人気のキーワード
★隙間時間にコラムを読むならアプリがオススメ★
4月は桜が咲き誇り、新年度とともに新しい出会いが始まる季節です。エイプリルフールや花まつり、昭和の日など、じつは行事やイベントがとても多い月。旬の食材や花の情報、世界各国の4月の過ごし方まで、まるごとご紹介します。
定番のお花見や入学式から、意外と知られていない伝統行事まで、4月は行事が目白押しの月です。日付順に見ていきましょう。
4月1日といえば、まず浮かぶのがエイプリルフール。「嘘をついてもいい日」として知られており、日本には大正時代に「四月馬鹿」という名で伝わりました。近年は企業がユーモアたっぷりの架空記事を公開したり、SNSでネタを仕込んだりと、エンタメ色の強いイベントとして定着しています。
起源には諸説あり、16世紀のフランスで新年が4月から1月に変更された際、旧来の新年を祝い続けた人たちをからかったのが始まりとする説が有名です。フランスでは今も「ポワソン・ダブリル(4月の魚)」といって、背中に紙の魚をこっそり貼る風習が残っています。イギリスでは悪戯は午前中に限るというマナーもあるとか。
ちなみに2019年4月1日は、新元号「令和」が発表された日でもあります。エイプリルフールと重なったため「本当の発表?」と疑う声が続出したのは、語り草になっています。
4月1日は多くの企業で新年度の初日でもあります。各社で入社式が行われ、真新しいスーツに身を包んだ新入社員が街に増える光景は、春の風物詩のひとつです。
日本の年度が4月始まりになったのは、明治19年(1886年)に政府が会計年度を4〜翌3月と定めたのがきっかけ。以来、学校も企業も4月スタートが定着しました。学校では桜吹雪の中で入学式が行われ、同時にクラス替えも。「仲の良い友達と一緒になれますように」と名簿を眺めた経験は、多くの人に覚えがあるはずです。
4月の風物詩の代表格といえば、やはりお花見です。3月末から4月にかけて桜前線が北上し、全国各地の名所で桜が満開を迎えます。
お花見の起源は奈良時代にさかのぼります。当時は中国から伝来した梅が貴族の間で珍重され、梅を愛でながら和歌を詠む宴が花見の原型とされています。
「万葉集」には梅を詠んだ歌が110首、桜は43首と、梅の人気の高さが伝わります。平安時代に入ると、遣唐使廃止(894年)を機に日本独自の文化が花開き、花見の主役は梅から桜へと移っていきました。嵯峨天皇が812年に京都・神泉苑で催した「花宴の節」が、記録に残る最古の桜の花見とされています。
江戸時代に徳川吉宗が庶民に桜を奨励したことで大衆文化として広まり、現代でも会社や仲間とのピクニック、新入社員の歓迎会を兼ねた宴会など、楽しみ方はさまざまです。「花は桜木、人は武士」という言葉が示すように、潔く散る姿まで愛でる感性が、日本人が桜に特別な思いを寄せてきた理由かもしれません。
イースターはイエス・キリストの復活を祝うキリスト教最大の祭日で、春分後の最初の満月から数えた最初の日曜日にあたります。毎年日付が変わる移動祝日で、2026年は4月5日(日)です。
欧米では家族で礼拝に出席したあと、カラフルに色付けしたゆで卵「イースターエッグ」を使ったゲームや、春の生命の象徴であるウサギ「イースターバニー」の飾り付けを楽しむのが定番です。
日本ではキリスト教徒が少ないこともあり宗教行事としての馴染みは薄いですが、テーマパークやデパートでパステルカラーのデコレーションやイベントが増え、春の季節イベントとして浸透しつつあります。
花まつりは、お釈迦様(ブッダ)の誕生日を祝う仏教行事で、毎年4月8日に各地のお寺で行われ、正式名称は「灌仏会(かんぶつえ)」といい、降誕会・浴仏会など複数の呼び名があります。当日は花で飾られた小さなお堂「花御堂」が設けられ、誕生仏の像が安置されます。参拝者は柄杓で「甘茶(あまちゃ)」を像の頭上に注いでお参りするのが習わしです。これはお釈迦様の誕生時に龍が天から甘露の雨を降らせたという伝説にちなんでいます。
桜が咲き誇る時期と重なるため、花で飾られたお堂の様子は見た目にも華やか。子どもの成長を願う法要も行われる、穏やかで温かみのある行事です。
十三参りは、数え年13歳(満12歳頃)の子どもが知恵を授かるために寺社へ参詣する伝統行事で、主に京都を中心に行われてきました。
起源は平安時代にさかのぼり、清和天皇が13歳で元服の儀を行った故事にちなむとされています。名所として知られるのが、京都・嵐山の法輪寺(虚空蔵法輪寺)です。
毎年4月13日を中心に多くの親子連れが訪れ、男の子は袴、女の子は振袖などの晴れ着で本尊の虚空蔵菩薩に知恵と健康を祈願します。おもしろい言い伝えもあって、参拝の帰り道に振り返ると授かった知恵が戻ってしまうとされるため、子どもたちは振り返らずに境内を後にするのだとか。
4月29日は国民の祝日「昭和の日」です。もとは昭和天皇の誕生日で、崩御後は「みどりの日」として存続していましたが、2007年の祝日法改正で「昭和の日」に改称。5月4日が新たにみどりの日となりました。
「激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」趣旨の記念日で、各地で昭和文化をテーマにした展示やイベントが開かれることもあります。ゴールデンウィークの幕開けでもあるため、行楽地へ向かう家族連れで交通機関が混み始め、街にはこいのぼりが泳ぐ風景が広がります。
4月22日は「アースデー(Earth Day)」です。1970年、アメリカの上院議員ゲイロード・ネルソンが環境問題の討論集会を開催したことをきっかけに生まれました。初回から全米2000万人以上が参加した大規模な環境保護運動の先駆けで、現在は193カ国以上・約10億人が参加する国際的なムーブメントに成長しています。日本では1990年頃から各地でイベントが行われるようになり、毎年4月22日前後に東京・代々木公園で開催される「アースデイ東京」が代表的な取り組みです。ゴミ拾いや環境を考えるワークショップ、音楽ライブなど、子どもから大人まで楽しみながら地球環境について考える場として定着しています。
4月は語呂合わせ系の記念日も多い月です。4月10日が「ステーキの日」(四月十日の字面から)、4月18日が「良い歯の日」(4=よ・1=い・8=は)と、思わず「なるほど」となるものが揃っています。各業界団体が制定した記念日は他にも多く、探してみると4月の新たな一面が見えてきます。
4月は食材も草花も、一年でもっとも豊かに旬を迎える季節です。春ならではの味覚と彩りを楽しみましょう。
春になると市場に並ぶ食材がぐっと変わります。山菜や春野菜、旬の魚介と、4月は一年でもっとも食卓が賑わう季節のひとつ。旬ならではの味わいを楽しんでみてください。
春キャベツは冬キャベツと比べて葉がやわらかくみずみずしく、サラダや浅漬けのほかロールキャベツにしても甘みが際立ちます。アスパラガスや新玉ねぎも4月から旬を迎え、生でそのまま食べられるほどみずみずしさが魅力です。
たけのこは春の味覚の王様とも呼ばれる存在で、桜の咲く頃に地面から顔を出します。炊き込みご飯や若竹煮、天ぷらなどで香りと歯ごたえを存分に楽しめます。タラの芽やふきのとうは独特のほろ苦さがあり、天ぷらや和え物で春らしい風味を味わえます。
桜えびは静岡・駿河湾の名産で、春漁が解禁となるこの時期だけ生食できます。かき揚げにすると絶品です。鰆(さわら)は漢字に「春」が入るほど春との結びつきが強い魚で、関西・瀬戸内エリアでは春が旬とされています。産卵前で脂がのったこの時季は、塩焼きや西京漬けが定番の食べ方です。ホタルイカは富山湾で春になると水揚げの最盛期を迎えます。透き通った体が光る幻想的な姿でも知られており、しゃぶしゃぶや酢みそ和えで春の味覚を楽しめます。
桜餅や花見だんごなど春らしい和菓子も豊富で、お花見のお供にも喜ばれます。花まつりの甘茶、春のお彼岸に食べるよもぎ餅など、行事と結びついた食文化も4月ならではです。
4月は桜が主役になりがちですが、春の花はそれだけではありません。チューリップやネモフィラ、藤など、見頃を迎える花が次々と移り変わります。お出かけのついでに、近くの公園や街路樹に目を向けてみてください。
赤・黄・ピンクと色とりどりのチューリップは、各地でチューリップ祭りが開催されるほど春を象徴する花です。地面を埋め尽くす花畑の様子は圧巻で、家族連れや写真好きの人に人気のスポットになっています。
近年人気が高まっているのがネモフィラです。茨城県・国営ひたち海浜公園の「ネモフィラの丘」は4月中旬〜下旬に小さな青い花が一面に咲き、空と大地が溶け合うような幻想的な景色が広がります。和名はルリカラクサで、晴れた日の澄んだ空色がそのまま地面に広がるような美しさです。
4月下旬になると藤が見頃を迎えます。紫色の花穂が垂れ下がる優美な姿は古くから愛され、栃木県のあしかがフラワーパークなどで藤まつりが行われます。藤棚の下に立つと甘い香りに包まれ、春の終わりを感じさせてくれる花です。
ハナミズキは1912年に日本がアメリカへ桜を贈った返礼として、1915年に贈られた木です。4月後半に白やうすピンクの花を咲かせ、春の街路を明るく彩ります。日米の友好の歴史とともに各地に根付いており、桜の後を引き継ぐ春の花として親しまれています。
一面に広がる菜の花畑の黄色は、春を代表する景色のひとつです。河川敷や田んぼのあぜ道に咲く姿はどこか懐かしく、菜の花の甘い香りとともに春の訪れを感じさせてくれます。
土手や道端にひっそり咲くタンポポも、4月の野を彩る存在です。踏まれそうな場所にも力強く根を張り、黄色い花を咲かせる姿は、春の生命力を象徴しているようです。
暦の由来や制度の背景を知ると、4月という月の見え方が少し変わります。
旧暦で4月は「卯月(うづき)」と呼ばれます。最も有力な説は「卯の花が咲く月」というもので、卯の花とは白い小花を咲かせるウツギのこと。旧暦4月頃(現在の暦では5月頃)に花開くことにちなんでいます。ほかにも、十二支の4番目が「卯(うさぎ)」であることから「卯の月」が転じたという説や、田植えを始める「植月(うえつき)」が語源という説もあります。
別名も豊富で、桜の名残を意味する「花残月(はなのこりづき)」、夏の始まりを示す「夏初月(なつはづき)」などがあります。旧暦の4月は立夏を含む月だったため、日本の感覚ではすでに夏の入り口でした。
世界には9月や1月に新年度が始まる国が多い中、なぜ日本は4月なのでしょうか。きっかけは明治時代の制度改革です。1886年(明治19年)に政府が会計年度を4月〜翌3月と定め、学校もそれに合わせて学年制を変更しました。
背景には「秋の収穫後に税を徴収し、翌春までに財政を確定する」という当時の税制事情があったとも言われ、また当時イギリスが4月始まりの会計年度を採用していたことを参考にしたという説も有力です。
欧米が9月始まりになった背景も似たような話で、農業中心だった時代に夏〜秋の収穫期を家業の手伝いにあて、農閑期になってから学校へ通う生活リズムが根付いたためといわれています。
「嘘をついてもいい日」として親しまれるエイプリルフールですが、文化や宗教の違いにより歓迎されない国もあります。代表的なのはイスラム圏です。コーランには嘘をつくことを戒める教えがあり、ジョークであっても意図的な嘘は禁忌とされます。マレーシアやインドの一部では、悪質なデマは法的責任を問われ得ると注意喚起されているケースもあります。こうした背景を知ると、ユーモアの受け取られ方が文化によって大きく異なることを改めて実感します。
日本では春真っ盛りの4月も、南半球では秋にあたります。オーストラリアやアルゼンチンでは暑さが和らぎ、木々が色づき始める季節です。
オーストラリアでは学校の新学年が1〜2月に始まり、4月頃は第1ターム(学期)の終わり。イースターホリデーと重なる2週間程度の休みには、家族でキャンプやエッグハントを楽しみます。ニュージーランドでは4月25日に第一次世界大戦の戦没者を悼む「アンザック・デー」があり、国を挙げて式典が行われます。南島のアロータウンでは4月下旬に「秋祭り」が開催され、色づいた並木道が国内外から観光客を集めます。地球の裏側で全く別の季節を生きている人がいる——4月はそんな想像を楽しむのにも、ちょうどいい月かもしれません。
日本では桜と新年度の季節ですが、世界の4月はまったく異なる顔を持っています。各国の4月をのぞいてみましょう。
タイでは毎年4月13日〜15日頃に「ソンクラーン」という旧正月祭が行われます。もとは仏像や年長者に清めの水をかけて新年を祝う伝統行事ですが、近年は町中で誰彼かまわず水を掛け合う大規模な水合戦に発展し、観光客も巻き込んで盛り上がります。気温が40℃近くになる4月のタイで水をかけ合う光景は、見た目にも爽快です。老若男女がびしょ濡れになりながら笑顔で新年を祝うこの祭りは、タイの4月を象徴する風景といえます。
ミャンマー(ティンジャン)、ラオス(ピーマイ)、カンボジア(チョルチナムトマイ)など周辺国でも同時期に似た新年祭が行われており、「水で清めて新年を迎える」という考え方は東南アジア全域に共通しています。
中国では毎年4月4〜5日頃に「清明節」という祝日があります。二十四節気の「清明」の日に合わせた先祖供養の日で、日本のお彼岸に近い位置づけです。家族で先祖の墓を掃除・参拝し、紙で作ったお金や家財模型を燃やしてあの世に届ける風習があります。春の野山を散策する「踏青節(とうせいせつ)」という慣習もあり、台湾・香港・シンガポールなど中国系住民の多い地域でも大切にされています。
沖縄には「シーミー(清明祭)」という独自の墓参り行事があります。旧暦3月(新暦4月頃)に一族が集まり、重箱料理をお供えしてそのまま野宴を開くスタイルで、琉球王国時代に中国から取り入れた清明節が独自に発展したものです。
エイプリルフールに始まり、お花見、花まつり、十三参り、昭和の日まで、4月は毎週のように行事がある月です。旬の食材や花、暦の豆知識を知ると、同じ春の景色がより豊かに感じられます。
世界に目を向ければ、水かけ祭りで盛り上がるタイ、清明節で先祖を敬う中国、紅葉の秋を迎えるニュージーランドと、4月の顔はまるで違います。それぞれの文化や気候に根ざした行事を知るほど、自分たちの春の当たり前が特別なものに見えてきます。
新年度のスタートと重なる4月は、何か新しいことを始めるにも背中を押される季節。行事の由来や旬の味覚にも少し目を向けながら、今年の春を楽しんでみてください。
世界の卒業式が面白い?!▼
詳しい春野菜の記事はこちら▼
4月は桜が咲き誇り、新年度とともに新しい出会いが始まる季節です。エイプリルフールや花まつり、昭和の日など、じつは行事やイベントがとても多い月。旬の食材や花の情報、世界各国の4月の過ごし方まで、まるごとご紹介します。
目次
4月のイベント・行事
定番のお花見や入学式から、意外と知られていない伝統行事まで、4月は行事が目白押しの月です。
日付順に見ていきましょう。
エイプリルフール
4月1日といえば、まず浮かぶのがエイプリルフール。
「嘘をついてもいい日」として知られており、日本には大正時代に「四月馬鹿」という名で伝わりました。
近年は企業がユーモアたっぷりの架空記事を公開したり、SNSでネタを仕込んだりと、エンタメ色の強いイベントとして定着しています。
起源には諸説あり、16世紀のフランスで新年が4月から1月に変更された際、旧来の新年を祝い続けた人たちをからかったのが始まりとする説が有名です。
フランスでは今も「ポワソン・ダブリル(4月の魚)」といって、背中に紙の魚をこっそり貼る風習が残っています。
イギリスでは悪戯は午前中に限るというマナーもあるとか。
ちなみに2019年4月1日は、新元号「令和」が発表された日でもあります。
エイプリルフールと重なったため「本当の発表?」と疑う声が続出したのは、語り草になっています。
新年度スタート・入社式
4月1日は多くの企業で新年度の初日でもあります。
各社で入社式が行われ、真新しいスーツに身を包んだ新入社員が街に増える光景は、春の風物詩のひとつです。
日本の年度が4月始まりになったのは、明治19年(1886年)に政府が会計年度を4〜翌3月と定めたのがきっかけ。
以来、学校も企業も4月スタートが定着しました。
学校では桜吹雪の中で入学式が行われ、同時にクラス替えも。「仲の良い友達と一緒になれますように」と名簿を眺めた経験は、多くの人に覚えがあるはずです。
お花見
4月の風物詩の代表格といえば、やはりお花見です。
3月末から4月にかけて桜前線が北上し、全国各地の名所で桜が満開を迎えます。
お花見の起源は奈良時代にさかのぼります。
当時は中国から伝来した梅が貴族の間で珍重され、梅を愛でながら和歌を詠む宴が花見の原型とされています。
「万葉集」には梅を詠んだ歌が110首、桜は43首と、梅の人気の高さが伝わります。
平安時代に入ると、遣唐使廃止(894年)を機に日本独自の文化が花開き、花見の主役は梅から桜へと移っていきました。
嵯峨天皇が812年に京都・神泉苑で催した「花宴の節」が、記録に残る最古の桜の花見とされています。
江戸時代に徳川吉宗が庶民に桜を奨励したことで大衆文化として広まり、現代でも会社や仲間とのピクニック、新入社員の歓迎会を兼ねた宴会など、楽しみ方はさまざまです。
「花は桜木、人は武士」という言葉が示すように、潔く散る姿まで愛でる感性が、日本人が桜に特別な思いを寄せてきた理由かもしれません。
イースター/復活祭
イースターはイエス・キリストの復活を祝うキリスト教最大の祭日で、春分後の最初の満月から数えた最初の日曜日にあたります。
毎年日付が変わる移動祝日で、2026年は4月5日(日)です。
欧米では家族で礼拝に出席したあと、カラフルに色付けしたゆで卵「イースターエッグ」を使ったゲームや、春の生命の象徴であるウサギ「イースターバニー」の飾り付けを楽しむのが定番です。
日本ではキリスト教徒が少ないこともあり宗教行事としての馴染みは薄いですが、テーマパークやデパートでパステルカラーのデコレーションやイベントが増え、春の季節イベントとして浸透しつつあります。
花まつり
花まつりは、お釈迦様(ブッダ)の誕生日を祝う仏教行事で、毎年4月8日に各地のお寺で行われ、正式名称は「灌仏会(かんぶつえ)」といい、降誕会・浴仏会など複数の呼び名があります。
当日は花で飾られた小さなお堂「花御堂」が設けられ、誕生仏の像が安置されます。
参拝者は柄杓で「甘茶(あまちゃ)」を像の頭上に注いでお参りするのが習わしです。
これはお釈迦様の誕生時に龍が天から甘露の雨を降らせたという伝説にちなんでいます。
桜が咲き誇る時期と重なるため、花で飾られたお堂の様子は見た目にも華やか。
子どもの成長を願う法要も行われる、穏やかで温かみのある行事です。
十三参り
十三参りは、数え年13歳(満12歳頃)の子どもが知恵を授かるために寺社へ参詣する伝統行事で、主に京都を中心に行われてきました。
起源は平安時代にさかのぼり、清和天皇が13歳で元服の儀を行った故事にちなむとされています。
名所として知られるのが、京都・嵐山の法輪寺(虚空蔵法輪寺)です。
毎年4月13日を中心に多くの親子連れが訪れ、男の子は袴、女の子は振袖などの晴れ着で本尊の虚空蔵菩薩に知恵と健康を祈願します。
おもしろい言い伝えもあって、参拝の帰り道に振り返ると授かった知恵が戻ってしまうとされるため、子どもたちは振り返らずに境内を後にするのだとか。
昭和の日
4月29日は国民の祝日「昭和の日」です。
もとは昭和天皇の誕生日で、崩御後は「みどりの日」として存続していましたが、2007年の祝日法改正で「昭和の日」に改称。
5月4日が新たにみどりの日となりました。
「激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」趣旨の記念日で、各地で昭和文化をテーマにした展示やイベントが開かれることもあります。
ゴールデンウィークの幕開けでもあるため、行楽地へ向かう家族連れで交通機関が混み始め、街にはこいのぼりが泳ぐ風景が広がります。
アースデー
4月22日は「アースデー(Earth Day)」です。
1970年、アメリカの上院議員ゲイロード・ネルソンが環境問題の討論集会を開催したことをきっかけに生まれました。
初回から全米2000万人以上が参加した大規模な環境保護運動の先駆けで、現在は193カ国以上・約10億人が参加する国際的なムーブメントに成長しています。
日本では1990年頃から各地でイベントが行われるようになり、毎年4月22日前後に東京・代々木公園で開催される「アースデイ東京」が代表的な取り組みです。
ゴミ拾いや環境を考えるワークショップ、音楽ライブなど、子どもから大人まで楽しみながら地球環境について考える場として定着しています。
語呂合わせの記念日
4月は語呂合わせ系の記念日も多い月です。
4月10日が「ステーキの日」(四月十日の字面から)、4月18日が「良い歯の日」(4=よ・1=い・8=は)と、思わず「なるほど」となるものが揃っています。
各業界団体が制定した記念日は他にも多く、探してみると4月の新たな一面が見えてきます。
4月の旬の食べ物や花
4月は食材も草花も、一年でもっとも豊かに旬を迎える季節です。
春ならではの味覚と彩りを楽しみましょう。
旬の食材・料理
春になると市場に並ぶ食材がぐっと変わります。
山菜や春野菜、旬の魚介と、4月は一年でもっとも食卓が賑わう季節のひとつ。旬ならではの味わいを楽しんでみてください。
旬の野菜:春キャベツ・アスパラガス・新玉ねぎ
春キャベツは冬キャベツと比べて葉がやわらかくみずみずしく、サラダや浅漬けのほかロールキャベツにしても甘みが際立ちます。
アスパラガスや新玉ねぎも4月から旬を迎え、生でそのまま食べられるほどみずみずしさが魅力です。
旬の山菜:たけのこ・タラの芽・ふきのとう
たけのこは春の味覚の王様とも呼ばれる存在で、桜の咲く頃に地面から顔を出します。
炊き込みご飯や若竹煮、天ぷらなどで香りと歯ごたえを存分に楽しめます。
タラの芽やふきのとうは独特のほろ苦さがあり、天ぷらや和え物で春らしい風味を味わえます。
旬の魚介:桜えび・鰆・ホタルイカ
桜えびは静岡・駿河湾の名産で、春漁が解禁となるこの時期だけ生食できます。
かき揚げにすると絶品です。
鰆(さわら)は漢字に「春」が入るほど春との結びつきが強い魚で、関西・瀬戸内エリアでは春が旬とされています。
産卵前で脂がのったこの時季は、塩焼きや西京漬けが定番の食べ方です。
ホタルイカは富山湾で春になると水揚げの最盛期を迎えます。
透き通った体が光る幻想的な姿でも知られており、しゃぶしゃぶや酢みそ和えで春の味覚を楽しめます。
春の和菓子:桜餅・花見だんご・よもぎ餅
桜餅や花見だんごなど春らしい和菓子も豊富で、お花見のお供にも喜ばれます。
花まつりの甘茶、春のお彼岸に食べるよもぎ餅など、行事と結びついた食文化も4月ならではです。
4月に咲く花
4月は桜が主役になりがちですが、春の花はそれだけではありません。
チューリップやネモフィラ、藤など、見頃を迎える花が次々と移り変わります。
お出かけのついでに、近くの公園や街路樹に目を向けてみてください。
チューリップ
赤・黄・ピンクと色とりどりのチューリップは、各地でチューリップ祭りが開催されるほど春を象徴する花です。
地面を埋め尽くす花畑の様子は圧巻で、家族連れや写真好きの人に人気のスポットになっています。
ネモフィラ
近年人気が高まっているのがネモフィラです。
茨城県・国営ひたち海浜公園の「ネモフィラの丘」は4月中旬〜下旬に小さな青い花が一面に咲き、空と大地が溶け合うような幻想的な景色が広がります。
和名はルリカラクサで、晴れた日の澄んだ空色がそのまま地面に広がるような美しさです。
藤(ふじ)
4月下旬になると藤が見頃を迎えます。
紫色の花穂が垂れ下がる優美な姿は古くから愛され、栃木県のあしかがフラワーパークなどで藤まつりが行われます。
藤棚の下に立つと甘い香りに包まれ、春の終わりを感じさせてくれる花です。
ハナミズキ
ハナミズキは1912年に日本がアメリカへ桜を贈った返礼として、1915年に贈られた木です。
4月後半に白やうすピンクの花を咲かせ、春の街路を明るく彩ります。
日米の友好の歴史とともに各地に根付いており、桜の後を引き継ぐ春の花として親しまれています。
菜の花
一面に広がる菜の花畑の黄色は、春を代表する景色のひとつです。
河川敷や田んぼのあぜ道に咲く姿はどこか懐かしく、菜の花の甘い香りとともに春の訪れを感じさせてくれます。
タンポポ
土手や道端にひっそり咲くタンポポも、4月の野を彩る存在です。
踏まれそうな場所にも力強く根を張り、黄色い花を咲かせる姿は、春の生命力を象徴しているようです。
4月に知っておきたい豆知識
暦の由来や制度の背景を知ると、4月という月の見え方が少し変わります。
4月の和名「卯月」の意味
旧暦で4月は「卯月(うづき)」と呼ばれます。
最も有力な説は「卯の花が咲く月」というもので、卯の花とは白い小花を咲かせるウツギのこと。
旧暦4月頃(現在の暦では5月頃)に花開くことにちなんでいます。
ほかにも、十二支の4番目が「卯(うさぎ)」であることから「卯の月」が転じたという説や、田植えを始める「植月(うえつき)」が語源という説もあります。
別名も豊富で、桜の名残を意味する「花残月(はなのこりづき)」、夏の始まりを示す「夏初月(なつはづき)」などがあります。
旧暦の4月は立夏を含む月だったため、日本の感覚ではすでに夏の入り口でした。
なぜ新年度は4月始まり?
世界には9月や1月に新年度が始まる国が多い中、なぜ日本は4月なのでしょうか。
きっかけは明治時代の制度改革です。
1886年(明治19年)に政府が会計年度を4月〜翌3月と定め、学校もそれに合わせて学年制を変更しました。
背景には「秋の収穫後に税を徴収し、翌春までに財政を確定する」という当時の税制事情があったとも言われ、また当時イギリスが4月始まりの会計年度を採用していたことを参考にしたという説も有力です。
欧米が9月始まりになった背景も似たような話で、農業中心だった時代に夏〜秋の収穫期を家業の手伝いにあて、農閑期になってから学校へ通う生活リズムが根付いたためといわれています。
エイプリルフールが禁止の国がある?
「嘘をついてもいい日」として親しまれるエイプリルフールですが、文化や宗教の違いにより歓迎されない国もあります。
代表的なのはイスラム圏です。
コーランには嘘をつくことを戒める教えがあり、ジョークであっても意図的な嘘は禁忌とされます。
マレーシアやインドの一部では、悪質なデマは法的責任を問われ得ると注意喚起されているケースもあります。
こうした背景を知ると、ユーモアの受け取られ方が文化によって大きく異なることを改めて実感します。
南半球では4月は「秋」
日本では春真っ盛りの4月も、南半球では秋にあたります。
オーストラリアやアルゼンチンでは暑さが和らぎ、木々が色づき始める季節です。
オーストラリアでは学校の新学年が1〜2月に始まり、4月頃は第1ターム(学期)の終わり。
イースターホリデーと重なる2週間程度の休みには、家族でキャンプやエッグハントを楽しみます。
ニュージーランドでは4月25日に第一次世界大戦の戦没者を悼む「アンザック・デー」があり、国を挙げて式典が行われます。
南島のアロータウンでは4月下旬に「秋祭り」が開催され、色づいた並木道が国内外から観光客を集めます。
地球の裏側で全く別の季節を生きている人がいる——4月はそんな想像を楽しむのにも、ちょうどいい月かもしれません。
世界の4月のイベント・豆知識
日本では桜と新年度の季節ですが、世界の4月はまったく異なる顔を持っています。
各国の4月をのぞいてみましょう。
タイのソンクラーン(水かけ祭り)
タイでは毎年4月13日〜15日頃に「ソンクラーン」という旧正月祭が行われます。
もとは仏像や年長者に清めの水をかけて新年を祝う伝統行事ですが、近年は町中で誰彼かまわず水を掛け合う大規模な水合戦に発展し、観光客も巻き込んで盛り上がります。
気温が40℃近くになる4月のタイで水をかけ合う光景は、見た目にも爽快です。
老若男女がびしょ濡れになりながら笑顔で新年を祝うこの祭りは、タイの4月を象徴する風景といえます。
ミャンマー(ティンジャン)、ラオス(ピーマイ)、カンボジア(チョルチナムトマイ)など周辺国でも同時期に似た新年祭が行われており、「水で清めて新年を迎える」という考え方は東南アジア全域に共通しています。
中国・清明節と墓参り文化
中国では毎年4月4〜5日頃に「清明節」という祝日があります。
二十四節気の「清明」の日に合わせた先祖供養の日で、日本のお彼岸に近い位置づけです。
家族で先祖の墓を掃除・参拝し、紙で作ったお金や家財模型を燃やしてあの世に届ける風習があります。
春の野山を散策する「踏青節(とうせいせつ)」という慣習もあり、台湾・香港・シンガポールなど中国系住民の多い地域でも大切にされています。
沖縄には「シーミー(清明祭)」という独自の墓参り行事があります。旧暦3月(新暦4月頃)に一族が集まり、重箱料理をお供えしてそのまま野宴を開くスタイルで、琉球王国時代に中国から取り入れた清明節が独自に発展したものです。
4月のイベントを楽しみ尽くそう
エイプリルフールに始まり、お花見、花まつり、十三参り、昭和の日まで、4月は毎週のように行事がある月です。旬の食材や花、暦の豆知識を知ると、同じ春の景色がより豊かに感じられます。
世界に目を向ければ、水かけ祭りで盛り上がるタイ、清明節で先祖を敬う中国、紅葉の秋を迎えるニュージーランドと、4月の顔はまるで違います。
それぞれの文化や気候に根ざした行事を知るほど、自分たちの春の当たり前が特別なものに見えてきます。
新年度のスタートと重なる4月は、何か新しいことを始めるにも背中を押される季節。行事の由来や旬の味覚にも少し目を向けながら、今年の春を楽しんでみてください。
関連記事
世界の卒業式が面白い?!▼
詳しい春野菜の記事はこちら▼