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「世界で一番美しい図書館はどこだろう?」「写真で見たあの美しい図書館に行ってみたい」「次の旅行では、知的で素敵なスポットを訪れたい」
そう思ったことはありませんか?世界には、ただ本を収めるためだけでなく、歴史と芸術が融合する美の空間として訪れる価値のある図書館が数多く存在します。この記事では、そんな美しい図書館を世界中から15館厳選し、見どころやアクセス情報とともにご紹介します。
図書館の数は正確に把握することが難しいのですが、世界中にはおよそ100万館以上の図書館が存在すると言われています。公共図書館から大学図書館、専門図書館、そして国立図書館まで、様々な種類があり、その役割も多岐にわたります。
国際図書館連盟(IFLA)によると、先進国だけでなく発展途上国においても図書館の数は増加傾向にあるとのこと。特にデジタル技術の発展に伴い、図書館の役割も単なる本の保管場所から、コミュニティの交流拠点や文化発信の場へと変化しています。
また、歴史的に見ると図書館は古代エジプトやメソポタミアにまで遡る長い歴史を持ち、時代と共にその形を変えながら人類の知の集積所として機能してきました。現代では新たな建築技術とデザイン理念により、機能性だけでなく美しさを追求した図書館が世界各地に建設されています。
そんな膨大な数の図書館の中から、特に美しいと称される図書館を巡る旅は、知的好奇心と美的感覚を同時に満たしてくれる特別な体験となるでしょう。
世界中には「世界一美しい」と称される図書館が数多く存在します。その美しさは、歴史的な荘厳さと現代建築の革新が融合し、訪れる人々を圧倒するほどの魅力が満載。
まさに、目を見張るような空間が広がっており、その一歩を踏み入れた瞬間から驚きが待っています。真の「世界一美しい図書館」を詳しくみていきましょう。
1368年に設立された前身のホーフビブリオテークを起源とするオーストリア国立図書館は、ヨーロッパ有数の歴史を持つ図書館のひとつ。中でも18世紀に完成したバロック様式の「プルンクザール(豪華の間)」は、「世界で最も美しい図書館」と称される壮麗な空間です。
長さ80メートル、高さ20メートルにも及ぶこの豪華絢爛な空間は、ハプスブルク家の皇帝カール6世の命により、1723年から1726年にかけて建設されました。天井に描かれたフレスコ画は画家ダニエル・グランによるもので、知識の神格化や、カール6世の肖像画などが描かれています。
広間の中央には皇帝カール6世の像が置かれ、その周囲には古代ギリシャや古代ローマの大理石の胸像が配置されています。また、壁一面に並ぶ古い書籍の数々は、20万冊以上もの貴重な蔵書を含んでおり、そのうちの一部はヴェネチアの革装丁が施された美しい姿で展示されています。
訪問時の注意点としては、入場料が必要であること、また館内ではフラッシュを使わなければ写真撮影が可能であることが挙げられます。
アクセスは地下鉄カールスプラッツ(Karlsplatz)駅から徒歩約7分程度。ウィーン王宮に併設されているため、王宮見学と合わせて訪れるのがおすすめです。
オーストリア国立図書館の美しさには目を奪われますが、世界には他にも息を呑むような美しい図書館が数多く存在します。歴史的な建造物から現代的なデザインまで、それぞれが独自の魅力を放っています。ここでは、是非とも訪れてみたい世界の美しい図書館を紹介しましょう。
チェコのプラハにある「ストラホフ修道院図書館」は、「世界で最も美しい図書館」とも称される名所です。「神学の間」と「哲学の間」という2つの部屋があり、それぞれバロック様式の天井フレスコ画で装飾されています。
約20万冊の貴重書を所蔵し、9世紀から16世紀の写本も含まれています。書物を守るためコウモリが害虫を食べるという独特の保護システムもあります。
トラム22番または23番のポホジェレツ駅下車徒歩5分。『007 カジノ・ロワイヤル』のロケ地としても知られています。
アイルランドの首都ダブリンにある「トリニティカレッジ図書館」の最大の見どころは「ロング・ルーム」です。全長65メートルのこの部屋は18世紀前半に建設され、当初は平らな天井でしたが、書籍増加に伴い現在の樽型天井に改修されました。
約20万冊の古書や「ケルズの書」の複製、アイルランド最古の竪琴などが展示されています。映画「スター・ウォーズ エピソード2」の「ジェダイ・アーカイブ」のインスピレーション源とも言われています。観光シーズンは混雑するため、早朝か夕方の訪問がおすすめです。
2018年にオープンした「ヘルシンキ中央図書館 Oodi」は、フィンランド独立100周年記念プロジェクトとして建設されました。ALAアーキテクツ設計の曲線的な木製ファサードとガラス面が特徴です。
従来の図書館概念を拡張し、1階には映画館やカフェ、2階にはメイカースペース、3階は図書館機能を持つ3層構造になっています。波打つ白い天井と自然光あふれる3階は「本の天国」と呼ばれています。2019年に「Public Library of the Year」に選出され、ヘルシンキ中央駅から徒歩8分、入場無料の人気スポットです。
2013年にオープンした「バーミンガム図書館」は、オランダの建築集団メカノーによる現代建築の傑作です。金属製の透かし細工で覆われた外観は、バーミンガムの工業都市としての伝統に敬意を表しています。
10階建ての館内には900万冊以上の蔵書スペースがあり、シェイクスピアコレクションや希少書籍を所蔵。最上階からは市内を一望でき、中央アトリウムの「知識の回廊」が各階をつないでいます。雨水回収システムや地下水利用など環境配慮型設計も特徴です。バーミンガム・ニューストリート駅から徒歩約10分の好立地にあります。
2017年開館の「天津濱海図書館」は、オランダの建築スタジオMVRDVによる現代建築で、SNSで「世界で最もフォトジェニックな図書館」として瞬く間に有名になりました。中心にある巨大な球体「知識の目」を階段状の本棚が取り囲む未来的なデザインが特徴です。
総面積約33,700平方メートル、約120万冊の蔵書収容能力を持ちます。興味深いのは、高い位置の棚は装飾的なもので、実際には本を置けない点です。天津濱海新区の文化センター内にあり、地下鉄9号線文化中心駅からアクセス可能で、入館は無料です。
2015年にオープンした「高雄市立図書館」は、台湾の建築事務所と日本の建築事務所・竹中工務店が協同で設計・施工を担当しました。ガラスとスチールの現代的なデザインで、夜間のライトアップも美しく、環境と調和した緑化設計も特徴的です。
地上8階、地下2階の館内には約250万冊の蔵書を収蔵可能で、マルチメディアルームや展示スペースも完備。屋上庭園からは市街の眺望も楽しめます。
単なる図書館を超え、カフェやレストランを併設した市民の交流拠点として機能しており、高雄MRT紅線三多商圏駅から徒歩約10分でアクセス可能です。
日本を代表する建築家の一人、藤本壮介が設計した「武蔵野美術大学図書館」は、2010年完成の現代建築として高い評価を受けています。「本の森」をコンセプトに、螺旋状に配置された木製書架が構造体となる独創的なデザインが特徴です。
ガラス外壁からの自然光が時間帯により異なる表情を見せ、藤本の「図書館を形作るのは、本、棚、光、そして美しい場所」という理念を体現しています。
館内にはアルネ・ヤコブセンやイームズなど世界の名作チェア約350点も配置され、「椅子の美術館」の側面も持ちます。西武国分寺線鷹の台駅から徒歩約10分、一般見学は事前申込が必要な場合があります。
1911年開館の「ニューヨーク公共図書館」は、マンハッタン5番街に建つボザール様式の名建築です。入口の二体のライオン像「忍耐」と「勇気」はNYの象徴として親しまれています。
見どころは3階の「ローズ・メイン・リーディング・ルーム」で、広さ約800平方メートル、天井高約16メートルの荘厳な空間です。
約5000万点の蔵書を誇り、稀覯本や手稿などの特別コレクションが充実。『ゴーストバスターズ』や『セックス・アンド・ザ・シティ』など多くの映画にも登場しています。地下鉄42nd St-Bryant Park駅から徒歩2分、入館無料の観光名所です。
2006年開館の「ホセ・ヴァスコンセロス図書館」は、メキシコの建築家アルベルト・カラチによる現代図書館です。最大の特徴は中央アトリウムに宙に浮くように配置された本棚で、骨格標本のような造形が芸術性と機能性を兼ね備えています。
総面積約38,000平方メートルの館内には約60万冊の蔵書のほか、デジタルメディアセクション、音楽ホール、緑地空間「植物の庭」などがあります。メキシコの教育文化インフラ強化プロジェクトの一環として建設され、デジタル時代の新しい図書館像を提示しています。
メトロ・ブエナビスタ駅から徒歩圏内、入館無料で利用できます。
2018年オープンの「カルガリー公共図書館」は、ノルウェーのスノヘッタとカナダのDialogが共同設計した革新的建築です。最大の特徴はその立地で、軽鉄道(LRT)線路の上に建設され、ダウンタウンとイーストビレッジを結ぶ役割も果たしています。
六角形パターンのガラスファサードと木材の温かみが調和した外観が印象的です。約24,000平方メートルの館内には約45万冊の蔵書のほか、多機能施設を完備。
子供向けの「冒険の演劇場」や先住民文化を称える「エルダーズリビングルーム」など、多様性に配慮した空間設計も特徴です。CTrainシティホール駅から徒歩すぐ、入館無料で利用できます。
1837年創設、現在の建物は1880年代に建設された「王立ポルトガル文学館」は、日本では「幻想図書館」とも呼ばれています。ネオマヌエル様式の建築内部には、天井から床まで約14メートルの本棚が三層に配置され、約35万冊のポルトガル語書籍を所蔵。
青と金色を基調とした内装や、ステンドグラスの天窓からの光が幻想的な雰囲気を醸し出しています。ポルトガル風ゴシック様式の本棚の繊細な彫刻も見事です。
研究図書館として機能しており、一般観光客は本に触れられませんが内部見学や写真撮影は可能です。地下鉄ウルグアイアナ駅から徒歩5分でアクセスできます。
エジプトのアレクサンドリアにある「新アレクサンドリア図書館」(ビブリオテカ・アレクサンドリナ)は、古代アレクサンドリア図書館の精神を継承し、2002年に開館した現代の大規模図書館です。
古代の図書館は紀元前3世紀に建設され、当時の世界最大の図書館でしたが、3世紀までに火災や戦争により破壊され、多くの貴重な書物が失われてしまいました。
新しい図書館はノルウェーの建築事務所「スノヘッタ」の設計によるもので、直径160メートルの円盤状の建物が特徴的です。この形状は、古代エジプトの太陽神ラーを象徴する太陽円盤を表現しているとも、巨大な日時計を想起させるとも言われています。建物は地中海に向かって傾斜しており、地中へと沈み込むかのような独特な外観となっています。
外壁には世界中の様々な文字や象形文字が彫られており、人類の知識と文化の多様性を表現しています。屋根はガラス張りで、北側に向いた傾斜により、読書に適した自然光を館内に取り込む設計になっています。
館内には800万冊以上の蔵書を収容できる大規模な閲覧スペースがあり、最大2,000人が同時に利用できます。また、4つの美術館、プラネタリウム、IMAX映画館、3つの展示ギャラリー、7つの研究センター、会議センターなども併設されており、単なる図書館を超えた総合的な文化施設となっています。
特に貴重なのは「稀覯書・特別コレクション」で、アラビア語やフランス語、英語などで書かれた中世から現代までの貴重な書物や手稿が保管されています。また、世界中のウェブサイトをアーカイブする「インターネット・アーカイブ」のミラーサイトも設置されています。
アレクサンドリアの海岸沿い、コルニッシュ通りに面して建っており、市内中心部からタクシーやトラムでアクセスできます。開館時間は平日の午前10時から午後7時まで、金曜日と土曜日は午前3時から午後7時までです。
入場料は外国人観光客には70エジプトポンド(約450円)程度かかりますが、建築の美しさと文化的な重要性を考えれば十分な価値があるでしょう。
オーストラリアのメルボルンにある「ビクトリア州立図書館」は、オーストラリア最古の公共図書館であり、1856年に設立されました。ネオクラシカル様式の壮麗な建築は、メルボルンの文化的アイコンとして市民や観光客に親しまれています。
この図書館の最大の見どころは、中央に位置する「ラ・トローブ・リーディング・ルーム」です。八角形のドーム状の巨大な閲覧室で、白亜の壁と高い天井が特徴的です。中央から放射状に机が配置されており、静かで荘厳な雰囲気の中で読書や学習を楽しむことができます。
館内には200万冊以上の書籍に加え、写真、地図、新聞、手稿など、オーストラリアの歴史や文化に関する貴重なコレクションが収蔵されています。特に「オーストラリアナ・コレクション」は、オーストラリアの開拓時代から現代までの重要な資料を網羅しており、研究者にとって貴重な資源となっています。
2003年から2007年にかけて大規模な改修工事が行われ、歴史的な建物の保存と現代的な機能の融合が図られました。改修後は、展示スペースやギャラリー、カフェなども新たに設けられ、より多くの人が利用しやすい空間となっています。
図書館の前には広場があり、芝生の上でくつろぐ地元の人々や観光客の姿が見られます。また、無料のWi-Fiサービスも提供されており、デジタル時代にも対応した施設となっています。
メルボルンの中心部に位置し、メルボルン中央駅から徒歩約3分という好立地にあります。入館は無料で、観光客でも身分証明書を提示すれば、図書館のサービスを利用することができます。開館時間は月曜日から木曜日が午前10時から午後9時まで、金曜日から日曜日が午前10時から午後6時までとなっています。
オーストラリア・シドニー西部の中心地パラマタに2022年にオープンした「パラマタ図書館」は、現代的な設計と革新的な機能を兼ね備えた新しい文化施設です。フランス人建築家のマニュエル・ゴートランとオーストラリアの建築事務所「ラコスト+スティーブンソン」が協働して完成させたこの図書館は、すでに地域のランドマークとなっています。
最も目を引くのは、鮮やかな朱色をしたパネルで覆われた特徴的な屋根です。このユニークな外観は、パラマタの多文化的な背景と未来志向の姿勢を象徴しています。環境に配慮した設計も特徴の一つで、屋根のルーバーは天候に応じて自動で開閉し外気を取り入れるスマートビルディングとしての機能を備えています。
館内は6階建てで、総面積約2,700平方メートルにおよび、約20万冊の蔵書を収蔵しています。1階と2階には開放的な読書スペース、3階には子供向けのエリア、4階にはデジタルラボやマルチメディアスタジオ、5階には静かな学習スペース、そして6階には屋上庭園とカフェが設けられています。
この図書館の特色は、従来の本の貸し出しサービスに留まらず、最新のテクノロジーを活用した学習環境を提供していることです。3Dプリンター、レーザーカッター、オーディオ録音設備などを備えた「メイカースペース」では、創造的なプロジェクトや技術習得のためのワークショップが定期的に開催されています。
また、先住民アボリジニの文化を尊重し、専用の「アボリジニ・アンド・トレス海峡諸島民コレクション」コーナーが設けられているのも特徴的です。ここでは先住民の言語や文化に関する資料が収集され、文化的多様性への理解を深める取り組みがなされています。
パラマタの中心部に位置し、パラマタ駅から徒歩約5分でアクセスできます。開館時間は月曜日から金曜日が午前9時30分から午後8時まで、土曜日と日曜日が午前9時30分から午後5時までとなっています。入館は無料で、地元住民だけでなく観光客も歓迎されています。現代建築と最新の図書館サービスを体験したい方にはぜひおすすめの場所です。
世界各地の美しい図書館をご紹介してきましたが、いかがでしたか?古典的な建築様式から革新的な現代デザインまで、それぞれが独自の魅力を放っています。これらの図書館は単なる本の保管場所ではなく、知識と文化の交差点として、また建築的傑作として存在しています。
美しい図書館を訪れる旅は、知的好奇心を満たすと同時に、視覚的にも感性を刺激する特別な体験となるでしょう。本好きの方はもちろん、建築や歴史、デザインに興味がある方にとっても素晴らしい経験になるはずです。
図書館訪問の際には、事前にウェブサイトで開館時間や入館条件、写真撮影のルールなどを確認しておくことをおすすめします。次の旅行計画に、ぜひこれらの図書館のいくつかを加えてみてはいかがでしょうか?
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「世界で一番美しい図書館はどこだろう?」
「写真で見たあの美しい図書館に行ってみたい」
「次の旅行では、知的で素敵なスポットを訪れたい」
そう思ったことはありませんか?
世界には、ただ本を収めるためだけでなく、歴史と芸術が融合する美の空間として訪れる価値のある図書館が数多く存在します。
この記事では、そんな美しい図書館を世界中から15館厳選し、見どころやアクセス情報とともにご紹介します。
目次
世界に図書館っていくつある?
図書館の数は正確に把握することが難しいのですが、世界中にはおよそ100万館以上の図書館が存在すると言われています。
公共図書館から大学図書館、専門図書館、そして国立図書館まで、様々な種類があり、その役割も多岐にわたります。
国際図書館連盟(IFLA)によると、先進国だけでなく発展途上国においても図書館の数は増加傾向にあるとのこと。特にデジタル技術の発展に伴い、図書館の役割も単なる本の保管場所から、コミュニティの交流拠点や文化発信の場へと変化しています。
また、歴史的に見ると図書館は古代エジプトやメソポタミアにまで遡る長い歴史を持ち、時代と共にその形を変えながら人類の知の集積所として機能してきました。
現代では新たな建築技術とデザイン理念により、機能性だけでなく美しさを追求した図書館が世界各地に建設されています。
そんな膨大な数の図書館の中から、特に美しいと称される図書館を巡る旅は、知的好奇心と美的感覚を同時に満たしてくれる特別な体験となるでしょう。
世界一美しい図書館
世界中には「世界一美しい」と称される図書館が数多く存在します。その美しさは、歴史的な荘厳さと現代建築の革新が融合し、訪れる人々を圧倒するほどの魅力が満載。
まさに、目を見張るような空間が広がっており、その一歩を踏み入れた瞬間から驚きが待っています。真の「世界一美しい図書館」を詳しくみていきましょう。
オーストリア国立図書館(プルンクザール)/オーストリア・ウィーン
1368年に設立された前身のホーフビブリオテークを起源とするオーストリア国立図書館は、ヨーロッパ有数の歴史を持つ図書館のひとつ。中でも18世紀に完成したバロック様式の「プルンクザール(豪華の間)」は、「世界で最も美しい図書館」と称される壮麗な空間です。
長さ80メートル、高さ20メートルにも及ぶこの豪華絢爛な空間は、ハプスブルク家の皇帝カール6世の命により、1723年から1726年にかけて建設されました。天井に描かれたフレスコ画は画家ダニエル・グランによるもので、知識の神格化や、カール6世の肖像画などが描かれています。
広間の中央には皇帝カール6世の像が置かれ、その周囲には古代ギリシャや古代ローマの大理石の胸像が配置されています。
また、壁一面に並ぶ古い書籍の数々は、20万冊以上もの貴重な蔵書を含んでおり、そのうちの一部はヴェネチアの革装丁が施された美しい姿で展示されています。
訪問時の注意点としては、入場料が必要であること、また館内ではフラッシュを使わなければ写真撮影が可能であることが挙げられます。
アクセスは地下鉄カールスプラッツ(Karlsplatz)駅から徒歩約7分程度。ウィーン王宮に併設されているため、王宮見学と合わせて訪れるのがおすすめです。
U1/U2/U4「Karlsplatz」駅から徒歩約7分
路面電車1・2・D番「Kärntner Ring, Oper」駅から徒歩約7分
学生・シニア割引、団体割引などもあり
世界には美しい図書館がたくさんある!
オーストリア国立図書館の美しさには目を奪われますが、世界には他にも息を呑むような美しい図書館が数多く存在します。歴史的な建造物から現代的なデザインまで、それぞれが独自の魅力を放っています。ここでは、是非とも訪れてみたい世界の美しい図書館を紹介しましょう。
ストラホフ修道院図書館/チェコ・プラハ
チェコのプラハにある「ストラホフ修道院図書館」は、「世界で最も美しい図書館」とも称される名所です。「神学の間」と「哲学の間」という2つの部屋があり、それぞれバロック様式の天井フレスコ画で装飾されています。
約20万冊の貴重書を所蔵し、9世紀から16世紀の写本も含まれています。書物を守るためコウモリが害虫を食べるという独特の保護システムもあります。
トラム22番または23番のポホジェレツ駅下車徒歩5分。『007 カジノ・ロワイヤル』のロケ地としても知られています。
トリニティカレッジ図書館/アイルランド・ダブリン
アイルランドの首都ダブリンにある「トリニティカレッジ図書館」の最大の見どころは「ロング・ルーム」です。全長65メートルのこの部屋は18世紀前半に建設され、当初は平らな天井でしたが、書籍増加に伴い現在の樽型天井に改修されました。
約20万冊の古書や「ケルズの書」の複製、アイルランド最古の竪琴などが展示されています。
映画「スター・ウォーズ エピソード2」の「ジェダイ・アーカイブ」のインスピレーション源とも言われています。観光シーズンは混雑するため、早朝か夕方の訪問がおすすめです。
ヘルシンキ中央図書館/フィンランド・ヘルシンキ
2018年にオープンした「ヘルシンキ中央図書館 Oodi」は、フィンランド独立100周年記念プロジェクトとして建設されました。ALAアーキテクツ設計の曲線的な木製ファサードとガラス面が特徴です。
従来の図書館概念を拡張し、1階には映画館やカフェ、2階にはメイカースペース、3階は図書館機能を持つ3層構造になっています。
波打つ白い天井と自然光あふれる3階は「本の天国」と呼ばれています。2019年に「Public Library of the Year」に選出され、ヘルシンキ中央駅から徒歩8分、入場無料の人気スポットです。
バーミンガム図書館/イギリス・バーミンガム
2013年にオープンした「バーミンガム図書館」は、オランダの建築集団メカノーによる現代建築の傑作です。金属製の透かし細工で覆われた外観は、バーミンガムの工業都市としての伝統に敬意を表しています。
10階建ての館内には900万冊以上の蔵書スペースがあり、シェイクスピアコレクションや希少書籍を所蔵。
最上階からは市内を一望でき、中央アトリウムの「知識の回廊」が各階をつないでいます。雨水回収システムや地下水利用など環境配慮型設計も特徴です。バーミンガム・ニューストリート駅から徒歩約10分の好立地にあります。
天津濱海図書館/中国・天津
2017年開館の「天津濱海図書館」は、オランダの建築スタジオMVRDVによる現代建築で、SNSで「世界で最もフォトジェニックな図書館」として瞬く間に有名になりました。中心にある巨大な球体「知識の目」を階段状の本棚が取り囲む未来的なデザインが特徴です。
総面積約33,700平方メートル、約120万冊の蔵書収容能力を持ちます。興味深いのは、高い位置の棚は装飾的なもので、実際には本を置けない点です。
天津濱海新区の文化センター内にあり、地下鉄9号線文化中心駅からアクセス可能で、入館は無料です。
高雄市立図書館/台湾・高雄
2015年にオープンした「高雄市立図書館」は、台湾の建築事務所と日本の建築事務所・竹中工務店が協同で設計・施工を担当しました。ガラスとスチールの現代的なデザインで、夜間のライトアップも美しく、環境と調和した緑化設計も特徴的です。
地上8階、地下2階の館内には約250万冊の蔵書を収蔵可能で、マルチメディアルームや展示スペースも完備。屋上庭園からは市街の眺望も楽しめます。
単なる図書館を超え、カフェやレストランを併設した市民の交流拠点として機能しており、高雄MRT紅線三多商圏駅から徒歩約10分でアクセス可能です。
武蔵野美術大学図書館/日本・東京
日本を代表する建築家の一人、藤本壮介が設計した「武蔵野美術大学図書館」は、2010年完成の現代建築として高い評価を受けています。「本の森」をコンセプトに、螺旋状に配置された木製書架が構造体となる独創的なデザインが特徴です。
ガラス外壁からの自然光が時間帯により異なる表情を見せ、藤本の「図書館を形作るのは、本、棚、光、そして美しい場所」という理念を体現しています。
館内にはアルネ・ヤコブセンやイームズなど世界の名作チェア約350点も配置され、「椅子の美術館」の側面も持ちます。西武国分寺線鷹の台駅から徒歩約10分、一般見学は事前申込が必要な場合があります。
ニューヨーク公共図書館/アメリカ・ニューヨーク
1911年開館の「ニューヨーク公共図書館」は、マンハッタン5番街に建つボザール様式の名建築です。入口の二体のライオン像「忍耐」と「勇気」はNYの象徴として親しまれています。
見どころは3階の「ローズ・メイン・リーディング・ルーム」で、広さ約800平方メートル、天井高約16メートルの荘厳な空間です。
約5000万点の蔵書を誇り、稀覯本や手稿などの特別コレクションが充実。『ゴーストバスターズ』や『セックス・アンド・ザ・シティ』など多くの映画にも登場しています。地下鉄42nd St-Bryant Park駅から徒歩2分、入館無料の観光名所です。
ホセ・ヴァスコンセロス図書館/メキシコ・メキシコシティ
2006年開館の「ホセ・ヴァスコンセロス図書館」は、メキシコの建築家アルベルト・カラチによる現代図書館です。最大の特徴は中央アトリウムに宙に浮くように配置された本棚で、骨格標本のような造形が芸術性と機能性を兼ね備えています。
総面積約38,000平方メートルの館内には約60万冊の蔵書のほか、デジタルメディアセクション、音楽ホール、緑地空間「植物の庭」などがあります。メキシコの教育文化インフラ強化プロジェクトの一環として建設され、デジタル時代の新しい図書館像を提示しています。
メトロ・ブエナビスタ駅から徒歩圏内、入館無料で利用できます。
カルガリー公共図書館/カナダ・カルガリー
2018年オープンの「カルガリー公共図書館」は、ノルウェーのスノヘッタとカナダのDialogが共同設計した革新的建築です。最大の特徴はその立地で、軽鉄道(LRT)線路の上に建設され、ダウンタウンとイーストビレッジを結ぶ役割も果たしています。
六角形パターンのガラスファサードと木材の温かみが調和した外観が印象的です。約24,000平方メートルの館内には約45万冊の蔵書のほか、多機能施設を完備。
子供向けの「冒険の演劇場」や先住民文化を称える「エルダーズリビングルーム」など、多様性に配慮した空間設計も特徴です。CTrainシティホール駅から徒歩すぐ、入館無料で利用できます。
王立ポルトガル文学館/ブラジル・リオデジャネイロ
1837年創設、現在の建物は1880年代に建設された「王立ポルトガル文学館」は、日本では「幻想図書館」とも呼ばれています。ネオマヌエル様式の建築内部には、天井から床まで約14メートルの本棚が三層に配置され、約35万冊のポルトガル語書籍を所蔵。
青と金色を基調とした内装や、ステンドグラスの天窓からの光が幻想的な雰囲気を醸し出しています。ポルトガル風ゴシック様式の本棚の繊細な彫刻も見事です。
研究図書館として機能しており、一般観光客は本に触れられませんが内部見学や写真撮影は可能です。地下鉄ウルグアイアナ駅から徒歩5分でアクセスできます。
新アレクサンドリア図書館/エジプト・アレクサンドリア
エジプトのアレクサンドリアにある「新アレクサンドリア図書館」(ビブリオテカ・アレクサンドリナ)は、古代アレクサンドリア図書館の精神を継承し、2002年に開館した現代の大規模図書館です。
古代の図書館は紀元前3世紀に建設され、当時の世界最大の図書館でしたが、3世紀までに火災や戦争により破壊され、多くの貴重な書物が失われてしまいました。
新しい図書館はノルウェーの建築事務所「スノヘッタ」の設計によるもので、直径160メートルの円盤状の建物が特徴的です。この形状は、古代エジプトの太陽神ラーを象徴する太陽円盤を表現しているとも、巨大な日時計を想起させるとも言われています。建物は地中海に向かって傾斜しており、地中へと沈み込むかのような独特な外観となっています。
外壁には世界中の様々な文字や象形文字が彫られており、人類の知識と文化の多様性を表現しています。屋根はガラス張りで、北側に向いた傾斜により、読書に適した自然光を館内に取り込む設計になっています。
館内には800万冊以上の蔵書を収容できる大規模な閲覧スペースがあり、最大2,000人が同時に利用できます。また、4つの美術館、プラネタリウム、IMAX映画館、3つの展示ギャラリー、7つの研究センター、会議センターなども併設されており、単なる図書館を超えた総合的な文化施設となっています。
特に貴重なのは「稀覯書・特別コレクション」で、アラビア語やフランス語、英語などで書かれた中世から現代までの貴重な書物や手稿が保管されています。また、世界中のウェブサイトをアーカイブする「インターネット・アーカイブ」のミラーサイトも設置されています。
アレクサンドリアの海岸沿い、コルニッシュ通りに面して建っており、市内中心部からタクシーやトラムでアクセスできます。開館時間は平日の午前10時から午後7時まで、金曜日と土曜日は午前3時から午後7時までです。
入場料は外国人観光客には70エジプトポンド(約450円)程度かかりますが、建築の美しさと文化的な重要性を考えれば十分な価値があるでしょう。
ビクトリア州立図書館/オーストラリア・メルボルン
オーストラリアのメルボルンにある「ビクトリア州立図書館」は、オーストラリア最古の公共図書館であり、1856年に設立されました。ネオクラシカル様式の壮麗な建築は、メルボルンの文化的アイコンとして市民や観光客に親しまれています。
この図書館の最大の見どころは、中央に位置する「ラ・トローブ・リーディング・ルーム」です。八角形のドーム状の巨大な閲覧室で、白亜の壁と高い天井が特徴的です。中央から放射状に机が配置されており、静かで荘厳な雰囲気の中で読書や学習を楽しむことができます。
館内には200万冊以上の書籍に加え、写真、地図、新聞、手稿など、オーストラリアの歴史や文化に関する貴重なコレクションが収蔵されています。特に「オーストラリアナ・コレクション」は、オーストラリアの開拓時代から現代までの重要な資料を網羅しており、研究者にとって貴重な資源となっています。
2003年から2007年にかけて大規模な改修工事が行われ、歴史的な建物の保存と現代的な機能の融合が図られました。改修後は、展示スペースやギャラリー、カフェなども新たに設けられ、より多くの人が利用しやすい空間となっています。
図書館の前には広場があり、芝生の上でくつろぐ地元の人々や観光客の姿が見られます。また、無料のWi-Fiサービスも提供されており、デジタル時代にも対応した施設となっています。
メルボルンの中心部に位置し、メルボルン中央駅から徒歩約3分という好立地にあります。入館は無料で、観光客でも身分証明書を提示すれば、図書館のサービスを利用することができます。開館時間は月曜日から木曜日が午前10時から午後9時まで、金曜日から日曜日が午前10時から午後6時までとなっています。
パラマタ図書館/オーストラリア・シドニー
オーストラリア・シドニー西部の中心地パラマタに2022年にオープンした「パラマタ図書館」は、現代的な設計と革新的な機能を兼ね備えた新しい文化施設です。フランス人建築家のマニュエル・ゴートランとオーストラリアの建築事務所「ラコスト+スティーブンソン」が協働して完成させたこの図書館は、すでに地域のランドマークとなっています。
最も目を引くのは、鮮やかな朱色をしたパネルで覆われた特徴的な屋根です。このユニークな外観は、パラマタの多文化的な背景と未来志向の姿勢を象徴しています。環境に配慮した設計も特徴の一つで、屋根のルーバーは天候に応じて自動で開閉し外気を取り入れるスマートビルディングとしての機能を備えています。
館内は6階建てで、総面積約2,700平方メートルにおよび、約20万冊の蔵書を収蔵しています。1階と2階には開放的な読書スペース、3階には子供向けのエリア、4階にはデジタルラボやマルチメディアスタジオ、5階には静かな学習スペース、そして6階には屋上庭園とカフェが設けられています。
この図書館の特色は、従来の本の貸し出しサービスに留まらず、最新のテクノロジーを活用した学習環境を提供していることです。3Dプリンター、レーザーカッター、オーディオ録音設備などを備えた「メイカースペース」では、創造的なプロジェクトや技術習得のためのワークショップが定期的に開催されています。
また、先住民アボリジニの文化を尊重し、専用の「アボリジニ・アンド・トレス海峡諸島民コレクション」コーナーが設けられているのも特徴的です。ここでは先住民の言語や文化に関する資料が収集され、文化的多様性への理解を深める取り組みがなされています。
パラマタの中心部に位置し、パラマタ駅から徒歩約5分でアクセスできます。開館時間は月曜日から金曜日が午前9時30分から午後8時まで、土曜日と日曜日が午前9時30分から午後5時までとなっています。入館は無料で、地元住民だけでなく観光客も歓迎されています。現代建築と最新の図書館サービスを体験したい方にはぜひおすすめの場所です。
世界の美しい図書館を巡る旅へ出かけよう
世界各地の美しい図書館をご紹介してきましたが、いかがでしたか?古典的な建築様式から革新的な現代デザインまで、それぞれが独自の魅力を放っています。これらの図書館は単なる本の保管場所ではなく、知識と文化の交差点として、また建築的傑作として存在しています。
美しい図書館を訪れる旅は、知的好奇心を満たすと同時に、視覚的にも感性を刺激する特別な体験となるでしょう。本好きの方はもちろん、建築や歴史、デザインに興味がある方にとっても素晴らしい経験になるはずです。
図書館訪問の際には、事前にウェブサイトで開館時間や入館条件、写真撮影のルールなどを確認しておくことをおすすめします。次の旅行計画に、ぜひこれらの図書館のいくつかを加えてみてはいかがでしょうか?
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