中国の七夕とは?七夕に食べる特別な料理やプレゼントを贈る習慣もご紹介!

みなさんは、「七夕」をどんなふうに過ごしますか?
お家に笹を飾ったり、ショッピングモールなどにある大きな笹の木に願いを書いた短冊を飾ったりと、七夕にはいろいろな楽しみ方がありますよね。

そんな七夕ですが、中国にも七夕の風習があります。しかし、日にちや当日の過ごし方など、日本とは違うポイントも。そこで、今回のコラムでは中国の七夕の起源や、現代の中国人はどんなふうに七夕を過ごすのか、七夕ならではのイベントなどをご紹介していきたいと思います。日本との違いを意識しながら読んでみると、とても興味深いはずです。

中国の文化・歴史に興味を持ち始めた方や、中国の七夕について知りたいと思っている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。

中国の七夕の基本情報

中国にも七夕はあるのですが、実は日本と日にちは同じではないんです……!そこで、まずは中国の七夕の基本情報について一緒にチェックしていきましょう♪

中国の七夕はいつ?

日本では7月7日に七夕をお祝いしますよね。しかし、中国では旧暦にもとづいてお祝いするため、日本とは日にちが異なります。旧暦を使っているため、毎年日にちが変わりますが、8月初旬から中旬であることが多いです。

今年(2025年)の七夕は、8月29日(金)であり、通常と比べるとやや遅い日にちとなっています。

ちなみに、中国でも日本語と同じように「七夕」という同じ漢字が使われていますが、中国語では「七夕(qī xī /チーシー)」と発音します。

中国の七夕の由来

中国の七夕の由来

中国の七夕の由来・起源は、2,000年ほど前の「漢」の時代だと言われています。中国には、七夕(旧暦7月7日)の夜に空を見上げると、彦星(牛郎星)と織姫(織女星)が天の川で出会うのが見えて、瓜棚の下から星を眺めると、2人の愛のささやきが聞こえるという七夕伝説があります。

そして、織女が機織り上手な女性だったということにあやかって、女の子たちが裁縫や刺しゅうがうまくなるように祈る日となり、女の子のお祭りという意味合いも込められていました。「巧みなることを星に乞う」ことから「乞巧奠(きっこうでん/きこうでん)」という行事になり、これは日本にも奈良時代ごろに伝わりました。

中国の七夕の過ごし方

中国の七夕の起源や歴史がわかりましたね。つづいてここからは、中国での七夕の過ごし方をご紹介します。時代を経るにつれて、七夕の過ごし方にも変化が起きているんですよ♪

中国人の七夕の過ごし方

先ほどもご紹介したとおり、もともと七夕は機織りや裁縫、さらにはそこから関連して歌や音楽など諸々の技芸上達を祈る行事とされていました。そのため、暗闇で針に糸を通すという願かけをして、「器用になれますように」と願ったといいます。

また、昔は手先が器用ではない女の子は、結婚相手を探すことが大変だった、または良いところにお嫁に行けなかったということもあり、嫁入り前の女性たちは七夕の夜に、庭に果物などをお供えし、織姫星に裁縫上達の祈りを捧げる、ということもしていたそうです。

現代の中国人の七夕の過ごし方

中国人の七夕の過ごし方

現在、上記のような伝統的な行事という側面はうすれてしまっています。「織姫と彦星が年に一度だけ会うことを許された日」という面が強調され、七夕が「バレンタインデー」のように変化しています。

そのため、恋人どうしでロマンチックに過ごしたり、プレゼントを贈り合ったり、好きな人と食事をしたりする、という過ごし方をする人が多くなっています。

七夕に贈るプレゼント

七夕には、大切な人にプレゼントを贈ることが多く、男性から女性にプレゼントを渡す場合が多いようです。プレゼントとして贈るものとしては、花束やアクセサリーなどが人気です。お花は赤いバラを選ぶ方が多いようですが、ほかにも紫陽花やカーネーションを贈る方も。

そのほか、七夕限定のコスメや美容グッズ、ハートをモチーフにしたアイテムも七夕が近くなるとよく売られています。また、物ではなく、ロマンチックなレストランでのディナーや、七夕の日に婚姻届を出したり、結婚式を挙げたりするカップルもいるそうですよ♪

ちなみに、女性から男性にプレゼントを贈る場合は、靴、鞄、ゲーム機、イヤホン、そのほかガジェット類が好まれるとか。

七夕に食べる特別な料理

中国では、七夕に食べる特別な食べものがあります。こちらも、時代の変化とともに変わってきています。昔は、索餅(suǒbǐng/スオビン)と呼ばれるお菓子を食べていました。

中国語で「索」とは「太い縄」、「餅」とは「小麦粉と米粉を混ぜ合わせたもの(つまり、日本でいう「お餅」ではない)」という意味があります。そのため、索餅は、小麦粉と米粉を練って縄状に伸ばした食べ物、ということになります。昔の中国では、索餅を食べると無病息災で過ごせると考えられていました。

現代の中国では、挂面(guàmiàn/グアミエン)を食べるようになっています。挂面は日本で食べられているそうめんよりもやや太めの麺料理です。

七夕に食べる特別な料理

ちなみに、バレンタインの意味合いから、バラの形をしたかわいらしい餃子などを食べる人もいます。

七夕イベント

ここからは、日本と中国で人々が楽しんでいる七夕イベントをご紹介します!

日本のイベント

日本のイベント

日本では、宮城県の「仙台七夕まつり」、神奈川県の「湘南ひらつか七夕まつり」、愛知県の「安城七夕まつり」からなる「日本三大七夕祭り」が有名です。市内の大きな通りや商店街などがカラフルな七夕飾りで彩られ、パレードや踊りなどが披露されます。

また、大規模なものでなくても、願いごとを書いた短冊を笹の枝に飾る、というのは学校やご家庭、ショッピングモール、スーパーマーケットなどでたくさん行われていますよね。

中国のイベント

中国でも、七夕の大きなイベントがいくつかあります。たとえば、上海で行われる「上海七夕祭り」では、花火やパレード、織物の展示などを見ることができます。また、広州では伝統的な「広州七夕花会」というお祭りがあります。お祭りでは、お花の展示や古くから受け継がれている演芸などが楽しめます。

ちなみに、中国では地域によって七夕文化にも違いが見られます。たとえば、広東省では七夕の時期に七つの星(織女星)が現れると言われており、七つの人形や人形の形をした紙などを並べて飾り、お願いごとをする風習があります。

また、四川省や貴州省では、未婚の女性同士のあいだで、自然の草や花で爪を美しく染める文化があります。ホウセンカという花で爪を赤く染めると、指が縮まずに美しく健康な手を維持できるとも言われており、女性たちが美しさなどを追求する日として楽しまれています。

日本との違いも楽しみながら、中国の七夕に親しもう

同じ「七夕」という漢字が使われている行事でも、日本と中国では日付けや過ごし方などに違いがあることがわかりましたね。中国では七夕がバレンタインデーのような位置付けになっていることも、とても興味深かったのではないでしょうか。

ぜひ、中国の七夕文化にも親しんでみてくださいね。


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