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最近、机に向かい心静かに紙に何かを書きつけたのはいつだったでしょうか?
人とのやり取りは、スマートフォンやPCが多くなり、ちょっとしたメモですらデジタルの中。いつの間にか机に向かって、ただ文字を書くという時間は私たちの日常から無くなりつつあります。
そんな中、写経が静かなブームになっているのをご存じでしょうか。 「書く瞑想」ともいわれる写経。 お経をひたすらに写し書く写経は、なぜいまの時代に求められているのでしょうか?
ここでは、写経の魅力と効果、また写経を始めるために必要な道具や作法などについても詳しく紹介していきます。
写経とは、お経をそのまま書き写すこと。
かつては仏教の教えを学び、広めるための修行として行われてきました。
印刷技術がなかった時代、仏教の大切な教えは口伝えで受け継がれるものでした。 それが、古代インドでタラジュの葉、貝多羅葉(ばいたらよう)に経典が写されるようになったことが、写経のはじまりとされています。
そして中国に伝わった仏教が花開くころ、その教えを広めるため、当時はとても貴重であった紙に一文字一文字丁寧に経文が書き写され、遠くまで運ばれるようになりました。
日本では、奈良時代の歴史書『日本書紀』に、はじめて写経についての記述が登場します。 「書生を集めて一切経を川原寺において写さしむ」 飛鳥の地にある川原寺で、国家事業として写経生による写経が行われた様子です。 それから専門職として写経司が置かれ、全国の国分寺などに納めるため、盛んに写経が行われるようになりました。
平安の頃になると、祖先の供養や祈願のために、また功徳を積むことができるとされ、写経は個人でも広く行われるようになります。
そして現代、つねに膨大な情報に囲まれ時間に追われている時代、静かな時間を求めて、多くの人が日常に写経をとり入れるようになりました。
時代によって、さまざまな目的で行われてきた写経。 今ブームとなっているのには訳があります。いったいどんな魅力があり、どんな効果があるのでしょうか。
写経で一般的な「般若心経」は、276文字とはいえ、書き写すのに1時間以上かかります。途中で雑念が入ってしまったり、やめたくなるかもしれません。
しかし、そこを超えるとただ何も考えずに、字を写すということに集中するようになっていきます。 とても単純であるからこそ、深く入り込むことができるのが写経の魅力です。
写経をくり返すことにより、次第に時間の過ぎ方が変わっていくのを感じるようになります。集中力が高まり、忍耐力がついていることを実感できるでしょう。
とてもたくさんのことをやらなければならない日々の中で、写経は集中して文字を書き写すことを行います。丁寧に書き写していくことで、心が穏やかに波打たない状態を得ることができます。
そういった状態になった時に脳で分泌されるのが、β-エンドルフィンという脳内物質の一種。「体内で分泌されるモルヒネ※」ともいわれ、この物質が分泌されることで、鎮痛効果や幸福感が得られる作用があります。
この脳内物質はストレスの軽減に役立ち、免疫力を高めることにもつながるのです。 これが写経は「書く瞑想」と呼ばれる所以です。
※出典: e-ヘルスネット
時代とともに減り続ける「書く」行為自体が、脳の活性化につながるといわれています。
さらに写経を行うことで、大脳前頭前野の血流量が変化するのだそう。
前頭前野は人間を人間たらしめている部分、いわば脳の中枢ともいわれています。 例えば、思考するだけでなくコミュニケーションをとったり、感情や行動をコントロールするのもこの前頭前野の働きです。
この部分の血流量を増やすことで、年齢を重ねた時の脳の働きが変わってくるのだそうです。
写経では筆を使うため、普段はあまり気にしない、「とめ」「はね」「はらい」といったポイントにも自然と意識が向くようになります。
また、毛筆だと文字のバランスをとるのも難しいもの。 一点一画を丁寧に書くことでバランスがとれるようになり、美しく仕上がるようになります。
そして続けていくことで、その書き方が身に付き、普段の字にも変化が現れるようになります。
写経は仏さまが説いた教えをそのままなぞり、写し書いていくもの。つまり写経を通して、仏さまの心と静かに向き合うということです。
合掌して筆をとると、すっと背筋が伸び、それまでとは違う空気を感じるはず。
始めたばかりは力も入り、疲れてくることもあるかもしれません。そんな時は肩の力を抜いて、一度深呼吸をしてみましょう。 写経を続けるうち、仏さまの教えは深く心に刻まれていきます。そして次第に体幹も鍛えられ、自然と力を抜いて姿勢を保つこともできるようになります。
写経の時間は、ただ文字を写し書くだけのある意味とても贅沢な時間だともいえます。 そして、書き上げたことで達成感や充実感を味わうことができます。
効率重視、詰め込みがちの時間をいったん止めて、何も考えず、意識を1つのことだけに向ける。この1、2時間は、とても大切な心の余裕を生み出してくれるのではないでしょうか。
そしてこの事柄こそ、現代における写経の一番の魅力、最も実感できる効果として捉えられていることです。
まず初めての人は、必要な道具を用意しましょう。 それから写経を行う環境を整えます。 準備をしながら、少しずつ心を落ち着かせていきましょう。
まず写経に必要な道具を揃えます。
筆や硯、墨など書道に使うものを揃えます。手元にあるものを使ってもいいですね。 ただ、写経は画数の多い漢字も多く小さな字を丁寧に書き写すため、小筆(細筆)の方が向いています。小筆は、しなやかな方が細かい部分まで書きやすく、おすすめです。
心静かに墨を磨る時間も大切な写経の手順のひとつとされていますが、難しい場合は無理をせず墨汁を使ってもいいでしょう。
無地のものや縦の罫線が入った写経用紙が一般的ですが、初心者の方にはなぞり書き用の用紙がおすすめ。
なぞり書き用の用紙とはごく薄く経文が印刷されたもので、その通りに筆を運べばいいため、誤字脱字の心配も少なく書くことに集中することができます。 慣れてくるにしたがい、罫線の入ったもの、無地の用紙と変えていくのもいいですね。
自分の好きな経典をお手本にすることができます。
写経を行うのは初めてという方には、「般若心経」がおすすめ。 276文字ほどで、大乗仏教の真髄が納められている短いお経です。
自宅で写経を行う場合は、集中できる静かな場所を選びましょう。
気が散らないよう、あまりものが目に入らない、整った場所にします。 写経の途中で集中が切れないように、スマートフォンなどの電子機器の音にも気を付けましょう。
場所が決まったら、きれいに掃除をして空間を清めます。窓を開け空気を入れ替えることも大切。 時間がない場合は、できる範囲で机を整え、きれいに拭き上げましょう。
集中力をアップさせるためにお香を焚いてもいいですね。 衣服を整えて、手を洗い、口をすすいでから写経を始めます。
それでは実際に写経を始めていきましょう。
⑤、⑥はさまざまな書き方があります。
誤字の右に点を打ち、その下もしくは空いているスペースに正しい文字を書く。
抜けてしまった字が入るべき所に点を打ち、その行末に抜けた文字を書いて、その文字の右に点を打つ。
写経は、間違えてしまった場合でも墨で塗りつぶしたりすることはせず、新しく書き直すということもしません。間違えても、その間違いを消すことなく、印をつけて正したり加えたりしながら進む。 その写経独特の修正法を、人生と重ねる人もいるそうです。
「一字一仏」という言葉があります。 写経において、一文字書くことは一体仏を彫り上げるのと同じことだ、という意味です。 上手下手は問題ではありません。丁寧に心を込めて書くことこそ大切です。
また、書き終えた写経はぞんざいに扱わず、尊いものとして箱などに入れたり、仏壇に供えたりして大切に保管しておきます。家で保管できない場合はお焚き上げに出したり、写経奉納を受け付けているお寺に納めることもできます。
まったく初めて写経に触れるという人は、まず何から始めたらいいのか分かりませんよね。 まずは気負わずに、自分のやりやすい方法で始めてみましょう。
「何もわからないのに、いきなりお寺で写経なんて不安」と心配される方もいるかもしれません。 でも初めてだからこそ、写経がどんなものなのか知りたい人は、まずお寺で写経を体験してみるのがおすすめです。
宗教・宗派などを問わず、多くのお寺で写経を行うことができます。 僧侶の方から写経の際の心得や作法などのお話しも聞くことができるでしょう。
中には、写経に必要な道具などはすべて用意されているので、手ぶらでどうぞ、というお寺もあります。 また、毛筆だけでなく、鉛筆やなぞり書きでの写経など、初めての方にも取り組みやすいよう工夫された写経体験を用意されているお寺も増えてきました。
近くのお寺でも写経会が行われているかもしれません。ぜひHPなどでチェックしてみましょう。
自宅で写経を始めたいという人におすすめなのが、写経に必要な道具がひと揃えセットになったもの。
岩座では、写経用紙と写経用筆ペンがセットになった「なぞる写経セット」を販売しております。
写経には様々な作法がありますが、一番大切なことは集中して丁寧に一点一画を写し書くということです。
写経に慣れ、より本格的に取り組みたいというときに、自分の気に入った道具を揃えてもいいですね。
お寺や神社を参拝した際にもらえる御朱印。 数年前からブームになった御朱印巡りを趣味として楽しんでいる方も多いのではないでしょうか?
その起源が実は写経にあることはあまり知られていません。
御朱印は元々全国六十六ヵ国を巡り、一国一ヵ所の霊場に法華経を納めた修行者が霊場でいただいた納経の証明書であったといわれています。それから、四国八十八ヵ所巡りなどの霊場巡りが広まり、江戸時代には庶民の間にも物見遊山の旅がブームとなったのです。
当時は藩を越えた行き来に制限がありましたが、寺社の参拝や湯治目的の旅は特別に許されていたため、寺社仏閣への参拝が大いに広まりました。
こうした動きから御朱印は参拝の証明、旅の思い出として広がっていき、今の形へ変化していったのです。
多くの方が惹きつけられている写経の魅力とその効果について紹介してきました。
すこし敷居が高いように感じていた写経は、難しいことなど考えず、ただ一点一画丁寧に書き写していくものでした。
少し離れていた「文字を書くこと」で、無心になって、そして充たされる。 あなたも写経を通して、そんな経験をしてみませんか?
最近、机に向かい心静かに紙に何かを書きつけたのはいつだったでしょうか?
人とのやり取りは、スマートフォンやPCが多くなり、ちょっとしたメモですらデジタルの中。いつの間にか机に向かって、ただ文字を書くという時間は私たちの日常から無くなりつつあります。
そんな中、写経が静かなブームになっているのをご存じでしょうか。
「書く瞑想」ともいわれる写経。
お経をひたすらに写し書く写経は、なぜいまの時代に求められているのでしょうか?
ここでは、写経の魅力と効果、また写経を始めるために必要な道具や作法などについても詳しく紹介していきます。
目次
写経とは?
写経とは、お経をそのまま書き写すこと。
かつては仏教の教えを学び、広めるための修行として行われてきました。
印刷技術がなかった時代、仏教の大切な教えは口伝えで受け継がれるものでした。
それが、古代インドでタラジュの葉、貝多羅葉(ばいたらよう)に経典が写されるようになったことが、写経のはじまりとされています。
そして中国に伝わった仏教が花開くころ、その教えを広めるため、当時はとても貴重であった紙に一文字一文字丁寧に経文が書き写され、遠くまで運ばれるようになりました。
日本では、奈良時代の歴史書『日本書紀』に、はじめて写経についての記述が登場します。
「書生を集めて一切経を川原寺において写さしむ」
飛鳥の地にある川原寺で、国家事業として写経生による写経が行われた様子です。
それから専門職として写経司が置かれ、全国の国分寺などに納めるため、盛んに写経が行われるようになりました。
平安の頃になると、祖先の供養や祈願のために、また功徳を積むことができるとされ、写経は個人でも広く行われるようになります。
そして現代、つねに膨大な情報に囲まれ時間に追われている時代、静かな時間を求めて、多くの人が日常に写経をとり入れるようになりました。
心がととのうだけじゃない!写経の魅力と効果
時代によって、さまざまな目的で行われてきた写経。
今ブームとなっているのには訳があります。いったいどんな魅力があり、どんな効果があるのでしょうか。
集中力・忍耐力がつく
写経で一般的な「般若心経」は、276文字とはいえ、書き写すのに1時間以上かかります。途中で雑念が入ってしまったり、やめたくなるかもしれません。
しかし、そこを超えるとただ何も考えずに、字を写すということに集中するようになっていきます。
とても単純であるからこそ、深く入り込むことができるのが写経の魅力です。
写経をくり返すことにより、次第に時間の過ぎ方が変わっていくのを感じるようになります。集中力が高まり、忍耐力がついていることを実感できるでしょう。
無心になり、免疫力が上がる
とてもたくさんのことをやらなければならない日々の中で、写経は集中して文字を書き写すことを行います。丁寧に書き写していくことで、心が穏やかに波打たない状態を得ることができます。
そういった状態になった時に脳で分泌されるのが、β-エンドルフィンという脳内物質の一種。「体内で分泌されるモルヒネ※」ともいわれ、この物質が分泌されることで、鎮痛効果や幸福感が得られる作用があります。
この脳内物質はストレスの軽減に役立ち、免疫力を高めることにもつながるのです。
これが写経は「書く瞑想」と呼ばれる所以です。
※出典: e-ヘルスネット
脳が活性化する
時代とともに減り続ける「書く」行為自体が、脳の活性化につながるといわれています。
さらに写経を行うことで、大脳前頭前野の血流量が変化するのだそう。
前頭前野は人間を人間たらしめている部分、いわば脳の中枢ともいわれています。
例えば、思考するだけでなくコミュニケーションをとったり、感情や行動をコントロールするのもこの前頭前野の働きです。
この部分の血流量を増やすことで、年齢を重ねた時の脳の働きが変わってくるのだそうです。
字がうまくなる
写経では筆を使うため、普段はあまり気にしない、「とめ」「はね」「はらい」といったポイントにも自然と意識が向くようになります。
また、毛筆だと文字のバランスをとるのも難しいもの。
一点一画を丁寧に書くことでバランスがとれるようになり、美しく仕上がるようになります。
そして続けていくことで、その書き方が身に付き、普段の字にも変化が現れるようになります。
姿勢が良くなる
写経は仏さまが説いた教えをそのままなぞり、写し書いていくもの。つまり写経を通して、仏さまの心と静かに向き合うということです。
合掌して筆をとると、すっと背筋が伸び、それまでとは違う空気を感じるはず。
始めたばかりは力も入り、疲れてくることもあるかもしれません。そんな時は肩の力を抜いて、一度深呼吸をしてみましょう。
写経を続けるうち、仏さまの教えは深く心に刻まれていきます。そして次第に体幹も鍛えられ、自然と力を抜いて姿勢を保つこともできるようになります。
心の余裕が生まれる
写経の時間は、ただ文字を写し書くだけのある意味とても贅沢な時間だともいえます。
そして、書き上げたことで達成感や充実感を味わうことができます。
効率重視、詰め込みがちの時間をいったん止めて、何も考えず、意識を1つのことだけに向ける。この1、2時間は、とても大切な心の余裕を生み出してくれるのではないでしょうか。
そしてこの事柄こそ、現代における写経の一番の魅力、最も実感できる効果として捉えられていることです。
写経を始めるには?
まず初めての人は、必要な道具を用意しましょう。
それから写経を行う環境を整えます。
準備をしながら、少しずつ心を落ち着かせていきましょう。
必要な道具
まず写経に必要な道具を揃えます。
■書道具
筆や硯、墨など書道に使うものを揃えます。手元にあるものを使ってもいいですね。
ただ、写経は画数の多い漢字も多く小さな字を丁寧に書き写すため、小筆(細筆)の方が向いています。小筆は、しなやかな方が細かい部分まで書きやすく、おすすめです。
心静かに墨を磨る時間も大切な写経の手順のひとつとされていますが、難しい場合は無理をせず墨汁を使ってもいいでしょう。
■写経用紙
無地のものや縦の罫線が入った写経用紙が一般的ですが、初心者の方にはなぞり書き用の用紙がおすすめ。
なぞり書き用の用紙とはごく薄く経文が印刷されたもので、その通りに筆を運べばいいため、誤字脱字の心配も少なく書くことに集中することができます。
慣れてくるにしたがい、罫線の入ったもの、無地の用紙と変えていくのもいいですね。
■お手本
自分の好きな経典をお手本にすることができます。
写経を行うのは初めてという方には、「般若心経」がおすすめ。
276文字ほどで、大乗仏教の真髄が納められている短いお経です。
静かな環境
自宅で写経を行う場合は、集中できる静かな場所を選びましょう。
気が散らないよう、あまりものが目に入らない、整った場所にします。
写経の途中で集中が切れないように、スマートフォンなどの電子機器の音にも気を付けましょう。
空間と心身を清める
場所が決まったら、きれいに掃除をして空間を清めます。窓を開け空気を入れ替えることも大切。
時間がない場合は、できる範囲で机を整え、きれいに拭き上げましょう。
集中力をアップさせるためにお香を焚いてもいいですね。
衣服を整えて、手を洗い、口をすすいでから写経を始めます。
写経の作法
それでは実際に写経を始めていきましょう。
写経の手順
⑤、⑥はさまざまな書き方があります。
間違えてしまった場合は
■誤字の場合
誤字の右に点を打ち、その下もしくは空いているスペースに正しい文字を書く。
■脱字の場合
抜けてしまった字が入るべき所に点を打ち、その行末に抜けた文字を書いて、その文字の右に点を打つ。
写経は、間違えてしまった場合でも墨で塗りつぶしたりすることはせず、新しく書き直すということもしません。間違えても、その間違いを消すことなく、印をつけて正したり加えたりしながら進む。
その写経独特の修正法を、人生と重ねる人もいるそうです。
写経のマナー
「一字一仏」という言葉があります。
写経において、一文字書くことは一体仏を彫り上げるのと同じことだ、という意味です。
上手下手は問題ではありません。丁寧に心を込めて書くことこそ大切です。
また、書き終えた写経はぞんざいに扱わず、尊いものとして箱などに入れたり、仏壇に供えたりして大切に保管しておきます。家で保管できない場合はお焚き上げに出したり、写経奉納を受け付けているお寺に納めることもできます。
初心者におすすめの写経の始め方
まったく初めて写経に触れるという人は、まず何から始めたらいいのか分かりませんよね。
まずは気負わずに、自分のやりやすい方法で始めてみましょう。
お寺で写経に触れる
「何もわからないのに、いきなりお寺で写経なんて不安」と心配される方もいるかもしれません。
でも初めてだからこそ、写経がどんなものなのか知りたい人は、まずお寺で写経を体験してみるのがおすすめです。
宗教・宗派などを問わず、多くのお寺で写経を行うことができます。
僧侶の方から写経の際の心得や作法などのお話しも聞くことができるでしょう。
中には、写経に必要な道具などはすべて用意されているので、手ぶらでどうぞ、というお寺もあります。
また、毛筆だけでなく、鉛筆やなぞり書きでの写経など、初めての方にも取り組みやすいよう工夫された写経体験を用意されているお寺も増えてきました。
近くのお寺でも写経会が行われているかもしれません。ぜひHPなどでチェックしてみましょう。
写経セットで始めてみる
自宅で写経を始めたいという人におすすめなのが、写経に必要な道具がひと揃えセットになったもの。
岩座では、写経用紙と写経用筆ペンがセットになった「なぞる写経セット」を販売しております。
写経には様々な作法がありますが、一番大切なことは集中して丁寧に一点一画を写し書くということです。
写経に慣れ、より本格的に取り組みたいというときに、自分の気に入った道具を揃えてもいいですね。
おまけ:御朱印の起源は写経だった?
お寺や神社を参拝した際にもらえる御朱印。
数年前からブームになった御朱印巡りを趣味として楽しんでいる方も多いのではないでしょうか?
その起源が実は写経にあることはあまり知られていません。
御朱印は元々全国六十六ヵ国を巡り、一国一ヵ所の霊場に法華経を納めた修行者が霊場でいただいた納経の証明書であったといわれています。それから、四国八十八ヵ所巡りなどの霊場巡りが広まり、江戸時代には庶民の間にも物見遊山の旅がブームとなったのです。
当時は藩を越えた行き来に制限がありましたが、寺社の参拝や湯治目的の旅は特別に許されていたため、寺社仏閣への参拝が大いに広まりました。
こうした動きから御朱印は参拝の証明、旅の思い出として広がっていき、今の形へ変化していったのです。
まとめ
多くの方が惹きつけられている写経の魅力とその効果について紹介してきました。
すこし敷居が高いように感じていた写経は、難しいことなど考えず、ただ一点一画丁寧に書き写していくものでした。
少し離れていた「文字を書くこと」で、無心になって、そして充たされる。
あなたも写経を通して、そんな経験をしてみませんか?