・ポッター』のロケ地

アニック城は、映画『ハリー・ポッター』のホグワーツ魔法学校のロケ地として有名です。
中世の要塞としての歴史を持ちながらも、映画ファンにとっては特別な聖地のような存在。
実際に映画の撮影が行われた中庭やホールを歩けば、まるで魔法の世界に迷い込んだかのような体験ができます。

アクセス
ロンドンから電車で約3時間半
ニューカッスルから電車で約45分
アニック駅からバスで約10分
入場料
大人(17歳以上):19.5ポンド
子ども(4歳〜16歳):10.25ポンド
子ども(3歳以下):無料

ヨーロッパの絶景を望む名城3選

山頂や海辺に築かれた城は、自然と調和した絶景だけでなく、当時の戦略的な役割や美的価値も今に伝えています。
眺める角度ごとに違う表情を見せるため、思わずシャッターを切りたくなる場所ばかりです。

ホーエンツォレルン城(ドイツ)|天空に浮かぶような絶景の城

ホーエンツォレルン城(ドイツ)|天空に浮かぶような絶景の城

山頂に建つホーエンツォレルン城は、霧に包まれた姿がまるで天空に浮かぶ城のように見えることで知られています。
ドイツ皇帝の祖先ゆかりの場所としても有名で、城内には王冠や宝物も展示されています。
歴史とロマンが融合した絶景スポットです。

アクセス
シュトゥットガルトから電車で約1時間
ヘッヒンゲン駅からバスで約15分
入場料
大人(18歳以上):22~26ユーロ子ども(12~17歳)約10~14ユーロ
子ども(11歳以下):無料
(購入方法による)

エディンバラ城(スコットランド)|街を見下ろすスコットランドの象徴

エディンバラ城(スコットランド)|街を見下ろすスコットランドの象徴

火山丘の上に建てられたエディンバラ城は、スコットランドの首都を象徴する存在です。
独立戦争の舞台となった歴史や英国王室との深い関わりを持ち、街のどこからでもその姿を望むことができます。
夜のライトアップされた姿も幻想的で必見と言えるでしょう。

アクセス
エディンバラ・ウェイヴァリー駅から徒歩約15分
市内中心部からもアクセス良好
入場料
大人(18歳以上):19.5ポンド
子ども(7〜17歳):11.5ポンド
子ども(6歳以下):無料

スピシュ城(スロバキア)|ヨーロッパ最大級の城跡

スピシュ城(スロバキア)|ヨーロッパ最大級の城跡

スピシュ城はヨーロッパ最大級の城跡で、石造りの要塞が丘の上に広がる姿は圧巻です。
城壁や塔からは周囲の自然を一望でき、壮大な景観が訪れる人を魅了します。
保存状態も良く、スロバキアの歴史を物語る世界遺産として登録されているのです。

アクセス
コシツェから電車で約1時間半
スピシュスケ・ポドフラディエ駅から徒歩約20分
入場料
大人(19歳以上):8ユーロ
子ども(6~18歳):4ユーロ
子ども(5歳以下):無料

※各城のチケット料金は時期やシーズンによって変動する場合があります。

また、オンライン購入の際には発券手数料がかかることもあるため、訪れる前に必ず公式サイトなどで最新の情報を確認するようにしましょう。

時を超えて語りかける、ヨーロッパの名城たち

ヨーロッパの城は、世界遺産として歴史や文化を今に伝えるだけでなく、映画やファンタジーの舞台として人々の夢をかき立てる存在でもあります。
山頂にそびえる要塞から海辺に浮かぶ修道院まで、ひとつとして同じ表情の城はありません。

壮大な建築と物語性に触れる旅は、観光地を巡るだけでは得られない深い感動を与えてくれるでしょう。
次のヨーロッパ旅行では、ぜひお気に入りの城を訪れ、歴史とファンタジーが交差する世界を体験してみてください。
また、実際に訪れない方にとっても、この記事が名城を思い描くきっかけや想像の一助となれば幸いです。


  • Twitter
  • Facebook
  • LINE