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「良薬は口に苦し」ということわざがあります。 食べ物も同じで、臭いものほど健康に良かったり、妙にクセになったりすることもあるでしょう。
この記事では、世界の臭い食べ物を紹介します。 ぜひいろいろ食べ比べて、あなたなりのランキングをつけてみてください。
臭い食べ物として筆頭に上がるのは、スウェーデンのシュールストレミングでしょう。 メディアでもよく取り上げられていますが、実際に手に取るとその強烈さはイメージ以上かもしれません。
シュールストレミングについて、歴史や食べ方などを詳しく見ていきましょう。
「シュールストレミング」は、スウェーデン語で「surströmming」。 和訳すると、「酸っぱいバルト海産のニシン」です。
実は「sur(=sour/酸っぱい)」と「strömming(バルト海産のニシン)」を組み合わせた言葉で、名前から味や産地がわかるようになっています。
シュールストレミングは、世界一臭い食べ物として有名です。 その匂いは「生ごみ」「公衆トイレ」などさまざまな悪臭に例えられるほどで、実際に嗅ぐとかなりの衝撃を受けるでしょう。
強烈な臭いの原因は、有機化合物。 シュールストレミングは発酵させてつくられますが、その発酵過程で、硫化水素・酢酸・酪酸などが生成されていきます。さらに発酵環境によってニシンに含まれるたんぱく質が分解されやすくなるため、臭いが増殖するスピードが加速するのです。
シュールストレミングのアラバスター単位(臭いの強さを表す単位)は8070Au。 納豆の約17.9倍、履いた靴下の約67.2倍という強烈さで、食べ物でありながら“世界トップの臭み”に君臨し続けています。
シュールストレミングの起源は、冷蔵技術が発達していなかった中世ヨーロッパまで遡ります。
古くから世界中で、塩は食品の保存料として使われる極めて重要なものでした。 当時ヴァイキングたちは、海を渡る最中にニシンを樽に詰めて食料にしていたそうです。 しかし高緯度な北欧の気候では塩の製造に必要な太陽光などの資源が少なく、保存のための塩が足りないためニシンたちは次第にドロドロになって腐臭も強烈になってしまっていました。
そこで通常より少ない塩でニシンを塩漬けにしてみたところ、「食べられる」とわかったのです。このようにして、塩を節約しつつ長期保存もできる航海の相棒として重宝されていきました。
その後スゥエーデンでは乾物や塩漬けなどの保存技術が発達し、長い冬を乗り切るために注目されたシュールストレミングは、19世紀には缶詰として商品化されました。
シュールストレミングが発祥した中世ヨーロッパでは、ニシンを少なめの塩で浸けてそのまま食べていました。
しかし現在は缶詰が一般的です。内臓を取り除いたもの、内臓も一緒に入れたものなどメーカーによって製法が異なりますが、内臓がついた商品は先に内臓を除去することがほとんどです。内臓を除去したら、水で身をすすぎ(臭いが気になる場合はアルコールですすぐ)、食べやすいサイズにカットします。 その後は、パンに乗せたり野菜と一緒に茹でたりなど、お好みでお召し上がりください。
先ほど、臭いの強さを表すアラバスター単位(Au)について紹介しました。
食品だけでなく、あらゆる物の中でもシュールストレミングのAuは突出しています。他の食べ物と比較すると、シュールストレミングがいかに臭いかイメージが湧いてくるでしょう。
シュールストレミングのアラバスター単位は8070 Auです。
スゥエーデンが発祥で、あまりの臭いに「ガス漏れと勘違いしてアパートの住人が通報した」「航空会社が機内持ち込みを禁止した」などトラブルすれすれの事例が後を絶ちません。
ホンオフェは韓国発祥のエイ(ガンギエイ)の発酵食品で、アラバスター単位は6230 Auです。 シュールストレミングの次に臭い食べ物とされていますが、Auを比較するとシュールストレミングが群を抜いていることがわかります。
切り身を壺などに入れて、暗所で10日ほど熟成させると、鼻や口が刺激されるほどの強烈なアンモニア臭が発生。口に入れたまま深呼吸すると、失神しかけるといわれていますが、「食べるとおいしい」とやみつきになる方も少なくありません。 高価なので、普段の食卓というよりも結婚式のときに良く出されます。
エビキュアーチーズのアラバスター単位は1870 Auです。 世界で3番目に臭い食べ物ですが、2位であるホンオフェとは臭さに6~7倍の差がついています。
発祥はニュージーランドで、パンチのありすぎるブルーチーズの中でも最強の匂いを放ちます。 缶詰の中で熟成させるので酸味のある匂いになり、通常のチーズの熟成期間である(長くても)1年を超え3年かけて熟成させ、さらに匂いは強烈に。 また密閉空間のため缶の中で乳酸菌発酵による炭酸ガスなどが発生し、缶が破裂しそうなほど形が変わることがあるのでご注意ください。
キビヤックは、北極圏の先住民族(イヌイット民族、エスキモー民族、カラーリット民族など)に伝わる漬物の一種です。 アラバスター単位は1370 Auで、臭いはもちろん、見た目も強烈な一品。
アパリアス(海燕の一種)をアザラシのおなかの中に60~70羽くらい詰め込み、アザラシの腹を縫い合わせた後、土の中で2か月~数年発酵させてつくられます。 熟成後はアザラシの腹からアパリアスを取り出し、羽をむしり総排出口に口をつけて、発酵して液状になっている内臓をすすります。
日本人からすると信じがたい食べ物ですが、ビタミンが豊富で味も美味しく、エスキモーにとってはごちそうとされているんだとか。
日本人なら「臭い食べ物」と聞いてくさやを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 くさやのアラバスター単位は1267 Auで、世界で5番目に臭い食べ物です。
くさやは伊豆諸島で作られる干物のひとつ。まず新鮮な魚を開き、水できれいにした後、発酵液(くさや液)に漬けて天日で干します。
強烈な匂いの原因である「くさや液」は、魚の血液や内臓を海水に入れ発酵させてつくったもの。古い「くさや液」ほど旨味が出るとされ、200~300年おかれている発酵液もあるそうです。 そのため、見た目はおいしそうな焼き魚ですが、その匂いは「腐った魚の内臓」「排泄物」などと例えられています。
ここまで臭い食べ物を解説してきましたが、「食べてみるとおいしい」とやみつきになる方は少なくありません。 ランキングTOP5以外にも臭くておいしい食べ物がたくさんあるので、ぜひ試してみてください。
日本では臭くて美味しい食べ物として、鮒ずし、納豆、たくあんが有名です。
どれも“昔ながら”で、食卓に並んでいると少しほっとした気持ちになるでしょう。
中国では、臭豆腐(420 Au)がおすすめです。
臭豆腐は、野菜の汁や石灰などを混ぜた漬け汁に、普通の豆腐を漬け込んでつくられます。 強烈な匂いの原因は、納豆菌や酪酸菌など。菌が繁殖すると豆腐のタンパク質が分解され、アミノ酸などと一緒にかなり臭い匂いを発します。
臭豆腐は今、中国のストリートフードとして非常に人気があります。漬け込んでつくると臭いですが、揚げた臭豆腐は臭みを感じにくいので、逆に「匂いが食欲をそそる」とやみつきになる方が続出しています。
東南アジアでは、ニョクマム「魚醤」(390 Au)がおすすめです。
ニョクマムは、ベトナムを中心に東南アジア料理に欠かせない発酵調味料です。 一般的にはイワシやムロアジなどの小魚を塩と混ぜ合わせ、冷所で6か月から12か月間発酵させてつくられます。 発酵の過程で魚のたんぱく質が分解され、アミノ酸に変化。その中から分離した浸出液は小魚のエキスで、特有の塩辛い風味と魚介の香りはまさにエスニックです。
なお、ニョクマムと同様の魚醤として、タイのナンプラー、ラオスのナムパー、カンボジアのトゥック・トレイなどがあります。東南アジアの一般家庭を含めて広く親しまれています。
ヨーロッパでは、ブルーチーズ(種類ごとにアラバスター単位異なる)がおすすめです。
とくに、イタリアのゴルゴンゾーラ・イギリスのスティルトン・フランスのロックフォール、これらは世界三大ブルーチーズと呼ばれています。日本でもゴルゴンゾーラの名を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
ブルーチーズは牛乳や羊乳を材料に、青カビを加えて作られます。乳を分解して熟成を進行させる菌とバクテリアでできたカビをチーズの内側に繁殖させるため、硫化物やジアセチルなどの臭い成分を放ちます。
青カビの生えたチーズなので匂いもインパクトも十分ですが、カビにも人体に有益な種類が存在します。ブルーチーズのカビには、コレステロール値を低下させる成分が含まれているので、健康食品としても好まれています。
食べ物の持つ強烈な臭いは、発酵過程で生成されることがほとんどです。 健康促進のために発酵食品が注目されることがよくありますが、そもそも発酵とは何なのでしょうか?
発酵とは、昔からある「食」の製造過程の一種。
微生物の代謝プロセスにおいて、ヒトにとって有用な有機物質を作る代謝活動を指します。
発酵自体は昔からありましたが、偶然に作られて発見されたので、どのような仕組みでそうなるのかは解明されていませんでした。
たとえば、5000年前の中央アジアでアラビアの遊牧民族によってヨーグルトが作られたことが、発酵の誕生といわれています。 ヨーグルトには乳酸菌が欠かせませんが、世界には乳酸菌だけではなく腐敗菌やカビなど悪い菌もたくさん存在します。中央アジアの気候ではこの腐敗菌が比較的少なかったと考えられ、そのため乳酸発酵した食品を作りやすかったようです。
東洋でも古くから発酵食品が食べられていて、日本における発酵の起源は縄文時代といわれています。奈良時代になると、木簡に発酵食品(瓜の塩漬け)が記録として残されています。またこの時期には、中国から仏教の伝来とともに大豆も伝わりました。「醤(ひしお)」(醤油や味噌などの発酵食品の元)は、この頃からすでに作られていたようです。
数千年経ち歴史の転換点が訪れます。 17世紀、レーウェンフックが自作の顕微鏡で微生物を発見。そして19世紀中頃には、フランスのパスツールが発酵の原理(酵母が糖をアルコールと炭酸ガスに分解)を理論的に解明しました。 このような研究と発見により、発酵の技術は世界的に普及していきました。
ちなみに一口に発酵と言ってもいくつかの種類があります。
昔は研究対象だった発酵食品ですが、今ではスーパーに並ぶほど身近なものになっています。発酵食品として有名な食材は、偶然の積み重ねで生まれたものも数多くあります。
発酵食品の誕生の逸話について、いくつか見ていきましょう。
発酵について研究がすすんだ現在は、
など多くのメリットが知られるようになりました。
日ごろから発酵食品を摂り入れて、健康な体をつくりましょう。
臭いけどおいしい食べ物は世界中に存在します。 今はインターネットで自由に取り寄せできる時代なので、世界各国の臭い食べ物を食べ比べて、あなたなりのランキングをつけてみてはいかがでしょうか。
「臭いけどおいしい」「臭いけど健康に良い」など、食材ごとに新しい発見があるかもしれません。
「良薬は口に苦し」ということわざがあります。
食べ物も同じで、臭いものほど健康に良かったり、妙にクセになったりすることもあるでしょう。
この記事では、世界の臭い食べ物を紹介します。
ぜひいろいろ食べ比べて、あなたなりのランキングをつけてみてください。
目次
噂のシュールストレミング
臭い食べ物として筆頭に上がるのは、スウェーデンのシュールストレミングでしょう。
メディアでもよく取り上げられていますが、実際に手に取るとその強烈さはイメージ以上かもしれません。
シュールストレミングについて、歴史や食べ方などを詳しく見ていきましょう。
名前の意味は
「シュールストレミング」は、スウェーデン語で「surströmming」。
和訳すると、「酸っぱいバルト海産のニシン」です。
実は「sur(=sour/酸っぱい)」と「strömming(バルト海産のニシン)」を組み合わせた言葉で、名前から味や産地がわかるようになっています。
世界トップの臭みとは
シュールストレミングは、世界一臭い食べ物として有名です。
その匂いは「生ごみ」「公衆トイレ」などさまざまな悪臭に例えられるほどで、実際に嗅ぐとかなりの衝撃を受けるでしょう。
強烈な臭いの原因は、有機化合物。
シュールストレミングは発酵させてつくられますが、その発酵過程で、硫化水素・酢酸・酪酸などが生成されていきます。さらに発酵環境によってニシンに含まれるたんぱく質が分解されやすくなるため、臭いが増殖するスピードが加速するのです。
シュールストレミングのアラバスター単位(臭いの強さを表す単位)は8070Au。
納豆の約17.9倍、履いた靴下の約67.2倍という強烈さで、食べ物でありながら“世界トップの臭み”に君臨し続けています。
起源と歴史
シュールストレミングの起源は、冷蔵技術が発達していなかった中世ヨーロッパまで遡ります。
古くから世界中で、塩は食品の保存料として使われる極めて重要なものでした。
当時ヴァイキングたちは、海を渡る最中にニシンを樽に詰めて食料にしていたそうです。
しかし高緯度な北欧の気候では塩の製造に必要な太陽光などの資源が少なく、保存のための塩が足りないためニシンたちは次第にドロドロになって腐臭も強烈になってしまっていました。
そこで通常より少ない塩でニシンを塩漬けにしてみたところ、「食べられる」とわかったのです。このようにして、塩を節約しつつ長期保存もできる航海の相棒として重宝されていきました。
その後スゥエーデンでは乾物や塩漬けなどの保存技術が発達し、長い冬を乗り切るために注目されたシュールストレミングは、19世紀には缶詰として商品化されました。
食べ方
シュールストレミングが発祥した中世ヨーロッパでは、ニシンを少なめの塩で浸けてそのまま食べていました。
しかし現在は缶詰が一般的です。内臓を取り除いたもの、内臓も一緒に入れたものなどメーカーによって製法が異なりますが、内臓がついた商品は先に内臓を除去することがほとんどです。内臓を除去したら、水で身をすすぎ(臭いが気になる場合はアルコールですすぐ)、食べやすいサイズにカットします。
その後は、パンに乗せたり野菜と一緒に茹でたりなど、お好みでお召し上がりください。
世界の臭い食べ物のランキングTOP5
先ほど、臭いの強さを表すアラバスター単位(Au)について紹介しました。
食品だけでなく、あらゆる物の中でもシュールストレミングのAuは突出しています。他の食べ物と比較すると、シュールストレミングがいかに臭いかイメージが湧いてくるでしょう。
【1位】シュールストレミング
シュールストレミングのアラバスター単位は8070 Auです。
スゥエーデンが発祥で、あまりの臭いに「ガス漏れと勘違いしてアパートの住人が通報した」「航空会社が機内持ち込みを禁止した」などトラブルすれすれの事例が後を絶ちません。
【2位】ホンオフェ
ホンオフェは韓国発祥のエイ(ガンギエイ)の発酵食品で、アラバスター単位は6230 Auです。
シュールストレミングの次に臭い食べ物とされていますが、Auを比較するとシュールストレミングが群を抜いていることがわかります。
切り身を壺などに入れて、暗所で10日ほど熟成させると、鼻や口が刺激されるほどの強烈なアンモニア臭が発生。口に入れたまま深呼吸すると、失神しかけるといわれていますが、「食べるとおいしい」とやみつきになる方も少なくありません。
高価なので、普段の食卓というよりも結婚式のときに良く出されます。
【3位】エピキュアーチーズ
エビキュアーチーズのアラバスター単位は1870 Auです。
世界で3番目に臭い食べ物ですが、2位であるホンオフェとは臭さに6~7倍の差がついています。
発祥はニュージーランドで、パンチのありすぎるブルーチーズの中でも最強の匂いを放ちます。
缶詰の中で熟成させるので酸味のある匂いになり、通常のチーズの熟成期間である(長くても)1年を超え3年かけて熟成させ、さらに匂いは強烈に。
また密閉空間のため缶の中で乳酸菌発酵による炭酸ガスなどが発生し、缶が破裂しそうなほど形が変わることがあるのでご注意ください。
【4位】キビヤック
キビヤックは、北極圏の先住民族(イヌイット民族、エスキモー民族、カラーリット民族など)に伝わる漬物の一種です。
アラバスター単位は1370 Auで、臭いはもちろん、見た目も強烈な一品。
アパリアス(海燕の一種)をアザラシのおなかの中に60~70羽くらい詰め込み、アザラシの腹を縫い合わせた後、土の中で2か月~数年発酵させてつくられます。
熟成後はアザラシの腹からアパリアスを取り出し、羽をむしり総排出口に口をつけて、発酵して液状になっている内臓をすすります。
日本人からすると信じがたい食べ物ですが、ビタミンが豊富で味も美味しく、エスキモーにとってはごちそうとされているんだとか。
【5位】くさや
日本人なら「臭い食べ物」と聞いてくさやを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
くさやのアラバスター単位は1267 Auで、世界で5番目に臭い食べ物です。
くさやは伊豆諸島で作られる干物のひとつ。まず新鮮な魚を開き、水できれいにした後、発酵液(くさや液)に漬けて天日で干します。
強烈な匂いの原因である「くさや液」は、魚の血液や内臓を海水に入れ発酵させてつくったもの。古い「くさや液」ほど旨味が出るとされ、200~300年おかれている発酵液もあるそうです。
そのため、見た目はおいしそうな焼き魚ですが、その匂いは「腐った魚の内臓」「排泄物」などと例えられています。
臭いけどおいしい!世界の臭い食べ物
ここまで臭い食べ物を解説してきましたが、「食べてみるとおいしい」とやみつきになる方は少なくありません。
ランキングTOP5以外にも臭くておいしい食べ物がたくさんあるので、ぜひ試してみてください。
日本
日本では臭くて美味しい食べ物として、鮒ずし、納豆、たくあんが有名です。
どれも“昔ながら”で、食卓に並んでいると少しほっとした気持ちになるでしょう。
中国
中国では、臭豆腐(420 Au)がおすすめです。
臭豆腐は、野菜の汁や石灰などを混ぜた漬け汁に、普通の豆腐を漬け込んでつくられます。
強烈な匂いの原因は、納豆菌や酪酸菌など。菌が繁殖すると豆腐のタンパク質が分解され、アミノ酸などと一緒にかなり臭い匂いを発します。
臭豆腐は今、中国のストリートフードとして非常に人気があります。漬け込んでつくると臭いですが、揚げた臭豆腐は臭みを感じにくいので、逆に「匂いが食欲をそそる」とやみつきになる方が続出しています。
東南アジア
東南アジアでは、ニョクマム「魚醤」(390 Au)がおすすめです。
ニョクマムは、ベトナムを中心に東南アジア料理に欠かせない発酵調味料です。
一般的にはイワシやムロアジなどの小魚を塩と混ぜ合わせ、冷所で6か月から12か月間発酵させてつくられます。
発酵の過程で魚のたんぱく質が分解され、アミノ酸に変化。その中から分離した浸出液は小魚のエキスで、特有の塩辛い風味と魚介の香りはまさにエスニックです。
なお、ニョクマムと同様の魚醤として、タイのナンプラー、ラオスのナムパー、カンボジアのトゥック・トレイなどがあります。東南アジアの一般家庭を含めて広く親しまれています。
ヨーロッパ
ヨーロッパでは、ブルーチーズ(種類ごとにアラバスター単位異なる)がおすすめです。
とくに、イタリアのゴルゴンゾーラ・イギリスのスティルトン・フランスのロックフォール、これらは世界三大ブルーチーズと呼ばれています。日本でもゴルゴンゾーラの名を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
ブルーチーズは牛乳や羊乳を材料に、青カビを加えて作られます。乳を分解して熟成を進行させる菌とバクテリアでできたカビをチーズの内側に繁殖させるため、硫化物やジアセチルなどの臭い成分を放ちます。
青カビの生えたチーズなので匂いもインパクトも十分ですが、カビにも人体に有益な種類が存在します。ブルーチーズのカビには、コレステロール値を低下させる成分が含まれているので、健康食品としても好まれています。
臭いの裏に発酵あり
食べ物の持つ強烈な臭いは、発酵過程で生成されることがほとんどです。
健康促進のために発酵食品が注目されることがよくありますが、そもそも発酵とは何なのでしょうか?
発酵とは
発酵とは、昔からある「食」の製造過程の一種。
微生物の代謝プロセスにおいて、ヒトにとって有用な有機物質を作る代謝活動を指します。
発酵自体は昔からありましたが、偶然に作られて発見されたので、どのような仕組みでそうなるのかは解明されていませんでした。
たとえば、5000年前の中央アジアでアラビアの遊牧民族によってヨーグルトが作られたことが、発酵の誕生といわれています。
ヨーグルトには乳酸菌が欠かせませんが、世界には乳酸菌だけではなく腐敗菌やカビなど悪い菌もたくさん存在します。中央アジアの気候ではこの腐敗菌が比較的少なかったと考えられ、そのため乳酸発酵した食品を作りやすかったようです。
東洋でも古くから発酵食品が食べられていて、日本における発酵の起源は縄文時代といわれています。奈良時代になると、木簡に発酵食品(瓜の塩漬け)が記録として残されています。またこの時期には、中国から仏教の伝来とともに大豆も伝わりました。「醤(ひしお)」(醤油や味噌などの発酵食品の元)は、この頃からすでに作られていたようです。
数千年経ち歴史の転換点が訪れます。
17世紀、レーウェンフックが自作の顕微鏡で微生物を発見。そして19世紀中頃には、フランスのパスツールが発酵の原理(酵母が糖をアルコールと炭酸ガスに分解)を理論的に解明しました。
このような研究と発見により、発酵の技術は世界的に普及していきました。
ちなみに一口に発酵と言ってもいくつかの種類があります。
日常に欠かせない発酵食品
昔は研究対象だった発酵食品ですが、今ではスーパーに並ぶほど身近なものになっています。発酵食品として有名な食材は、偶然の積み重ねで生まれたものも数多くあります。
発酵食品の誕生の逸話について、いくつか見ていきましょう。
発酵について研究がすすんだ現在は、
など多くのメリットが知られるようになりました。
日ごろから発酵食品を摂り入れて、健康な体をつくりましょう。
臭いけどおいしい食べ物にチャレンジ
臭いけどおいしい食べ物は世界中に存在します。
今はインターネットで自由に取り寄せできる時代なので、世界各国の臭い食べ物を食べ比べて、あなたなりのランキングをつけてみてはいかがでしょうか。
「臭いけどおいしい」「臭いけど健康に良い」など、食材ごとに新しい発見があるかもしれません。