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「夏は食欲が湧かない」「いつも同じメニューになってしまう」そんなお悩みはありませんか?世界では、そんな厳しい夏を乗り切るための知恵を活かした料理が各地に存在します。夏バテでも食べやすいさっぱり料理から、暑い夏だからこそがっつり食べたいスパイシー料理まで、お店でもお家でも旅行気分を楽しめる絶品夏ご飯をご紹介します。
「夏に食べられる料理」といえば、その時期だからこそ食べられる特別な料理がたくさんあります。では、夏の定番メニューはなぜ生まれたのでしょうか?
現代のような冷暖房がなかった時代。人々は、様々な知恵をめぐらせて暑さと共存してきました。中でも大切にされてきたのが「食の知恵」です。
人々は季節に合った食事をすることで、その気候に対応する方法を身に着けてきました。特に暑い夏には、暑さに耐え抜く体づくりをするため、知恵をこらした様々な料理が生まれました。現代に伝わる夏の定番料理には、そんな「先人の知恵」がぎゅっと詰まっているのです。ですが、実は日本と海外の夏バテ対策を比べてみると、目的にも方法にも大きな差があります。一体どんな違いがあるのでしょうか。
日本における食の夏バテ対策は、さっぱり感やのどごしを重視したものが多いです。
そうめんや蕎麦、冷奴など、ひんやり冷たくてつるっとした食感のものが「食べやすい」と人気ですよね。
日本は高温多湿な気候のため、夏は蒸し暑さで体に熱がこもりやすいと言われています。体感温度が上がって食欲が落ちてしまうため、つるっとしていてのどごしの良い料理が好まれるのです。のどごしの良い料理は消化も良く、暑さで弱った夏の胃腸にも優しいというメリットがあります。また、冷やし中華のように酢を使って軽い口当たりにすることで、夏でもさっぱりと食べられる料理が人気です。
一方海外では、塩分やスパイスをふんだんに使った料理が夏の定番料理としてよく食べられています。
特に中東やインド、東南アジアではスパイシーな料理が有名ですよね。これは一体なぜなのかというと、発汗を促して体温を下げる作用です。
唐辛子をはじめとするスパイスに含まれる成分の中には、発汗作用のあるものも多くあります。かいた汗が蒸発すると気化熱で体温が下がるため、結果的に涼しく感じるのです。そのため、暑さが厳しい地域では特にスパイスを使った料理が好まれます。
ですが、汗をかいてばかりでは体から塩分が失われやすくなります。そのため、暑い地域では塩気の強い料理を食べることでミネラルを補給しているのです。
また、冷蔵庫が普及する前の時代は暑い時期に生鮮食品が傷みやすいため、スパイスや塩を使って保存性を高めていました。そのため、夏にはこのような調味料を使った料理が多いのです。
では、夏を健やかに過ごすために食べられてきた伝統的な料理には、一体どんなものがあるでしょうか?
蒸し暑い日本の夏に食べられてきた料理には、涼しげで風流なメニューがたくさんあります。地域で独自に発展した多彩な郷土料理もご紹介します。
冷や汁は、宮崎県を中心に伝わる冷たい汁物料理です。味噌と魚のほぐし身、ゴマをすり合わせたものを焼いて出汁で溶き、豆腐やキュウリなどの具と一緒に冷たいご飯にかけて食べます。薬味などのアレンジも自在で、冷たくさっぱりと食べられるのが特徴です。
宮崎県の冷や汁は元々「冷たいお味噌汁ご飯」のようなもので、古くから農民が夏の農作業の合間に食べられるごく簡単な料理でした。それが時代とともに進化し、現代に伝わる冷や汁のスタイルとなりました。コク深い味噌やゴマの風味が食欲をそそるこの一品は、今でも夏の健康食として親しまれています。
ところてんは、日本の夏の風物詩として古くから愛されている食べ物です。天草を煮て冷やし固めたものを「天突き」という専用の道具で押し出し、三杯酢や黒蜜などをかけて食べます。つるりとした口当たりやさっぱりとした食べ心地が夏にぴったりで、暑い時期にピッタリな食べ物として人気です。そんなところてんはとても歴史ある食べ物で、今から1200年以上前の遣唐使の時代に中国から伝わったと言われています。
今では自分でところてんを押し出す道具が通販などで手軽に手に入る時代になり、作って楽しい、食べておいしい夏の定番おやつになりました。
山形県には、古くから夏野菜を楽しむ伝統的な常備菜が有名です。その名も「だし」と呼ばれており、ナスやキュウリ、ミョウガやオクラなどを細かく刻んで醤油やめんつゆなどで和えて作ります。ご飯にかけたり冷奴の上にのせたりすることで、いつもの食事が夏の味覚を楽しめるさっぱりメニューになります。これを作っておくことで手軽に夏野菜の栄養がとれることから、江戸時代頃から夏の農繁期によく食べられるようになったようです。そんな「だし」は現代でも夏バテ防止料理として親しまれており、それぞれの家庭で異なるレシピで作られているといいます。「だし」は夏ならではの栄養豊富な家庭の味なのです。
夏の主食の二大巨頭である、ひやむぎとそうめん。どちらもつるっと食べられて消化にも良いことから、日本の暑い季節には欠かせない料理です。とてもよく似ているこの2つの料理ですが、実は全く異なることをご存じですか?その最大の違いは、麺の太さです。そうめんとひやむぎは原料こそ同じですが、その名前の違いにははっきりとした定義があります。
JASによると、直径1.3㎜未満の細いタイプが「そうめん」、1.3㎜以上1.7㎜未満が「ひやむぎ」と定義されるといいます。この数㎜の違いが異なる食感を生み、そうめんはつるりとなめらかな食感、ひやむぎはもっちりとした食べ応えを楽しむことができます。
また、そうめんとひやむぎは太さだけでなく起源も違います。諸説ありますが、そうめんは奈良時代に中国の唐から伝わった「索餅」というお菓子が起源と言われています。
これが麺として発展してそうめんになったと言われていますが、かつては宮廷料理のひとつであるほど高級品でした。
一方ひやむぎですが、こちらはうどんから派生した料理と言われています。
室町時代頃に小麦粉をこねて細く切った「切麦」という料理があり、温かい「熱麦」と区別するために「ひやむぎ」と呼ばれるようになりました。
このように、そうめんとひやむぎを比べてみると面白い違いがあります。それぞれの歴史に思いを馳せながら、両方の味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。
夏に食べたい和スイーツの代表格である「あんみつ」は、夏の季語でもあるほど暑い季節にぴったりなおやつです。
さっぱりとした寒天にフルーツの酸味が加わり、さらに黒蜜やあんこの甘味が疲れた体に染みわたる一品ですよね。また、あんみつの上にソフトクリームをのせた「クリームあんみつ」や、白玉をのせた「白玉あんみつ」、黒蜜の代わりに抹茶ソースをかけた「抹茶あんみつ」なども人気です。
そんなあんみつですが、実は意外にも最近できた料理だということをご存じですか?あんみつの起源は元々江戸時代のおやつ「みつ豆」であり、昭和時代初期に東京・銀座の甘味処「銀座若松」がみつ豆にこしあんをのせて提供したのが始まりと言われています。お客さんの「もっと甘いものが食べたい」という思いに応えて誕生したこの料理は、他の甘味処でも提供されるようになり、日本全国で親しまれるおやつとなりました。
日本だけでなく、世界にも夏に食べたい絶品料理がたくさんあります。日本とは全く異なる「夏の味覚」にはどんなものがあるでしょうか?
カオチェーは、タイで最も暑い4月頃に食べられる夏の高級料理です。硬めに炊いたジャスミン米をジャスミンの香りを移した冷水に浸した料理で、甘辛い味付けの付け合わせ料理と一緒に食べます。これはもともと山岳地帯のモン族という民族がお祝いの料理として食べていたもので、今から約170年前に涼をとる料理として王宮で取り入れられたと言われています。王宮で手間ひまかけた上品なメニューに進化したカオチェーは、ホテルや高級レストランなどで提供される料理となりました。
そんなカオチェーは、おかずを口に含めてからカオチェーを口に入れ、おかずとカオチェーを一緒に味わうのが上品なマナーとされています。日本のお茶漬けのようにおかずをご飯の中に入れるのはマナー違反で、カオチェーの水を濁らせないようにおかずとカオチェーを交互に食べるのが美しい所作です。
タイの夏では、高級で繊細な料理が親しまれているんですね。
サマーロールは、ベトナムで夏に食べられている「生春巻き」です。現地では「ゴイ・クオン」と呼ばれるこの料理は、揚げ春巻きの英語名「スプリング・ロール」に対して「サマーロール」と名付けられました。サマーロールはライスペーパーで海老や麺、野菜などの具材を巻いて作られ、熱帯地方で生野菜を食べる方法として生まれたと言われています。焼いたり揚げたりする手間がないことから簡単で手軽な軽食としても親しまれており、まさに暑い夏にぴったりの料理です。
そんな見た目の透明感とヘルシーな味わいから、日本でも「生春巻き」として人気料理となりました。日本では醤油やポン酢をつけた味付けが定番ですが、より本場の味を楽しみたい方はピーナッツソースなどで一味違う生春巻きを楽しんでみるのもおすすめです。
ペルーの魚介料理・セビーチェは夏の国民食として知られる定番料理です。白身魚やエビ、タコなどの魚介類を刻み、玉ねぎやレモン、トマト、ライム、唐辛子、コリアンダーなどを和えて食べられるこの料理は、独特なスパイス感が特徴です。
さっぱりとしたレモンの味わいの中にピリッと香るスパイスが鼻に抜け、暑い夏でも食べやすい料理として人気があります。そんなセビーチェはインカ帝国時代を起源とする料理と言われていますが、ペルー独自の料理に異国の食文化が融合した一品でもあります。
1500年代にスペイン人がレモンを持ち込んだことで、元々あった料理にレモンが使われるようになり、現代のセビーチェとなったのです。ペルーでは今も多くの人に親しまれており、毎年6月28日は「セビーチェの日」という記念日があるほどです。セビーチェはペルーの食文化を代表するソウルフードなんですね。
マレーシアには、青い見た目をした衝撃的な夏の料理が存在します。それが「ナシケラブ」。揚げた鶏肉や魚肉、揚げ煎餅、生野菜やハーブなどをご飯と一緒に盛り付けたワンプレートのサラダご飯です。魚醤ベースやココナッツミルクとスパイスを使ったソースを絡めて食べることも多く、具材の多さから様々な食感と味わいを楽しむことができます。なんと言っても特徴的なのが淡い青色をしたご飯で、これはただのご飯ではなくバタフライピーという花と炊いており、香り高い味わいが特徴となっています。この花によって米が着色された結果、涼やかな料理が誕生するのです。
ナシケラブはもともとマレーシアの東海岸で食べられていた伝統的な料理で、今ではマレーシアの多くの地域で食べられる料理となりました。揚げた肉や魚のジューシーさ、野菜とハーブのさわやかさ、バタフライピーご飯の香り高さ、ソースの豊かな風味など、多種多様な味わいを一皿で楽しめる一品です。
台湾の夏の定番「豆花」は、古代中国に起源を持つと言われている伝統的な夏スイーツです。紀元前の王朝時代に豆乳が偶然食用の石膏に触れて固まったことを始まりとも言われるこのおやつは、やがて台湾に渡って独自の変化を遂げました。そんな豆花は豆乳を凝固剤で固めた豆腐とプリンの中間のような料理で、日本の絹豆腐よりもさらに柔らかくて優しい口当たりが特徴です。地域によって味付けや食べ方が異なっており、甘い味付けも辛い味付けも合うオールマイティーな料理として知られています。
日本で有名なのは、砂糖やシロップの甘い味付けにフルーツなどをトッピングした甘い豆花ですが、塩や豆板醤の味付けにネギや漬物などの薬味を添える食べ方もあります。豆花自体は甘くも辛くもない大豆本来の味のため、アレンジ次第でたくさんの食べ方が楽しめるのです。
世界料理は現地で食べたり、専門店で食べるものというイメージがありますよね。ですが実は、お家で簡単に作れる世界料理もあるんです!手軽に旅行気分を味わえる夏の世界料理を紹介します。
スペイン南部を発祥とするトマトベースの冷製スープ「ガスパチョ」は、「飲むサラダ」と呼ばれるほど栄養豊富で夏にぴったりなメニューです。
作り方は、トマトやキュウリ、パプリカ、玉ねぎなどの野菜を細かく切り、調味料と一緒にミキサーで攪拌するだけです。ミキサーを利用することで、簡単になめらかな食感を作り出せます。また、調味料は塩、ビネガー、オリーブオイルのみで、お家にある調味料だけで簡単に作ることができます。
この料理は火を使わずに作れるため暑い夏にぴったりですが、さらにワンランク上の口当たりを目指す場合はトマトを湯剥きしてからミキサーにかけるのがおすすめです。また、パンを加えることでさらにとろみが増し、食べ応えのあるスープになります。
夏バテ気味で食欲がない時、ちょっと栄養不足を感じている時などにぜひお試しください。
ラッシーは、インド発祥の伝統的な乳飲料です。ヨーグルトのようなさっぱりとした味わいが特徴で、インドでは定番の飲み物として知られています。
そんなラッシーは、市販のヨーグルトや牛乳を利用することでお家でも簡単に作れるんです。作り方は、プレーンヨーグルトと牛乳を同量ずつに砂糖とレモン汁を入れてミキサーで混ぜるだけ。氷を入れたグラスに注ぐことで、さっぱり冷たいラッシーが完成します。
お好みでヨーグルトと牛乳の比率を変えたレシピや、マンゴーなどのフルーツを合わせたレシピもおすすめです。
ラッシーは本場のインドでもスパイスカレーとセットで楽しまれており、カレーの辛さを和らげる飲み物として知られています。ラッシーの力を借りて、汗をかくようなスパイスカレーにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
暑い外にかき氷を食べに行くのもいいですが、涼しいお家でスイーツづくりを楽しんでみませんか?ベトナムの伝統的なデザートであるチェーなら、誰でも簡単に作ることができます。今回は、基本的な冷たいチェーのレシピを紹介します。
まず、鍋にココナッツミルクと砂糖を入れて火にかけ、冷蔵庫で冷やします。そして次に、フルーツやタピオカ、ゼリー、白玉などを用意します。グラスにこれらの具材を盛り付け、冷やしておいたココナッツミルクを注いで完成です。
チェーは、具材の鮮やかな色みと冷たいココナッツミルクの甘味がなんとも夏らしい品です。具材は他にも豆類や寒天などを入れて作ることもあり、自由度が高いため、お好みの具材を取り入れてオリジナルのチェーを作ってみるのもおすすめ。食べられる花などをトッピングして、SNS映えするチェーを作ってみるのも楽しみ方のひとつです。
世界中で夏に食べられている料理には、その国や地域ならではの「夏を乗り切る知恵」が詰まっています。日本だけでなく世界の夏の定番料理を味わうことで、夏という季節の感じ方に変化が訪れるかもしれません。
また、世界料理は材料が特殊だったり手間がかかったりして難しそうなイメージもありますが、実はお家でも簡単に作れるメニューがたくさんあります。
世界の夏の味覚を楽しんで、暑い夏を世界旅行気分で味わってみてはいかがでしょうか。
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「夏は食欲が湧かない」「いつも同じメニューになってしまう」そんなお悩みはありませんか?
世界では、そんな厳しい夏を乗り切るための知恵を活かした料理が各地に存在します。
夏バテでも食べやすいさっぱり料理から、暑い夏だからこそがっつり食べたいスパイシー料理まで、お店でもお家でも旅行気分を楽しめる絶品夏ご飯をご紹介します。
目次
なぜ夏の定番料理が生まれたのか?
「夏に食べられる料理」といえば、その時期だからこそ食べられる特別な料理がたくさんあります。
では、夏の定番メニューはなぜ生まれたのでしょうか?
暑さを乗り切る食の知恵
現代のような冷暖房がなかった時代。
人々は、様々な知恵をめぐらせて暑さと共存してきました。
中でも大切にされてきたのが「食の知恵」です。
人々は季節に合った食事をすることで、その気候に対応する方法を身に着けてきました。
特に暑い夏には、暑さに耐え抜く体づくりをするため、知恵をこらした様々な料理が生まれました。
現代に伝わる夏の定番料理には、そんな「先人の知恵」がぎゅっと詰まっているのです。
ですが、実は日本と海外の夏バテ対策を比べてみると、目的にも方法にも大きな差があります。
一体どんな違いがあるのでしょうか。
日本と海外で違う夏の定番料理の特徴
日本における食の夏バテ対策は、さっぱり感やのどごしを重視したものが多いです。
そうめんや蕎麦、冷奴など、ひんやり冷たくてつるっとした食感のものが「食べやすい」と人気ですよね。
日本は高温多湿な気候のため、夏は蒸し暑さで体に熱がこもりやすいと言われています。
体感温度が上がって食欲が落ちてしまうため、つるっとしていてのどごしの良い料理が好まれるのです。
のどごしの良い料理は消化も良く、暑さで弱った夏の胃腸にも優しいというメリットがあります。
また、冷やし中華のように酢を使って軽い口当たりにすることで、夏でもさっぱりと食べられる料理が人気です。
一方海外では、塩分やスパイスをふんだんに使った料理が夏の定番料理としてよく食べられています。
特に中東やインド、東南アジアではスパイシーな料理が有名ですよね。
これは一体なぜなのかというと、発汗を促して体温を下げる作用です。
唐辛子をはじめとするスパイスに含まれる成分の中には、発汗作用のあるものも多くあります。
かいた汗が蒸発すると気化熱で体温が下がるため、結果的に涼しく感じるのです。
そのため、暑さが厳しい地域では特にスパイスを使った料理が好まれます。
ですが、汗をかいてばかりでは体から塩分が失われやすくなります。
そのため、暑い地域では塩気の強い料理を食べることでミネラルを補給しているのです。
また、冷蔵庫が普及する前の時代は暑い時期に生鮮食品が傷みやすいため、スパイスや塩を使って保存性を高めていました。
そのため、夏にはこのような調味料を使った料理が多いのです。
では、夏を健やかに過ごすために食べられてきた伝統的な料理には、一体どんなものがあるでしょうか?
夏に食べたい日本の料理5選
蒸し暑い日本の夏に食べられてきた料理には、涼しげで風流なメニューがたくさんあります。地域で独自に発展した多彩な郷土料理もご紹介します。
冷や汁(宮崎)|“かけて食べる”暑い夏の救世主
冷や汁は、宮崎県を中心に伝わる冷たい汁物料理です。
味噌と魚のほぐし身、ゴマをすり合わせたものを焼いて出汁で溶き、豆腐やキュウリなどの具と一緒に冷たいご飯にかけて食べます。
薬味などのアレンジも自在で、冷たくさっぱりと食べられるのが特徴です。
宮崎県の冷や汁は元々「冷たいお味噌汁ご飯」のようなもので、古くから農民が夏の農作業の合間に食べられるごく簡単な料理でした。
それが時代とともに進化し、現代に伝わる冷や汁のスタイルとなりました。
コク深い味噌やゴマの風味が食欲をそそるこの一品は、今でも夏の健康食として親しまれています。
ところてん|突き出す瞬間が楽しい、風情な涼菓子
ところてんは、日本の夏の風物詩として古くから愛されている食べ物です。
天草を煮て冷やし固めたものを「天突き」という専用の道具で押し出し、三杯酢や黒蜜などをかけて食べます。
つるりとした口当たりやさっぱりとした食べ心地が夏にぴったりで、暑い時期にピッタリな食べ物として人気です。
そんなところてんはとても歴史ある食べ物で、今から1200年以上前の遣唐使の時代に中国から伝わったと言われています。
今では自分でところてんを押し出す道具が通販などで手軽に手に入る時代になり、作って楽しい、食べておいしい夏の定番おやつになりました。
だし(山形)|旬の野菜を丸ごと味わう常備菜
山形県には、古くから夏野菜を楽しむ伝統的な常備菜が有名です。
その名も「だし」と呼ばれており、ナスやキュウリ、ミョウガやオクラなどを細かく刻んで醤油やめんつゆなどで和えて作ります。
ご飯にかけたり冷奴の上にのせたりすることで、いつもの食事が夏の味覚を楽しめるさっぱりメニューになります。
これを作っておくことで手軽に夏野菜の栄養がとれることから、江戸時代頃から夏の農繁期によく食べられるようになったようです。
そんな「だし」は現代でも夏バテ防止料理として親しまれており、それぞれの家庭で異なるレシピで作られているといいます。
「だし」は夏ならではの栄養豊富な家庭の味なのです。
ひやむぎVSそうめん|実は違う?夏の麺文化
夏の主食の二大巨頭である、ひやむぎとそうめん。
どちらもつるっと食べられて消化にも良いことから、日本の暑い季節には欠かせない料理です。
とてもよく似ているこの2つの料理ですが、実は全く異なることをご存じですか?
その最大の違いは、麺の太さです。
そうめんとひやむぎは原料こそ同じですが、その名前の違いにははっきりとした定義があります。
JASによると、直径1.3㎜未満の細いタイプが「そうめん」、1.3㎜以上1.7㎜未満が「ひやむぎ」と定義されるといいます。
この数㎜の違いが異なる食感を生み、そうめんはつるりとなめらかな食感、ひやむぎはもっちりとした食べ応えを楽しむことができます。
また、そうめんとひやむぎは太さだけでなく起源も違います。
諸説ありますが、そうめんは奈良時代に中国の唐から伝わった「索餅」というお菓子が起源と言われています。
これが麺として発展してそうめんになったと言われていますが、かつては宮廷料理のひとつであるほど高級品でした。
一方ひやむぎですが、こちらはうどんから派生した料理と言われています。
室町時代頃に小麦粉をこねて細く切った「切麦」という料理があり、温かい「熱麦」と区別するために「ひやむぎ」と呼ばれるようになりました。
このように、そうめんとひやむぎを比べてみると面白い違いがあります。
それぞれの歴史に思いを馳せながら、両方の味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。
あんみつ|時代を超えて進化する夏の和スイーツ
夏に食べたい和スイーツの代表格である「あんみつ」は、夏の季語でもあるほど暑い季節にぴったりなおやつです。
さっぱりとした寒天にフルーツの酸味が加わり、さらに黒蜜やあんこの甘味が疲れた体に染みわたる一品ですよね。
また、あんみつの上にソフトクリームをのせた「クリームあんみつ」や、白玉をのせた「白玉あんみつ」、黒蜜の代わりに抹茶ソースをかけた「抹茶あんみつ」なども人気です。
そんなあんみつですが、実は意外にも最近できた料理だということをご存じですか?
あんみつの起源は元々江戸時代のおやつ「みつ豆」であり、昭和時代初期に東京・銀座の甘味処「銀座若松」がみつ豆にこしあんをのせて提供したのが始まりと言われています。
お客さんの「もっと甘いものが食べたい」という思いに応えて誕生したこの料理は、他の甘味処でも提供されるようになり、日本全国で親しまれるおやつとなりました。
夏に食べたい世界の料理5選
日本だけでなく、世界にも夏に食べたい絶品料理がたくさんあります。日本とは全く異なる「夏の味覚」にはどんなものがあるでしょうか?
カオチェー(タイ)|暑さ極まる4月の定番宮廷料理
カオチェーは、タイで最も暑い4月頃に食べられる夏の高級料理です。
硬めに炊いたジャスミン米をジャスミンの香りを移した冷水に浸した料理で、甘辛い味付けの付け合わせ料理と一緒に食べます。
これはもともと山岳地帯のモン族という民族がお祝いの料理として食べていたもので、今から約170年前に涼をとる料理として王宮で取り入れられたと言われています。
王宮で手間ひまかけた上品なメニューに進化したカオチェーは、ホテルや高級レストランなどで提供される料理となりました。
そんなカオチェーは、おかずを口に含めてからカオチェーを口に入れ、おかずとカオチェーを一緒に味わうのが上品なマナーとされています。
日本のお茶漬けのようにおかずをご飯の中に入れるのはマナー違反で、カオチェーの水を濁らせないようにおかずとカオチェーを交互に食べるのが美しい所作です。
タイの夏では、高級で繊細な料理が親しまれているんですね。
サマーロール(ベトナム)|透き通る皮から透ける鮮やかな色彩
サマーロールは、ベトナムで夏に食べられている「生春巻き」です。
現地では「ゴイ・クオン」と呼ばれるこの料理は、揚げ春巻きの英語名「スプリング・ロール」に対して「サマーロール」と名付けられました。
サマーロールはライスペーパーで海老や麺、野菜などの具材を巻いて作られ、熱帯地方で生野菜を食べる方法として生まれたと言われています。
焼いたり揚げたりする手間がないことから簡単で手軽な軽食としても親しまれており、まさに暑い夏にぴったりの料理です。
そんな見た目の透明感とヘルシーな味わいから、日本でも「生春巻き」として人気料理となりました。
日本では醤油やポン酢をつけた味付けが定番ですが、より本場の味を楽しみたい方はピーナッツソースなどで一味違う生春巻きを楽しんでみるのもおすすめです。
セビーチェ(ペルー)|異文化の影響を受けながら発展した伝統料理
ペルーの魚介料理・セビーチェは夏の国民食として知られる定番料理です。
白身魚やエビ、タコなどの魚介類を刻み、玉ねぎやレモン、トマト、ライム、唐辛子、コリアンダーなどを和えて食べられるこの料理は、独特なスパイス感が特徴です。
さっぱりとしたレモンの味わいの中にピリッと香るスパイスが鼻に抜け、暑い夏でも食べやすい料理として人気があります。
そんなセビーチェはインカ帝国時代を起源とする料理と言われていますが、ペルー独自の料理に異国の食文化が融合した一品でもあります。
1500年代にスペイン人がレモンを持ち込んだことで、元々あった料理にレモンが使われるようになり、現代のセビーチェとなったのです。
ペルーでは今も多くの人に親しまれており、毎年6月28日は「セビーチェの日」という記念日があるほどです。
セビーチェはペルーの食文化を代表するソウルフードなんですね。
ナシケラブ(マレーシア)|青いご飯の涼やかな熱帯の冷製ご飯
マレーシアには、青い見た目をした衝撃的な夏の料理が存在します。
それが「ナシケラブ」。
揚げた鶏肉や魚肉、揚げ煎餅、生野菜やハーブなどをご飯と一緒に盛り付けたワンプレートのサラダご飯です。
魚醤ベースやココナッツミルクとスパイスを使ったソースを絡めて食べることも多く、具材の多さから様々な食感と味わいを楽しむことができます。
なんと言っても特徴的なのが淡い青色をしたご飯で、これはただのご飯ではなくバタフライピーという花と炊いており、香り高い味わいが特徴となっています。
この花によって米が着色された結果、涼やかな料理が誕生するのです。
ナシケラブはもともとマレーシアの東海岸で食べられていた伝統的な料理で、今ではマレーシアの多くの地域で食べられる料理となりました。
揚げた肉や魚のジューシーさ、野菜とハーブのさわやかさ、バタフライピーご飯の香り高さ、ソースの豊かな風味など、多種多様な味わいを一皿で楽しめる一品です。
豆花(台湾)|暑い夏に食べたい、口どけなめらかな台湾スイーツ
台湾の夏の定番「豆花」は、古代中国に起源を持つと言われている伝統的な夏スイーツです。
紀元前の王朝時代に豆乳が偶然食用の石膏に触れて固まったことを始まりとも言われるこのおやつは、やがて台湾に渡って独自の変化を遂げました。
そんな豆花は豆乳を凝固剤で固めた豆腐とプリンの中間のような料理で、日本の絹豆腐よりもさらに柔らかくて優しい口当たりが特徴です。
地域によって味付けや食べ方が異なっており、甘い味付けも辛い味付けも合うオールマイティーな料理として知られています。
日本で有名なのは、砂糖やシロップの甘い味付けにフルーツなどをトッピングした甘い豆花ですが、塩や豆板醤の味付けにネギや漬物などの薬味を添える食べ方もあります。
豆花自体は甘くも辛くもない大豆本来の味のため、アレンジ次第でたくさんの食べ方が楽しめるのです。
初心者でも手軽に旅気分。夏の世界料理の作り方を紹介!
世界料理は現地で食べたり、専門店で食べるものというイメージがありますよね。ですが実は、お家で簡単に作れる世界料理もあるんです!
手軽に旅行気分を味わえる夏の世界料理を紹介します。
ミキサーで簡単!本格ガスパチョのレシピ
スペイン南部を発祥とするトマトベースの冷製スープ「ガスパチョ」は、「飲むサラダ」と呼ばれるほど栄養豊富で夏にぴったりなメニューです。
作り方は、トマトやキュウリ、パプリカ、玉ねぎなどの野菜を細かく切り、調味料と一緒にミキサーで攪拌するだけです。
ミキサーを利用することで、簡単になめらかな食感を作り出せます。
また、調味料は塩、ビネガー、オリーブオイルのみで、お家にある調味料だけで簡単に作ることができます。
この料理は火を使わずに作れるため暑い夏にぴったりですが、さらにワンランク上の口当たりを目指す場合はトマトを湯剥きしてからミキサーにかけるのがおすすめです。
また、パンを加えることでさらにとろみが増し、食べ応えのあるスープになります。
夏バテ気味で食欲がない時、ちょっと栄養不足を感じている時などにぜひお試しください。
混ぜるだけで完成!基本のラッシーレシピ
ラッシーは、インド発祥の伝統的な乳飲料です。
ヨーグルトのようなさっぱりとした味わいが特徴で、インドでは定番の飲み物として知られています。
そんなラッシーは、市販のヨーグルトや牛乳を利用することでお家でも簡単に作れるんです。
作り方は、プレーンヨーグルトと牛乳を同量ずつに砂糖とレモン汁を入れてミキサーで混ぜるだけ。
氷を入れたグラスに注ぐことで、さっぱり冷たいラッシーが完成します。
お好みでヨーグルトと牛乳の比率を変えたレシピや、マンゴーなどのフルーツを合わせたレシピもおすすめです。
ラッシーは本場のインドでもスパイスカレーとセットで楽しまれており、カレーの辛さを和らげる飲み物として知られています。
ラッシーの力を借りて、汗をかくようなスパイスカレーにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
好きな具材で自由度抜群!お家チェーの作り方
暑い外にかき氷を食べに行くのもいいですが、涼しいお家でスイーツづくりを楽しんでみませんか?
ベトナムの伝統的なデザートであるチェーなら、誰でも簡単に作ることができます。
今回は、基本的な冷たいチェーのレシピを紹介します。
まず、鍋にココナッツミルクと砂糖を入れて火にかけ、冷蔵庫で冷やします。
そして次に、フルーツやタピオカ、ゼリー、白玉などを用意します。
グラスにこれらの具材を盛り付け、冷やしておいたココナッツミルクを注いで完成です。
チェーは、具材の鮮やかな色みと冷たいココナッツミルクの甘味がなんとも夏らしい品です。
具材は他にも豆類や寒天などを入れて作ることもあり、自由度が高いため、お好みの具材を取り入れてオリジナルのチェーを作ってみるのもおすすめ。
食べられる花などをトッピングして、SNS映えするチェーを作ってみるのも楽しみ方のひとつです。
世界の食の知恵を取り入れて、夏を乗り越えよう
世界中で夏に食べられている料理には、その国や地域ならではの「夏を乗り切る知恵」が詰まっています。
日本だけでなく世界の夏の定番料理を味わうことで、夏という季節の感じ方に変化が訪れるかもしれません。
また、世界料理は材料が特殊だったり手間がかかったりして難しそうなイメージもありますが、実はお家でも簡単に作れるメニューがたくさんあります。
世界の夏の味覚を楽しんで、暑い夏を世界旅行気分で味わってみてはいかがでしょうか。
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