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夏の季語といって思い浮かぶのは?ひまわり、蝉、入道雲。昼寝、ボート、苺ミルク。
どこか懐かしい、しまいこんでいた記憶を呼び起こすような言葉も並びます。
俳句や連歌に使われる季語は、じつは私たちの暮らしに寄り添う言葉。あまりに暑くなりすぎた今の夏。この過酷な暑さも、私たちだからこそ詠める歌があるのです。
夏の表情を表す季語を、移りゆく時期ごとにピックアップ、一覧にまとめました。
夏のご挨拶やSNSに使いたくなるような、懐かしくまた新しく、あなたの夏の一場面を映す言葉がきっと見つかります。
耳にしたことはあるけれど、詳しくは知らないという方も多い季語。どう使うものなのでしょうか?
季語とは、その文字通り、ある特定の季節を表す言葉で、俳句や連歌になくてはならない要素です。
季節感を込めない無季俳句など例外もありますが、基本的に五・七・五の俳句の中に季語を一つ入れることが、作句の定めとされています。
季語は、それ一つで、まだ暑くなる前の爽やかなころなのか、ジメジメした梅雨の真っ只中か、暑さを過ぎて秋に近いころなのか、など表すことができ、17音というとても短い俳句のなかのキーポイントとなる言葉でもあります。季語は、詠み手がとらえたその景色を、私たちが想像するためのスイッチともなるのです。
私たち日本人は、古の時代から季節の移ろいを愛でてきました。季語という概念が成立したのは、平安時代の終わりころ。
それから長い時代とともに増え続ける季語は、今や一万とも二万ともいわれます。
そんなあまたの季語が集められているのが、歳時記です。歳時記は、季語を分類しそれぞれを解説、例句が添えられた書物で、まるで辞書や百科事典のような厚さのものも。
私たちの暮らしは変化し続けています。見かけなくなった道具、旬がよくわからなくなった食べ物、定着した新しいイベント、いつの間にか、なくてはならなくなった身の回りのもの。
季語は、時代とともに増え続けると同時に、しだいに使われなくなっていくものも多くあります。ふいに出会った馴染みのない季語から、その季語が生き生きと使われていた時代に思いを馳せるというのも、季語の楽しみ方の一つです。
俳句でいうところの夏とは、旧暦の4・5・6月のことをいいます。
現代使われている太陽暦では、だいたい5・6・7月ころ。立夏(5月6日ころ)から立秋(8月8日ころ)の前日までです。
夏の季語は、時期によって4つに分けられています。
また、内容によって以下のように区分されます。
三夏とは、夏のはじまりから終わりまで、夏の時期すべてで使われる季語です。
初夏とは、立夏から芒種(ぼうしゅ)の前日まで。淡い色だった緑もいよいよ濃くなり、心地よい風が吹き抜ける夏の初めを表す季語です。
仲夏とは、芒種から小暑(しょうしょ)の前日まで。梅雨のころで、雨にまつわるじつに豊かな言葉の数々が並びます。
晩夏とは、小暑から立秋の前日まで。夏の終わりの意味ですが、まだまだ暑さはこれからといったところで、厳しい暑さをさまざまな角度から表しています。
厳しい暑さのなか、あの方はお元気だろうかと気遣う暑中見舞いや残暑見舞い。また、この暑さヤバいよねー、と多くの人と共感したいSNS。
いつも使う言葉とはちょっと違う、季語。じつはその夏の空気や情景、心持ちまで、表してくれるものもありそうです。
夏のさまざまな表情を、印象的な季語にのせて大切な人に伝えてみるのはいかがですか?
夏を詠んだ有名な俳句を紹介します。どの句も、まるでその情景が浮かんでくるようです。
『奥の細道』に収められた、俳人松尾芭蕉の有名な句。
「五月雨」は仲夏の季語。6月、梅雨の最中でしょうか。山形県を訪れた芭蕉が、そこで催された句会の発句に詠んだのは、「五月雨を あつめて涼し 最上川」だったといいます。
その後、推敲され「涼し」が「はやし」となりました。
じつは「涼し」の句を詠んだあと、芭蕉は最上川の船下りを体験したのだそう。日本三大急流にも数えられる最上川、しかも梅雨で増水したその流れは、それはそれは早かったことでしょう。
こちらも松尾芭蕉の『奥の細道』に収められています。
現在の山形市、立石寺(りっしゃくじ)を訪れた際の句。険しく切り立った岩壁を背に、お堂が建てられています。
一心に鳴く蝉の声は、強い生命力を感じさせ、それとは対極の動かぬ岩にも吸い込まれていくよう。
「蝉」は晩夏の季語です。蝉の声が、俗世と切り離されたような静寂を一層際立たせ、聞き入っている自分の心の静けさ、また寂しさも強く感じるという対比が感じられます。
夏嵐は、三夏の季語。青々とした緑を大きく揺らして吹く、少し強めの風です。
病に臥す正岡子規の机には、まだなにも書き付けていない白紙。どうもまだ句が浮かんでいない様子です。
勢いのある風に、その紙が吹き飛びました。吹き込んだ風は、なかなか句が思いつかない、その滞った空気もさらっていったでしょうか。
外には瑞々しい緑が揺れ、風で舞った紙の白さが目に浮かぶよう。躍動感あふれる句です。
お気づきでしょうか?じつは、この俳句には季語が3つ。
青葉、ほととぎす、初鰹すべて夏の季語です。このように、一つの俳句に複数の季語が入ることは「季重なり」といい、本来はタブーとされるもの。
でもなんとも耳触りがよく、覚えている方も多い句ですよね。
目には青々と美しい青葉、耳に心地よく響くほととぎすの鳴き声、そして旬の味覚、初鰹。夏の訪れを喜ぶ気持ちがたっぷり盛り込まれている句です。
ちょっと厳しすぎません?近ごろの夏。せっかくのお出掛けも、あの日差しを考えると思わずテンション下がり気味です。
そんな時は、お気に入りの一枚を選びましょう。
たっぷりと風をはらんで、着心地も見た目も涼やかなワンピース。和のテイストなので、あなただけの着方を楽しめます。
季語にもなっている夏の花々があしらわれたものや、UVカット加工がされたものも揃えました。梅雨寒のころには、羽織ものとしても重宝します。
季語って、なんだか不思議。
ただ、ひまわりというと「知ってる、あの大きな、タネがびっしり詰まった黄色の花」と思うのだけれど、季語ひまわり、なると、なんだか少し違うよう。
いつかのどこかの風景の中にある、記憶の中の「あのひまわり」が、ぼんやり浮かんでくるようです。
私たち日本人の暮らしが積み重なって、そこから生まれた季語の数々。あなたの夏の風景、空気感を、思わず五・七・五に詠みたくなるような、そんな夏の季語に出会えますように。
夏の季語といって思い浮かぶのは?
ひまわり、蝉、入道雲。
昼寝、ボート、苺ミルク。
どこか懐かしい、しまいこんでいた記憶を呼び起こすような言葉も並びます。
俳句や連歌に使われる季語は、じつは私たちの暮らしに寄り添う言葉。
あまりに暑くなりすぎた今の夏。
この過酷な暑さも、私たちだからこそ詠める歌があるのです。
夏の表情を表す季語を、移りゆく時期ごとにピックアップ、一覧にまとめました。
夏のご挨拶やSNSに使いたくなるような、懐かしくまた新しく、あなたの夏の一場面を映す言葉がきっと見つかります。
目次
季語とは?夏の季語はどの時期に使う?
耳にしたことはあるけれど、詳しくは知らないという方も多い季語。
どう使うものなのでしょうか?
そもそも季語ってなに?
季語とは、その文字通り、ある特定の季節を表す言葉で、俳句や連歌になくてはならない要素です。
季節感を込めない無季俳句など例外もありますが、基本的に五・七・五の俳句の中に季語を一つ入れることが、作句の定めとされています。
季語は、それ一つで、まだ暑くなる前の爽やかなころなのか、ジメジメした梅雨の真っ只中か、暑さを過ぎて秋に近いころなのか、など表すことができ、17音というとても短い俳句のなかのキーポイントとなる言葉でもあります。
季語は、詠み手がとらえたその景色を、私たちが想像するためのスイッチともなるのです。
季語は増え続けている?
私たち日本人は、古の時代から季節の移ろいを愛でてきました。
季語という概念が成立したのは、平安時代の終わりころ。
それから長い時代とともに増え続ける季語は、今や一万とも二万ともいわれます。
そんなあまたの季語が集められているのが、歳時記です。
歳時記は、季語を分類しそれぞれを解説、例句が添えられた書物で、まるで辞書や百科事典のような厚さのものも。
私たちの暮らしは変化し続けています。
見かけなくなった道具、旬がよくわからなくなった食べ物、定着した新しいイベント、いつの間にか、なくてはならなくなった身の回りのもの。
季語は、時代とともに増え続けると同時に、しだいに使われなくなっていくものも多くあります。
ふいに出会った馴染みのない季語から、その季語が生き生きと使われていた時代に思いを馳せるというのも、季語の楽しみ方の一つです。
夏の季語を使う時期と区分
俳句でいうところの夏とは、旧暦の4・5・6月のことをいいます。
現代使われている太陽暦では、だいたい5・6・7月ころ。
立夏(5月6日ころ)から立秋(8月8日ころ)の前日までです。
夏の季語は、時期によって4つに分けられています。
また、内容によって以下のように区分されます。
夏の季語:三夏(夏全体)
三夏とは、夏のはじまりから終わりまで、夏の時期すべてで使われる季語です。
(あつし)
(すずし)
(みじかよ)
(あけやす)
(なつのあさ)
(なつのよい)
(あおあらし)
(かぜかおる)
(くものみね)
(ほしすずし)
(したたり)
(なつのにわ)
(うちみず)
(ひるね)
(かみあらう)
(くさぶえ)
(こうすい)
(ばんりょく)
(こしたやみ)
(あおみどろ)
(かたばみのはな)
(すべりひゆ)
(かっこう)
(らいちょう)
(あげはちょう)
(ふんころがし)
夏の季語:初夏(5月ごろ)
初夏とは、立夏から芒種(ぼうしゅ)の前日まで。
淡い色だった緑もいよいよ濃くなり、心地よい風が吹き抜ける夏の初めを表す季語です。
(よしゅん)
(せいわ)
(はくしょ)
(夏めく)
(むぎのあき)
(うのはなくたし)
(うづきぐもり)
(むぎのあきかぜ)
(つばなながし)
(たんご)
(ころもがえ)
(あおばのすだれ)
(かもまつり)
(さくたろうき)
(なつみかん)
(あおしだ)
(のびるのはな)
(しんばれいしょ)
(たけのかわぬぐ)
(くものい)
(しかのふくろづの)
(すだちどり)
夏の季語:仲夏(6月ごろ)
仲夏とは、芒種から小暑(しょうしょ)の前日まで。
梅雨のころで、雨にまつわるじつに豊かな言葉の数々が並びます。
(にゅうばい)
(つゆざむ)
(はくや)
(ぼうしゅ)
(はんげしょう)
(くろはえ)
(つゆなり)
(さつきやみ)
(とらがあめ)
(くすりふる)
(さつきなみ)
(いすいます)
(あまごい)
(みずばん)
(しんすい)
(うるしかく)
(さつきのかがみ)
(あつめじる)
(あやめのまくら)
(ふじもうで)
(おうとうき)
(あじさい)
(きょうちくとう)
(きくらげ)
(とうろううまる)
(つばす)
夏の季語:晩夏(7月ごろ)
晩夏とは、小暑から立秋の前日まで。
夏の終わりの意味ですが、まだまだ暑さはこれからといったところで、厳しい暑さをさまざまな角度から表しています。
(えんちゅう)
(なつのはて)
(どようあい)
(あぶらでり)
(しろはえ)
(あおた)
(せっけい)
(うめぼし)
(かんぴょうむく)
(しょうゆつくる)
(かわゆか)
(よすすぎ)
(ひなたみず)
(ぎおんえ)
(さばえなすかみ)
(ちのわ)
(こまくさ)
(みょうがのこ)
(うぐいすねをいる)
(うすばかげろう)
(かみきり)
(たかはねづかいをならう)
暑中見舞いやSNSで取り入れやすい夏の季語
厳しい暑さのなか、あの方はお元気だろうかと気遣う暑中見舞いや残暑見舞い。また、この暑さヤバいよねー、と多くの人と共感したいSNS。
いつも使う言葉とはちょっと違う、季語。
じつはその夏の空気や情景、心持ちまで、表してくれるものもありそうです。
例「風薫る季節となりました。いかがお過ごしでしょうか?」
例「次第に夏めいてまいりました。皆様お変わりありませんか?」
例「梅雨寒が続いております。風邪など召されませんように」
「酷暑の折、くれぐれもご自愛くださいませ」
「夏も深まり、夜には秋の気配も感じられるようになりました」
夏のさまざまな表情を、印象的な季語にのせて大切な人に伝えてみるのはいかがですか?
有名な夏の俳句
夏を詠んだ有名な俳句を紹介します。
どの句も、まるでその情景が浮かんでくるようです。
五月雨を あつめてはやし 最上川 / 松尾芭蕉
『奥の細道』に収められた、俳人松尾芭蕉の有名な句。
「五月雨」は仲夏の季語。
6月、梅雨の最中でしょうか。
山形県を訪れた芭蕉が、そこで催された句会の発句に詠んだのは、
「五月雨を あつめて涼し 最上川」
だったといいます。
その後、推敲され「涼し」が「はやし」となりました。
じつは「涼し」の句を詠んだあと、芭蕉は最上川の船下りを体験したのだそう。
日本三大急流にも数えられる最上川、しかも梅雨で増水したその流れは、それはそれは早かったことでしょう。
閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声 / 松尾芭蕉
こちらも松尾芭蕉の『奥の細道』に収められています。
現在の山形市、立石寺(りっしゃくじ)を訪れた際の句。
険しく切り立った岩壁を背に、お堂が建てられています。
一心に鳴く蝉の声は、強い生命力を感じさせ、それとは対極の動かぬ岩にも吸い込まれていくよう。
「蝉」は晩夏の季語です。
蝉の声が、俗世と切り離されたような静寂を一層際立たせ、聞き入っている自分の心の静けさ、また寂しさも強く感じるという対比が感じられます。
夏嵐 机上の白紙 飛び尽くす / 正岡子規
夏嵐は、三夏の季語。
青々とした緑を大きく揺らして吹く、少し強めの風です。
病に臥す正岡子規の机には、まだなにも書き付けていない白紙。
どうもまだ句が浮かんでいない様子です。
勢いのある風に、その紙が吹き飛びました。
吹き込んだ風は、なかなか句が思いつかない、その滞った空気もさらっていったでしょうか。
外には瑞々しい緑が揺れ、風で舞った紙の白さが目に浮かぶよう。
躍動感あふれる句です。
目には青葉 山ほととぎす 初鰹 / 山口素堂
お気づきでしょうか?
じつは、この俳句には季語が3つ。
青葉、ほととぎす、初鰹すべて夏の季語です。
このように、一つの俳句に複数の季語が入ることは「季重なり」といい、本来はタブーとされるもの。
でもなんとも耳触りがよく、覚えている方も多い句ですよね。
目には青々と美しい青葉、耳に心地よく響くほととぎすの鳴き声、そして旬の味覚、初鰹。夏の訪れを喜ぶ気持ちがたっぷり盛り込まれている句です。
夏をまとう|夏を遊ぶアイテム紹介
ちょっと厳しすぎません?近ごろの夏。
せっかくのお出掛けも、あの日差しを考えると思わずテンション下がり気味です。
そんな時は、お気に入りの一枚を選びましょう。
たっぷりと風をはらんで、着心地も見た目も涼やかなワンピース。
和のテイストなので、あなただけの着方を楽しめます。
季語にもなっている夏の花々があしらわれたものや、UVカット加工がされたものも揃えました。
梅雨寒のころには、羽織ものとしても重宝します。
暮らしの積み重なり
季語って、なんだか不思議。
ただ、ひまわりというと
「知ってる、あの大きな、タネがびっしり詰まった黄色の花」と思うのだけれど、季語ひまわり、なると、なんだか少し違うよう。
いつかのどこかの風景の中にある、記憶の中の「あのひまわり」が、ぼんやり浮かんでくるようです。
私たち日本人の暮らしが積み重なって、そこから生まれた季語の数々。
あなたの夏の風景、空気感を、思わず五・七・五に詠みたくなるような、そんな夏の季語に出会えますように。
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