清浄の石、セレナイト

冷えきった空気が、耳をつんざいてきます。
そんな木枯らしを受けながら待ち合わせをしていた駅前で、季節に取り残されたすすきが揺れていました。
風に揺れる綿毛は時折空に舞って、空をお掃除しているかのよう。

セレナイト01

ゆらゆらと揺れるすすきですが、あの穂は意外にも固く、しっかりしているんです。
うっかり刺さると痛いほどに……

幼少期、地元のすすき野原で採ってきたすすきやおぎたちを使って、小さなほうきを作りました。綿毛を取るのが難しく、洋服についた毛を何度も払おうと苦戦した記憶があります。
紐を巻くにも子どもの力では弱々しく……伝統工芸の難しさと尊さを学びました。
あのほうきはどこに行ったのやら……。

そういえば、ほうきは、安産祈願のお守りや魔除けのお守りにされますね。
年内最後のお掃除、厄祓い。
今年のことは今年のうちに。
年を越す前に、自身もご自宅も浄めてしまいましょう。

さて、本日紹介するお石は、そんな年末の浄化にピッタリなあの石です。

今月の石セレナイト

セレナイト02

白く繊細な見た目を持つ、セレナイト。
和名を『透明石膏』といい、その名の通り無色透明の石膏がセレナイトと呼ばれます。

セレナイトの仲間には、砂漠の薔薇ことデザートローズがいます。
デザートローズは、セレナイトローズとも呼ばれるようです。

ふたつの石を見比べると、見た目こそまったく違えど、その石肌から親族であると納得させられるので面白いです。

セレナイト03

ところで、石膏といえば、美術の授業やアーティストにより彫刻として親しまれたり、医療現場ではギプスとして使用されたりと、私たちの身近に存在する鉱物ですね。
彫刻やギプスなどは、石膏の柔らかさを活かしてのことですが、宝石としてはその柔らかさが少し欠点にもなります。

ビーズパーツとして使用されることが少ないのは、人の爪で弾くと傷がついたり、剥がれてしまうほどに脆い素材だからですね。とても繊細なので、加工されることに向いていないのです。
衝撃で割れてしまう、なんてこともあるので、扱いには注意しましょう。

ただ、その繊細さからもわかるように、周囲への浄化力は優しさそのもの。
ゆったりと包み込むように浄めてくれるその力は、普段は気づかないところにまで行き届いてくれます。

セレナイト、という名前はギリシャ神話に登場する『月の女神セレーネ』が由来とされます。
日本の月の神様といえば、月読命(ツクヨミ、もしくはツキヨミ)ですね。
月読命は夜を統べる王のような印象ですが、セレーネは違います。

セレーネは額に月の飾りを着けた絶世の美女であり、全能の女神、とも呼ばれるようです。
恋多き女神でもあり、想い人の願いを叶え、毎夜彼のもとへ抱き締めに向かうなど、なかなか健気で行動的な女神様です。

セレナイト04
Diana and Endymion (C. 1675-1680)Luca Giordano (Italian, 1634-1705)

月は、太陽と共にあり、常に私たちを天空から優しく見守ってくれています。
セレーネは全知全能の神ゼウスと共に、麗らかに人々を見守っています。

そんな彼女の名を冠したセレナイトは、まさに全能の石として効果を発揮するのです。
今日は、その中でも代表的なふたつの魅力を紹介していきます。

優れた浄化力

セレナイトの魅力ひとつめは『浄化』です。

さて、浄化・浄めの石というと、最も有名な石は、やはり水晶(クリスタル)でしょう。クリスタルはその無垢な体に清廉な浄化の力を宿し、持ち主・空間・ほかの石など、場面を問わずに浄めてくれます。
お手入れもしやすく、流通も多い親しみ深い石。
その手軽さから、水晶を持っている方は多いことでしょう。

しかし、セレナイトも浄化の石……
けっきょくどっちを持てばいいの?

そんな疑問への私なりの答えの前に、ふたつの石の違いを簡単に紹介しますね。

水晶とセレナイトの使い分け

水晶とセレナイトは、端的に述べると、浄化を及ぼす力の範囲が異なります。
水晶は場面を問わない、といいましたが、それは水晶が様々な形・色・加工された姿を持っているからです。
このシーンではこの水晶、と選ぶのが楽しいのも水晶の長所。

その点、セレナイトはそのままの姿で様々な場面に働き掛けます。

石膏ですので、特にインテリアとして優れた見た目に加工されることが多いセレナイト。その見た目から、空間の浄化に適していると考えられるかもしれません。
それも間違いではないのですが、空間だけでなく、その場にいる人・石、それぞれを浄めてくれます。

セレナイト05

さすがは万能の女神の名を持つセレナイト……侮れません。

水晶とセレナイト、どちらを使うべきかは『どのように使いたいか』で選ぶと良いでしょう。
・シーンごとに使い分けたいならば『水晶』
・バランスよく満遍なく使いたいならば『セレナイト』

実際にあなたがその石を持っているところをイメージすると、わかりやすいかもしれません。
お部屋の中で? お出掛け先で?
どのように浄化の石と付き合っていきたいでしょうか。

優しく広がる鎮静作用

セレナイトの魅力ふたつめは『ヒーリング』です。

ヒーリングといえば、石好きの方ならばまず『三大ヒーリングストーン』が思い浮かぶのではないでしょうか。

三大ヒーリングストーンとは、
・スギライト
・ラリマー
・チャロアイト
の三種類の石のことで、それぞれ強い癒し効果を備えています。

精神面に働き掛けてくれるといわれ、疲弊した心に特効薬としてスギライトを!なんて方も少なくないことでしょう。

セレナイトはその中に名を連ねてはいませんが、実は強い癒しの力を隠し持っているのです。
それこそが、鎮静作用です。

昂った心を鎮め、リラックスを促してくれます。これは同じ月の名前を持つ、ムーンストーンと働き掛けが似ているかもしれません。

夜空に浮かぶ月は、優しく私たちを照らしてくれます。
そんな月、そしてその化身であるセレーネのように、ゆっくりと囁くようにして癒してくれるのです。

セレナイト06

三大ヒーリングストーンは、それぞれ癒しの力の強さや効果時間が異なります。

スギライトは、前述で『特効薬』と比喩したように、短時間で強力に、一点特化で働き掛けてくれるようなイメージです。
ラリマーは、その見た目に浮かぶ水面のように優しく、ゆったりと包み込むようにじんわりと働き掛けてくれるようなイメージです。
チャロアイトは、心の深くを撫でるように、励ますようにして、自身と向き合う時間を作ってくれるようなイメージです。

対して、セレナイトは、月がいつでもそこにあるように、ふと気づいたときに「落ち着きなさい」と諭して癒してくれるようなイメージです。

ひと言でヒーリングストーンと言っても、それぞれに特徴があり、『今、私が必要としている石』はいつも同じではありません。三大ヒーリングストーンのうちのひとつが良いときもあれば、セレナイトのような優しさが必要なときもあるかもしれません。
そのときに必要な癒しを、見比べてみてくださいね。

2022年のしめくくりに

思い残したことはありませんか。
やり残したことはありませんか。

新年が近づいてくると、なんだか心がふわふわと、そわそわと、落ち着かなくなってきます。
来年は何をしようかな、どんな一年になるかな、あれもやりたい、これもやりたい。
いやいや、来年のことを言うと鬼が笑います。

まずは今年をしっかりとしめくくりましょう。
セレナイトの力で気持ちを落ち着けて、隅々まで浄化して。

埃を被ったものはありませんか?
納め忘れたものはありませんか?

2023年になってから、2022年に後ろ髪を引かれないように。
今一度セレナイトと共に、目を皿にして確認してみましょう。

心地よい空間には、きっとセレーネのように麗らかな神様が……もしくは、月読命がツキとともに訪れてくれるかもしれません。

さあ、歳神様を迎える準備は整いましたか?

セレナイト:関連アイテム

浄化皿

セレナイト丸皿 8cm
セレナイト丸皿 8cm
セレナイト浄化六角皿
セレナイト浄化六角皿
セレナイトボウル 8cm
セレナイトボウル 8cm

ランプ

セレナイトランプ15cm
セレナイトランプ15cm
セレナイトランプ35cm
セレナイトランプ35cm

そのほか

セレナイトタワー20cm
セレナイトタワー20cm
セレナイトテレビ石四角 S
セレナイトテレビ石四角 S
セレナイト 6cm丸玉
セレナイト 6cm丸玉
セレナイト玉台 6cm
セレナイト玉台 6cm
セレナイト16

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成長を促す石 カイヤナイト

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