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みなさんは「ウズベキスタン」と聞いてどのようなイメージを持ちますか?全く分からないという方、名前だけは聞いたことがある方など様々だと思います。
そんなウズベキスタンの料理は、シルクロードの交差点で育まれた味わい深いものばかりです。
このコラムでは、まだ広く知られていないウズベキスタンの定番料理をご紹介。意外な食文化や食事マナー、各地の特色が融合した料理の特徴など魅力的な内容が満載です。
最後まで読めば、きっとお腹が空いてくるはずですよ!
まず、ウズベキスタンがどんな国かについて簡単にご紹介します。
ウズベキスタンは中央アジアに位置する内陸国で、1991年に独立した旧ソ連中央アジアの1国です。カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、アフガニスタンなどの国々と隣り合っています。人口は3,540万人と多く、中央アジア諸国の中でも最大の人口を誇ります。雨が降ることは少なく特に夏はとても乾燥していて、季節間・昼夜間の寒暖差も大きいことが特徴のひとつです。
そしてウズベキスタンは「シルクロードの交差点」として、アジアとヨーロッパという東西の文化が混ざり合う国でもあります。「ティムール帝国」の中心地としてイスラム文化が花開いたウズベキスタンでは、約93%の人々がスンニ派イスラム教を信仰していますが、古くから様々な国の人が行き来した場所のため、イスラム教以外の宗教や文化にも寛容で、さまざまな宗教・文化の人々がともに暮らしています。
また歴史遺産も多く残っていて、特に文化交差路として世界遺産に登録されている「サマルカンド」は、青のタイルによる繊細なモザイク画と青い空が調和していることから「青の都」と呼ばれています。ほかにも、ウズベキスタン北西部の都市ヒヴァには、「イチャン・カラ」と呼ばれる世界遺産の旧市街地があります。「中央アジアの真珠」とも呼ばれるほど美しい街で、歴史あるイスラム建築が多く見られます。
ウズベキスタン料理は、ウズベキスタンの地理や歩んできた歴史が大きく影響しています。まずはウズベキスタン料理の特徴を見ていきましょう!
ウズベキスタンは、文化の交差点・シルクロードの中心となる場所に位置しています。そのため、古くからインド、ペルシャ、中国、ロシアなどの人々が行き交っていました。そうしてやって来る人々から各国の食材や料理がもたらされ、それらの影響を受けながらウズベキスタン料理は発展していったのです。
ウズベキスタン料理の大きな特徴のひとつが、ソースや多くの種類のスパイスを使わずに素材本来の味を活かすことです。強すぎない味付けのため、日本人にとっても食べやすい料理だと言われています。
ウズベキスタンは内陸国のため魚料理よりも肉料理が中心で、特に牛肉と羊肉がよく食べられています。牛も羊も草を食べる放牧スタイル(グラスフィード)で育てられたノンホルモンのお肉なので、味が濃く美味しいんですよ!
それではみなさんお待ちかねの、ウズベキスタンの定番料理をご紹介していきます!美味しそうな料理ばかりなので、読んでいるあいだにお腹が空いてくるはず…♪
ウズベキスタンの食事に欠かせない主食が、ノンと呼ばれるパン。タンドール(釜)を使って発酵させた生地を焼き上げた、ナンに似た食べ物です。形は丸いものが主流で、主菜と一緒に食べたり、朝ごはんのときにはジャムをつけて食べることも多いそう。
米料理のプロフ(ピラフ)とも一緒に食べられるほど、あらゆる食事に合わせられるのがノンです。どんなときにも食べるといっていいほど、ウズベキスタンの人々にとって無くてはならない食べ物なのです。
ウズベキスタン料理の代表ともいえるのが、お米、肉、人参を一緒に炊き上げるプロフ(ピラフ)です。オシュと呼ばれることもあります。炊き込みご飯のようなイメージで、普段の生活でもよく食べられますし、冠婚葬祭などの特別な日にも振る舞われることが多い料理です。
プロフは、地域や家庭によってさまざまな種類があります。
例えばサマルカンドのプロフは、下からお米、にんじん、ひよこ豆を順番に重ねていき、一番上に肉とにんにく、うずらの卵を盛りつけ、具材を混ぜ合わせないのが特徴です。具材を混ぜ合わせないのは、見た目が美しいという理由だけでなく、昔から多くの人が行き交う場所であったため、具材の好き嫌いによって自分で自由に取り分けできるように、というおもてなしの心から生まれた文化のようです。
首都・タシケントのプロフは、具材を混ぜ合わせます。お肉は馬肉が使われることもあり、これはタシケントならではです。
サマルカンドから見て西に位置するブハラのプロフは、他の地域のように最初に温めた油に具材を入れ炊き込むのではなく、先に茹でておいた肉のゆで汁で具材やお米を炊き上げ、最後に油をお米の上から振りかけます。それほど油っぽくないので、日本人にも食べやすいと評判です。
マンティは、大きな蒸し餃子です。小麦粉、塩、卵、水を練って15cm四方の生地を作り、そのなかに挽肉と玉ネギを詰めます。一般的には水切りヨーグルトをかけて食べるのがウズベキスタンスタイルで、トマトソースや溶かしたバターを付けて食べることもあります。
サムサは、お肉や玉ねぎ、かぼちゃ、きのこなどが入ったミートパイのような料理で、ランチに食べることが多いです。サクサクなパイ生地のものと、パン生地のものがあります。手軽に食べられるので、小腹が空いたときにスナック感覚で食べられるようです。
いわゆる串焼き料理で、屋台で盛んに食べられるファーストフード的な存在です。牛肉、羊肉、鶏肉などのお肉が一般的ですが、地方や宗教・伝統に応じて魚や野菜などが提供されることもあります。
季節の野菜とお肉を使った蒸し料理です。野菜本来の味が濃いので、油などを使わず、素材の味を活かしているのが特徴。日本の肉じゃがのような存在で、家庭料理の定番です。
ウズベキスタンで地元の人々に特に愛されている料理がコゾンケバブ。たっぷりのじゃがいもと牛肉を焼き蒸した料理で、日本でいうじゃがバターに近い味わいです。じゃがいもをはじめとするウズベキスタンの野菜は、太陽の光をたくさん浴びているので味が濃いのが特徴なんですよ。
ショルヴァは、肉や野菜がたくさん入ったスープ料理です。語源は「飲む」を意味するアラビア語の「ショールバ」に由来します。羊肉や牛肉、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎなどが入っていて、シンプルな味付けで仕上げられるのが一般的。ウズベキスタンには多くの種類のショルヴァがあり、人々の身体と心を温めているようです。
ウズベキスタンでは、小麦、大麦、トウモロコシ、米といった穀物の収穫高が高いため、それらを使った麺料理もよく食べられています。中央アジア全体で広く食べられている料理でも、ウズベキスタンならではの特徴が沢山あります。
中央アジア全域で広く食べられている手延べ麺ですが、トマト味のスープがウズベキスタン風。讃岐うどんに似ているとされ、日本人にとっても馴染みのある食べやすい料理です。焼きうどんのようなもの(ボソラグマン)や、スープの無い具だけのもの(ギュロラグマン)などのバリエーションもあります。
シヴィットオシュは冷たい麺料理で、夏によく食べられています。ヒヴァなどのホレズム地方の伝統料理で、ハーブ入り麺の上にトマトソースの具を乗せて食べるのが一般的。酸味の感じられるトマトソースは、食欲が落ちる夏にぴったりです。
タシケントの郷土料理で、ゆでた牛肉や羊肉に細切り麺を混ぜ合わせた冷たい麺料理です。ゆで汁と一緒に食べるのもおいしいのでおすすめですよ。
野菜の収穫が豊富なウズベキスタンではサラダがよく食べられていて、一言でサラダといってもその種類はとても豊富。ここでは、有名なものをご紹介します。
ウズベキスタンでもっとも一般的なサラダが、アチクチチュクサラダです。トマト、きゅうり、玉ねぎを適当な大きさに切り、さっと塩で味付けして作られます。そのまま食べたりパンと一緒に食べたりとバリエーションも豊富で、地元の人々は毎日食べているそうですよ。
ビーツ、きゅうり、じゃがいもなどが入ったサラダで、こちらも人気があります。味付けはマヨネーズで、飽きの来ないおいしさです。マヨネーズがビーツの色に染まり、見た目も美しいのが特徴です。
ここからはウズベキスタンの食文化をご紹介します。食事の時間をとても大切にしているウズベキスタンの人々の暮らしから、われわれ日本人も学べる点が沢山あるかもしれません。
ウズベキスタンでは人と一緒に食卓を囲むことが大切にされています。特に食事をしながら会話を楽しんだりという「みんなで一緒に楽しんで食べる」文化が強い国です。家族や友人との団らんのときには、プロフなどの大皿料理を中央に置いてみんなでシェアしながら食べるそうですよ。
ウズベキスタンで食事の際に飲まれる飲み物は、基本的に温かいお茶です。食事中、食後など、様々な場面で温かいお茶が提供されます。もちろん、お客さんをおもてなしするときにもお茶は欠かせません。
冷たいお茶よりも温かいお茶が一般的な理由は、ウズベキスタン料理に油を多く使用した料理が多いことが関係しています。脂っこい食べ物と一緒に冷たい飲み物を飲むと、一気に胃腸の消化能力が落ち、お腹を壊してしまいます。そのため、脂っこい料理を消化しやすくするために温かいお茶が飲まれているんです。
最後に、ウズベキスタンの食事マナーをご紹介します。日本と似ているもの、違っているものなどさまざまなマナーがありますよ。特に、ウズベキスタンにこれから行く予定のある方は、あらかじめ知っておくと役に立つはずです。
ウズベキスタンでは、カトラリーを使うのではなく手で食べることも多いです。左手はトイレで使う手とされているため、食事は右手で行います。また当たり前のことですが、食事前に手を洗うということも、衛生面だけでなく周りの人への敬意を示すためにとても大切です。
ウズベキスタンでは、料理が提供されるのも、食事に手をつけるのも年配の人が最初です。年配の人が食事に手をつけ始めたら、ほかの人も食べ始めます。
日本とは異なりますが、ウズベキスタンにも「ごちそうさま」のマナーがあります。それは、両手で(顔には触れずに)顔を洗うときのような仕草を一度する、というもの。イスラム教の礼拝の仕草と同じです。ちなみに、「いただきます」に相当するマナーはないようです。
日本人にはあまり馴染みの無いウズベキスタン料理について詳しくご紹介してきましたがいかがでしたか?スパイスをあまり使わず素材の味を活かした料理など、身体にも優しそうで素敵ですよね。
他国の郷土料理を知るということは、その国が歩んできた歴史や地理を学ぶということでもあります。ご紹介した料理のなかで気になるものがあった方は、ぜひウズベキスタンに訪れて本場の味を楽しんでみてはいかがでしょう?
みなさんは「ウズベキスタン」と聞いてどのようなイメージを持ちますか?
全く分からないという方、名前だけは聞いたことがある方など様々だと思います。
そんなウズベキスタンの料理は、シルクロードの交差点で育まれた味わい深いものばかりです。
このコラムでは、まだ広く知られていないウズベキスタンの定番料理をご紹介。
意外な食文化や食事マナー、各地の特色が融合した料理の特徴など魅力的な内容が満載です。
最後まで読めば、きっとお腹が空いてくるはずですよ!
目次
ウズベキスタンってどんな国?
まず、ウズベキスタンがどんな国かについて簡単にご紹介します。
ウズベキスタンは中央アジアに位置する内陸国で、1991年に独立した旧ソ連中央アジアの1国です。カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、アフガニスタンなどの国々と隣り合っています。
人口は3,540万人と多く、中央アジア諸国の中でも最大の人口を誇ります。
雨が降ることは少なく特に夏はとても乾燥していて、季節間・昼夜間の寒暖差も大きいことが特徴のひとつです。
そしてウズベキスタンは「シルクロードの交差点」として、アジアとヨーロッパという東西の文化が混ざり合う国でもあります。
「ティムール帝国」の中心地としてイスラム文化が花開いたウズベキスタンでは、約93%の人々がスンニ派イスラム教を信仰していますが、古くから様々な国の人が行き来した場所のため、イスラム教以外の宗教や文化にも寛容で、さまざまな宗教・文化の人々がともに暮らしています。
また歴史遺産も多く残っていて、特に文化交差路として世界遺産に登録されている「サマルカンド」は、青のタイルによる繊細なモザイク画と青い空が調和していることから「青の都」と呼ばれています。
ほかにも、ウズベキスタン北西部の都市ヒヴァには、「イチャン・カラ」と呼ばれる世界遺産の旧市街地があります。「中央アジアの真珠」とも呼ばれるほど美しい街で、歴史あるイスラム建築が多く見られます。
ウズベキスタン料理の特徴
ウズベキスタン料理は、ウズベキスタンの地理や歩んできた歴史が大きく影響しています。
まずはウズベキスタン料理の特徴を見ていきましょう!
多くの国の文化の影響を受けている
ウズベキスタンは、文化の交差点・シルクロードの中心となる場所に位置しています。そのため、古くからインド、ペルシャ、中国、ロシアなどの人々が行き交っていました。
そうしてやって来る人々から各国の食材や料理がもたらされ、それらの影響を受けながらウズベキスタン料理は発展していったのです。
素材の味を活かす
ウズベキスタン料理の大きな特徴のひとつが、ソースや多くの種類のスパイスを使わずに素材本来の味を活かすことです。
強すぎない味付けのため、日本人にとっても食べやすい料理だと言われています。
内陸国なので肉中心
ウズベキスタンは内陸国のため魚料理よりも肉料理が中心で、特に牛肉と羊肉がよく食べられています。
牛も羊も草を食べる放牧スタイル(グラスフィード)で育てられたノンホルモンのお肉なので、味が濃く美味しいんですよ!
ウズベキスタンの定番料理13選
それではみなさんお待ちかねの、ウズベキスタンの定番料理をご紹介していきます!
美味しそうな料理ばかりなので、読んでいるあいだにお腹が空いてくるはず…♪
ノン(パン)| Non
ウズベキスタンの食事に欠かせない主食が、ノンと呼ばれるパン。
タンドール(釜)を使って発酵させた生地を焼き上げた、ナンに似た食べ物です。形は丸いものが主流で、主菜と一緒に食べたり、朝ごはんのときにはジャムをつけて食べることも多いそう。
米料理のプロフ(ピラフ)とも一緒に食べられるほど、あらゆる食事に合わせられるのがノンです。どんなときにも食べるといっていいほど、ウズベキスタンの人々にとって無くてはならない食べ物なのです。
プロフ(ピラフ)| Palov
ウズベキスタン料理の代表ともいえるのが、お米、肉、人参を一緒に炊き上げるプロフ(ピラフ)です。オシュと呼ばれることもあります。
炊き込みご飯のようなイメージで、普段の生活でもよく食べられますし、冠婚葬祭などの特別な日にも振る舞われることが多い料理です。
プロフは、地域や家庭によってさまざまな種類があります。
例えばサマルカンドのプロフは、下からお米、にんじん、ひよこ豆を順番に重ねていき、一番上に肉とにんにく、うずらの卵を盛りつけ、具材を混ぜ合わせないのが特徴です。
具材を混ぜ合わせないのは、見た目が美しいという理由だけでなく、昔から多くの人が行き交う場所であったため、具材の好き嫌いによって自分で自由に取り分けできるように、というおもてなしの心から生まれた文化のようです。
首都・タシケントのプロフは、具材を混ぜ合わせます。お肉は馬肉が使われることもあり、これはタシケントならではです。
サマルカンドから見て西に位置するブハラのプロフは、他の地域のように最初に温めた油に具材を入れ炊き込むのではなく、先に茹でておいた肉のゆで汁で具材やお米を炊き上げ、最後に油をお米の上から振りかけます。
それほど油っぽくないので、日本人にも食べやすいと評判です。
マンティ | Manti
マンティは、大きな蒸し餃子です。小麦粉、塩、卵、水を練って15cm四方の生地を作り、そのなかに挽肉と玉ネギを詰めます。
一般的には水切りヨーグルトをかけて食べるのがウズベキスタンスタイルで、トマトソースや溶かしたバターを付けて食べることもあります。
サムサ | Samsa
サムサは、お肉や玉ねぎ、かぼちゃ、きのこなどが入ったミートパイのような料理で、ランチに食べることが多いです。サクサクなパイ生地のものと、パン生地のものがあります。
手軽に食べられるので、小腹が空いたときにスナック感覚で食べられるようです。
シャシリク | Shashilik
いわゆる串焼き料理で、屋台で盛んに食べられるファーストフード的な存在です。
牛肉、羊肉、鶏肉などのお肉が一般的ですが、地方や宗教・伝統に応じて魚や野菜などが提供されることもあります。
ディムラマ | Dimlama
季節の野菜とお肉を使った蒸し料理です。野菜本来の味が濃いので、油などを使わず、素材の味を活かしているのが特徴。
日本の肉じゃがのような存在で、家庭料理の定番です。
コゾンケバブ | Qozon Kabob
ウズベキスタンで地元の人々に特に愛されている料理がコゾンケバブ。たっぷりのじゃがいもと牛肉を焼き蒸した料理で、日本でいうじゃがバターに近い味わいです。
じゃがいもをはじめとするウズベキスタンの野菜は、太陽の光をたくさん浴びているので味が濃いのが特徴なんですよ。
ショルヴァ(スープ)| Shorva
ショルヴァは、肉や野菜がたくさん入ったスープ料理です。語源は「飲む」を意味するアラビア語の「ショールバ」に由来します。
羊肉や牛肉、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎなどが入っていて、シンプルな味付けで仕上げられるのが一般的。ウズベキスタンには多くの種類のショルヴァがあり、人々の身体と心を温めているようです。
麺料理
ウズベキスタンでは、小麦、大麦、トウモロコシ、米といった穀物の収穫高が高いため、それらを使った麺料理もよく食べられています。
中央アジア全体で広く食べられている料理でも、ウズベキスタンならではの特徴が沢山あります。
ラグマン | Laghman
中央アジア全域で広く食べられている手延べ麺ですが、トマト味のスープがウズベキスタン風。讃岐うどんに似ているとされ、日本人にとっても馴染みのある食べやすい料理です。
焼きうどんのようなもの(ボソラグマン)や、スープの無い具だけのもの(ギュロラグマン)などのバリエーションもあります。
シヴィットオシュ | Shivit Oshi
シヴィットオシュは冷たい麺料理で、夏によく食べられています。
ヒヴァなどのホレズム地方の伝統料理で、ハーブ入り麺の上にトマトソースの具を乗せて食べるのが一般的。酸味の感じられるトマトソースは、食欲が落ちる夏にぴったりです。
ノリン | Norin
タシケントの郷土料理で、ゆでた牛肉や羊肉に細切り麺を混ぜ合わせた冷たい麺料理です。
ゆで汁と一緒に食べるのもおいしいのでおすすめですよ。
サラダ
野菜の収穫が豊富なウズベキスタンではサラダがよく食べられていて、一言でサラダといってもその種類はとても豊富。ここでは、有名なものをご紹介します。
アチクチチュクサラダ | Achikchuchuk Salad
ウズベキスタンでもっとも一般的なサラダが、アチクチチュクサラダです。トマト、きゅうり、玉ねぎを適当な大きさに切り、さっと塩で味付けして作られます。
そのまま食べたりパンと一緒に食べたりとバリエーションも豊富で、地元の人々は毎日食べているそうですよ。
フランススキーサラダ | Fransuzkiy Salad
ビーツ、きゅうり、じゃがいもなどが入ったサラダで、こちらも人気があります。
味付けはマヨネーズで、飽きの来ないおいしさです。マヨネーズがビーツの色に染まり、見た目も美しいのが特徴です。
ウズベキスタンの食文化
ここからはウズベキスタンの食文化をご紹介します。
食事の時間をとても大切にしているウズベキスタンの人々の暮らしから、われわれ日本人も学べる点が沢山あるかもしれません。
食事は大切な社交の場
ウズベキスタンでは人と一緒に食卓を囲むことが大切にされています。特に食事をしながら会話を楽しんだりという「みんなで一緒に楽しんで食べる」文化が強い国です。
家族や友人との団らんのときには、プロフなどの大皿料理を中央に置いてみんなでシェアしながら食べるそうですよ。
食事のお供は温かいお茶
ウズベキスタンで食事の際に飲まれる飲み物は、基本的に温かいお茶です。
食事中、食後など、様々な場面で温かいお茶が提供されます。もちろん、お客さんをおもてなしするときにもお茶は欠かせません。
冷たいお茶よりも温かいお茶が一般的な理由は、ウズベキスタン料理に油を多く使用した料理が多いことが関係しています。
脂っこい食べ物と一緒に冷たい飲み物を飲むと、一気に胃腸の消化能力が落ち、お腹を壊してしまいます。そのため、脂っこい料理を消化しやすくするために温かいお茶が飲まれているんです。
ウズベキスタンの食事マナー
最後に、ウズベキスタンの食事マナーをご紹介します。日本と似ているもの、違っているものなどさまざまなマナーがありますよ。
特に、ウズベキスタンにこれから行く予定のある方は、あらかじめ知っておくと役に立つはずです。
右手を使って食べる
ウズベキスタンでは、カトラリーを使うのではなく手で食べることも多いです。左手はトイレで使う手とされているため、食事は右手で行います。
また当たり前のことですが、食事前に手を洗うということも、衛生面だけでなく周りの人への敬意を示すためにとても大切です。
年配の人から食事に手をつける
ウズベキスタンでは、料理が提供されるのも、食事に手をつけるのも年配の人が最初です。年配の人が食事に手をつけ始めたら、ほかの人も食べ始めます。
「ごちそうさま」のマナー
日本とは異なりますが、ウズベキスタンにも「ごちそうさま」のマナーがあります。
それは、両手で(顔には触れずに)顔を洗うときのような仕草を一度する、というもの。イスラム教の礼拝の仕草と同じです。
ちなみに、「いただきます」に相当するマナーはないようです。
魅力あふれるウズベキスタン料理を楽しもう
日本人にはあまり馴染みの無いウズベキスタン料理について詳しくご紹介してきましたがいかがでしたか?
スパイスをあまり使わず素材の味を活かした料理など、身体にも優しそうで素敵ですよね。
他国の郷土料理を知るということは、その国が歩んできた歴史や地理を学ぶということでもあります。
ご紹介した料理のなかで気になるものがあった方は、ぜひウズベキスタンに訪れて本場の味を楽しんでみてはいかがでしょう?