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視覚と聴覚と味覚を刺激する、誰もが好きな俳句です。 なぜなら誰もが好きな5月を詠んでいるからです。 風薫る5月、爽やかな初夏の陽気に包まれるこの時期は、心躍る大型連休や伝統的な行事が重なる季節でもあります。
さらに、世界でも5月を祝う多様な行事が繰り広げられます。 本記事では、5月の主要なイベントから旬の味覚、そして意外と知らない豆知識までを詳しく紹介しましょう。
5月はゴールデンウィークを中心に、家族や大切な人と過ごす行事が豊富です。 日付順に主なトピックを見ていきましょう。
毎年5月1日は、世界各地で開催される労働者の祭典であるメーデーです。 1886年のアメリカで、過酷な労働環境の改善と「1日8時間労働」を求めて労働者たちが立ち上がった運動が、その始まりとされています。 多くの国で祝日となっており、働く人々が権利を再確認し、団結を深める重要な節目です。
日本でも大正時代から続く歴史ある行事で、現在では平和や福祉の充実を訴える集会が全国で開催される日となりました。 日本ではちょうどゴールデンウィークの合間にあたりますが、この日を独自の休日と定めている企業も少なくありません。 暦の上では平日でも、休日の雰囲気が漂う日です。 ヨーロッパで行われる「もう一つのメーデー」については、記事後半で詳しくご紹介します。
「八十八夜(はちじゅうはちや)」は、立春から数えて88日目にあたる日を指します。 この時期は気候が安定し、農家にとっては本格的な農作業を開始する重要な目安となってきました。 特に有名なのが茶摘みで、「八十八夜に摘み取られた新茶を飲むと病気にならない」という言い伝えがあるほどです。 この時期の若芽には栄養と生命力が凝縮されています。
現在でも各地で茶摘み体験などのイベントが開催され、爽やかな香りと共に初夏の訪れを告げる風物詩となっています。 末広がりの「八」が重なる幸運な日です。 ちなみに八十八夜は年によって日付が変わります。 2026年、2027年は5月2日で、2028年、2029年は5月1日です。
5月3日は、1947年に日本国憲法が施行されたことを記念する国民の祝日です。 憲法の三原則である「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を改めて噛み締め、国の成長と未来の平和を願う日として定められました。
この日は全国で憲法に関連するシンポジウムや講演会が開催されます。 さらに、例年この時期に合わせて国会議事堂の特別参観が実施されており、普段は目にすることができない内部を間近で見学できます。 また、ゴールデンウィークの後半の幕開けとなる日です。
各地の観光地やイベント会場は多くの家族連れや旅行客で賑わいます。 政治や社会の仕組みを意識すると同時に、平和な日常を享受できる喜びを実感する祝日です。
5月4日の「みどりの日」は、自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育むことを目的とした祝日です。 もともとは平日でしたが、1986年から祝日に挟まれた日を休みとする制度により「国民の休日」となりました。 その後、2007年に、それまで4月29日であった「みどりの日」がこの日に移動し、正式な祝日となりました。
この時期は日本列島が鮮やかな新緑に染まる絶好のシーズンです。 この趣旨に賛同し、新宿御苑や多摩動物公園など、多くの国立公園、植物園、庭園が無料開放されるのが特徴です。
新緑の香りを胸いっぱいに吸い込みながら散策し、都会の喧騒を離れて、自然との繋がりを取り戻すには、ぴったりの休日と言えるでしょう。
5月5日は、子どもの人格を重んじ、幸せを願うとともに、母親に感謝する「こどもの日」です。 この日は「端午の節句」として、男の子の健やかな成長を祈る行事が行われてきました。 武家社会の影響で鎧や兜を飾り、庭先に鯉のぼりを立てて立身出世を願う文化が定着しました。
鯉のぼりは中国の「登竜門」すなわち流れの激しい滝を登りきった鯉が龍になったという伝説が由来です。 子どもがどんな困難にも打ち勝ち、立派に成長するようにとの願いが込められています。
また、強い香りが邪気を払うとされ、菖蒲(しょうぶ)湯に浸かったり、軒先に吊るしたりする風習が今も残っています。 食文化としては、子孫繁栄を願う「柏餅(かしわもち)」や、厄除けの「ちまき」を食べるのが定番です。 現代では男女の区別なく、すべての子どもの成長を家族で祝う一日となっています。
800年以上の歴史を誇る「博多松囃子(まつばやし)」を起源とする、日本最大級の市民祭です。 戦後の焼け跡から「博多の復興」を掲げていち早く復活し、街に希望の光を灯しました。 「どんたく」の語源はオランダ語の「ゾンターク(休日)」に由来し、老若男女がしゃもじを叩きながら練り歩きます。
しゃもじについても、エピソードが残されています。 ある時、夕餉の支度をしていた商家のおかみさんが、どんたく囃子に浮かれ出し、持っていたしゃもじを叩いてお囃子に加わったことが始まりなのだそうです。 ゴールデンウィーク中の2日間で200万人以上の見物客が訪れ、博多の街が熱狂と笑顔に包まれる華やかな祭典です。
立夏とは季節の移り変わりを細かく分けた二十四節気のひとつです。 この日が夏の始まりとされています。例年、5月5日か6日頃にあたります。 この時期の最大の特徴は、光の強まりとともに自然界のエネルギーが一気に加速することです。
春の柔らかな新芽は、日差しを浴びて力強い「青葉」へと変わり、爽やかな「薫風(くんぷう)」が吹きます。 「山滴る(やましたたる)」と表現されるほど深い緑に覆われ、生命力が最高潮に達し、私たちの心身にも活力を与えてくれます。
本格的な暑さが訪れる前に、窓を大きく開け放って初夏の気配を家の中へ呼び込み、季節の移り変わりを肌で感じるのに最適なタイミングです。 「夏が立つ」という字の通り、まさに夏の気配が立ち上がる頃で、生活の装いを夏仕様に切り替える目安にもなります。
4月末から5月初旬の祝日が重なる大型連休で、日本独自の休暇文化です。 昭和の半ばから定着した和製英語です。 現在では、最大で10日間近い休みになる年もあり、帰省や海外旅行、レジャーを楽しむ人々で全国が活気に満ちあふれます。
昭和の日、憲法記念日、みどりの日、そしてこどもの日。 法律が定める四つの祝日が、土日と絡み合い連休を作り出します。毎年、曜日の関係で連休の日数が変わるのもゴールデンウィークの醍醐味と言えるでしょう。
一年のうちで最も気候が安定したこの期間、家々の屋根には鯉のぼりが泳ぎ、行楽地は新緑を楽しむ人々で賑わいます。
5月の第2日曜日は、母親への感謝を表す「母の日」です。2026年は5月10日です。 20世紀初頭にアメリカのアンナ・ジャービスが、亡き母のアン・ジャービスを偲んで白いカーネーションを捧げたことが始まりとされています。お二人の名前はよく似ています。
日本には明治時代末期に伝わり、昭和中期頃から一般的に広く普及しました。 母親が健在であれば赤いカーネーションを、亡くなっていれば白いカーネーションを贈るのが初期の習慣でした。 現在ではカーネーションに限らず、アジサイやバラなどお母さんの好みの花や、長く楽しめる鉢植えを贈るスタイルも人気です。 また花の贈り物だけでなく、家族で楽しむ外食をしたり、家事を代わってあげたりするなど、感謝の形は多様化しています。 「おかあさん」に向けて、普段は照れくさくてなかなか言葉にできない「ありがとう」を伝える、優しさに満ちた春の記念日です。
野鳥を守り、自然を大切にする心を育むために制定された一週間です。 戦後間もない1947年、当時の深刻な食糧難や荒廃した国土の中で、鳥たちのさえずりが心の癒やしになるようにと「バードデー」として始まりました。 この時期は多くの野鳥が繁殖期を迎え、雛を育てる生命の躍動を感じられる季節です。 全国各地で探鳥会やポスターコンクールが開催され、身近な自然環境を見つめ直す大切な機会となっています。
京都の三大祭りの一つに数えられる「葵祭(あおいまつり)」は、今から約1500年前の欽明天皇の時代に始まったとされる、非常に歴史のある行事です。 正式名称を「賀茂祭」といい、下鴨神社と上賀茂神社の例祭として執り行われます。
平安時代の貴族の装束を忠実に再現した500名以上の行列が、京都御所から両神社へと向かいます。 この「路頭の儀」は、まるで王朝絵巻を目の当たりにしているような優雅さです。 祭りの最大の特徴は、参列者や牛車、社殿に至るまで、あらゆる場所が「葵の葉」で飾られることです。 葵は神様と人を結ぶシンボルとして大切にされてきました。 新緑の京都を彩る最も華やかな風物詩として、国内外から多くの観光客を魅了し続けています。
神田祭は、江戸時代に将軍や御台所が上覧したことから「天下祭」と称される、日本を代表する祭典です。 最大の見どころは、鳳輦(ほうれん)や神輿が神田・日本橋・秋葉原などの広大な氏子地域を巡る「神幸祭(しんこうさい)」でしょう。 平安衣装をまとった行列がビル群を練り歩く姿は、まさに現代の絵巻物です。
また、近隣の町会から100基近い神輿が神田明神へと次々に集まる「神輿宮入(みこしみやいり)」は圧巻で、数千人の担ぎ手が「ソイヤ」の掛け声で街を埋め尽くす熱気も迫力があります。
現在は、2年に一度(奇数年)にこれらの大規模な行事が行われる「本祭」を開催し、その間の年を「陰祭(かげまつり)」として伝統を繋いでいます。 2026年は「陰祭」のため、大規模行列は行わず神事中心となります。
5月は、多くの中学校や高校、一部の小学校で運動会や体育祭が開催される時期でもあります。 以前は運動会といえば「体育の日」がある10月が主流でした。 しかし、秋の天候不順(台風)や、二学期にある他の行事とのバランス、さらには熱中症対策などを考慮する必要が生じます。 そのため、気候が穏やかな5月に実施する学校が増加しました。 これにより新クラスになって間もない時期のクラスの団結力を高める絶好の機会となっています。
五月晴れの下、爽やかな風が吹く中での運動会は、日本の5月を象徴するエネルギッシュな一コマと言えるでしょう。
味覚や視覚や嗅覚でも5月を満喫しましょう。自然のエネルギーが充実していくこの時期は、旬の食材や花などが目白押しです。 この時期ならではの自然の恵みを紹介します。
初夏の気候に合わせて、食卓にも爽やかな顔ぶれが並びます。
● 魚介類:
初鰹(はつがつお)は江戸時代から「女房を質に入れても食べたい」と言われるほど珍重されました。さっぱりとした味わいが特徴です。 脂ののったアジ、メバル、身が厚くなるアサリやハマグリ、シャコ、アオリイカなど
● 野菜類:
新ジャガイモ、新タマネギ、新ゴボウなどはみずみずしく、皮が薄いため丸ごと調理するのにおすすめです。 フキ、ミツバ、ソラマメ、グリーンピース、レタス、きゅうり、にんにく、しいたけ、うめなど
● 果物:
びわは初夏の訪れを告げる果物です。 夏みかん、甘夏、苺、さくらんぼ、メロンなど
色鮮やかな花々が公園や庭先を彩ります。
● バラ:
5月はバラの最盛期です。各地のバラ園では優雅な香りと形を楽しめます。
● カーネーション:
母の日の象徴として知られています。本来の開花時期もこの頃です。
● ツツジ:
街路樹として植えられていることが多いようです。赤や白、ピンクの花が街中を明るくします。
● シャクヤク:
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と例えられる美しさの象徴です。
その他にも菖蒲(しょうぶ、あやめ)、杜若(かきつばた)、牡丹(ぼたん)、皐月(さつき)、鈴蘭(すずらん)など
5月は鳥たちが活発に活動する季節です。
● ホトトギス:
田植えを告げる鳥として、万葉の時代から愛されてきました。
● 燕:
軒先で「子育て」が真っ盛りになる時期です。
その他にもキビタキ、オオルリ、郭公(かっこう)など
● 鯉のぼり、菖蒲湯、 五月人形:
端午の節句に見られる風物詩です。
● 早苗、田んぼ、カエル、 ゲンジボタル:
田植え、水辺に関する風物詩です。
その他にも茶摘み、薫風などなど
知っていると会話が弾む、5月にまつわるエピソードを集めました。
5月の別名である「皐月(さつき)」は、田植えをする月である「早苗月(さなえづき)」が略されたものという説が有力です。 「サ」という音には田の神様の意味が含まれており、農業と深く結びついた名称となっています。 なお、「五月」と書いても一般的に「さつき」と読みます。
このような読み方は他の月ではあまり行われていません。 「さつき」という言葉は馴染みがあると言っていいでしょう。
この名称は、1951年に映画業界が「連休中に多くの人に映画を見てほしい」という願いを込めて作った造語です。 ラジオの聴取率が良い時間を「ゴールデンタイム」と呼ぶことに倣って名付けられたと言われています。
ゴールデンウィーク自体が和製英語なのですが、そのまま直訳で「黄金週間」とも呼ばれます。 このように和製英語をさらに直訳した例は極めて珍しい言葉です。
ゴールデンウィークは楽しいことばかりですが、困った問題がひとつだけあります。 長期連休明けに、気力の低下や不安を感じて悩む人が現れることです。 特に新社会人は、緊張して過ごした1か月が過ぎ、長期休暇に入って、一気に気力が下がる人がいます。 「五月病」と呼ばれています。 新しい環境に慣れようと頑張りすぎた疲れが出やすいのがこの時期です。 意識的にリラックスする時間を設けるのが大切ですね。
五月雨と書いて「さみだれ」と読みます。 もともとは旧暦5月の雨、つまり現在の「梅雨」を指す言葉です。
この句は、降り続く五月雨(梅雨の雨)によって水量を増した最上川が、凄まじい勢いで奔流(ほんりゅう)となる様子を詠んだものです。 最初は「五月雨を涼しく見たり最上川」と詠まれていたものを、実際に最上川の激流を目にした芭蕉が、「早し」と改作したという逸話があります。 「あつめて」という表現によって、広大な流域の雨が一気に川へと集中するダイナミズムが強調されており、単なる風景描写を超えた自然の猛威と生命力を表現しています。
五月雨すなわち梅雨の特徴は降ったり止んだりしながら、長く続くことです。
梅雨末期には豪雨になることもあります。 現代の物事がなかなか終わらない様子を指す「五月雨式」という言葉の語源にもなっています。
「五月晴れ」は、本来「旧暦の5月」、つまり現在の6月(梅雨時)に見られる束の間の晴天を指す言葉でした。 どんよりとした曇り空が続く梅雨の合間に、爽やかに晴れ渡る空を指して使われてきた季語です。 しかし現在では、新暦5月の抜けるような青空や、湿度が低くカラッとした快晴を指して使われるのが一般的になっています。 言葉の意味が時代とともに変化し、初夏の清々しさを象徴する表現として定着しました。
「うるさい」という言葉に「五月蠅」という漢字を当てています。 5月のハエは非常に騒がしいのですね。 気温の上昇とともにハエが家の中でぶんぶんと飛び回る音が人々を悩ませていました。 その執拗に付きまとう騒がしさを、「うるさい」という言葉の語源としたのです。 生活実感から生まれた、非常に写実的でユニークな難読漢字といえるでしょう。
5月の中でも特に15日はいくつかの歴史的な事件が起こりました。
繰り返してはいけないこと、今に続く素晴らしい歴史などに思いを馳せるのに最適の日です。
5月は、その数字の響きを活かしたユニークな記念日が数多く存在します。
日常の何気ない一日に特別な意味を持たせ、社会意識や季節の彩りを再確認するきっかけとなりますね。
清々しい5月。ここで世界の5月に目を向けてみましょう。 北半球では新緑が美しい春の盛り、南半球では秋が深まる季節です。世界各地で、5月は特別な意味を持つ月として親しまれています。
アメリカ発祥の母の日はもちろん、伝統的なお祭りや国際的な記念日も目白押しです。 まずは、ヨーロッパに伝わる「もうひとつのメーデー」からご紹介しましょう。
5月1日は労働者の日であると同時に、ヨーロッパでは古来、夏の始まりを祝う「五月祭」の日でもありました。 象徴的なのは「メイポール(五月柱)」と呼ばれる、花やリボンで鮮やかに彩られた大きな柱です。 村の広場に立てられたこの柱の周りで、人々は歌い踊り、豊かな収穫と生命の躍動を祝福します。
また、この日に選ばれた若い女性が「五月の女王(メイ・クイーン)」として祭りを彩る習慣など、地域ごとに特色あるフォークロアが息づいています。 植物の生命力と太陽の恵みに感謝を捧げるこの祭典は、厳しい冬を乗り越えた人々にとって、一年で最も心躍る瞬間の一つなのです。
フランスでは5月1日に、家族や友人、愛する人へスズランを贈る「スズランの日」という習慣があります。 この日にスズランを贈られた人には幸運が訪れると言い伝えられており、街のいたる所にスタンドが立ち、甘く清楚な香りに包まれます。
1561年、国王シャルル9世が幸せを運ぶ花としてスズランを贈られたことを非常に喜び、宮廷の女性たちにも贈るようになったのが始まりでした。 春の訪れを祝うとともに、身近な人の幸せを願う優しさに満ちたフランスの初夏の風物詩です。
「シンコ・デ・マヨ」はスペイン語で「5月5日」を意味し、1862年のプエブラの戦いでメキシコ軍がフランス軍を撃破したことを記念する祝祭です。 メキシコ国内、特にプエブラ州では歴史的な勝利を称える軍事パレードなどが盛大に行われます。 現在ではメキシコのルーツを祝う文化行事として、アメリカなど世界各地に広まっています。 色鮮やかな民族衣装でのダンスやマリアッチの演奏、メキシコ料理を囲む賑やかなパーティーが催され、国境を越えてメキシコの誇りと情熱を分かち合う一日となっています。
韓国でも日本と同じ5月5日が「こどもの日(オリニナル)」として祝日に制定されています。 1923年に児童文学作家の方定煥(パン・ジョンファン)らが、子どもたちが健やかに育つ社会を目指して提唱したのが始まりです。 家族で遊園地や動物園へ出かけたり、欲しがっているプレゼントを贈ったりする光景は日本と共通しています。 しかし、韓国では伝統行事という側面よりも、現代的なファミリーイベントとしての色彩が強いのが特徴です。 未来を担う子どもたちに愛情を注ぎ、家族の絆を深める大切な一日として定着しています。
赤十字の創始者であるアンリ・デュナンの誕生日にちなみ、1948年に制定された国際的な記念日です。 「苦しんでいる人を救いたい」というデュナンの人道精神を再確認し、世界中で平和への願いを共有します。 この日を中心に、世界各地の赤十字社が人道的活動の普及を目的としたイベントや、歴史的建造物を赤く照らすライトアップなどを実施します。 紛争や災害など、困難に立ち向かう人々への支援と、博愛の精神を改めて意識する重要な一日です。
本記事で紹介した行事の一覧を眺めると、5月は大型連休や端午の節句、母の日といった家族や自分自身を大切にする行事が重なる、一年で最も清々しい1ヶ月です。 新緑を渡る爽やかな風の中で、日本古来の伝統と現代の豊かな時間が心地よく混ざり合っています。
日々の喧騒から離れ、行事の由来や季節の情報に触れることで、自分自身を取り戻す穏やかなひとときが過ごせるはずです。 心身を深くリフレッシュしながら、この季節ならではの喜びを存分に満喫してください。
目には青葉、山ほととぎす、初鰹山口素堂
視覚と聴覚と味覚を刺激する、誰もが好きな俳句です。
なぜなら誰もが好きな5月を詠んでいるからです。
風薫る5月、爽やかな初夏の陽気に包まれるこの時期は、心躍る大型連休や伝統的な行事が重なる季節でもあります。
さらに、世界でも5月を祝う多様な行事が繰り広げられます。
本記事では、5月の主要なイベントから旬の味覚、そして意外と知らない豆知識までを詳しく紹介しましょう。
目次
5月のイベント・行事
5月はゴールデンウィークを中心に、家族や大切な人と過ごす行事が豊富です。
日付順に主なトピックを見ていきましょう。
メーデー(5月1日)
毎年5月1日は、世界各地で開催される労働者の祭典であるメーデーです。
1886年のアメリカで、過酷な労働環境の改善と「1日8時間労働」を求めて労働者たちが立ち上がった運動が、その始まりとされています。
多くの国で祝日となっており、働く人々が権利を再確認し、団結を深める重要な節目です。
日本でも大正時代から続く歴史ある行事で、現在では平和や福祉の充実を訴える集会が全国で開催される日となりました。
日本ではちょうどゴールデンウィークの合間にあたりますが、この日を独自の休日と定めている企業も少なくありません。
暦の上では平日でも、休日の雰囲気が漂う日です。
ヨーロッパで行われる「もう一つのメーデー」については、記事後半で詳しくご紹介します。
八十八夜(2026年は5月2日)
「八十八夜(はちじゅうはちや)」は、立春から数えて88日目にあたる日を指します。
この時期は気候が安定し、農家にとっては本格的な農作業を開始する重要な目安となってきました。
特に有名なのが茶摘みで、「八十八夜に摘み取られた新茶を飲むと病気にならない」という言い伝えがあるほどです。
この時期の若芽には栄養と生命力が凝縮されています。
現在でも各地で茶摘み体験などのイベントが開催され、爽やかな香りと共に初夏の訪れを告げる風物詩となっています。
末広がりの「八」が重なる幸運な日です。
ちなみに八十八夜は年によって日付が変わります。
2026年、2027年は5月2日で、2028年、2029年は5月1日です。
憲法記念日(5月3日)
5月3日は、1947年に日本国憲法が施行されたことを記念する国民の祝日です。
憲法の三原則である「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を改めて噛み締め、国の成長と未来の平和を願う日として定められました。
この日は全国で憲法に関連するシンポジウムや講演会が開催されます。
さらに、例年この時期に合わせて国会議事堂の特別参観が実施されており、普段は目にすることができない内部を間近で見学できます。
また、ゴールデンウィークの後半の幕開けとなる日です。
各地の観光地やイベント会場は多くの家族連れや旅行客で賑わいます。
政治や社会の仕組みを意識すると同時に、平和な日常を享受できる喜びを実感する祝日です。
みどりの日(5月4日)
5月4日の「みどりの日」は、自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育むことを目的とした祝日です。
もともとは平日でしたが、1986年から祝日に挟まれた日を休みとする制度により「国民の休日」となりました。
その後、2007年に、それまで4月29日であった「みどりの日」がこの日に移動し、正式な祝日となりました。
この時期は日本列島が鮮やかな新緑に染まる絶好のシーズンです。
この趣旨に賛同し、新宿御苑や多摩動物公園など、多くの国立公園、植物園、庭園が無料開放されるのが特徴です。
新緑の香りを胸いっぱいに吸い込みながら散策し、都会の喧騒を離れて、自然との繋がりを取り戻すには、ぴったりの休日と言えるでしょう。
こどもの日・端午の節句(5月5日)
5月5日は、子どもの人格を重んじ、幸せを願うとともに、母親に感謝する「こどもの日」です。
この日は「端午の節句」として、男の子の健やかな成長を祈る行事が行われてきました。
武家社会の影響で鎧や兜を飾り、庭先に鯉のぼりを立てて立身出世を願う文化が定着しました。
鯉のぼりは中国の「登竜門」すなわち流れの激しい滝を登りきった鯉が龍になったという伝説が由来です。
子どもがどんな困難にも打ち勝ち、立派に成長するようにとの願いが込められています。
また、強い香りが邪気を払うとされ、菖蒲(しょうぶ)湯に浸かったり、軒先に吊るしたりする風習が今も残っています。
食文化としては、子孫繁栄を願う「柏餅(かしわもち)」や、厄除けの「ちまき」を食べるのが定番です。
現代では男女の区別なく、すべての子どもの成長を家族で祝う一日となっています。
博多どんたく(5月3日・4日)
https://www.fukuoka-now.com/ja/guides/hakata-dontaku/
800年以上の歴史を誇る「博多松囃子(まつばやし)」を起源とする、日本最大級の市民祭です。
戦後の焼け跡から「博多の復興」を掲げていち早く復活し、街に希望の光を灯しました。
「どんたく」の語源はオランダ語の「ゾンターク(休日)」に由来し、老若男女がしゃもじを叩きながら練り歩きます。
しゃもじについても、エピソードが残されています。
ある時、夕餉の支度をしていた商家のおかみさんが、どんたく囃子に浮かれ出し、持っていたしゃもじを叩いてお囃子に加わったことが始まりなのだそうです。
ゴールデンウィーク中の2日間で200万人以上の見物客が訪れ、博多の街が熱狂と笑顔に包まれる華やかな祭典です。
立夏(5月5日頃)
立夏とは季節の移り変わりを細かく分けた二十四節気のひとつです。
この日が夏の始まりとされています。例年、5月5日か6日頃にあたります。
この時期の最大の特徴は、光の強まりとともに自然界のエネルギーが一気に加速することです。
春の柔らかな新芽は、日差しを浴びて力強い「青葉」へと変わり、爽やかな「薫風(くんぷう)」が吹きます。
「山滴る(やましたたる)」と表現されるほど深い緑に覆われ、生命力が最高潮に達し、私たちの心身にも活力を与えてくれます。
本格的な暑さが訪れる前に、窓を大きく開け放って初夏の気配を家の中へ呼び込み、季節の移り変わりを肌で感じるのに最適なタイミングです。
「夏が立つ」という字の通り、まさに夏の気配が立ち上がる頃で、生活の装いを夏仕様に切り替える目安にもなります。
ゴールデンウィーク
4月末から5月初旬の祝日が重なる大型連休で、日本独自の休暇文化です。
昭和の半ばから定着した和製英語です。
現在では、最大で10日間近い休みになる年もあり、帰省や海外旅行、レジャーを楽しむ人々で全国が活気に満ちあふれます。
昭和の日、憲法記念日、みどりの日、そしてこどもの日。
法律が定める四つの祝日が、土日と絡み合い連休を作り出します。毎年、曜日の関係で連休の日数が変わるのもゴールデンウィークの醍醐味と言えるでしょう。
一年のうちで最も気候が安定したこの期間、家々の屋根には鯉のぼりが泳ぎ、行楽地は新緑を楽しむ人々で賑わいます。
母の日(5月第2日曜日)
5月の第2日曜日は、母親への感謝を表す「母の日」です。2026年は5月10日です。
20世紀初頭にアメリカのアンナ・ジャービスが、亡き母のアン・ジャービスを偲んで白いカーネーションを捧げたことが始まりとされています。お二人の名前はよく似ています。
日本には明治時代末期に伝わり、昭和中期頃から一般的に広く普及しました。
母親が健在であれば赤いカーネーションを、亡くなっていれば白いカーネーションを贈るのが初期の習慣でした。
現在ではカーネーションに限らず、アジサイやバラなどお母さんの好みの花や、長く楽しめる鉢植えを贈るスタイルも人気です。
また花の贈り物だけでなく、家族で楽しむ外食をしたり、家事を代わってあげたりするなど、感謝の形は多様化しています。
「おかあさん」に向けて、普段は照れくさくてなかなか言葉にできない「ありがとう」を伝える、優しさに満ちた春の記念日です。
愛鳥週間(5月10日〜16日)
野鳥を守り、自然を大切にする心を育むために制定された一週間です。
戦後間もない1947年、当時の深刻な食糧難や荒廃した国土の中で、鳥たちのさえずりが心の癒やしになるようにと「バードデー」として始まりました。
この時期は多くの野鳥が繁殖期を迎え、雛を育てる生命の躍動を感じられる季節です。
全国各地で探鳥会やポスターコンクールが開催され、身近な自然環境を見つめ直す大切な機会となっています。
葵祭(5月15日)
京都の三大祭りの一つに数えられる「葵祭(あおいまつり)」は、今から約1500年前の欽明天皇の時代に始まったとされる、非常に歴史のある行事です。
正式名称を「賀茂祭」といい、下鴨神社と上賀茂神社の例祭として執り行われます。
平安時代の貴族の装束を忠実に再現した500名以上の行列が、京都御所から両神社へと向かいます。
この「路頭の儀」は、まるで王朝絵巻を目の当たりにしているような優雅さです。
祭りの最大の特徴は、参列者や牛車、社殿に至るまで、あらゆる場所が「葵の葉」で飾られることです。
葵は神様と人を結ぶシンボルとして大切にされてきました。
新緑の京都を彩る最も華やかな風物詩として、国内外から多くの観光客を魅了し続けています。
神田祭(5月中旬)
神田祭は、江戸時代に将軍や御台所が上覧したことから「天下祭」と称される、日本を代表する祭典です。
最大の見どころは、鳳輦(ほうれん)や神輿が神田・日本橋・秋葉原などの広大な氏子地域を巡る「神幸祭(しんこうさい)」でしょう。
平安衣装をまとった行列がビル群を練り歩く姿は、まさに現代の絵巻物です。
また、近隣の町会から100基近い神輿が神田明神へと次々に集まる「神輿宮入(みこしみやいり)」は圧巻で、数千人の担ぎ手が「ソイヤ」の掛け声で街を埋め尽くす熱気も迫力があります。
現在は、2年に一度(奇数年)にこれらの大規模な行事が行われる「本祭」を開催し、その間の年を「陰祭(かげまつり)」として伝統を繋いでいます。
2026年は「陰祭」のため、大規模行列は行わず神事中心となります。
運動会・体育祭
5月は、多くの中学校や高校、一部の小学校で運動会や体育祭が開催される時期でもあります。
以前は運動会といえば「体育の日」がある10月が主流でした。
しかし、秋の天候不順(台風)や、二学期にある他の行事とのバランス、さらには熱中症対策などを考慮する必要が生じます。
そのため、気候が穏やかな5月に実施する学校が増加しました。
これにより新クラスになって間もない時期のクラスの団結力を高める絶好の機会となっています。
五月晴れの下、爽やかな風が吹く中での運動会は、日本の5月を象徴するエネルギッシュな一コマと言えるでしょう。
5月の旬の食べ物や花など
味覚や視覚や嗅覚でも5月を満喫しましょう。自然のエネルギーが充実していくこの時期は、旬の食材や花などが目白押しです。
この時期ならではの自然の恵みを紹介します。
旬の食材・料理
初夏の気候に合わせて、食卓にも爽やかな顔ぶれが並びます。
● 魚介類:
初鰹(はつがつお)は江戸時代から「女房を質に入れても食べたい」と言われるほど珍重されました。さっぱりとした味わいが特徴です。
脂ののったアジ、メバル、身が厚くなるアサリやハマグリ、シャコ、アオリイカなど
● 野菜類:
新ジャガイモ、新タマネギ、新ゴボウなどはみずみずしく、皮が薄いため丸ごと調理するのにおすすめです。
フキ、ミツバ、ソラマメ、グリーンピース、レタス、きゅうり、にんにく、しいたけ、うめなど
● 果物:
びわは初夏の訪れを告げる果物です。
夏みかん、甘夏、苺、さくらんぼ、メロンなど
5月に咲く花
色鮮やかな花々が公園や庭先を彩ります。
● バラ:
5月はバラの最盛期です。各地のバラ園では優雅な香りと形を楽しめます。
● カーネーション:
母の日の象徴として知られています。本来の開花時期もこの頃です。
● ツツジ:
街路樹として植えられていることが多いようです。赤や白、ピンクの花が街中を明るくします。
● シャクヤク:
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と例えられる美しさの象徴です。
その他にも菖蒲(しょうぶ、あやめ)、杜若(かきつばた)、牡丹(ぼたん)、皐月(さつき)、鈴蘭(すずらん)など
5月に見られる鳥
5月は鳥たちが活発に活動する季節です。
● ホトトギス:
田植えを告げる鳥として、万葉の時代から愛されてきました。
● 燕:
軒先で「子育て」が真っ盛りになる時期です。
その他にもキビタキ、オオルリ、郭公(かっこう)など
5月の風物詩
5月は鳥たちが活発に活動する季節です。
● 鯉のぼり、菖蒲湯、
五月人形:
端午の節句に見られる風物詩です。
● 早苗、田んぼ、カエル、
ゲンジボタル:
田植え、水辺に関する風物詩です。
その他にも茶摘み、薫風などなど
5月に知っておきたい豆知識
知っていると会話が弾む、5月にまつわるエピソードを集めました。
5月の和名「皐月」の意味
5月の別名である「皐月(さつき)」は、田植えをする月である「早苗月(さなえづき)」が略されたものという説が有力です。
「サ」という音には田の神様の意味が含まれており、農業と深く結びついた名称となっています。
なお、「五月」と書いても一般的に「さつき」と読みます。
このような読み方は他の月ではあまり行われていません。
「さつき」という言葉は馴染みがあると言っていいでしょう。
ゴールデンウィークの由来は?
この名称は、1951年に映画業界が「連休中に多くの人に映画を見てほしい」という願いを込めて作った造語です。
ラジオの聴取率が良い時間を「ゴールデンタイム」と呼ぶことに倣って名付けられたと言われています。
ゴールデンウィーク自体が和製英語なのですが、そのまま直訳で「黄金週間」とも呼ばれます。
このように和製英語をさらに直訳した例は極めて珍しい言葉です。
ゴールデンウィークは楽しいことばかりですが、困った問題がひとつだけあります。
長期連休明けに、気力の低下や不安を感じて悩む人が現れることです。
特に新社会人は、緊張して過ごした1か月が過ぎ、長期休暇に入って、一気に気力が下がる人がいます。
「五月病」と呼ばれています。
新しい環境に慣れようと頑張りすぎた疲れが出やすいのがこの時期です。
意識的にリラックスする時間を設けるのが大切ですね。
五月雨とはなんのこと?
五月雨と書いて「さみだれ」と読みます。
もともとは旧暦5月の雨、つまり現在の「梅雨」を指す言葉です。
五月雨をあつめて早し最上川松尾芭蕉
この句は、降り続く五月雨(梅雨の雨)によって水量を増した最上川が、凄まじい勢いで奔流(ほんりゅう)となる様子を詠んだものです。
最初は「五月雨を涼しく見たり最上川」と詠まれていたものを、実際に最上川の激流を目にした芭蕉が、「早し」と改作したという逸話があります。
「あつめて」という表現によって、広大な流域の雨が一気に川へと集中するダイナミズムが強調されており、単なる風景描写を超えた自然の猛威と生命力を表現しています。
五月雨すなわち梅雨の特徴は降ったり止んだりしながら、長く続くことです。
梅雨末期には豪雨になることもあります。
現代の物事がなかなか終わらない様子を指す「五月雨式」という言葉の語源にもなっています。
五月晴れ(さつきばれ)のいい天気
「五月晴れ」は、本来「旧暦の5月」、つまり現在の6月(梅雨時)に見られる束の間の晴天を指す言葉でした。
どんよりとした曇り空が続く梅雨の合間に、爽やかに晴れ渡る空を指して使われてきた季語です。
しかし現在では、新暦5月の抜けるような青空や、湿度が低くカラッとした快晴を指して使われるのが一般的になっています。
言葉の意味が時代とともに変化し、初夏の清々しさを象徴する表現として定着しました。
五月蠅い 難読漢字の代表格
「うるさい」という言葉に「五月蠅」という漢字を当てています。
5月のハエは非常に騒がしいのですね。
気温の上昇とともにハエが家の中でぶんぶんと飛び回る音が人々を悩ませていました。
その執拗に付きまとう騒がしさを、「うるさい」という言葉の語源としたのです。
生活実感から生まれた、非常に写実的でユニークな難読漢字といえるでしょう。
5月15日は「記念日」の日?
5月の中でも特に15日はいくつかの歴史的な事件が起こりました。
「話せばわかる」という犬養首相の言葉は有名です。
日本中に空前のサッカーブームを巻き起こし、スポーツ文化の新たな歴史を刻んだ日となりました。
繰り返してはいけないこと、今に続く素晴らしい歴史などに思いを馳せるのに最適の日です。
5月の語呂合わせ
5月は、その数字の響きを活かしたユニークな記念日が数多く存在します。
「悟空の日(5=ご、9=くう)」
「コットンの日(5=コッ、10=トン)」
「ことばの日(5=こ、10=と、8=ば)」
「恋文の日(5=こ、2=い、3=ぶみ)」
「幸福の日(5=こう、29=ふく)」
「ごみゼロの日(5=ご、3=み、0=ゼロ)」
日常の何気ない一日に特別な意味を持たせ、社会意識や季節の彩りを再確認するきっかけとなりますね。
世界の5月のイベント
清々しい5月。ここで世界の5月に目を向けてみましょう。
北半球では新緑が美しい春の盛り、南半球では秋が深まる季節です。世界各地で、5月は特別な意味を持つ月として親しまれています。
アメリカ発祥の母の日はもちろん、伝統的なお祭りや国際的な記念日も目白押しです。
まずは、ヨーロッパに伝わる「もうひとつのメーデー」からご紹介しましょう。
ヨーロッパの「五月祭(マイフェスト)」
5月1日は労働者の日であると同時に、ヨーロッパでは古来、夏の始まりを祝う「五月祭」の日でもありました。
象徴的なのは「メイポール(五月柱)」と呼ばれる、花やリボンで鮮やかに彩られた大きな柱です。
村の広場に立てられたこの柱の周りで、人々は歌い踊り、豊かな収穫と生命の躍動を祝福します。
また、この日に選ばれた若い女性が「五月の女王(メイ・クイーン)」として祭りを彩る習慣など、地域ごとに特色あるフォークロアが息づいています。
植物の生命力と太陽の恵みに感謝を捧げるこの祭典は、厳しい冬を乗り越えた人々にとって、一年で最も心躍る瞬間の一つなのです。
フランスの「スズランの日」(5月1日)
フランスでは5月1日に、家族や友人、愛する人へスズランを贈る「スズランの日」という習慣があります。
この日にスズランを贈られた人には幸運が訪れると言い伝えられており、街のいたる所にスタンドが立ち、甘く清楚な香りに包まれます。
1561年、国王シャルル9世が幸せを運ぶ花としてスズランを贈られたことを非常に喜び、宮廷の女性たちにも贈るようになったのが始まりでした。
春の訪れを祝うとともに、身近な人の幸せを願う優しさに満ちたフランスの初夏の風物詩です。
メキシコの「シンコ・デ・マヨ」(5月5日)
「シンコ・デ・マヨ」はスペイン語で「5月5日」を意味し、1862年のプエブラの戦いでメキシコ軍がフランス軍を撃破したことを記念する祝祭です。
メキシコ国内、特にプエブラ州では歴史的な勝利を称える軍事パレードなどが盛大に行われます。
現在ではメキシコのルーツを祝う文化行事として、アメリカなど世界各地に広まっています。
色鮮やかな民族衣装でのダンスやマリアッチの演奏、メキシコ料理を囲む賑やかなパーティーが催され、国境を越えてメキシコの誇りと情熱を分かち合う一日となっています。
韓国のこどもの日(5月5日)
韓国でも日本と同じ5月5日が「こどもの日(オリニナル)」として祝日に制定されています。
1923年に児童文学作家の方定煥(パン・ジョンファン)らが、子どもたちが健やかに育つ社会を目指して提唱したのが始まりです。
家族で遊園地や動物園へ出かけたり、欲しがっているプレゼントを贈ったりする光景は日本と共通しています。
しかし、韓国では伝統行事という側面よりも、現代的なファミリーイベントとしての色彩が強いのが特徴です。
未来を担う子どもたちに愛情を注ぎ、家族の絆を深める大切な一日として定着しています。
世界赤十字デー(5月8日)
赤十字の創始者であるアンリ・デュナンの誕生日にちなみ、1948年に制定された国際的な記念日です。
「苦しんでいる人を救いたい」というデュナンの人道精神を再確認し、世界中で平和への願いを共有します。
この日を中心に、世界各地の赤十字社が人道的活動の普及を目的としたイベントや、歴史的建造物を赤く照らすライトアップなどを実施します。
紛争や災害など、困難に立ち向かう人々への支援と、博愛の精神を改めて意識する重要な一日です。
日本の伝統と世界の文化が交差する5月を楽しもう
本記事で紹介した行事の一覧を眺めると、5月は大型連休や端午の節句、母の日といった家族や自分自身を大切にする行事が重なる、一年で最も清々しい1ヶ月です。
新緑を渡る爽やかな風の中で、日本古来の伝統と現代の豊かな時間が心地よく混ざり合っています。
日々の喧騒から離れ、行事の由来や季節の情報に触れることで、自分自身を取り戻す穏やかなひとときが過ごせるはずです。
心身を深くリフレッシュしながら、この季節ならではの喜びを存分に満喫してください。
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