ハワイの人々が大切にするティリーフ(ティーリーフ)とは?伝説や生活に根付いた使い方もご紹介!

みなさんは、「ティリーフ(ティーリーフ)」という言葉を聞いたことがありますか?
名前は聞いたことがあるという方、まったく知らないという方など、さまざまではないでしょうか。

ハワイの人々が大切にしており、暮らしに根付いたいろいろな使われ方をしているティリーフ(ティーリーフ)。このコラムでは、そんなティリーフ(ティーリーフ)について、その特徴や歴史、用途、ティリーフ(ティーリーフ)にまつわる伝説などをわかりやすくていねいに解説していきます。

ティリーフ(ティーリーフ)について知りたい方、ハワイの文化や歴史に持ち始めた方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。

ティリーフ(ティーリーフ)とは

植物やガーデニングに興味がある方、ハワイがお好きな方にとってはおなじみかもしれませんが、「ティリーフ(ティーリーフ)ってなに?」という方も多いのではないでしょうか。

まずは、ティリーフ(ティーリーフ)の基本を一緒にチェックしていきましょう!

ティリーフ(ティーリーフ)の呼称

ティリーフ(ティーリーフ)とは、「ティ(ティー)」と呼ばれる植物の葉(リーフ)の部分を指した呼称です。ハワイ語での正確な発音は「キー(kī)」となるのですが、ハワイでもほとんどの人が「ティ(ti)」と発音しています。

英名はTiまたは Hawaiian Good-luck Plant、和名はセンネンボクまたはコウチク(紅竹)です。

ティリーフ(ティーリーフ)の語源と伝来

ティリーフ(ティーリーフ)の語源と伝来

ティリーフ(ティーリーフ)は、ヒマラヤ、東南アジア、マレーシア、北オーストラリアなどでもともと生えていた植物だと考えられています。古代ポリネシア人による「大いなる旅」によって、ハワイの土地へ持ち込まれました。ハワイでは主要6島すべてで見ることができ、ハワイ以外の太平洋の島々でも広く植えられています。

ティは、"Cordyline Terminalis(ラテン語)"という学名を持っています。"Terminalis"とは、英語の"Terminal"(ターミナル=端の、終わりの、最終的な)の語源で、ティという名前も、この "Terminalis"から"Ti"というハワイ語が派生したものだと考えられています。そのため、「隅の積み重なったもの」または「最後の線」という意味になるでしょう。

ティリーフ(ティーリーフ)の種類

ティリーフ(ティーリーフ)の種類

ティリーフ(ティーリーフ)は、大きく「コーディライン・ターミナリス」と「コーディライン・フルティコサ」の2品種にわかれます。

そのうち、「コーディライン・ターミナリス」の園芸種は、主に「グリーン(緑)」「レッド(赤)」「トリコロール」の3種類があります。日本では「ドラセナ」と呼ばれていますよ。
「コーディライン・フルティコサ」の園芸種は、主に「グリーン(緑)」と「レッド(赤)」の2種類です。

ティリーフ(ティーリーフ)の種類 コーディライン・ターミナリスのレッド

ティリーフ(ティーリーフ)の用途

ティリーフ(ティーリーフ)は、ハワイでさまざまな用途で使われています。ハワイの人々の文化や生活に根付いた使われ方を一緒にチェックしていきましょう!

魔除け魔除け

魔除け魔除け

ティリーフ(ティーリーフ)は、昔から家の周りに植えられたり、フラの大会のときに葉の切れ端をお守り代わりに身に着けたりするなど、「魔除け」や「幸運を呼ぶもの」として使われてきました。
ちなみに、先ほどご紹介したとおり、ティリーフ(ティーリーフ)には複数の種類がありますが、赤は血を彷彿とさせるため、魔除けには緑のティリーフ(ティーリーフ)が使われています。

レイ

レイ

フラを踊るときの装飾品のひとつである「レイ(首飾り)」やレイを編むときの土台としてティリーフ(ティーリーフ)が使われることも多いです。葉で花の形を作ることなどもできるんですよ……!レイのなかには、ティリーフ(ティーリーフ)だけで作られたものもあり、結婚式などで身につける方も。ティリーフ(ティーリーフ)のみを使って作るレイはベーシックなレイなので、作るのが比較的簡単な点も魅力です。

フラ

フラ

レイだけでなく、フラを踊るときに身につける「スカート」にも使用されています。踊っているときに、ティーリーフが滑らかに揺れるのがなんともハワイらしく素敵な光景です。

1つのスカートには、約100枚の葉が使われています。なかには、200枚前後の葉を使って作る方もいるようですが、その場合は、2枚重ねて編むそうです。フラはとても優雅に見えますが、100枚もの葉を腰に着け、さらにそれを揺らして踊るのはとても体力がいることですよね。

料理

料理

ハワイでは、ティリーフ(ティーリーフ)を料理にも活用しています。たとえば、ハワイの伝統的な料理のひとつである「ラウラウ(Lau Lau)」は、お肉やお魚をタロの葉っぱやティリーフ(ティーリーフ)で包んだ蒸し焼き料理です。

また、豚を丸ごと蒸し焼きにした「カルアピッグ」は石の熱を使って調理するのですが、その際、十分熱せられた石に食材を直接置くのではなく、バナナの葉やティリーフ(ティーリーフ)を敷き詰めています。

そのほか、料理を乗せるお皿など、食器として使うこともありますよ。

ティリーフ(ティーリーフ)は殺菌作用や鎮静作用があるとされているため、単体もしくは他のハーブと調合されて薬としても使われてきました。たとえば、火傷した時に冷やしたあと指に巻くと痛みが和らいだり、不眠症、腎臓の病、ぜんそくなどに効果があると言われています。

また、熱した石を葉で包んで腰痛の緩和に使ったり、外傷には若葉を包帯として使ったりしたようです。

その他

ティリーフ(ティーリーフ)は、ほかにもさまざまな用途で使われています。たとえば、サンダルなどの履物、屋根葺き、雨具、サーフボードの光沢剤(根)、縄類、笛、子ども用のソリなどです。

こうしたいろいろな用途があることからも、ティリーフ(ティーリーフ)の使い勝手の良さがわかりますね。

ティリーフ(ティーリーフ)に関する伝説

最後に、ティリーフ(ティーリーフ)にまつわるいくつかの伝説をご紹介していきたいと思います。ぜひ、これらの伝説を知って、ハワイアンスピリットに触れてみてくださいね。

カヌーの伝説

昔々、カウアイ島に住んでいたある王様が、自分の長男を捜す旅に息子たちのなかから誰を行かせるかを、ティリーフ(ティーリーフ)で作ったおもちゃのカヌーを使って決めることにしました。水に浮かんだティリーフ(ティーリーフ)のカヌーが、長男探しの旅に行かせるべき息子を示したといわれています。

サメ除けの伝説

昔々、ハワイ島のワイピオ川に一匹のサメが棲んでいました。あるとき、男が川を泳いで渡ろうとしたとき、彼はティ(キー)の茎を川に投げ入れました。男は、もし茎が消えたらサメが近くにいると考えたのですが、茎は実際には消えずに下流に流れていったため、男は川に飛び込み、泳いで川を渡ったそうです。

多様な魅力を持つティリーフ(ティーリーフ)

ティリーフ(ティーリーフ)は、レイやフラのスカートに利用されたり、魔除けに利用されたりと、ハワイの文化や風習と深いかかわりがあることがわかりましたね。ほかにも、料理や薬として使われるなど、日常生活にも欠かせない大切な存在です。

ハワイに行く機会がある方や、フラを踊ったり見たりする機会がある方は、ぜひティリーフ(ティーリーフ)に注目してみてくださいね。


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