太陽で色が変化する?!ウランガラスの魅力

歴史的な建物が多く、アンティークな雰囲気が漂う中欧の国チェコでは、少し街を歩くだけで美しいガラス製品に出会えることができます。
私は、かつてチェコに3年間住んでいて、ガラス製品がたくさんのチェコ人や観光客に長く愛され続けている様子を見てきました。

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ガラス産業は、中世から受け継がれるチェコの伝統産業。
チェコのボヘミア地方は、イタリアのベネチアと並び、高級ガラスの二大生産地の一つです。
ボヘミア地方で作られる「ボヘミアンガラス」は、透明度が高くて硬く、丈夫なことで有名。

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チェコの首都プラハにあるお土産屋さんを覗けば、細かい模様が彫られたボヘミアングラスをはじめ、ガラスの香水瓶や爪やすり、ガラスビーズを使ったアクセサリーやガラス細工が並びます。プラハにはアンティークショップも多く、ガラスケースの中に、昔ながらのチェコの伝統を受け継いだガラス製品を見ることができます。
繊細で美しいチェコのボヘミアンガラスに思わず目を奪われ、時間を忘れて長居してしまう、素敵な空間です。

クリスマスには、チェコガラスで作られた小さなクリスマスツリーが店を彩ります。
チェコ各地で行われるクリスマスマーケットには、ガラスで作られたオーナメントを売るお店もあるんだとか。
ガラス産業が深く根付くチェコならではの文化なんですね。

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そんなチェコのボヘミア地方で作られているボヘミアンガラスの中に、珍しいものもあります。
皆さんはウランガラスというものをご存じでしょうか?
今回は、知る人ぞ知るチェコ発祥のガラス、「ウランガラス」についてご紹介していきます。

チェコガラスの商品一覧は こちら から

ウランガラスってなに?

黄緑色に輝くウランガラスは、チェコ発祥のとても貴重なガラス。

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ごく微量のウランを使って色を付けているので、紫外線に当たると色が変化します。UVライトを当てると蛍光色に光るのはもちろんですが、太陽の光に含まれる紫外線でも色は変わるんです。
太陽の光を受ければ、色はほんのり変化。時間帯や天気によってちょっとした違いを感じることができる、ユニークなガラスなんですよ。

ウランガラスは1834年にチェコのボヘミア地方で実用化され世でてきました。
太陽の光に当たると蛍光色に光るユニークなガラスとして、チェコの人々に親しまれてきました。

食器や花瓶などの家庭用品にも使用されていましたが、1940年から始まった冷戦の影響でウランの入手が厳しく制限されたため、広く使用することは難しくなってしまったそうです。かつて作られていたグラスや食器類は、骨董品として愛されるようになりました。

今では、ガラスボタンやガラスビーズなどの小さなものに、ウランガラスが使われていることが多いです。近代的なデザインのグラスや、日用品も売られています。
チェコのアーティストの中には、ウランガラスの光る特性を利用して、幻想的なアート作品を作っている人もいるんだとか。

ウランと聞くと人体に影響があるのでは?と思うかもしれませんが、使われているウランはごくわずか。
自然から浴びる放射線量よりも少ないので、安心してお楽しみいただけますよ。

ウランガラスには違う色もあるの?

色のついたガラス製品を作る時は、ガラスの原料に金属酸化物を入れることで色をつけます。
入れる金属の種類によって色は異なりますが、ガラスの原材料にウランを入れると、緑色に変化します。

けれど、ライトピンクやワインレッドのガラス製品も、ウランガラス製品として売られていることがあるんです。
ウランガラスは一般的には黄緑色として知られていますが、これはどういうことでしょうか?

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実は、ウランガラスの色は、ウランの量や酸化状態によって変わるからなんだそう。
多少ですがウランの量が多いほど、黄色が強く出て、より強く蛍光するんだとか。

ちなみに透明なウランガラスの他に、乳白色のウランガラスもあります。
乳白色のウランガラスのほうが良く光りそうなイメージがありますが、乳白色になっているのは酸化カルシウムなどの結晶が関係してくるので、光る量は透明なものと変わりはないんです。

ウランガラスは見た目でわかるの?

紫外線によって蛍光色に光るウランガラスですが、蛍光色をしっかり確認するためには、UVライトを当てないとわかりません。写真で見ると、見た目は普通のボヘミアンガラス製品と変わらないように見えます。
しかしながら、実際に見てみると、普通の黄緑色のガラスとは違った雰囲気を感じることができます。

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実は、私がチェコで入手したガラスボタンの中に、ウランガラスのものが混ざっていました。
チェスキークルムロフの博物館にある、天然石モルダバイトよりも明るく、透明感のあるガラス。

購入する時にウランガラスの製品だと伝えられた記憶もありませんでしたが、UVライトを当てると蛍光色に輝いたことでウランガラスであると知りました。
妙に心惹かれて購入したガラスボタンは、ウランガラスならではの魅力を醸していたのかもしれません。

購入したのは1年以上前ですが、透明な濃い緑色のウランガラスに金の装飾が付いたボタンで、光に当てると綺麗だと感じたのを覚えています。
白いニット帽子に縫い付けるために購入したのですが、雪が降るプラハでは錆びてしまうのではないかと思い、帰国するまでしまっておいたものでした。

ウランガラスのガラスボタンだと知って見てみると、確かに紫外線の量で微妙な色の違いを感じます。
何度見ても飽きない魅力的なガラスなので、太陽の光がよく当たるように身につけてあげたいなと思いました。

プラハのアンティークショップに並べられている食器やグラスの中にも、私が買ったガラスボタンのように、もしかすると、ウランガラスのアイテムが混ざっているかもしれません。

ウランガラスを使ったガラスボタンは貴重

チェコの首都プラハの街中を歩くと、手芸用品店やビーズ専門店を見つけることができます。手芸用品店でもビーズは売られているし、ガラスビーズを使ったブローチや小物のキットなども売られていました。
チェコに行けば、ガラスビーズはすぐに手に入れることができるんです。

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しかしながら、ガラスボタンはなかなか手に入りません。
実はガラスボタンはチェコ人よりも日本人に人気があり、チェコ国内ではあまり流通していないんです。プラハ市内にあるガラスボタンの専門店から購入するか、工房から直接買われている方から購入するしかありませんでした。
工房のあるヤブロネツに足を運んでも、個人で少しだけの購入はできないそうです。

チェコのガラスの町「ヤブロネツ・ナド・ニソウ」に足を運んだことがあります。
私は工房ではなく博物館に行きましたが、ガラスを流し込むボタン型やガラスボタンのコレクションなど、過去の貴重な展示を見ることができました。

ガラスボタンは、1つの伝統工芸品です。
ガラスボタン自体が、昔からの伝統を受け継いだ貴重な作品となりつつある今、ウランガラスのガラスボタンを手に入れる機会はあまり多くはありません。

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時間や天気によって色が微妙に変化する魅力的なウランガラスのガラスボタンを手に入れることができたら、太陽の光がよく当たる形で身につけて、色の変化と一緒におしゃれを楽しみたいですね。

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