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海外旅行や留学・移住を考えるとき、「危険な国はどこ?」「治安の悪い国ではどういうリスクがある?」「無事にすごすためにできる対策は?」といった疑問が浮かびませんか?
この記事では、最新の国際指標をもとに治安の悪い国ランキングTOP20を紹介。さらに、危険地域の情報の集め方・対策・注意点まで紹介します。 信頼性の高いデータを基に構成しているため、単なる噂やイメージではない正確な情報が手に入ります。
海外渡航や移住計画の判断材料として、ぜひ最後までご覧ください!
海外のある地域の治安が良いか悪いかを、どうやって測るのでしょうか? 実は、さまざまな団体が世界各国の治安状況を調査しており、いくつかの信頼できる指標があります。
世界各国の治安について知る指標として最もよく参考にされるのが、「世界平和度指数(Global Peace Index、GPI)」です。
世界平和度指数とは、国際シンクタンクの経済平和研究所(IEP)が毎年発表している指数。世界人口の99.7%をカバーする163の国と地域を対象とし、
の3つについて調査し、安全度を数値化しています。
より具体的に調査項目をみると、犯罪率やテロ・紛争の発生頻度、難民数、人権侵害の有無など23項目に渡ります。
このランキングは、世界各国の治安の相対的な度合いを表しているのです。旅行や留学、ワーキングホリデーや移住などで渡航先を検討する際には、ぜひ参考にしたい情報といえます。
最新の治安情報は、現地メディアから得るのがベスト。とはいえ、現実的には言葉の壁もあり、ほとんどの方にとってハードルが高いですよね。
そこで頼りになるのが、外務省が公開している「 海外安全ホームページ 」。 各国の社会情勢や渡航・滞在の注意点、日本人の安全にかかわる事件・災害の情報などの安全情報がまとめられています。 日本人向けの情報が日本語でまとめられており、しかも常に情報が更新されているのがうれしいところ。
現地の日本大使館ホームページにも、その地域の治安に関する最新・詳細の情報が掲載されている場合があります。具体的な行き先が決まっている場合は、チェックしておきましょう。
現地の人々が自分の国・地域の安全性をどう感じているかによって、安全度を指数化している調査もあります。特に、ギャラップ(Gallup)社やイプソス(Ipsos)社の調査が有名。
例えばギャラップ社の「世界の法と秩序に関する調査結果(Global Law and Order Report)」では、
といったアンケートを115の国で実施・数値化し、ランキングしています。
生活情報データベース「NUMBEO」は、住民の投稿に基づいて各地域の生活費、医療水準などを数値化しており、治安も対象項目です。
世界平和度指数でランクが低い国ほど、治安が悪いといえます。どのような国でしょうか? 最新の世界平和度指数ランキングをみてみましょう!
世界平和度指数ランキング下位の20カ国、つまり「治安の悪い国ワースト20」は次の国々です。
ある傾向にお気づきでしょうか?
そう、治安の悪い国は、アフリカや中東(西アジア)に多い傾向があります。これらの地域は、経済状況が悪化し、紛争が頻発しているのです。
イエメンはアラビア半島の南端にある国。古代から交易で栄え、ギリシャ・ローマ時代には「幸福のアラビア」と呼ばれました。
首都サアナや古都ザビードの歴史的な街並みは世界遺産。ソコトラ島はインド洋のガラパゴスと呼ばれる独特の自然があり、キノコのような竜血樹が茂る奇観は異世界そのもの。
そんな魅力的な場所を有するイエメンですが、2015年以降内戦が続いています。政府、フーシ派、アラビア半島のアルカイダ、南部暫定評議会といった組織が乱立し、武力衝突やテロが繰り返されているのです。
それにしても、戦争中のウクライナ・ロシアやイスラエル・パレスチナよりも治安が悪いのはどういうことでしょう?
それは、現在イエメンは国家統治機能が崩壊しており、地域によって統治者が異なる、まるで戦国時代のような状況だからです。また、一時的に停戦してもすぐに破綻しており、混乱に出口が見えなくなっています。
アフリカ北部にあるスーダンは、クシュ王国をはじめとする古代からの歴史があり、神秘的な遺跡群や紅海に面した美しい自然が残る国です。
第二次世界大戦後にイギリスから独立して以来、何度も内戦が繰り返される不安定な状況が続いており、現在も国軍と準軍事組織の内戦により政府が首都ハルツームから逃れる事態に。
それによって飢饉も深刻化し、世界最大規模の難民問題が引き起こされています。なんと約1300万人(スーダンの全人口の約4分の1)もの人々が紛争のために住む場所を追われているのです。
東アフリカにある南スーダンは、2011年にスーダンから独立した世界で最も新しい国連承認の独立国。野生動物の宝庫で、資源にも恵まれています。
しかし政治は安定しない状況が続いており、政府と反政府組織の内戦が激化。周辺国からの難民の流入やインフレなどの経済悪化により、外国人を狙った犯罪なども増加しています。
中央アジアのアフガニスタンは、東西の交易路として、古くから多数の民俗・文化が行き交った国です。世界遺産のバーミヤン渓谷やワハーン回廊など、シルクロードのロマンを伝える場所が残されています。
そんなアフガニスタンでは、1970年代から目まぐるしく政治主体が入れ替わる不安定な状況が継続中です。 現在はタリバーンが暫定政府ですが、複数の反抗勢力が乱立し、国内紛争やテロ、誘拐事件などが頻発。タリバーンによる女性弾圧などの人権問題や軍事化のレベルなど、多くの要因が治安を悪化させています。
全世界が注目する、ウクライナとロシア。広大な国土を持つロシアは資源大国でもあり、過去に国際社会との関係が良好だった時期には、多くの日本企業も進出していました。
モスクワの赤の広場には、クレムリンや聖ワシリイ大聖堂などの、中世からの歴史がある趣深い建造物群が建ち並びます。
サンクトペテルブルクでは、エルミタージュ美術館や目のくらむような壮麗な宮殿群に圧倒されるでしょう。料理や芸術などの文化も豊かです。
一方のウクライナは、ロシアに比べて小国と思われがちですが、実はロシアとカザフスタンを除くとヨーロッパで最大の国土面積。
首都キーウには11世紀に創建された教会が建ち並びます。カルパティア山脈や黒海沿岸に豊かな自然景観が広がり、美しい農業地帯やかわいらしい木造教会も点在しています。
2022年にロシアがウクライナに侵攻して以来、ウクライナでは民間人の犠牲やインフラの破壊が深刻化。ロシア側も、軍事行動に加えて国内の政治的抑圧や報道の自由の制限などが治安指数を下げています。
アフリカ中部にあるコンゴ民主共和国。豊かな資源とアマゾンに次ぐ広大な熱帯雨林を抱え、オカピやボノボといった希少な動物が生息。首都キンシャサはルンバなどの音楽文化の発信地です。
そんなコンゴ民主共和国では、主に東部地域で、反政府武装勢力のM23をはじめ無数の武装勢力・民兵組織が乱立し、テロや部族抗争、資源争奪が繰り返されています。 首都のキンシャサでも窃盗や殺人などの凶悪犯罪が増加。さらに、女性に対する暴力も蔓延しており、人権問題も深刻です。
中東の国シリア。世界最古の都市ダマスカスや、世界で最も美しい遺跡とされるパルミラ、十字軍の歴史を伝えるサラディン城や聖ヨハネ騎士団の本拠地など、数々の観光スポットがあります。
そして、多彩な味わいのシリア料理はグルメ揃いの中東の中でも特に名高く、隠れた美食の国として知られています。本来なら魅力満載の国ですよね。
そんなシリアの治安問題は根深く、2011年以降、シリア危機と呼ばれる内戦が継続中です。イスラム国が一掃された後も、政府と反政府勢力の対立が続いています。
一方、2024年まで続いたアサド政権は強権を敷き、市民に化学兵器を使用するなど深刻な人道問題を起こしました。アサド政権を打倒した武装勢力が暫定政府を樹立しましたが、今世紀最大の人道危機と呼ばれる混乱が続いています。
ニュースで目にしない日はない、イスラエルとパレスチナ。本来であれば、エルサレム旧市街をはじめ数々の聖書の舞台が点在し、リゾートにもなっている死海など、訪れたいスポットが目白押しの地域です。
指数を下げている最大要因は、パレスチナのガザ地区をめぐる戦争。しかし実は、戦争のずっと前から、両地域の治安指数は低い状況でした。
イスラエルは1948年の建国以来、周辺のアラブ諸国との間に緊張関係が続いています。難民や占領地の問題が常にあり、高い軍事力も指数のマイナス化に寄与。
一方のパレスチナは、長年イスラエルとの間で空爆の応酬などの衝突が継続しています。内部でも、イスラム原理主義組織のハマスによる支配が人権などの面で指数を下げる要因に。
マリは西アフリカの内陸国。古代からガーナ王国、マリ帝国、ソンガイ帝国といった国家が勃興した歴史ある国です。
日干しレンガの建物や、景観が独特なトンブクトゥやジェンネ、神秘的なドゴン族の居住区など、魅力的な民族文化が残ります。
そんなマリでは、複数のイスラム過激派組織が武装勢力となって政府軍への攻撃やテロ、誘拐を繰り返しています。そんな近代以降の国際情勢に加え、もともと多民族国家ゆえに部族間摩擦が起きやすいという事情もあるようです。
東アジアにある日本の隣国、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)。世界遺産の高句麗古墳群は、日本の古代史とも関わりが深く、歴史ロマンあふれるスポットです。
そんな北朝鮮では、広く知られている通り独裁政権による人権の制限が深刻で、治安指数にマイナスに寄与しています。
また、日本にとっても他人事ではないミサイル発射実験や核開発も、東アジア情勢全体の緊張感を高めて治安指数を下げる要因になっています。
中東にあるイラクは、治安さえ良ければぜひ訪れたいスポットが多数あります。 古代メソポタミア文明の中心地であり、バビロンやウルなど有名な世界遺産も。首都バグダッドは、『千夜一夜物語(アラビアンナイト)』の舞台です。
そんなイラクですが、未だに国内各所にイスラム国の残党が潜伏しており、テロ攻撃を繰り返しています。 また、イスラエルとガザの戦争開始以降、イスラエルの後ろ盾であるアメリカへの敵対心が再燃。米国大使館や米軍施設を標的にしたテロも相次いでいます。
東南アジアのミャンマーは、過去には民主化が進み、多くの日本企業も進出しました。
世界遺産のバガン遺跡、壮麗な聖地シュエダゴン・パゴダ、神秘的なゴールデンロックなど、仏教文化の見どころが多数あります。インレー湖やガパリビーチなど、豊かな自然景観も魅力。
2021年の軍事クーデター以降、政情不安が続き、軍と武装勢力の間で衝突が続いています。少数民族のロヒンギャに対する迫害も、深刻な人権問題として治安指数を下げる要因に。
南米のコロンビアは、首都ボゴタやカルタヘナに美しい歴史地区が残り、コーヒーも絶品。 カリブ海からアマゾンのジャングル、アンデス山脈まで多様な自然があふれる国です。
しかし複数の武装勢力が活動しており、暴力犯罪の多さが課題となっています。 なんと50年以上も、政府とゲリラ、民兵組織による三つ巴の内戦が続いています。山岳や密林が多く、警察や治安部隊の監視が及びにくい地形が、武装勢力の活動を助けてしまっているのです。
エチオピアは、アフリカ連合などの国際機関の本部があり、アフリカにおける主要国です。 旧約聖書にも登場する古い歴史と信仰を持ち、世界遺産のラリベラの岩窟教会群や人類発祥の地とされるアファール盆地など、数々の魅力的なスポットがあります。
しかし残念ながら、2020年に起こった激しい武力紛争の余波で政情不安定が続き、特に地方では武装組織による無差別攻撃が頻発。 首都アディスアベバは地方ほど危険ではありませんが、不況で強盗や暴動が増加しており、アルカイダ系組織によるテロや誘拐も発生しています。
治安の悪い国は、全般的に社会の仕組みが十分に機能しておらず、不正や暴力が当たり前になっている傾向があります。いくつかの共通する特徴をみてみましょう。
これらの国の多くは、暴力犯罪が日常化しています。
例えば、コロンビアでは麻薬カルテルやゲリラの残党といった犯罪組織による誘拐や殺人が横行。ナイジェリアでは、各地で盗賊団が出没する状況です。
暴力犯罪は、もちろんそれ自体が治安を下げる要因ですが、それだけではありません。犯罪の多発は投資の減少や観光業の衰退を招き、経済を衰退させます。さらに、警察や司法が機能不全に陥り、無法状態が常態化する負の連鎖が続くのです。
貧困や格差も治安を悪化させます。特に、若年層の経済的困窮や失業率の高さは、犯罪や暴力を助長する大きな要因に。
惜しくも(?)TOP20からは漏れましたが、22位のベネズエラも経済破綻が治安悪化に結びついており、ギャングと警察の癒着が深刻な問題になっています。
政府の統治力や治安維持能力の欠如も、治安の悪化を招く要因です。
中央アフリカ共和国、ソマリア、マリでは政府の統治が及ばない無法地帯があります。ナイジェリアやコンゴ民主共和国では治安部隊の腐敗が深刻化。ランキング21位のハイチは、ギャングが首都を含む地域を支配して警察が無力化しています。
政治的に不安定な国では、クーデターや政権交代による混乱、軍政、選挙の不正などによる政情不安が続く傾向にあります。
ミャンマーでは2021年の軍事クーデター以降、弾圧と内戦が続く状況です。シリアやアフガニスタンも、近年の政権交代後も統治が安定していません。このほか、スーダンやマリなどランキング上位の多くの国で、政治不安が治安の悪化を招いています。
ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナなど、他の国と戦争・紛争をしている国は、当然ながら治安が悪くなります。
実はランキング上位の大半が、内戦を抱えている国に当てはまるのです。
国内に民族対立や宗教対立を抱えていたり、武装集団が公然と活動したりしている国も少なくありません。こういった国ではテロが頻発する傾向にあります。
1位のイエメンでは政府とフーシ派の争いが貧困や飢餓を助長し、世界最悪の人道危機とされています。
ランキングのなかで、12位の北朝鮮は異質ですね。北朝鮮には政治不安もなければ、暴力事件も多発していません。北朝鮮の平和度を下げている大きな要因は、政府の情報統制などによる人権問題です。
政治的には安定していても国内の人権に問題があるのは、ロシアも同様です。アフガニスタンのタリバン政権による女性弾圧も問題視されています。
海外で遭遇しやすい犯罪やトラブルには、定番があります。治安の良し悪しにかかわらず、海外であればどこでも注意すべき基本から、治安の悪い国ならではの信じられないアクシデントまでを紹介しましょう。
これらは、治安の良い国であっても気をつけなければならない、海外に行く際の鉄則といえます。
市場や駅など人の多い場所では、スリや置き引きが多発します。 ひったくりはバイクや車で接近して一瞬で奪い去るケースが多く、抵抗すれば怪我を負う危険も。旅行者は特に狙われやすいため注意が必要です。
また、詐欺やぼったくりも日本人が狙われやすい犯罪です。観光客をターゲットにした詐欺やぼったくりは世界中にありますが、治安の悪い地域では悪質な手口も目立ちます。偽の警察官やガイド、法外な料金を請求するタクシーや店などが代表例です。
治安の悪い国では、強盗や暴行、性犯罪のリスクも高まります。夜道や人気のない場所での事件が多く、特に女性旅行者は標的になりやすい傾向に。
外国人が金銭目的で誘拐される事件も起きており、組織的な犯行もあります。
カードを盗み取ったり、情報を読み取ったりして不正利用するスキミング被害も治安の悪い国では頻発します。 被害に気づくまでに時間がかかりやすいのもやっかいな点。特に露店、ガソリンスタンド、非正規のATMなどが要注意ポイントです。
薬物の密売や使用が日常化している地域もあります。知らずに違法薬物を所持させられて、終身刑などの重い刑罰を受けるケースもあり、空港や宿泊先でのすり替えなどに注意が必要です。
治安が極度に悪い国では、銃撃戦が日常的に起きています。観光客が巻き込まれる可能性もゼロではなく、街中で突発的に発生するケースも。 銃撃戦では、動くものが標的にされます。できれば物陰に隠れ、騒ぎが収まるまで静かにやり過ごしましょう。
治安の悪い国では突発的なデモや暴動が起きやすく、観光客が偶然現場に遭遇してしまうかもしれません。怒号や投石、放火、催涙ガスが飛び交うなかでは身動きが取れなくなる危険性があります。
また、政情不安が続く国では、政変やクーデターが突然発生するリスクがあり、空港閉鎖や通信遮断、市街地封鎖といった混乱が起こる可能性があります。旅行者は退避が困難になり、長期にわたり足止めされる場合もあります。
一部の戦争経験国では、未処理の地雷や爆発物が残る地域があり、観光客が立ち入ってしまう事故も報告されています。地雷原の多くは農村部や国境付近にあり、ガイドなしでの移動は極めて危険です。
ここでは旅行者が巻き込まれやすい犯罪への対策を紹介します。
治安が悪い国には、大前提として近づかないのが基本です。ランキング上位の国は、たいてい外務省の「退避勧告」や「渡航中止勧告」が出ています。しかし何らかの理由でそこに行かなければならない場合は、ここで紹介する対策を徹底することでリスクを下げられるでしょう。
注意したいのは、治安の良い国であってもこれらの対策は必要な点。行き先の治安が良いほど気も緩みやすいので、一層注意を高めるようにしましょう。
まずは行き先の安全情報を把握しておくのが最優先です。最低でも、外務省の海外安全ホームページとその国にある大使館のウェブサイトはチェックしましょう。治安が悪い国の場合は、事前の情報収集は命に直結する重大事です。
外務省の「 たびレジ 」は、日本語での旅先の最新安全情報を無料で受信できるおすすめのサービスです。
実際に現地に到着した後は、ホテルやガイドから周辺の危険エリアなどの情報を入手するとよいでしょう。
その土地の風習や法律について注意点がないかも把握しておく必要があります。日本では常識だと思われていることが、とんでもない失礼や法律違反になる場合があるので要注意です。
犯罪には遭遇するもの、という前提で準備をしましょう。旅行保険への加入は必須です。
緊急時には動転して落ち着いた行動ができないので、以下の情報は調べてメモに控えておきましょう。
パスポートや保険証券のコピーも必ず用意しておきましょう。
治安が悪いエリアに近づかないのも海外旅行の基本。都市の一部がスラム化している場合も多く、そういった情報は事前に把握しておきたいところです。
また、事前の情報にかかわらず、人が少ない場所や雰囲気がよくない場所を見かけたら、すぐにその場を離れましょう。 昼間は安全な場所でも、暗くなると危険なことは少なくありません。治安の良い国でも夜には犯罪発生率が上がるので、夜の一人歩きは厳禁です。
特に治安が悪い国では、時間や場所にかかわらず、出歩くこと自体がリスクです。単独行動は犯罪やトラブルの標的になりやすいため、できるかぎり複数人で行動しましょう。
被害に遭った場合に備えて、財布やパスポートなどの貴重品は1か所にまとめず分散させましょう。現金は財布だけでなく靴の中などに分けておくのがおすすめです。
ホテルのセーフティーボックスを利用するなどして、持ち歩く現金や貴重品は最低限に。ホテルの清掃員が貴重品を盗むこともあるので、ただ部屋に置いておくのはいけません。
出歩く際は、バッグはしっかりと閉じて前に持つようにしましょう。首にかける防犯ポーチがあると便利です。 財布をポケットに入れない、スマホは必要な時以外は出さないなども徹底しましょう。
いかにも観光客だと分かる服装やふるまいは、犯罪者にとって恰好のターゲット。現地の人々に近い服装を心がけ、派手なアクセサリーなどは控えましょう。
また、街中で立ち止まる、きょろきょろするなどの行動も、標的になりやすいので要注意です。 ただし、目立たないようにしつつ、周囲の様子には気を配らなければなりません。デモや集会を見かけたり、銃声・怒号・群衆の気配を感じたりしたら、すぐに離れるようしましょう。
流しのタクシーはぼったくりや誘拐のリスクがあります。タクシーはUberやBolt、Lyftなどの配車アプリを使って手配しましょう。宿泊しているホテルを通して手配してもらうのもよい対策です。
また、安易に人を信じないことも大切。親切そうな現地人や日本語で話しかけてくる人には警戒すべきです。特にお得な商品やガイドの申し出はきっぱり断ってください。 部屋など隔絶された場所で二人きりになるのも厳禁です。
世界には紛争、貧困、テロなどの影響で治安が悪化している国や地域が数多く存在します。旅行や留学、移住を検討する際は、単なるイメージではなく、客観的なデータや現地の情報を参考にするのが大切です。
まずは信頼できる情報収集から、安全な第一歩を踏み出してください!
治安の良い国も合わせてチェック!▼
移住・留学先の参考に!▼
海外旅行や留学・移住を考えるとき、「危険な国はどこ?」「治安の悪い国ではどういうリスクがある?」「無事にすごすためにできる対策は?」といった疑問が浮かびませんか?
この記事では、最新の国際指標をもとに治安の悪い国ランキングTOP20を紹介。さらに、危険地域の情報の集め方・対策・注意点まで紹介します。
信頼性の高いデータを基に構成しているため、単なる噂やイメージではない正確な情報が手に入ります。
海外渡航や移住計画の判断材料として、ぜひ最後までご覧ください!
目次
「治安が悪い」とは?
海外のある地域の治安が良いか悪いかを、どうやって測るのでしょうか?
実は、さまざまな団体が世界各国の治安状況を調査しており、いくつかの信頼できる指標があります。
世界平和度指数
世界各国の治安について知る指標として最もよく参考にされるのが、「世界平和度指数(Global Peace Index、GPI)」です。
世界平和度指数とは、国際シンクタンクの経済平和研究所(IEP)が毎年発表している指数。世界人口の99.7%をカバーする163の国と地域を対象とし、
の3つについて調査し、安全度を数値化しています。
より具体的に調査項目をみると、犯罪率やテロ・紛争の発生頻度、難民数、人権侵害の有無など23項目に渡ります。
このランキングは、世界各国の治安の相対的な度合いを表しているのです。旅行や留学、ワーキングホリデーや移住などで渡航先を検討する際には、ぜひ参考にしたい情報といえます。
外務省の海外安全情報や現地の治安事情
最新の治安情報は、現地メディアから得るのがベスト。とはいえ、現実的には言葉の壁もあり、ほとんどの方にとってハードルが高いですよね。
そこで頼りになるのが、外務省が公開している「 海外安全ホームページ 」。
各国の社会情勢や渡航・滞在の注意点、日本人の安全にかかわる事件・災害の情報などの安全情報がまとめられています。
日本人向けの情報が日本語でまとめられており、しかも常に情報が更新されているのがうれしいところ。
現地の日本大使館ホームページにも、その地域の治安に関する最新・詳細の情報が掲載されている場合があります。具体的な行き先が決まっている場合は、チェックしておきましょう。
現地の人による実感(Gallup調査など)
現地の人々が自分の国・地域の安全性をどう感じているかによって、安全度を指数化している調査もあります。特に、ギャラップ(Gallup)社やイプソス(Ipsos)社の調査が有名。
例えばギャラップ社の「世界の法と秩序に関する調査結果(Global Law and Order Report)」では、
といったアンケートを115の国で実施・数値化し、ランキングしています。
生活情報データベース「NUMBEO」は、住民の投稿に基づいて各地域の生活費、医療水準などを数値化しており、治安も対象項目です。
治安の悪い国ランキング
世界平和度指数でランクが低い国ほど、治安が悪いといえます。どのような国でしょうか?
最新の世界平和度指数ランキングをみてみましょう!
治安の悪い国ランキング ワースト20
世界平和度指数ランキング下位の20カ国、つまり「治安の悪い国ワースト20」は次の国々です。
ある傾向にお気づきでしょうか?
そう、治安の悪い国は、アフリカや中東(西アジア)に多い傾向があります。これらの地域は、経済状況が悪化し、紛争が頻発しているのです。
1位:イエメン
イエメンはアラビア半島の南端にある国。古代から交易で栄え、ギリシャ・ローマ時代には「幸福のアラビア」と呼ばれました。
首都サアナや古都ザビードの歴史的な街並みは世界遺産。ソコトラ島はインド洋のガラパゴスと呼ばれる独特の自然があり、キノコのような竜血樹が茂る奇観は異世界そのもの。
そんな魅力的な場所を有するイエメンですが、2015年以降内戦が続いています。政府、フーシ派、アラビア半島のアルカイダ、南部暫定評議会といった組織が乱立し、武力衝突やテロが繰り返されているのです。
それにしても、戦争中のウクライナ・ロシアやイスラエル・パレスチナよりも治安が悪いのはどういうことでしょう?
それは、現在イエメンは国家統治機能が崩壊しており、地域によって統治者が異なる、まるで戦国時代のような状況だからです。また、一時的に停戦してもすぐに破綻しており、混乱に出口が見えなくなっています。
2位:スーダン、3位:南スーダン
アフリカ北部にあるスーダンは、クシュ王国をはじめとする古代からの歴史があり、神秘的な遺跡群や紅海に面した美しい自然が残る国です。
第二次世界大戦後にイギリスから独立して以来、何度も内戦が繰り返される不安定な状況が続いており、現在も国軍と準軍事組織の内戦により政府が首都ハルツームから逃れる事態に。
それによって飢饉も深刻化し、世界最大規模の難民問題が引き起こされています。なんと約1300万人(スーダンの全人口の約4分の1)もの人々が紛争のために住む場所を追われているのです。
東アフリカにある南スーダンは、2011年にスーダンから独立した世界で最も新しい国連承認の独立国。野生動物の宝庫で、資源にも恵まれています。
しかし政治は安定しない状況が続いており、政府と反政府組織の内戦が激化。周辺国からの難民の流入やインフレなどの経済悪化により、外国人を狙った犯罪なども増加しています。
4位:アフガニスタン
中央アジアのアフガニスタンは、東西の交易路として、古くから多数の民俗・文化が行き交った国です。世界遺産のバーミヤン渓谷やワハーン回廊など、シルクロードのロマンを伝える場所が残されています。
そんなアフガニスタンでは、1970年代から目まぐるしく政治主体が入れ替わる不安定な状況が継続中です。
現在はタリバーンが暫定政府ですが、複数の反抗勢力が乱立し、国内紛争やテロ、誘拐事件などが頻発。タリバーンによる女性弾圧などの人権問題や軍事化のレベルなど、多くの要因が治安を悪化させています。
5位:ウクライナ、8位:ロシア
全世界が注目する、ウクライナとロシア。広大な国土を持つロシアは資源大国でもあり、過去に国際社会との関係が良好だった時期には、多くの日本企業も進出していました。
モスクワの赤の広場には、クレムリンや聖ワシリイ大聖堂などの、中世からの歴史がある趣深い建造物群が建ち並びます。
サンクトペテルブルクでは、エルミタージュ美術館や目のくらむような壮麗な宮殿群に圧倒されるでしょう。料理や芸術などの文化も豊かです。
一方のウクライナは、ロシアに比べて小国と思われがちですが、実はロシアとカザフスタンを除くとヨーロッパで最大の国土面積。
首都キーウには11世紀に創建された教会が建ち並びます。カルパティア山脈や黒海沿岸に豊かな自然景観が広がり、美しい農業地帯やかわいらしい木造教会も点在しています。
2022年にロシアがウクライナに侵攻して以来、ウクライナでは民間人の犠牲やインフラの破壊が深刻化。ロシア側も、軍事行動に加えて国内の政治的抑圧や報道の自由の制限などが治安指数を下げています。
6位:コンゴ民主共和国
アフリカ中部にあるコンゴ民主共和国。豊かな資源とアマゾンに次ぐ広大な熱帯雨林を抱え、オカピやボノボといった希少な動物が生息。首都キンシャサはルンバなどの音楽文化の発信地です。
そんなコンゴ民主共和国では、主に東部地域で、反政府武装勢力のM23をはじめ無数の武装勢力・民兵組織が乱立し、テロや部族抗争、資源争奪が繰り返されています。
首都のキンシャサでも窃盗や殺人などの凶悪犯罪が増加。さらに、女性に対する暴力も蔓延しており、人権問題も深刻です。
7位:シリア
中東の国シリア。世界最古の都市ダマスカスや、世界で最も美しい遺跡とされるパルミラ、十字軍の歴史を伝えるサラディン城や聖ヨハネ騎士団の本拠地など、数々の観光スポットがあります。
そして、多彩な味わいのシリア料理はグルメ揃いの中東の中でも特に名高く、隠れた美食の国として知られています。本来なら魅力満載の国ですよね。
そんなシリアの治安問題は根深く、2011年以降、シリア危機と呼ばれる内戦が継続中です。イスラム国が一掃された後も、政府と反政府勢力の対立が続いています。
一方、2024年まで続いたアサド政権は強権を敷き、市民に化学兵器を使用するなど深刻な人道問題を起こしました。アサド政権を打倒した武装勢力が暫定政府を樹立しましたが、今世紀最大の人道危機と呼ばれる混乱が続いています。
9位:イスラエル、19位:パレスチナ
ニュースで目にしない日はない、イスラエルとパレスチナ。本来であれば、エルサレム旧市街をはじめ数々の聖書の舞台が点在し、リゾートにもなっている死海など、訪れたいスポットが目白押しの地域です。
指数を下げている最大要因は、パレスチナのガザ地区をめぐる戦争。しかし実は、戦争のずっと前から、両地域の治安指数は低い状況でした。
イスラエルは1948年の建国以来、周辺のアラブ諸国との間に緊張関係が続いています。難民や占領地の問題が常にあり、高い軍事力も指数のマイナス化に寄与。
一方のパレスチナは、長年イスラエルとの間で空爆の応酬などの衝突が継続しています。内部でも、イスラム原理主義組織のハマスによる支配が人権などの面で指数を下げる要因に。
10位:マリ
マリは西アフリカの内陸国。古代からガーナ王国、マリ帝国、ソンガイ帝国といった国家が勃興した歴史ある国です。
日干しレンガの建物や、景観が独特なトンブクトゥやジェンネ、神秘的なドゴン族の居住区など、魅力的な民族文化が残ります。
そんなマリでは、複数のイスラム過激派組織が武装勢力となって政府軍への攻撃やテロ、誘拐を繰り返しています。そんな近代以降の国際情勢に加え、もともと多民族国家ゆえに部族間摩擦が起きやすいという事情もあるようです。
12位:北朝鮮
東アジアにある日本の隣国、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)。世界遺産の高句麗古墳群は、日本の古代史とも関わりが深く、歴史ロマンあふれるスポットです。
そんな北朝鮮では、広く知られている通り独裁政権による人権の制限が深刻で、治安指数にマイナスに寄与しています。
また、日本にとっても他人事ではないミサイル発射実験や核開発も、東アジア情勢全体の緊張感を高めて治安指数を下げる要因になっています。
13位:イラク
中東にあるイラクは、治安さえ良ければぜひ訪れたいスポットが多数あります。
古代メソポタミア文明の中心地であり、バビロンやウルなど有名な世界遺産も。首都バグダッドは、『千夜一夜物語(アラビアンナイト)』の舞台です。
そんなイラクですが、未だに国内各所にイスラム国の残党が潜伏しており、テロ攻撃を繰り返しています。
また、イスラエルとガザの戦争開始以降、イスラエルの後ろ盾であるアメリカへの敵対心が再燃。米国大使館や米軍施設を標的にしたテロも相次いでいます。
16位:ミャンマー
東南アジアのミャンマーは、過去には民主化が進み、多くの日本企業も進出しました。
世界遺産のバガン遺跡、壮麗な聖地シュエダゴン・パゴダ、神秘的なゴールデンロックなど、仏教文化の見どころが多数あります。インレー湖やガパリビーチなど、豊かな自然景観も魅力。
2021年の軍事クーデター以降、政情不安が続き、軍と武装勢力の間で衝突が続いています。少数民族のロヒンギャに対する迫害も、深刻な人権問題として治安指数を下げる要因に。
18位:コロンビア
南米のコロンビアは、首都ボゴタやカルタヘナに美しい歴史地区が残り、コーヒーも絶品。
カリブ海からアマゾンのジャングル、アンデス山脈まで多様な自然があふれる国です。
しかし複数の武装勢力が活動しており、暴力犯罪の多さが課題となっています。
なんと50年以上も、政府とゲリラ、民兵組織による三つ巴の内戦が続いています。山岳や密林が多く、警察や治安部隊の監視が及びにくい地形が、武装勢力の活動を助けてしまっているのです。
20位:エチオピア
エチオピアは、アフリカ連合などの国際機関の本部があり、アフリカにおける主要国です。
旧約聖書にも登場する古い歴史と信仰を持ち、世界遺産のラリベラの岩窟教会群や人類発祥の地とされるアファール盆地など、数々の魅力的なスポットがあります。
しかし残念ながら、2020年に起こった激しい武力紛争の余波で政情不安定が続き、特に地方では武装組織による無差別攻撃が頻発。
首都アディスアベバは地方ほど危険ではありませんが、不況で強盗や暴動が増加しており、アルカイダ系組織によるテロや誘拐も発生しています。
治安の悪い国に共通する特徴は?
治安の悪い国は、全般的に社会の仕組みが十分に機能しておらず、不正や暴力が当たり前になっている傾向があります。いくつかの共通する特徴をみてみましょう。
暴力犯罪が多発している
これらの国の多くは、暴力犯罪が日常化しています。
例えば、コロンビアでは麻薬カルテルやゲリラの残党といった犯罪組織による誘拐や殺人が横行。ナイジェリアでは、各地で盗賊団が出没する状況です。
暴力犯罪は、もちろんそれ自体が治安を下げる要因ですが、それだけではありません。犯罪の多発は投資の減少や観光業の衰退を招き、経済を衰退させます。さらに、警察や司法が機能不全に陥り、無法状態が常態化する負の連鎖が続くのです。
貧困と格差が深刻
貧困や格差も治安を悪化させます。特に、若年層の経済的困窮や失業率の高さは、犯罪や暴力を助長する大きな要因に。
惜しくも(?)TOP20からは漏れましたが、22位のベネズエラも経済破綻が治安悪化に結びついており、ギャングと警察の癒着が深刻な問題になっています。
警察や司法が機能していない
政府の統治力や治安維持能力の欠如も、治安の悪化を招く要因です。
中央アフリカ共和国、ソマリア、マリでは政府の統治が及ばない無法地帯があります。ナイジェリアやコンゴ民主共和国では治安部隊の腐敗が深刻化。ランキング21位のハイチは、ギャングが首都を含む地域を支配して警察が無力化しています。
政治が不安定
政治的に不安定な国では、クーデターや政権交代による混乱、軍政、選挙の不正などによる政情不安が続く傾向にあります。
ミャンマーでは2021年の軍事クーデター以降、弾圧と内戦が続く状況です。シリアやアフガニスタンも、近年の政権交代後も統治が安定していません。このほか、スーダンやマリなどランキング上位の多くの国で、政治不安が治安の悪化を招いています。
紛争・内戦・テロなどが続いている
ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナなど、他の国と戦争・紛争をしている国は、当然ながら治安が悪くなります。
実はランキング上位の大半が、内戦を抱えている国に当てはまるのです。
国内に民族対立や宗教対立を抱えていたり、武装集団が公然と活動したりしている国も少なくありません。こういった国ではテロが頻発する傾向にあります。
1位のイエメンでは政府とフーシ派の争いが貧困や飢餓を助長し、世界最悪の人道危機とされています。
人権侵害や自由の欠如
ランキングのなかで、12位の北朝鮮は異質ですね。北朝鮮には政治不安もなければ、暴力事件も多発していません。北朝鮮の平和度を下げている大きな要因は、政府の情報統制などによる人権問題です。
政治的には安定していても国内の人権に問題があるのは、ロシアも同様です。アフガニスタンのタリバン政権による女性弾圧も問題視されています。
旅行先で注意すべき犯罪やトラブル
海外で遭遇しやすい犯罪やトラブルには、定番があります。治安の良し悪しにかかわらず、海外であればどこでも注意すべき基本から、治安の悪い国ならではの信じられないアクシデントまでを紹介しましょう。
スリ・置き引き・ぼったくり
これらは、治安の良い国であっても気をつけなければならない、海外に行く際の鉄則といえます。
市場や駅など人の多い場所では、スリや置き引きが多発します。
ひったくりはバイクや車で接近して一瞬で奪い去るケースが多く、抵抗すれば怪我を負う危険も。旅行者は特に狙われやすいため注意が必要です。
また、詐欺やぼったくりも日本人が狙われやすい犯罪です。観光客をターゲットにした詐欺やぼったくりは世界中にありますが、治安の悪い地域では悪質な手口も目立ちます。偽の警察官やガイド、法外な料金を請求するタクシーや店などが代表例です。
暴行・性犯罪・誘拐
治安の悪い国では、強盗や暴行、性犯罪のリスクも高まります。夜道や人気のない場所での事件が多く、特に女性旅行者は標的になりやすい傾向に。
外国人が金銭目的で誘拐される事件も起きており、組織的な犯行もあります。
クレジットカードのスキミング・不正利用
カードを盗み取ったり、情報を読み取ったりして不正利用するスキミング被害も治安の悪い国では頻発します。
被害に気づくまでに時間がかかりやすいのもやっかいな点。特に露店、ガソリンスタンド、非正規のATMなどが要注意ポイントです。
薬物
薬物の密売や使用が日常化している地域もあります。知らずに違法薬物を所持させられて、終身刑などの重い刑罰を受けるケースもあり、空港や宿泊先でのすり替えなどに注意が必要です。
銃撃戦
治安が極度に悪い国では、銃撃戦が日常的に起きています。観光客が巻き込まれる可能性もゼロではなく、街中で突発的に発生するケースも。
銃撃戦では、動くものが標的にされます。できれば物陰に隠れ、騒ぎが収まるまで静かにやり過ごしましょう。
暴動・政変・クーデター
治安の悪い国では突発的なデモや暴動が起きやすく、観光客が偶然現場に遭遇してしまうかもしれません。怒号や投石、放火、催涙ガスが飛び交うなかでは身動きが取れなくなる危険性があります。
また、政情不安が続く国では、政変やクーデターが突然発生するリスクがあり、空港閉鎖や通信遮断、市街地封鎖といった混乱が起こる可能性があります。旅行者は退避が困難になり、長期にわたり足止めされる場合もあります。
未処理の地雷
一部の戦争経験国では、未処理の地雷や爆発物が残る地域があり、観光客が立ち入ってしまう事故も報告されています。地雷原の多くは農村部や国境付近にあり、ガイドなしでの移動は極めて危険です。
海外での安全な旅行のための対策
ここでは旅行者が巻き込まれやすい犯罪への対策を紹介します。
治安が悪い国には、大前提として近づかないのが基本です。ランキング上位の国は、たいてい外務省の「退避勧告」や「渡航中止勧告」が出ています。しかし何らかの理由でそこに行かなければならない場合は、ここで紹介する対策を徹底することでリスクを下げられるでしょう。
注意したいのは、治安の良い国であってもこれらの対策は必要な点。行き先の治安が良いほど気も緩みやすいので、一層注意を高めるようにしましょう。
渡航前の情報収集
まずは行き先の安全情報を把握しておくのが最優先です。最低でも、外務省の海外安全ホームページとその国にある大使館のウェブサイトはチェックしましょう。治安が悪い国の場合は、事前の情報収集は命に直結する重大事です。
外務省の「 たびレジ 」は、日本語での旅先の最新安全情報を無料で受信できるおすすめのサービスです。
実際に現地に到着した後は、ホテルやガイドから周辺の危険エリアなどの情報を入手するとよいでしょう。
その土地の風習や法律について注意点がないかも把握しておく必要があります。日本では常識だと思われていることが、とんでもない失礼や法律違反になる場合があるので要注意です。
犯罪に遭う前提で保険や連絡先の備えをする
犯罪には遭遇するもの、という前提で準備をしましょう。旅行保険への加入は必須です。
緊急時には動転して落ち着いた行動ができないので、以下の情報は調べてメモに控えておきましょう。
パスポートや保険証券のコピーも必ず用意しておきましょう。
治安の悪い地域に近づかない、一人で行動しない
治安が悪いエリアに近づかないのも海外旅行の基本。都市の一部がスラム化している場合も多く、そういった情報は事前に把握しておきたいところです。
また、事前の情報にかかわらず、人が少ない場所や雰囲気がよくない場所を見かけたら、すぐにその場を離れましょう。
昼間は安全な場所でも、暗くなると危険なことは少なくありません。治安の良い国でも夜には犯罪発生率が上がるので、夜の一人歩きは厳禁です。
特に治安が悪い国では、時間や場所にかかわらず、出歩くこと自体がリスクです。単独行動は犯罪やトラブルの標的になりやすいため、できるかぎり複数人で行動しましょう。
貴重品や現金は分散させる
被害に遭った場合に備えて、財布やパスポートなどの貴重品は1か所にまとめず分散させましょう。現金は財布だけでなく靴の中などに分けておくのがおすすめです。
ホテルのセーフティーボックスを利用するなどして、持ち歩く現金や貴重品は最低限に。ホテルの清掃員が貴重品を盗むこともあるので、ただ部屋に置いておくのはいけません。
出歩く際は、バッグはしっかりと閉じて前に持つようにしましょう。首にかける防犯ポーチがあると便利です。
財布をポケットに入れない、スマホは必要な時以外は出さないなども徹底しましょう。
目立つ服装・行動は避ける
いかにも観光客だと分かる服装やふるまいは、犯罪者にとって恰好のターゲット。現地の人々に近い服装を心がけ、派手なアクセサリーなどは控えましょう。
また、街中で立ち止まる、きょろきょろするなどの行動も、標的になりやすいので要注意です。
ただし、目立たないようにしつつ、周囲の様子には気を配らなければなりません。デモや集会を見かけたり、銃声・怒号・群衆の気配を感じたりしたら、すぐに離れるようしましょう。
タクシーは配車アプリ(Uber・Boltなど)を利用
流しのタクシーはぼったくりや誘拐のリスクがあります。タクシーはUberやBolt、Lyftなどの配車アプリを使って手配しましょう。宿泊しているホテルを通して手配してもらうのもよい対策です。
また、安易に人を信じないことも大切。親切そうな現地人や日本語で話しかけてくる人には警戒すべきです。特にお得な商品やガイドの申し出はきっぱり断ってください。
部屋など隔絶された場所で二人きりになるのも厳禁です。
安全な旅は正確な知識から
世界には紛争、貧困、テロなどの影響で治安が悪化している国や地域が数多く存在します。旅行や留学、移住を検討する際は、単なるイメージではなく、客観的なデータや現地の情報を参考にするのが大切です。
まずは信頼できる情報収集から、安全な第一歩を踏み出してください!
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